翌朝・・・・・・
「チュンチュン (スズメの鳴き声)」
今日は、水曜日だ。
遊舞の母が遊舞の部屋に、遊舞を起こしに来た。
「遊舞~、朝ご飯、出来てるわよ~!!!って、アレ!?
この人、誰!?」
驚くのも、無理はない。むしろ、当たり前の事だろう。
昨夜まで見た事もない人間が目の前にいるのだから。
「・・・ん・・・お母さん・・・おはよう・・・・・・」
アーチフィスが寝息を立てる。
「Zzzzzzzzzzzzzzz・・・・・・・」
そこで遊舞は、とても慌てた。
「ちょっ!!あっ!!しまった~っ!!!」
「遊舞、この人、誰なの?」と、遊舞の母が遊舞に問う。
「あっ、あっ、と、友達だよ!!!アハハハ・・・・・・」
「友達って・・・あんた、どこでどうやって、
外国人と知り合ったのよ・・・・・・しかも、
年齢、離れ過ぎじゃない・・・・・・」
「いや~、英語を勉強してる友達の友達の、
留学中の、英語の家庭教師やってる大学生だよ」
「そ、そう、そういう事・・・解ったわ。じゃあ、起きて、
朝ご飯、食べなさい」
「は~い」
その後、遊舞の母は、遊舞の部屋のドアを閉めて、
リビングへ戻った。
〝バタン〟
しかし、その時、遊舞の母は、
「いつの間に、何であんな人がウチに入ってきてたんだろ?
まぁ、私も、慌ててたから、
それは、聞きそびれちゃったけど。まぁ、友達を通して
知り合った人なら、きっと、大丈夫か」と思っていた。
「フ~ッ!!凄く焦った~!!!
思わず、大きな嘘をついちゃった~!!!でも、
アーチフィスがゲームのキャラだって事、
上手く隠せて良かった~!!!ちょっと、
無理のある嘘だったけど・・・・・」
すると、アーチフィスが起きてきた。
「おはようございます」
遊舞は、「ようやく起きてきたか。しかし、こっちは、
凄く大変だったっていうのに・・・・・・」と思った。
「おはよう」
「はい。おはようございます」
「リビングへ一緒に行こっか。一緒に朝ご飯、食べよう」
「??そんな事をしていただいてよろしいのでしょうか?」
「良いんだよ!!じゃあ、一緒に食べに行こっか!!!」
「・・・はい。では、お言葉に甘えて」
「いや、気を遣わなくて良いんだよ!!!」
「はい」
〝トコトコトコトコ〟
遊舞は、その時、「コイツ、単純な動きだけなら、
操作なしでも、勝手に出来るんだな」と思っていた。
そして、リビングのドアを開けた。
〝バタン〟
すると・・・・・・
「あ~、遊舞~、おはよう。って、おい!!!」と、
思わず、朝ご飯の白米を吹き出し、遊舞の父が言った。
「〝ブ~ッ!!〟だ、誰なんだよ!!ソイツは!!!」
そこで、アーチフィスが遊舞の父に対して
「おはようございます。私は、〝アーチフィス〟と
申します」と言った。
「そういう事、聞いてるんじゃないんだよ!!!何で、
俺が昨日まで顔を見た事もないようなヤツが今、
ここにいるんだ!!!」
そこで、アーチフィスが
「あ、あ~、私は・・・・・・」と言い、
遊舞が横からアーチフィスの耳元に、小声で、
「〝僕の友達だ〟って言って」と言うように指示を出した。
「私は、遊舞君のお友達です」
すると、遊舞の父は、
「何だか良く解らないヤツだが、まぁ、朝だし、
朝メシを食ってる今、むやみに怒るのも、あまり良くはないな。
とりあえず、落ち着こう。遊舞も、遊舞の友達のあんたも、
とりあえず、座りなさい」と言った。
「ありがとうございます」とアーチフィスは言った。
遊舞と遊舞の母は、
少し、冷や汗をかきながらぎこちなく笑っていた。
「アハハハハハ・・・・・・」
そして、遊舞は、遊舞の母に、
「お母さん、アーチフィスにも、
朝ご飯、出してあげてくれない?」と頼んだ。
「え~!もう!突然ね~!!仕方ないわね~!!まぁ、良いけど」
「ありがとう!!!」
その時、遊舞は、
(やっぱり、いつも、米も、どのおかずも、
一杯分くらいは、おかわりするくらいの量はあるから、
アーチフィスにも食べさせてあげられるんだ~!!!しかし、
さっすがお母さん!!!優しい)と思った。
その時、遊舞は、アーチフィスを見て、
(にしても、アーチフィスは、現実にやってきてからも、
ちゃんと自分で喋れるし、単純な動きは、僕が操作しなくても、
勝手に一人でする事が出来るし、今、確かめたけど、
こうやって、普通に、食べる事も出来るし、他の人から見ても、
現実の人間と全く変わんないな。まぁ、イギリス人だけど)と
思っていた。
アーチフィスは、その容器を見て、
「??これは・・・・・・」と言った。
それに対し、遊舞の父が
「どうした?ただのお茶碗だろ」と言う。
「いえ、私は、コレを実際に見るのは・・・・・・」と言い、
そこで遊舞が
(マズい!!!コイツ、何か変な事言いそうだ!!!)と思って、
アーチフィスの口を抑えた。
アーチフィスが
「んぐっ!!!」と言う。
遊舞は、慌てて、アーチフィスの口を遊舞自身の手で抑えながら、
「あ~、いや、何でもない!!!コイツ、ちょっと、
他人ン家で食べる事、慣れてないんだよ!!!
アハハハハ・・・・・・」と言って、何とかごまかした。
「フ~ッ!!!危ねぇ!!危ねぇ!!」
(ん~?何か変だな~)と、遊舞の父と母は思った。
そして、完食。
「ごちそうさまでした~!!!」と言った。
「じゃあ、行ってらっしゃい」と遊舞の父と母は言う。
「うん!!行ってきます!!お父さん!!お母さん!!」
「あ、でも・・・・・その、アーチフィス君は、どうするの?」
「あ・・・あ~!!コイツも出かけたいらしいんで、
一緒に行くよ!!じゃあ!!!」と言って、
遊舞は、アーチフィスを引っ張って、
慌てて家のドアを思いっきり開けて飛び出した。
〝バタン!!!〟
遊舞の父と母は、ポカンとした。
遊舞の父は、
「今日の遊舞、一体どうしたんだ?」と言った。
遊舞の母も同じく、
「そうね~。どうしちゃったのかしら?」と言った。
その時、
遊舞とアーチフィスは、一緒に外で歩いていた。
遊舞はいつも、
ギリギリの時間に学校に向かうため、
登校の時は、1人である事が多い。
「は~!!さっきは、ドキドキした~!!!」
「ドキドキした・・・?なぜでしょうか?」
「何でもないよ!!さっさと行こう!!!」
「はい」