嘘ばかりの脳卒中リハビリ その実態を斬る! 第1巻(完結)

記事1~50( 30 / 50 )

記事30 ジャックナイフ現象と痙性

こんばんは。

しっかりと寝てしまいました。

ちょっと飲みすぎました(笑)。

さて、今日は、筋緊張のことを説明しておきましょう。

ま、またもですが、疑問を皆さんに投げかけます。

痙性って良くいいますよね。

確かにこの状態は、臨床で認められるものではあるのですが

その説明って、はなはだ疑問が残ります。

錐体路障害(片麻痺を代表とする)の筋緊張亢進の状態を

痙性とすることが多いのですが

痙性の代表的な現象に

ジャックナイフというものがありますよね。

特に肘関節の被動運動においてみられるものですが

では、他の関節ではジャックナイフ現象が

みられるのでしょうか?

いえいえ、なかなかみられるものではないんですね。

どういうことが痙性というのか?

概念とすれば、こういうことになると思います。

筋肉の収縮がない状況において

言い換えれば、筋電図の放電が認められない場合において

ゆっくりとある筋肉をのばしていきます。

その筋肉がもっている(関節拘縮がないということが前提)

最大伸張された状況を想定します。

もちろん、急激な動きであれば、

最大伸張などにかかわらず、逃避反射の固有受容器である

筋紡錘、腱紡錘の感受性(閾値)に変化が見られるわけですが

(なぜならば、それ以上伸ばされると危険ということを

監視するレセプター(受容器)であるからです。)

したがって、ゆっくりとした被動運動を行っていると

受容器の閾値を越えることはありませんが、微妙に反応が起こります。

このときの抵抗感を痙性としていると思います。

そして、最大伸張の直前頃から、逆にレセプターの閾値が上がって

いくようになります(被動運動のスピードがゆっくりであれば、反応

しにくくなっていくのです)。

???

最大伸張すなわち関節のロックがかかることになると

筋肉はそれ以上伸ばされることはありません。

けれど、柔道の腕ひしぎ逆十字ってあるじゃないですか

あれ、肘が過伸展されて、下手すれば簡単に靭帯が伸びたり、

骨折にもつながる危険な関節技です。

そういうような状態になれば、レセプターはそんなことを

のんびりいっていはいられなくなります(もちろん関節にも

激痛がきますけど(笑))。

つまり、筋紡錘とか、腱紡錘とかはね

そういうことの防御反応の見張り番なのです。

それでやっと本題になります。

、、、

、、、

痙性の診方はこうなります。

しつこいですが

筋収縮が認められない筋肉において

ゆっくりと一定の速度で関節運動をおこないます(被動運動)

ジャックナイフ現象が認められる代表として肘関節(伸展)が

ありますけどね

ま、肘を伸ばすようにしていくことにしましょう。

微妙な抵抗感がしばらく続きます。

そして、肘が最大に伸ばされる(つまり肘関節伸展0度に近くなる)

その直前からスーッと

抵抗感が消失します。

これをジャックナイフ(折りたたみナイフ)現象と呼びます。

ちょっと待ってくださいね。

では、ジャックナイフ現象がみられなければどうなのでしょうか?

ここに痙性という概念の落とし穴があります。

もう一度、皆さんに問いかけます。

痙性の代表的な所見にジャックナイフ現象があります。

もちろん、筋電図をあてて動かせば検証することは簡単ですけどね

ある程度抵抗感があるという状態は

微弱ながら逃避反射としての収縮があるはずです。

それが最大伸張される前から消失する。

そういうことが仮説というか、実際にあるわけですけれど

ジャックナイフ現象が認められない場合

仮に筋緊張が亢進しているといっても

それを痙性と判断してもよいのでしょうか?

現場ではあまりにもそのあたり、概念の共通認識がばらばらで

おそらく、そのあたりを誤解している専門職も

相当の割合でいると思うんですね。

おまけの疑問です。

痙性をコントロールするとか、痙性が抑制されるってなに?

脳のどこで、筋緊張をコントロールしているのですかね?

だってレセプターは筋紡錘とか腱紡錘なんですよ。

あとは精神的な緊張でしょ?

