そして、アーチフィスは、その後、遊舞が読んでいた
色んな〝漫画〟に興味を示した。
「コレは、何ですか?」
「何々?アーチフィス、〝漫画〟に興味あるの?」
「〝漫画〟ですか?」
「あ~!そうだよ!!英語では、
〝
ちょっと似てるかもしれないね!!!」
「そうですか」
「うん!!!面白いよ!!!読んでみる?」
「はい。読んでみます」
〝パラパラパラパラ〟
「ふむふむふむふむ」
「どう?」
「ん~、良いですね!!!」
「そっか!!良かった!!!」
「私は、もっと、色んな漫画を読んでみたいです」
「うん!!良いよ」
すると、遊舞は、
遊舞自身がページをめくる事で、
他にも色んな漫画を読ませてみた。
「おぉ~!!どれもこれも、良いですね!!」
「でしょ!!!」
「はい!!!ですが、このような良い漫画ばかり選んで
読んでいるあなたも、凄いです!!!」
「いやいや~!!僕は、何にも凄くないよ!!凄いのは、
こういう漫画を描いてる漫画家さん達だよ!!!」
「そうですか。でも、素晴らしいです!!!」
「そうかな?」
「はい!!では、これからも、
私に、色んな漫画を読ませてください!!!」
「うん!!良いよ!!!あ、でも・・・・・・」
「どうなさいましたか?」
「ゲームや漫画以外にも、面白いモノはいっぱいあるよ!!!」
「そうなんですか」
「うん!!!たとえば、今夜もテレビで放送されるんだけど、
映画とか!!!」
「映画・・・・・・ですか」
「うん!!」
「映画・・・・・・それは、存じています!!」
「え!?ホントに!?映画の事、知ってるの?」
「はい。結構昔からあるモノなので」
「へ~!!凄いな~!!!」
「はい。私も、映画からたくさんの事を学びました」
「へ~!!!僕は、映画って、ただ楽しむためだけに
観てるけど、アーチフィスは、勉強のために観るのか!!!って、
あの世界に映画なんてあったっけ?」
「いえ、ありませんが、私の街では、
映画が存在するんです。そこで、私は、たくさんの映画を観ました」
「あ~、そっか!あの格闘ゲーム〝Limitless Chance!〟は、
色んなゲームのキャラが出てくるゲームだった!!」
「はい。私は、
〝Mysterious
「そっか~。そうだった。でも、アーチフィスは、
何でそのゲームからじゃなくて、
〝Limitless Chance!〟から飛び出してきたんだろう?」
「さぁ、それは、私にも解りません。そもそも、
なぜここにいるのかさえも、私自身、全く解りませんので」
「そっか~。でも、やっぱ、そうだよな~」
「ですが、今夜の映画、とても気になります!!!」
「うん!!僕もだよ!!!一緒に観よう!!!」
そして、夜になり、21時00分、映画が始まった。
ラブコメ映画
「あなたと私は、二人で一つ」だった。
「やっぱり良いよな~。面白いな~。僕、まだ小学生だから、
そんなにしょっちゅう映画館に行けないからな~。テレビ放映は、
とってもありがたいよ!!!」
「う~ん、こういう種類の映画も、あるんですね~」
「え?アーチフィス、恋愛映画、知らないの?」
「はい。私は、ずっと、スパイ映画やアクション映画や
ミステリー映画などを観てきました」
「・・・・・・ずいぶんと大人向けだな~」
「はい」
「あ~、でも、アーチフィスは、21歳だったな~」
「はい」
「でも、恋愛映画も、面白いよ!!!」
「そうなんですか」
「うん!!あ~、僕も、恋愛、したいんだけどな~!!
