【TRPGリプレイ】『ETERNAL BLAZE-超えよ限界、燃えよ魂-』第1話

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◆ Preplay05 ◆ BOW――ボナ・ドロルの場合

◆ Preplay05 ◆ BOW――ボナ・ドロルの場合

BOW:で、最後だね。ボナ・ドロル。“富痛(ウェルスペイン)”のコードネームを持つ28歳の女傭兵だ。
GM:了解しました。引き続き、自己紹介と設定をお願いします。
BOW(以下=ボナ):あいよ。浮浪児だった幼少期を過ごした関係で金には人一倍執着してる。
GM:なるほど。
ボナ:だから、初期ロイスは金に執着の感情で取った。(一同爆笑)
GM:他には?
ボナ:金さえ貰えばどんな仕事でもきっちりこなすプロフェッショナルで、実力がないのに綺麗事ばかり言うヤツが大嫌い。
GM:了解しました。メモメモ。
ボナ:特に正義とか理念とか言ってるヤツは嫌いだけど、金の為だから仕事はきっちりやるよ。
GM:そうしてもらえると助かります。(笑)
ボナ:あと、使ってる[フォールンライフル]はかつて一緒に戦っていた戦友たちの形見だ。戦友たちも初期ロイスで取った。
GM:了解。他には何か言うことはありますか?
ボナ:そうさねぇ、まぁ、あるとすれば『ボナ・ドロル』って名前は偽名だってことくらいだね。
GM:諸々了解しました。よろしくお願いします。
ボナ:あいよ。一つよろしく頼むさね。

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◆ Preplay06 ◆ PC間ロイス、そしてセッション開始

◆ Preplay06 ◆  PC間ロイス、そしてセッション開始

   
 
GM:自己紹介も終わったところで今度はPC間ロイスを決めましょう。
道久:PC間のロイスもあるのか?
GM:はい。任意に選ぶこともできますし、ダイスを振って決めることもできますが、どうしましょうか?
道久:ここはダイスで決めてみるぜ、俺が結ぶ相手は……椿女か。(ダイスを振る)純愛/劣等感!? (一同爆笑)
椿女:純愛って。(笑)
道久:最初から純愛ってのもあれなんで、最初は劣等感を表にしておく。相手はエリートなので。
椿女:次は私ですね。今度は私から道久さんに。(ダイスを振る)有為/恐怖です。
道久:有為ってどういう意味?
GM:見所がある、という意味です。この場合は「見所があると思っている」という意味や解釈になりますね。
椿女:では、ここは有為にしておきましょう。出来損ないのようでいて、見るべき所がある、と。
道久:恐怖ってのは?
椿女:私、過去のトラウマで炎や炎を操るエフェクトが苦手なんです。だから、それで恐怖を。
道久:なるほど。
剛生:次は俺だな。相手はボナか。(ダイスを振る)信頼/嫌悪だな。ここは嫌悪を表に出す。
ボナ:随分と即答だね。
剛生:UGNの理念や正義、そういった信念を貫こうとする俺にしてみれば、金で誰の味方にもなる奴は嫌悪の対象だ。
ボナ:はいはい。じゃ、アタシも剛生に対して結ぶよ。(ダイスを振る)信頼/隔意、か。ここは隔意だね。
道久:隔意って?
ボナ:隔たりを感じている、相容れないと思っているっていう意味さね。
道久:おい! 少しは仲良くしろよ、あんたたち!(笑)
ボナ:アタシも正義とか言っちゃってるヤツは肩が凝るんだ。まさにピッタリの感情さね。
GM:ロイスも結び終わったようで。それでは、セッションを始めますよ。
一同:おおッ!

OP( 1 / 5 )

◆ Opening 01 ◆ その力、全てを喰らって

◆ Opening 01 ◆ その力、全てを喰らって    ――Master Scene
 
 都内某所。ビルとビルとの合間にある路地。その場所にUGNの精鋭部隊が集結していた。
 それほど広くない路地を埋め尽くす、高校生くらいの少年少女と屈強な黒服の男達。
 それに対するはたった一組の男女。それも少年と少女と言える年頃の二人だった。


GM:というわけで1シーン目はマスターシーンだ。
道久:おう。
GM:高校生くらいの少年少女たちはUGNのチルドレン。黒服たちはエージェントだ。チルドレンたちは一斉に各々の異能を発動。ある少年は腕を獣化させ、ある少女は光を集めて剣の形に。またある少年は手に電撃を纏わせる。そして、黒服たちは大型拳銃を構える。
剛生:ほう。
GM:それと相対するのが、一人の少年です。年の頃は高校生くらい。
ボナ:それで? ソイツはどんな感じのヤツなんだい?
GM:ザンバラ髪に鋭い眼光。服装はアバラまでの丈の短い黒い上着――袖にはまるで包帯のように何本も飾りベルトが付いていますね。ボトムはダメージジーンズで、裂け目が口、ほつれが乱杭歯のように見える。
椿女:もう一人は?
GM:ウェーブのかかった黒のロングヘアにピンクリップの唇。服装はブラウスにリボン、紺のミニスカと同色のハイソックス、そしてローファという少女だ。
剛生:たった二人でUGNの精鋭に立ち向かうというのか。
GM:はい。黒い上着の少年――マスター・グラトニーは凶暴な笑みを浮かべ、ブラウスの少女――マスター・ミザリィはぽってりとした唇に人差し指をあてて妖艶に微笑む。
道久:そして、戦端が開かれる……と?
GM:ああ。UGN勢が攻撃する前に、グラトニーの背後で彼の影が盛り上がり、身の丈ほどもある巨大な一対の手の形になる。
道久:身の丈ほども!?
GM:そうです。巨大な手は黒一色で、鋭い爪が尖っている形――戯画化された悪魔の手のような形をしています。その手が敵へと襲いかかって、殴り、はたき、掴んで叩きつける。
ボナ:かなりの強敵のようさね。
GM:そして、彼は倒した敵を巨大な手の指を組むようにして、左右から包み込みます。すると、手の中からベキッ! とかバキッ! という音がする。
道久:ちょ、ヤバそうな音がしてる(笑)。
GM:音が鳴り止むと、影の手は握り潰していた敵を摘んで、ゴミのようにポイっと放り捨てます。
剛生:なんと!
GM:放られたチルドレンの一人が立ち上がって反撃しようとするんですが、なんと能力が発動しない。
椿女:これってもしかして……?
GM:お察しの通り、異能を奪われているようだね。そして、気がつけば少年のチルドレンを一人残して全員が倒され、異能を奪われている。一人残ったチルドレンは恐怖のあまり腰を抜かして動けない。グラトニーはそれに一歩一歩近付きながら、凶暴な笑みを浮かべて一言。
マスター・グラトニー(以下=グラトニー):お前が一番強そうだなァ……! 俺は今、たまらなく――お前が喰いてェ!
チルドレン:や、やめ……やめて……うああぁぁっ!
GM:その後、チルドレンは影の手に左右から挟まれ、異音と共に握り潰された後に放り捨てられる。倒れるチルドレンを背にグラトニーは傍らに立つミザリィに声をかけ、その場を去る。
グラトニー:行くぞ、ミザリィ。
マスター・ミザリィ(以下=ミザリィ):ええ。そうね。

 

 それは戦闘というにはあまりにも圧倒的で一方的過ぎた。
 こうして、UGNが対マスター・グラトニー作戦の為に編成した精鋭部隊はものの数分のうちに返り討ちに遭い、その異能を奪って喰われたのだった。
 

本塚届
作家:加々見繍
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