良くリラックスしてとか、力を抜いてとかいいますよね。

それって同時収縮が起こっているだけですよね。

それをつかさどるのは運動野からの指令です。

同時収縮と痙性はまったく異質なものです。

力が抜けている状態での被動運動の抵抗感が痙性なのですから

痙性って、脊髄レベルの状況であるはずです。

それなのに、、、

錐体路障害、つまり脳血管障害での片麻痺において

脊髄はその通路ですよね、脊髄でコントロールしているわけでも

ありません。けれど脳のダメージで痙性っていうのは

皆さんはどのように思いますか?

そのあたりのメカニズムを理解するためには

これは脊髄損傷の痙性ということから考えることが必要なのです。

脳も脊髄も中枢神経ですけれど

いまだにリハビリの世界って誤解だらけ、しっかりとした研究が

成されていないように思うのですね。

じゃ、どうして痙性があるていどコントロールできるとか

それって、何が起こっているのか、

科学的に説明してほしいのですけれど、こんなことを思うのは

私だけなのでしょうかね?

また、痙性については追加記事を書きましょうね。では。

記事1~50( 31 / 50 )

記事31 痙性 その概念の理解とは?

こんばんは。

相変わらず1円パチンコをしたりしています。

今日も微々たる物ですが勝ちました。でもね

合計2400円くらいでしょうか?

ま、それでもよしとしておきましょう。

で、今日は朝にも投稿しましたけれど

痙性というものの考え方が根本的に曖昧であること

そして、その理解が正しいものに近ければ近いほど

片麻痺の状況が変わってくるということを説明します。

私はあんまり教科書を読まないほうなんですけどね

今、確認のために昔の教科書を開いてみました。

痙縮(痙直)は錐体路障害で、これがみられるときには

他の錐体路障害を伴っている。

というくだりがあります。このことに特に異論はありません。

しかし、こういう記述があります。

痙縮は屈筋、伸筋のいずれに選択的に起こる。そのため、ある方向に

対しての抵抗が特に大きい。と。

で、このことは、どこにも補足的な説明がありません。

疑問はここにあります。

なぜ、選択的に起こるのでしょうか?

その説明がないのに、どちらに選択的に起こるといいきれるのか?

はなはだ疑問です。

ま、どうでもいいですけど(投げやり)。


こういう説明が成立する理由は

おそらく共同運動パターンに由来していると考えられます。

だって、見かけ上屈曲共同運動パターンと伸展共同運動パターンが

片麻痺の対象者には混在しているためとしか思えないのです。

これでは科学的な説明がどこにもありませんよね。

良く考えてみれば分かることなんですが、結構

医学っていい加減な世界だとあらためて考えさせられます。


ということは、実際の痙性というものは一体なんなのでしょうか?

そして痙性というものがなぜ強化されたり正常化されるのでしょうか?


大胆ですが仮説を立てましょう。

今日、実習生(超可愛い)にも説明したんですけどね(こらこら)。

痙性というものの現象を説明できるものには

ジャックナイフ現象があるだけにすぎません。

ですが、これをヒントとして考えてみますと次のようになります。

ある筋肉(筋群でもいいと思いますけど)が関節拘縮を伴わないで

すなわち、その筋肉が持っている最大伸張まで伸ばされるとき

その手前で抵抗感が抜けるということが

いわゆるジャックナイフ現象です。

したがって、ナイフが開ききらない状態(かなりの程度で関節拘縮が

存在しているということになります)では

当然ですが、ジャックナイフ現象は起きないことになりますよね。

???

???

???

