遊舞は、リビングへ向かった。
「お母さ~~~ん!!!食べるよ~!!!」
皆、手を合わせて、
「いただきます!!!」と言った。
「おっ!今日は、ハンバーグか!!」
〝ムシャムシャムシャムシャ〟
「ねぇ、遊舞?」
「ん?」
「最近、学校、楽しい?」
「どうしたの?突然?もちろん、楽しいけど」
「そっか。なら、良かった」
遊舞は、突然、そんな事を聞かれたから、少し驚いた。
その後、遊舞は、その夕飯を、
おかずのハンバーグ含め、全て食べ、完食した。
「ごちそうさまでした」
風呂に入り、そして、就寝。
(いや、しかし、今日は、お母さん、どうしたんだろ?
今まであんな事、一度も僕に聞いた事、ないのに)
そして、眠りについた。
翌日、2020年1月14日(火)。
朝ご飯を食べてから、いつものように、歩いて学校へ向かう。
学校にて・・・・・・
〝キーンコーンカーンコーン〟
「〝起立〟〝礼〟〝着席〟」
1時間目は、国語の授業だった。
扱っていた作品は、
「太宰治」の「走れメロス」だった。
「良いな~!メロス!!親友のセリヌンティウスだけじゃなくて、
他のたくさんの人達も助けるために
あんなに必死になれるなんて、まるで、ヒーローみたい!!いや、
もう、〝みたい〟じゃなくて、ホントにヒーローじゃん!!
物凄くカッコ良いよ!!!」
遊舞はその時、その事を、感動はするが、作り話として聞いていた。
2時間目から、途中、給食を挟んでの5時間目、そして、
6時間目を受け終わり、授業は、全て受け終わった。
〝キーンコーンカーンコーン〟
放課後はまた、友達達と一緒に帰る。
メンバーは、この前と、数人だけ違った。
そこで、
「
「なぁ、遊舞、今日の国語の授業、どうだった?」
遊舞は、答える。
「あ、あ~、いや、カッコ良かったな~、って」
「そうか~。僕も、いつか、俳優になったら、
舞台やミュージカルや映画で、メロスを演じたいよ!!」
「あ~!!そういえば、演人、俳優目指してるもんな!!」
「そうだよ!!絶対、カッコ良い俳優になってやる!!!」
「頑張れ~!!!」
「遊舞の夢は、何なんだい?」
先日、一緒にいなかった演人が、遊舞に聞いた。
「そ・・・それは・・・・・・」
「まだ決められてないのか。でも、頑張れ!!!遊舞なら、絶対、
自分にピッタリの仕事に就けるさ!!!」
「ありがとう!!!」
そこで、それに対して、奏も、一緒になって、また応援した。
「うん!!!私も応援してるから!!!」
「ありがとう!!!奏も!!!」
だが、そこで・・・・・・
「遊舞が夢を持つなんて、出来るかな~?♪」
そう、コイツは、とても性格が悪い、遊舞の同級生の
「
しかし、奏が庇う。
「何よ!!そんな言い方ないじゃない!!!」
だが、そこで、その時、一緒に歩いていた、おなじくイヤミな、
弁護士志望の同級生「法田弁助」も、
「いいや!遊舞は、特別、勉強が出来るワケでもねぇし、
この先、ピッタリで、ご立派なお仕事なんて、
見つけられるかねぇ~!?♪見つけられたとしても、
ホントに就けるかどうか!!ワッハッハッハッハッ!!」と言う。
演人と奏が
「遊舞、気にしなくて良いよ!!」と言った。
「うん。ありがとう」
その後、遊舞は、家に着いてからも、
まだ将来の夢の事について考えていた。
(確かに、アイツらの言う通りだ。僕は、この先の未来、
どうしていくかなんて、真っ白だし、それに比べて、アイツらは、
確かにちょっと、性格はアレなんだけど、
もう、既に、ちゃんと夢を持ってるからな~。でも、庇ってくれた
演人も奏も、本当に良いヤツだ)
そして、宿題をして、また、
テレビの電源と「Partnerson」の電源を入れ、
「Limitless Chance!」をプレイしようとしてみた。
だが、昨日、ゲームの世界から飛び出してきた
アーチフィスだけが、画面から姿を消していた。
「え!?え~!?嘘だろ!?お気に入りのキャラだけど、
使えないの~!?そんなの困る~!!!」
〝シュ~ン〟〝ポン!!!〟
「ワァ~ッ!!!」
見てみると、隣に、また、アーチフィスが立っていた。
「ビックリした~!!何だよ!!突然!!!」
「私は今、ここにいます」
「いや!解ってるよ!!そんな事!!!あ!いや、待てよ。
昨日、コイツを透明にしたけど、それは、姿を消しておいただけで、
ゲームの世界に戻したワケじゃなかったんだ!!」
遊舞は、ゲームの電源を切った。
「??私は、どうしても、
昨日までの居場所に戻らなくてはいけないのでしょうか?」
「いや、別にそういうワケじゃないけど・・・って、え?
