竜の奥さんがわたしのブログに訪問するようになって一週間が経ちました。
わたしと友人とでランチをしていた時に竜から電話が入りました。
珍しいなと思いました。
「もしもし?」
「美英、ブログやってるのか?」
沈んだ声で竜が訪ねてきた。
(もうバレたのか、早いな)
「うん、やってるよ」
「・・・・」
「それがどうしたの?」
平静を装い訪ね返した。
「嫁が美英のブログを見つけて騒いでるんだよ」
(ああ、知ってるよ)
「ふぅ~~ん、それで?」
「すぐにブログ辞めてくれ、なんでこんな事をわざわざするんだ?
俺たちの関係を壊したいのか?」
「今はランチ中だから退会できないけど、家に帰って退会すればいいんでしょ?」
「ああ、そうしてくれ」
友人が心配してたので事情を説明すると、
「美英さんは熱いよね~、わたしなんか情熱を燃やすものなんか何もないからさ~」
「そうだよね~、年甲斐もなく、自分でもよくやるよって思ってるよ」
ランチを終え家に帰り、早速ブログの退会手続きを済ませた。
面白くなかった。
記事を一つ一つ消去しながらムカムカしていた。
竜との思い出が消えていく。
なんでわたしだけがブログを辞めなくちゃならないの?
日陰の身だから?
大手を振って陽を浴びてる奥さんが憎くて仕方なかった。
(いなくなれ、竜のそばから)
わたしはやり場のない怒りを竜にぶつけるようになっていきました。
こんなに嫌な女にさせたのは竜のせいなんだから。
「早く家から追い出してよ、あんな女」
「早く離婚してよ、いつまでわたしを待たせる気なの?」
「・・・・・」
「もう辞めてくれ、俺を傷つけて、俺を攻撃して何が楽しいんだ?」
「アンタ約束したよね?わたしを幸せにするって、わたしに言ったよね?」
竜は黙ったまま何も言わなくなってしまった。
わたしは今まで誰にも心を開けなかった。
心を開いて傷つくのが怖かったからだ。
そんなわたしの心を開いてしまった竜。
もう竜を失う事はできない。
竜はわたしの体の一部なのだ。
そう、失えば生きてはいけない。
わたしはどうしたらいいのだろう。
もう後戻りは出来ない。
このまま進むしかない。
自分のブログは仕方なく辞めたが、奥さんのブログはコソコソと読みにいってた、だが、
ある日を境に更新さえれなくなっていた。
どうしたんだろう?
嫌いなヤツなのに気になって仕方がなかった。
竜に尋ねて怖くなった。
それって、わたしのせいなの?