したがって、その筋肉がすでに持っている最大伸張というものを

何によってコントロールされているのかを考えると

その固有受容器は筋紡錘、腱紡錘ということしかできません。

したがって、痙性というものは

ゆっくりとした一定の被動運動のときの抵抗感であり

そのスピードの変化で、抵抗感も変わるという説明にも

裏づけされますけれど

受容器が微弱であるけれど被動運動に反応しているということ

としてもよいと思います。これは、脳からの運動の支配が崩れ

なおかつ脊髄に入る感覚入力(伸張刺激の入力)がある場合に

生じる現象としていいのだと思います。

脊髄損傷の場合では、脳からの神経刺激が損なわれてはいませんので

脊髄レベルで痙性というものを説明しています。

したがって、脳血管障害の場合で痙性という概念を持ち込むのは

本来は間違った認識であると私は考えます。

当然のように被動運動の刺激はいわゆる運動覚とか位置覚とか

そういう感覚刺激とも関係しているのかも知れませんが

それも、実際にはどの程度筋肉が動かされているのかという

その程度は、当然何らかの受容器によって脊髄から脳に送られる

というルートで起こっていますよね。

ですから、実際に被動運動が起こっている場合には

その受容器は微弱ながら反応するということは十分に説明できると

思います。

しかし、私達が屈伸のような反復運動をかなり早いスピードで

行った場合に、それほど抵抗感がなくできることが

日常的に行われているということは

固有受容器の本来のはたらきは

防御反応、あるいは逃避反射ということにおいて説明するのが

よいと思っています。

???

???

だんだん混乱してきましたよね。

もう一度、教科書の説明をします。

被動運動のスピードによって抵抗感が変化する。とあります。

これを瞬間的に角速度をあげてみましょう。

すると、車のシートベルトのように抵抗が強くなり

逆に戻されるような反応がおきるはずです。

これは明らかに脊髄レベルの逃避反射です。

したがって、ゆっくりとした被動運動で

その筋肉が持っている最大伸張に近い状態になれば

当然ですが、もう筋肉が伸ばされるという情報が

ほとんど感じられなくなるはずです(閾値が低下するということ)。

このような反応が、それぞれの筋肉には当然のように

その筋肉の大きさにより、非常に大きな筋肉には

筋紡錘、腱紡錘の数も多くなるわけですから

大きな筋肉において、痙性という現象がどこにおいても

認められなければなりません。

それなのに、教科書では、屈筋か伸筋どちらかに選択的に

痙性が生じると書かれています。これは大問題であると思うのです。

良く理解できなくてもかまいませんけどね。


ジャックナイフ現象が認められやすいのは

誰が考えても肘とか膝とかになると思うんですけど

膝を屈曲させてから伸展させるというのは

姿勢から考えると側臥位か腹臥位で対応するしかありません。

背臥位では重力の影響を受けていますからね。

肘も重力の影響を受けていますよね。

ま、そのことがどの程度影響しているのかわかりませんが

肘を曲げておいてから被動運動として

少しずつ一定のスピードで伸展させます。

何を伸展しているのかというと

上腕二頭筋だけではありませんよね。

肘の屈曲に関係するすべての筋肉を伸展させるということになります。

それぞれの筋肉の筋紡錘、腱紡錘の反応の総和ということが

一定の抵抗感になるはずです。

それなのに、屈筋、伸筋のいずれかが選択的というのは

全身の筋肉を屈筋とか伸筋とか分けることができるということに

ほかならないことになり

では、肩関節のローテーターカフといわれるような

筋肉は、どこが選択的に痙性を認めるようになるのでしょうか?

きわめて曖昧な説明をしているのが教科書であり、

それを真に受けているのが、現場ではたらくリハビリスタッフと

いうことになってしまうのです。


痙性というのは、ジャックナイフ現象を認める筋肉(筋群)は

それほど全身的にはみられませんけど、本来は

全身のどこに起こってもかまわない筋緊張の状態であると

思ってよいと思います。

ですが、四肢というものが存在し、その動きの範囲が大きいところに

比較的みられやすいということは疑いのないところです。


今日は長くなりましたので、ここまでにしておきましょう。

次回には、痙性の診方と、痙性と鑑別すべき状態があまりにも

多く存在するということを実際に説明します。

いつもチェックしていただいておられる方には

あらためて感謝申し上げます。ありがとうございます。

記事1~50( 32 / 50 )

記事32 片麻痺が良くなる理由を説明しておきます。

片麻痺の記事を投稿し続けています。

なかなかこういう記事が反響のないことは承知のうえで

投稿していますが、

どうして、最初から皆さんあきらめてしまうのでしょうか?

そういうことを、久々にめったぎりしておきましょう。

片麻痺ってよくなります。

いえいえ、治るということはとても断言できませんけどね。

今の症状は、ほぼ間違いなく改善すると思うのです。

では、なぜ、それが実際に関心を伴わないのか?

