翌日、2020年1月11日(土)。
この日は、学校が休みで、遊舞は、
ゲーム機「Partnerson」で大好きな格闘ゲーム
「Limitless Chance!」をプレイして遊んでいた。
〝ガチャガチャガチャガチャ〟
「よし!そこだ~!!」
〝チャラララッチャーン〟(ゲームクリアのBGM)
「よっしゃ~!!この調子で、どんどん進んでくぞ~!!!」
〝ガチャガチャガチャガチャ〟
どんどん先へ進んでいく。
翌日の日曜日も、プレイした。
「よし!勝った~!!もう少しだ~!!あと2戦、戦って、
あと2体の敵を倒せば、このゲームも終わりだ!!」
そして、残る2体も倒していった。ラスボスを倒して、ゲームクリアした後、
スタッフロールを見ながら、その達成感に一人で浸った。
「よ~し!終わった~!!楽しかった~!!」
次の日の月曜日は、祝日で、遊舞は、家族で
テーマパークに遊びに行く予定だったのだが、
雨が凄く強かったので、予定を変更し、行かない事にした。
「クソ~!今日は、アレ、僕の大好きなゲームのイベントも
いっぱいあって、凄く楽しみにしてたのに!!」
母が「仕方ないわよ」と言った。
父は「また今度、必ず、行こうな」と言った。
遊舞は、悔しさのあまり、泣いてしまった。
宿題は、金曜日に終わらせてしまったし、外に出る事も難しく、
他にする事がなかったため、仕方なく、昨日、ラスボスを倒し、
クリアしてしまった「Limitless Chance!」を、またプレイした。
「よし。ストーリーモードは全部やっちゃったから、ヒマだけど、
フリー対戦モードで遊ぶか」と言って、遊んでいた。
遊舞は、色んなキャラを使って遊ぶ。
〝ガチャガチャガチャガチャ〟
そして、遊舞がそのゲームで1番好きな、
「とても頭が良い」という設定のキャラクター
「アーチフィス」を選んで戦おうとしたその時、
画面が急に真っ黒になり、ゲーム機やテレビの電源も切れた。
「え!?アレ!?おかしいな。今日は、確かに天気が悪いけど、
雷は落ちてないから、〝停電〟って事はなさそうだし」
その時、テレビが、まるでフラッシュのように、とても眩しく光った。
「うわぁぁぁぁぁっ!!!」
腕で顔を隠し、その眩しい光から自分の目を守り、
光が収まった直後、目を開けてみると、
目の前に、等身大の「アーチフィス」が立っていた。
先に言っておくが、アーチフィスは、
ロボットではなく、人間である。人種は、イギリス人で、男性だ。
「え!?一体、コレって!?」
試しに、ほっぺたをつねってみた。
〝ギュ~〟〝パッチ〟
「痛ッ!!」
やはり、今、見ているこの様子は、
どうやら紛れもなく現実のようだった。
「え~!?嘘でしょ~!?」
そう言う遊舞に対し、
アーチフィスは、
「いえ、私はここにいます」と言った。
「スッゲ~!ホントかよ~!!しっかし、
言葉も、ちゃんと話せるんだな~!!それに、
全然ぎこちなさがなくて滑らかだし!!!」
遊舞は、試しに、
アーチフィスをコントローラで動かそうとしてみた。
だが、動かない。
「アレ?何がダメなんだろ?」
動かそうとしてみるが、動かない。しかし、良く見ると、
背中のところに、「
書かれたスイッチがあった。
「へ~!ロボットじゃなくて、人間なのに、
こんなスイッチが付いてるのか~!!」
そのスイッチを押して、もう一度、操作してみた。
〝カチャカチャカチャカチャ〟
すると、動いた。
〝ガシャンガシャン〟
「ワッ!動いた~!!よし!、じゃあ、今度は、
パンチやキックをしてみよう!!」
〝ドンバンバンドン〟
〝カチャカチャカチャカチャ〟
「よし!次は、魔法を使ってみよう!いや、待てよ。
アーチフィスは、色んな魔法を使えるけど、ここで魔法を使ったら、
家が大変な事になる。やっぱり、やめとこうか」
遊舞は、ちゃんと後先を考えて、
魔法を使う事はやめておく事にした。
すると、その直後・・・
「遊舞~!ご飯よ~!!」
「あ!ヤベ!!どうしよう!!」
慌てて操作すると、アーチフィスが透明になった。
「フ~ッ!!助かった~!!このキャラに、
透明になる能力があって良かった~!!でも、いなくなったワケ
じゃないよな?どうなるんだろ?まぁ、良いや」
遊舞は、リビングへ向かった。
「お母さ~~~ん!!!食べるよ~!!!」
皆、手を合わせて、
「いただきます!!!」と言った。
「おっ!今日は、ハンバーグか!!」
〝ムシャムシャムシャムシャ〟
「ねぇ、遊舞?」
「ん?」
「最近、学校、楽しい?」
「どうしたの?突然?もちろん、楽しいけど」
「そっか。なら、良かった」
遊舞は、突然、そんな事を聞かれたから、少し驚いた。
その後、遊舞は、その夕飯を、
おかずのハンバーグ含め、全て食べ、完食した。
「ごちそうさまでした」
風呂に入り、そして、就寝。
(いや、しかし、今日は、お母さん、どうしたんだろ?
今まであんな事、一度も僕に聞いた事、ないのに)
そして、眠りについた。