生きるということ、働くということ

話( 8 / 12 )

8.3つの”そう”と共に生きる(2)

それはそれでいいとは思っているのですが、ちょっとした無駄とも思える会話を

楽しむことが、実は仕事の効率を上げているような気がしてなりません。

同じ職場の人同士の他愛もない会話と素振りが、

お互いの仕事の内容の理解を深めているような気もするのです。

 

仕事に忙殺されることが多くなったせいか、行員同士の言い合いも多くなりました。

いつしか言葉を交わすこともなくなってくるのでしょう。

ぶーすかも一概ではありません。

「呑気そう」と言われているぶーすかでさえ、隣に座っているひずみんから、

電話中に「べらんめぇ口調、禁止っ!」というメモを渡されます。

ぶ「こちらに聞いてくる質問のレベルが違うんだよ。課長はいねぇのかよ。」

聞けば、そこにお客が座っていると言います。

カチッと頭にきて、思わず口をついて出た言葉だったのです。

なのに課長が忙しいからと聞けず、本部に電話をしてくる。

どうして課長がいるのに、顧客対応に出ないのか?

こちらから電話を代わってもらって、「悪いけど、そこに座っている客の対応をしてもらえる?」

そして、また5~6分後にきちんと終わったのか確認もする。

そんなことも出来なくなってしまったのか・・・。

営業店の課長に、どうして顧客対応してねと依頼しなくてはいけないのか。

何がどうなってしまったのかも分かりません。

話がそれましたが、まさしくコミュニケーションが取れていない証なのだと思います。

 

無駄話が、職場の人間関係を救う。

無駄話が、仕事の効率を向上させる。

 

ちょっと、大げさではありますが、そんな考え方の姿が

「呑気そう」「暇そう」「何も考えていなさそう」とうつるのかもしれません。

 

能力主義とか効率主義、実力主義の世界なんて言われ、

仕事は個人経営みたいなものですと言い切る人がいますが、

果たしてそれでいいのでしょうか。

行員同士や顧客との関係が冷たくなってきているのは、

きっと言葉足らずで、お互いのココロが真の意味で伝わらないからでしょうね。

 

「呑気そう」「暇そう」「何も考えていなさそう」と

周りににうつる自分を、もう少し続けてみてもいいのではと思っているこの頃です。

話( 9 / 12 )

9.若手行員だった頃を思い出して(1)

さて、今日は自分の若い頃を、若手行員との電話で思い出したので、それを1つ。

ある営業店で大きなミスが起きました。

書くと長くなるので、「大きなミス」ということで止めておくことにしましょう。

とは言っても気になる読者の方のために一言で表すとするなら、

保険に入ったはずなのに、「死んだら保険がききません。」

 

?????????

 

正直な感想ですね。完済する年齢が違っているために保険が効かなくなってしまったのです。

「お客さんが死んだら、その事実が発覚する。」

そんな怖いことが起きてしまったんですね。

まぁ、もちろん間違っているので修正をしなくてはいけない訳ですが・・・、

当の本人(担当者)としては、とても気にかかることでして、

多分ぶーすかだって、その事実を知ったら血の気が引くでしょう。

3年目の子が起こしてしまった大きなミス・・・。

 

ぶーすかの元に一報が入ってから対処するために、まず事実確認を行うこととなったのですが、

既にその3年目の子には、そのミスが前にいた支店から伝わっていました。

6月に仕掛かっていたようですが、7月に他の支店へ転勤。

引継で、その重要な事実を引き継がなかったために、後任者のミスを引き起こしたのです。

保険部署からも連絡が入るし、前の店からも連絡が入るし、そこにぶーすかからも・・・。

本人としても分からないながらに、大変なことが起きていることが認識できるようです。

 

話していると、最初は「いやぁ・・・、覚えていません。」とそらすのですが、

「こうじゃないのか?」と優しく諭すように言うと、やっと記憶を取り戻したように言い出すのです。

「そうだったかもしれません。」

 

そんな話をしばらくしていました。担当者も3年目ですから業務も慣れた頃で強気でした。

担「でも保証会社だって保証してるんだから、僕悪くないっすよ。」
ぶ「お前の言う事はよく分かる。そもそもな・・・。」

話( 10 / 12 )

10.若手行員だった頃を思い出して(2)

ぶ「そもそも、君みたいな3年目の担当に責任なんてないんだよ。検印をする人がいるんだから。」
担「初めてですからね。きちんと責任は取りますよ。」
ぶ「だからな、責任なんていうのは、担当者にはないのと一緒。担当は作業員なんですよ。担当は書類の形式を整えるので精一杯。それをカバーしてくれるのが、君の上席なわけ。」
担「・・・・。」
ぶ「もちろん間違えないように仕事をしてもらうのがベターだよ。でも、色々なことを考えながらするだろ?」
担「はい。」
ぶ「そんな担当に完璧を求めてはいけないんだよ。」
担「はい。」