これは、現在の治療現場における諸問題だけの話です。

つまり、必要な処置を講じていないために

片麻痺の症状は、あるレベルでとまってしまうことがほとんどのため

それ以上の関心事にならないのです。

大変憂うべき状況であると思ってもかまいません。

だってね、

日本の諸問題ってそれをみてもわかるじゃないですか?

何か問題が起こるとそれだけに対応する。

平たくいえば対症療法が大好きな国民性なだけです。

はあーあ。

だから、片麻痺といっても

結局は、その症状にしか対応しようとしない。

だからよくならないのです。

だって、考えてみてくださいね。

通常であれば、麻痺側に治療するだけじゃないですか?

もっともそれでかまわないんですけどね。

じゃあ、聞きますよ。

あなた、片麻痺になったときに

身体全体にどのような変化が起こっているか説明できますか?

どうですか? きっと答えられる人はほとんどいないと思います。

それなのに、どうして治療方法が確立されるのですか?

これが、はっきりとした答えです。


すなわち、官僚主体で法律が作られるのと同様

片麻痺の治療といっても

誰が頭の中で考えたのか知らないですが、

所詮は机上の空論にすぎないのです。

それがうまくいくはずはありません。

、、、

???

でもね。実際にはその空論をさしおいて、良くなる人も

相当の確率で存在しているのです。

だから、実際によくなった人の対応方法を

検証すべきであると思います。

片麻痺は決して治るとは言い切れない症状の集合体では

ありますけれど、よくならないとも言い切れないのです。

それを説明できる人がいるのであればコメントください。

もしコメントがなければ、それは皆さん関心が全くないという

ことの証明になります。コメントがあっても

それが私の意見で皆さんがどのように判断されるかによって

私も考えを改めますが

それがない以上は、私の説は相当の確率で正しいということになります。

それでは、今の医学会って意味ないことになりませんか?

もっと、こういうことに関心をもって

障害者が豊かに生活できる環境つくりを目指すべきであると

私は思うのです。では。

記事1~50( 33 / 50 )

記事33 片麻痺って良くなるの?

こんばんは。

片麻痺ってよくなります。

今、少しだけさわりを投稿しましたけれどね。

なぜ、よくなるのか?

答えは、非麻痺側にあります。

この後投稿しようとも思っていますけど

連合反応ってあるじゃないですか?

これは、非麻痺側の過剰な努力によるものであり

それを利用して麻痺の回復を促すって考え方が

とにかく間違っていると思います。

人の身体にバランス反応というものが存在することは

特に難しい説明はいらないくらいですけれど

片麻痺になったからといって

連合反応を利用して、麻痺の回復促通をしなければいけない

なんて、誰も決めたことではありません。

もし、それがブルンストロームが提唱したのであれば

そのことにより、どれだけの対象者が被害を受けたのか

そのことにきちんと保障すべき状態であると思います。

連合反応なんて必要のない現象です。

なぜ、非麻痺側に過剰な力を生じさせ、それで麻痺側に

収縮をもたらさならければならないのでしょうか?

単に電気刺激だけでいいのではないのでしょうか?

そんなことをするから

左右の非対称をさらに強化するだけなのです。

では皆さんにお尋ねします。

あなたが片麻痺になったなら

左右非対称な姿勢になることをやむを得ないと思うのですか?

それこそ、今までの生活からすれば、

非日常を強要されることになるではないですか?

それが、ノーマライゼーションであり、バリアフリーというような

概念と直結するのでしょうか?

書きたいことは山ほどあります。

私は、このような状況に対して真っ向勝負しています。

そして、

その対象者でも

決して悪い状況を認めることはありません。

ですから、断言します。

片麻痺は、左右対称、すなわち病然の状態に近づければ

近づけるほど、驚くような改善を認めることが多いのです。

ですから、キーポイントは

麻痺側だけでなく、非麻痺側にあると申し上げておきましょう。

また、どこかでこのような記事を書くことにしますけど

興味のある方は、是非チェックしていただきたいと思います。では。

M-CCアドバイザー 寅 加太夫
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