もしかして、アーチフィス、自分が昨日までいた世界が
〝ゲームの世界〟だって知ってるの?」
「〝ゲーム〟?それは、何でしょうか?」
「解らないか~。じゃあ、ここがどこだか解る?」
「それは・・・解りません・・・・・・」
「そっか~。それも解らないか~。じゃあ、アーチフィス、
明日から、色んなところに行ってみよう!!僕がこの、
〝現実世界〟を案内するよ!!ただし、口が裂けても、
君が〝ゲームの世界の住人〟だって事は、
言っちゃダメだからね!!!」
「??現実??ゲーム??ん~・・・・・・???」
遊舞は、少しあきれた。
「ダメだなこりゃ・・・現実とゲームの違いが
良く解っていないみたいだ。仕方ない。出来るだけ、コイツが
ゲームキャラだって事を隠して、もし、何か言いそうに
なっちゃったら、僕が全力で止めるしかないか」と言った。
「そういえば、あなたの名前は、何というのでしたっけ?」
「あ~、そういえば、まだ、名前、教えてなかったっけ?
ごめん!!僕は、〝
「・・・・・・〝夢尾遊舞〟さんですか。覚えておきます」
そして、アーチフィスは、その後、遊舞が読んでいた
色んな〝漫画〟に興味を示した。
「コレは、何ですか?」
「何々?アーチフィス、〝漫画〟に興味あるの?」
「〝漫画〟ですか?」
「あ~!そうだよ!!英語では、
〝
ちょっと似てるかもしれないね!!!」
「そうですか」
「うん!!!面白いよ!!!読んでみる?」
「はい。読んでみます」
〝パラパラパラパラ〟
「ふむふむふむふむ」
「どう?」
「ん~、良いですね!!!」
「そっか!!良かった!!!」
「私は、もっと、色んな漫画を読んでみたいです」
「うん!!良いよ」
すると、遊舞は、
遊舞自身がページをめくる事で、
他にも色んな漫画を読ませてみた。
「おぉ~!!どれもこれも、良いですね!!」
「でしょ!!!」
「はい!!!ですが、このような良い漫画ばかり選んで
読んでいるあなたも、凄いです!!!」
「いやいや~!!僕は、何にも凄くないよ!!凄いのは、
こういう漫画を描いてる漫画家さん達だよ!!!」
「そうですか。でも、素晴らしいです!!!」
「そうかな?」
「はい!!では、これからも、
私に、色んな漫画を読ませてください!!!」
「うん!!良いよ!!!あ、でも・・・・・・」
「どうなさいましたか?」
「ゲームや漫画以外にも、面白いモノはいっぱいあるよ!!!」
「そうなんですか」
「うん!!!たとえば、今夜もテレビで放送されるんだけど、
映画とか!!!」
「映画・・・・・・ですか」
「うん!!」
「映画・・・・・・それは、存じています!!」
「え!?ホントに!?映画の事、知ってるの?」
「はい。結構昔からあるモノなので」
「へ~!!凄いな~!!!」
「はい。私も、映画からたくさんの事を学びました」
「へ~!!!僕は、映画って、ただ楽しむためだけに
観てるけど、アーチフィスは、勉強のために観るのか!!!って、
あの世界に映画なんてあったっけ?」
「いえ、ありませんが、私の街では、
映画が存在するんです。そこで、私は、たくさんの映画を観ました」
「あ~、そっか!あの格闘ゲーム〝Limitless Chance!〟は、
色んなゲームのキャラが出てくるゲームだった!!」
「はい。私は、
〝Mysterious
「そっか~。そうだった。でも、アーチフィスは、
何でそのゲームからじゃなくて、
〝Limitless Chance!〟から飛び出してきたんだろう?」
「さぁ、それは、私にも解りません。そもそも、
なぜここにいるのかさえも、私自身、全く解りませんので」
「そっか~。でも、やっぱ、そうだよな~」
「ですが、今夜の映画、とても気になります!!!」
「うん!!僕もだよ!!!一緒に観よう!!!」
そして、夜になり、21時00分、映画が始まった。
ラブコメ映画
「あなたと私は、二人で一つ」だった。
「やっぱり良いよな~。面白いな~。僕、まだ小学生だから、
そんなにしょっちゅう映画館に行けないからな~。テレビ放映は、
とってもありがたいよ!!!」
「う~ん、こういう種類の映画も、あるんですね~」
「え?アーチフィス、恋愛映画、知らないの?」
「はい。私は、ずっと、スパイ映画やアクション映画や
ミステリー映画などを観てきました」
「・・・・・・ずいぶんと大人向けだな~」
「はい」
「あ~、でも、アーチフィスは、21歳だったな~」
「はい」
「でも、恋愛映画も、面白いよ!!!」
「そうなんですか」
「うん!!あ~、僕も、恋愛、したいんだけどな~!!
だから、こういう、映画とかに出てくる、モテる人って、
凄く羨ましいんだよな~!!!」
「???」
アーチフィスは、この時、遊舞の言葉がどういう事なのか、
解っていなかった。
そして、23時00分になり、映画が終わった。
「フ~ッ!!終わった~っ!!!それにしても、
面白かったな~!!!」
「はい!!とても良かったです!!!」
「そっか!!!アーチフィスも喜んでくれて良かった!!!」
「じゃあ、寝るか!!!」
「はい」
「あ~、でも、アーチフィス、パジャマに着替えなくて良いの?」
「いえ、私は、この服のままで大丈夫です。それに、この服は、
いくら使っても汚れないし、ボロボロにもならないように
なっているんです。自分で汚したり、傷つけたりする場合は、
別ですが」
「へ~。便利だね~。服まで凄いんだ~!!!」
部屋の電気を消し、二人は、寝た。