 

ぶ「そうは言っても、こう言っているぶーすかだって、君の頃に結構どっかんどっかんミスをやっているからね。」
担「そうなんですか?」
ぶ「そうだよ。ぶーすかなんかね、A社の積立の定期を契約していたのに、その積立金を全然関係ないB社から落としていたんだからね。
担「え?そんなことありえるんですか?」
ぶ「って、思うだろ。今の君と一緒だよ。みんながスルーしちゃうと大変なことになるわけ。」
担「僕だったら、そんなのしたら、マジで焦ります。」
ぶ「俺だって焦ったって。目の前が真っ白とはこのことだと・・・。なんせ1年間気付かなかったからね。」
担「え~~。」
ぶ「満期が来ましたよって言ったって、そんなのしてたっけって。」

 

まだいい加減な事務の会社も結構あって、その隙間にはまってしまったんですね、すべてが・・・。

落とされている方も気づかなかったし・・・。もちろん大変でした。

違う会社から勝手に預金を引き落としているんですからね。

原因は、ぶーすかが親切のつもりで代筆で書いた口座番号。

これを書き間違えたのです。そしたら、たまたま他の会社の口座番号に合致したのです。

偶然もいいとこ、宝くじだったら億を稼げてしまうかもっっ。

 

担「そんなことは、ぶーすかさんなんてしないと思っていました。」
ぶ「電話で話していると、そう聞こえるのかもしれないけど、俺だって人間さぁ。」
担「はは・・・(笑)。」
ぶ「ただ、その代り間違えは真摯に受け止めないとね。」
担「はい。」
ぶ「どうせ、あれだろ。なんで間違ったんだとか。ミスで大変だとしか言われていないんだろ。」
担「はい・・・。」
ぶ「それじゃ、しょうがないんだよな。」
担「じゃぁ、なぜ、ぶーすかさんは、僕に電話してきたんですか?」

 

ぶ「それはな、今営業店を担っているのは、君みたいな若手が中心なんだよ。」
担「はい。」
ぶ「どういう原因で起きたのか把握しておかないと、他でも同じことが起きるかもしれないよね。」
担「はい。」
ぶ「もし改善されて少しでも楽になるなら、その方がいいだろ。」
担「そうですね。」
ぶ「だから怒りにきたのではなくて、どこで困ったのか聞いておきたかったわけよ。」
担「はい。」

 

ぶ「ただね、よく覚えておかなくてはいけないのはね・・・。」
担「えぇ。」
ぶ「今3年目だろ。仕事にも慣れて少し分かってきたところだからさ、なんで先輩が働かないで、俺ばっかり働いているんだよって思う頃だと思うんだよね。俺がそうだったから・・・。って、思っているだろ?」
担「確かにそうかもしれません。」
ぶ「そして、自分の仕事を知っているんじゃないかと勘違いするのも、この時期なんですよ。」
担「はい。」
ぶ「だけど、こういうミスが起きた時は、担当者では何もカバーできないんだよ。大きな口をいくら叩いてもね・・・。」
担「はい。」
ぶ「だからさ、今回の件では、あちこちから色々と聞かれて大変な思いをしているんだろうけど、いい経験になったと思うよ。2度と同じミスを犯さないようになると思うしね・・・。でもミスを起こしたということはさ、仕事をしている証拠だから・・・、思いっきりやっていいんじゃない。仕事をしなければ、ミスは起きないでしょ。歩かなければ転ばないんだよ。」
担「はい、分かりました。」
ぶ「しっかりと”シン”を持って仕事してな。”シン”はさ、自分の中の仕事に対する”芯”とさ、相手に対する思いやりのココロの”心”だね。きっと出来るよ。信じるのも”シン”か、うはは。」

 

いつしか担当者の声は涙声になっていました。

 

ぶ「おいおい、そこで泣いていると、俺がいじめられているみたいに思われちゃうだろ(笑)。」
担「すいません、一生懸命頑張ります。」
ぶ「だね、元気出して、笑顔で頑張ってくれよ。きっとお客だって大丈夫なはずだから。後は君がいた支店の支店長や副支店長が何とかしてくれるはずだから。」
担「はい。」

 

副支店長とも別途電話で話し、対処方法を他の部とも話し合いの上、決定しました。

夜に客との交渉も無事に終わったとの報告が入り、胸を撫で下ろしたのでした。

きっと転勤して何も出来ずに気にしていた担当者のもとにも連絡が入ったことでしょう。

担当者が10年後や15年後に若手担当者に、そんな話を聞かせてあげる日々がくるように・・・。

話( 11 / 12 )

