拓也、危機一髪!

 

「拓也も男だし、魔がさすってことも・・」アンナは自分のバク乳とエロに自信を持っている。「確かに、それは言えるわね。アンナのバク乳とエロで誘惑すれば、もしかして、ゲットできるかもね!」さやかはやけくそ。「それじゃ、どうやって誘惑するかだな。第一、アンナとなんかデートしないし~。誘惑しようがないか!」アンナは商売道具のバク乳を持ち上げてじっと見つめた。さやかはバク乳を見るたびにムカつくが、この際、このバク乳を使ったお芝居を考え始めた。

 

「そこを考えるのよ、まず、アンナと拓也が二人っきりになることができなければ、無理でしょ」さやかはシェークスピアになっている。「そうそう、さやか、さえてるじゃん。それで」アンナは子供のように大きく頷く。「まず、アンナを大金持ちのお嬢さんに仕立て上げるの」さやかはいつもの妄想に入り込んでしまった。「それは無理よ、中学校もまともに行ってないのに」アンナはお嬢様が大嫌いだった。

 

「大丈夫だって。アンナは妾の子で、本当の父親は大金持ちということにするの」さやかの作り話が始まった。「なるほど、それで」アンナはその気になってしまった。「病弱な母親を助けるために、高校卒業後はSデパートで働いていることにする。どう~?」さやかはシナリオに酔っている。「いいけど、今やっていること聞いたら、気絶するかも」あまりにも現実離れした話にあきれている。

「アンナはさやかのシナリオ通りにやればいいの」さやかは先生のような口調で言う。「わかったよ」アンナは両手を両膝の上に置いてまじめな顔。「それで、実の父親が罪滅ぼしに面倒を見てくれることになったことにする。だから、靴も、服も、持ち物すべて上品なものに替えてしまうの。いい、これからが勝負よ。お父様の別荘が軽井沢にあるのね、そこに三人で遊びに行くの」さやかの目が輝いている。

 

「別荘なんか、どこにあるのよ」アンナの目が飛び出してきた。「心当たりがあるのよ」さやかはにんまり笑う。「そうなんですか。それで」アンナは今まで話した事がないような丁寧な口調で、相づちを打つ。「ぜひ、有名な先生に使っていただきたいと、お父様が申しておりますと、さやかが拓也に言う」さやかは自分の出番に心がウキウキ。「やってみましょうか、それで」アンナはさやかの肩をギュッと抱きしめる。

 

「うまいこと言って、拓也を別荘に連れて行く。夕食後、最高級のブランディーを飲みながら絵の話を持ちかける。ほら、拓也って印象派の絵の話が好きでしょう。話しているうちに、飲みすぎると思うのよ。そこで、酔い始めたら、さやかが急に吐き気を催して部屋を飛び出していく。後は、アンナの出番って言うわけ。すばやく、浴衣を脱ぐ、男を虜にする甘いローズの香水、揺れるバク乳、鼻血が飛び出すような赤のTバック、そこで、優しく介抱しながらギュッと抱きしめる。拓也は酔っているから、アンナの肌に触れればきっと手が出ると思うの、どうかしら?」自信満々のさやか。「おもしろそうね、やってみますか!」バク乳でさやかの顔をはさむ。

 

 
 

 拓也の正夢  

 

赤のTバックビキニのアンナ

ピンクのフレアスカート水着のさやか

コーヒーカップに乗ったさやか、アンナ、裸の拓也たち

ジェットコースターを見下ろしながら

風を切って青空を飛ぶ

 

「タクヤってば!彼女いないの?つき合っている人いないの?」アンナがいつもの調子で機関銃を向けた。「いない」あわててあそこを隠して答える拓也。「大変ね!」アンナが笑う。「別に」とあっちを向く。「男の人って、溜まるんでしょ、うふふ・・」アンナは拓也のあそこを覗く。「一人でやってるよ」拓也が冗談を言うと、「あらま、寂しくない?」アンナはまた、あそこを覗く。

 

「アンナさん、結婚はどうですか?」と訊ねると「年金ホームに入ったころにでもね」笑いたくても笑えない返事。「子供はほしくないの?」とアンナに訊ねたところ、「ほしいよ」と言うので「すぐに、結婚しなさい」と父親のような一言。「子供はほしいけど、男はほしくない!」と理解に苦しむことを言うので、「アメリカ本国に行けば、自分の好きな種が買えるらしいよ」と冗談のパンチ。

 

「種は買いたいけれど、日本人のも売っているの?」アンナはマジに言う。あきれた拓也は「当然だよ」といいかげんな事を言う。「今、ほしい種があるんだけど」とアンナは拓也のあそこをじっと見つめる。「だったら、買いに行けばいいじゃないか」と言ったところ、「まだ売ってないのよ!」笑って叫ぶ。「早く発売されるといいね」と拓也が無責任なことを言ったところ、「発売はムリみたい」とアンナの悲しそうな顔。

 

「だったら、あきらめる以外ないね」と意地悪を言う。「子供はかわいいね、アンナ、産みなさい。応援するから」突然、わけのわからない援護射撃をするさやか。「お願いすれば、売ってくれるかも?」異様な笑顔を発射するアンナ。「買うことばかり考えずに、恋をしなよ」ともっともらしいことを言うと、「恋も、愛もいらないの」とアンナのしらけた返事。「それじゃ、永久に種は手に入らないな」と男の意見を言ったところ、「心当たりがあるの!」また、アンナは拓也のあそこをじっと見つめる。

 

「どこだ?」真っ白い部屋。眼鏡のせいか?いや・・・とにかく白の空間。「いったい、誰のいたずらだ」僕も真っ白。「え!」真っ裸。「これは許されん。おーい!出て来い、いたずらっ子。おーい!」声までも真っ白。あんなところに人の白い線が浮いている。動くぞ。男か?女か?あれは見知らぬ男。他にはいないのか?「あいたた!」しりもちついたじゃないか、と言うことは僕も浮いていたわけだ。

 

春日信彦
作家:春日信彦
拓也、危機一髪!
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