はじめまして!ゲームキャラ!!はじめまして!現実世界!!

3.遊舞の誕生日

そして、2020年1月5日(日)。



この日、遊舞は、誕生日を迎えた。



「お誕生日おめでとう!!!」

「ありがと~~~う!!!」

「12歳だね!!!」

「フ~ッ!!」と

遊舞が誕生日ケーキのロウソクの火を吹き消し、皆が拍手をする。



そのケーキのチョコレートには、

「あそぶ、おたんじょうびおめでとう!!!」と書いてある。



遊舞は、誕生日ケーキを食べ、笑いながら

「美味し~~~い!!!」と言った。

親戚の人達も、「遊舞君、もう12歳か~!!!」と言った。



そんなこんなで時間が経ち、夜になり、遊舞は、眠りについた。

4.久しぶりの登校

それから、5日後の2020年1月10日(金)。この日は、

遊舞の学校「鳥翔小学校」の久しぶりの登校日だ。そう、

今日からまた、小学校の授業が再開したのだ。

遊舞のクラス、6年2組にて・・・・・・



〝キーンコーンカーンコーン〟



朝のホームルーム。



「〝起立〟〝礼〟〝着席〟!!」と、担任の女性教師が言う。



先生は、教壇で、こんな事を言った。



「え~、皆さ~ん。皆さんは、もうすぐ卒業です。もうすぐ、

中学校に入る事になります。このクラスの中には、私立などの

中学校を受験する人、あるいは、そうじゃなくて、普通の中学校に

進学する人でも、いつかの将来の夢に向かって、これから何かを

本格的にする、あるいは、新しく始めていく人もいるでしょう。

ですが、これだけは、覚えておいてください。勉強も大切ですが、

人間、結局、考えたり、覚えたりするだけでは何も出来ないので、

最終的には、何か行動を取ったり、時として、思い切った行動に

出るために、勇気を持っておく事が大切です。まぁ、もちろん、無茶はダメですが。皆さんも、一人一人持っている

何かの〝才能〟も大切にして、お互いにお互いを認め合って、

尊重し合って、貴いライバルと共に仲良くしながら、

大いに励んで、これからの長い人生を精一杯生きてください」



やがて、授業が終わり、下校前のホームルーム。



〝キーンコーンカーンコーン〟



「〝起立〟〝礼〟〝着席〟!!」また先生の一言が入った。



「え~、大事な事は、朝、一通り、話したので、

特に言う事はありません。あとは、私の言った事を

頑張って行っていってください。皆さんが幸せになれる事を、

私は、心より願っています。それでは、さようなら。

皆さん、お気をつけて」

5.久しぶりの下校

その話を聞いた後、遊舞は、

男子、女子、色んな友達と話しながら帰った。



同級生の友達の「宙尾泳そらおおよぐ」が話しかけてきた。



「なぁ、遊舞、先生、今日は、朝、

あんな事、言ってたけど、どう思う?」

「う~ん・・・」

「俺は、もう、やりたい事、決まってるぜ!!」

「え?それは何?」

「宇宙飛行士だよ!!」

「へ~!!カッコ良いな~!!そういえば、泳、

体力もあって、運動神経も良くて、修学旅行の時も、バスどころか、

そこのテーマパークのどの絶叫マシンでも、全く酔わなかったし、

全然怖がってなかったもんな~!!凄いよな~!!!」

「だろ~!!!」



次に、「音田奏おとだかなで」がこう言った。



「私は音楽家!!お父さんがヴァイオリニストで、お母さんが

ピアニストで、今、私、どっちも練習してるけど、出来たら、

どっちにもなりたいのよね!!欲張りで贅沢だけど!!!」



そんな彼女に対し、遊舞は、

「そんな事ないよ!!本気で叶えたい夢が2つもあるなんて、

素敵じゃないか!!ぜひ、頑張ってよ!!!」と言う。



その次に、「薬羽研一 (くすりばけんいち)」は、

「僕は、薬剤師!!薬の事、いっぱい研究するんだ!!」と言う。



遊舞は、研一に

「へ~!!これまた、厳しいけど、凄い夢だ!!」と言った。



「遊舞の夢は?」と、一緒にいた皆が遊舞に聞いた。



「う~ん・・・僕はまだ、決まってないんだ~」と言う。



しかし、奏は、そんな遊舞に対して、

「まだまだ大人になるまでに時間はいっぱいあるし、

遊舞は遊舞で、ゆっくり決めれば良いのよ!!」と言った。



「そっか!ありがとう!!」と遊舞が答えた。



歩いていくと、方向の違いにより、

あいさつをしながら一人ずつ別れ、最後、遊舞は、

一人になりながらも、家へ向かって歩いていた。



帰りながら、こんな事を思っていた。



(皆、もうこの年で既に夢、持ってて、夢のために

今からもう、頑張り始めてるなんてな~。なのに、

僕なんて・・・・・・)と。



この時、遊舞は初めて、自分がいつか就く「仕事」について

考え始めた。

6.久しぶりの下校の帰宅後

家に着いた。



〝ガラガラガラガラ〟



「ただいま~」



遊舞の母親が遊舞に話しかける。



「お帰りなさい。どうだった?久しぶりの学校は?」

「ん?普通だったけど?」

「そう。じゃあ、まぁ、宿題やって、おやつ食べて。

晩ご飯の時間になったら、呼ぶから」

「は~い」



4時間後、19時30分頃、家族で晩ご飯を食べた。



親戚は、もう帰っている。



「いただきま~す!!!」

「え?今日はカレー!?」

「そうよ。遊舞、好きでしょ?!」

「うん。まぁ、好きだけど」



―一口食べてみる―



〝パク〟



「うんめぇ~!!!」

「良かった!!遊舞がそんなに喜んでくれて!!お母さん、

凄く作り甲斐があるわ!!!」



そんな会話をし、カレーを美味しく食べ、また数時間経ち、

21時30分頃に寝た。



電気を消して、暗くした寝室で一人、考え事をしていた。

「母さんは、カレーに限らず、どんな料理でも上手いけど、

いつかは、僕も、この家を出る事になるし、いつかは

食べられなくなっちゃうんだ。いや、この生活自体も、

当たり前じゃない。いつか終わっちゃうんだ」と。



そして、眠りについた。

COLK
はじめまして!ゲームキャラ!!はじめまして!現実世界!!
0
  • 0円
  • ダウンロード

3 / 33

  • 最初のページ
  • 前のページ
  • 次のページ
  • 最後のページ
  • もくじ
  • ダウンロード
  • 設定

    文字サイズ

    フォント