11.お金の精算方法

お金といっても、お札に関するお話とかじゃなくて精算の話。

お金ランチとかは関係ないのですが、必ずつきまとうのが、

飲み屋などに、みんなで行った時の精算。

同期とかだけならいいのですけど、年代や肩書きなどが

混じった場合・・・、これが結構面倒くさいのです。

 

精算の仕方のパターン

①有無も言わさず、スーパー割り勘(円単位までの一律同額)を適用する。

②スーパー割り勘に届かない割り勘(千円未満だけの調整)を適用する。

③年代や肩書を考慮して割り振る。

④飲んだ量や食べた量を考慮して割り振る。

 

さてのスーパー割り勘派・・これは将軍さま。

若い子でも何でも円単位まで割る。なので、以前将軍さまと若い子たちと一緒に行った時は驚きました。

「飲みに行こうぜ、ふふふぅん~。」なんて言っておいて、仕方なく付いて行ったのにこれでは・・・。

ストレスが溜まるだけで、「一生さよなら」といった感じ。

 

のスーパー割り勘に届かない割り勘

ある程度、オーソドッグスに受け入れられている精算方法。

特に同性同士で行く時に頻度が高い精算方法ですね。

 

は仲のいいグループで男女混合型の場合に適用される精算方法、

または昔から先輩達と飲み歩いて、三つ子の魂の様に叩き込まれた清算方法。

「お前が上になった時には、こうして下のやつの分は出してやるんだぞ。」と。

 

は、よく分かりませんが、たまにいます・・・。

 

今回もそうでした。中華屋に、ぶーすかとひずみんで飲みに行っていたのですが、

そこに白田さんなどが合流してしまい、全部で6人に・・・。

内訳男5人(うち1人は肩書きがありますが若手)に、ひずみん。

別に一緒になるのは構わないのですが、嫌なのは精算です。

大概面倒なので、その日は一括して支払ってしまい、翌日に精算の形を取るのですが・・・。

 

ぶーすかのパターンは、さっきので言うと③派。

若い子や女の子であるひずみんは、肩書きもないので安くしようとします。

総額にもよりますが一番高く払う人が5,000円位だった場合・・・、

ぶーすかは、若い子や女の子を大体1,000円とか2,000円くらいに設定をしてます。

そもそも年収の違いもあるし、若手には面倒なところをやってもらったりしているところもあるので、

そんなもんでいいんじゃないかい?というのが、ぶーすかの考えです。

当然、君たちが先輩になった時には、後輩に同じようにしてあげてねと・・・。

 

でも白田さんは④派。

一番安く設定したひずみんは、先にいたし、たくさん飲んだり食べたりしてたから。

という理由で、一番安く設定しているのは不満というのです。

白田さんの考えは、「そうしないと飲みに行きたいという関係が続かないから。」

まぁ想像はしていましたが、ぶーすかの気持ちの中では、そんなもんはどうでもいいよと思うのです。

毎回毎回、③のパターンでたまに④というなら少しは理解も出来るのですけどね。

関係が続かなければ、考えが合わないだけだから、別に無理して飲みに行く必要もないんじゃない。

飲む量や食べる量をいちいち気にしながら、その時間を過ごすなら、

回転寿司でジョッキでも何でも流してもらって、個別精算でもしたらいいんじゃないと思うのです。

正直言うと、ちまちまとした精算で、ごちゃごちゃ言うなら来なければいいんですよね。

2万円とか3万円の請求をしているんじゃないんですから・・・。

 

白田さんから言われるのは、「ぶーすかがいると単価が高くなる。」

単価が高くなるのは、ぶーすかが飲んでいるからではないと思うのです。

そもそもボトルをキープしているし、店からサービスでボトルが入るので、

そんなにはかかっていないはずなんですね。

ただ何故かみんなが帰らずに時間が長くなるから、飲む量が多くなっているように思うのです。

2杯多く飲めば、単価が1,000円上がる訳ですから・・・。

 

ぶーすかが飲みに行くのは、その日の嫌なことを消毒するため、そして明日に残さないため。

同じ部でもお互い目に見えない苦労を抱えているんですよね。

仕事中に相談しずらかった事が、自然と口に出せたりする。

それを聞いたことによって、他のチームで困っていることが分かって、

他部署との打ち合わせの時に、そのチームのことで役に立ったりすることが出来るかもしれない。

自分のチーム内では聞けないけど、他のチームの意見を聞いたりすることが出来る。

そして同時に他のチームが何をやっているのか把握することも出来る。

 

ぶーすかにとって飲み屋というところは・・・

 

お金の「精算」なんかより、その日のココロの「清算」

 

そんな場所なのです。皆さんにとって、飲み屋というところは、どんなところなのでしょうか・・・。

kobat
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