だから、こういう、映画とかに出てくる、モテる人って、
凄く羨ましいんだよな~!!!」
「???」
アーチフィスは、この時、遊舞の言葉がどういう事なのか、
解っていなかった。
そして、23時00分になり、映画が終わった。
「フ~ッ!!終わった~っ!!!それにしても、
面白かったな~!!!」
「はい!!とても良かったです!!!」
「そっか!!!アーチフィスも喜んでくれて良かった!!!」
「じゃあ、寝るか!!!」
「はい」
「あ~、でも、アーチフィス、パジャマに着替えなくて良いの?」
「いえ、私は、この服のままで大丈夫です。それに、この服は、
いくら使っても汚れないし、ボロボロにもならないように
なっているんです。自分で汚したり、傷つけたりする場合は、
別ですが」
「へ~。便利だね~。服まで凄いんだ~!!!」
部屋の電気を消し、二人は、寝た。
翌朝・・・・・・
「チュンチュン (スズメの鳴き声)」
今日は、水曜日だ。
遊舞の母が遊舞の部屋に、遊舞を起こしに来た。
「遊舞~、朝ご飯、出来てるわよ~!!!って、アレ!?
この人、誰!?」
驚くのも、無理はない。むしろ、当たり前の事だろう。
昨夜まで見た事もない人間が目の前にいるのだから。
「・・・ん・・・お母さん・・・おはよう・・・・・・」
アーチフィスが寝息を立てる。
「Zzzzzzzzzzzzzzz・・・・・・・」
そこで遊舞は、とても慌てた。
「ちょっ!!あっ!!しまった~っ!!!」
「遊舞、この人、誰なの?」と、遊舞の母が遊舞に問う。
「あっ、あっ、と、友達だよ!!!アハハハ・・・・・・」
「友達って・・・あんた、どこでどうやって、
外国人と知り合ったのよ・・・・・・しかも、
年齢、離れ過ぎじゃない・・・・・・」
「いや~、英語を勉強してる友達の友達の、
留学中の、英語の家庭教師やってる大学生だよ」
「そ、そう、そういう事・・・解ったわ。じゃあ、起きて、
朝ご飯、食べなさい」
「は~い」
その後、遊舞の母は、遊舞の部屋のドアを閉めて、
リビングへ戻った。
〝バタン〟
しかし、その時、遊舞の母は、
「いつの間に、何であんな人がウチに入ってきてたんだろ?
まぁ、私も、慌ててたから、
それは、聞きそびれちゃったけど。まぁ、友達を通して
知り合った人なら、きっと、大丈夫か」と思っていた。
「フ~ッ!!凄く焦った~!!!
思わず、大きな嘘をついちゃった~!!!でも、
アーチフィスがゲームのキャラだって事、
上手く隠せて良かった~!!!ちょっと、
無理のある嘘だったけど・・・・・」
すると、アーチフィスが起きてきた。
「おはようございます」
遊舞は、「ようやく起きてきたか。しかし、こっちは、
凄く大変だったっていうのに・・・・・・」と思った。
「おはよう」
「はい。おはようございます」
「リビングへ一緒に行こっか。一緒に朝ご飯、食べよう」
「??そんな事をしていただいてよろしいのでしょうか?」
「良いんだよ!!じゃあ、一緒に食べに行こっか!!!」
「・・・はい。では、お言葉に甘えて」
「いや、気を遣わなくて良いんだよ!!!」
「はい」
〝トコトコトコトコ〟
遊舞は、その時、「コイツ、単純な動きだけなら、
操作なしでも、勝手に出来るんだな」と思っていた。
そして、リビングのドアを開けた。
〝バタン〟
すると・・・・・・
「あ~、遊舞~、おはよう。って、おい!!!」と、
思わず、朝ご飯の白米を吹き出し、遊舞の父が言った。
「〝ブ~ッ!!〟だ、誰なんだよ!!ソイツは!!!」
そこで、アーチフィスが遊舞の父に対して
「おはようございます。私は、〝アーチフィス〟と
申します」と言った。
「そういう事、聞いてるんじゃないんだよ!!!何で、
俺が昨日まで顔を見た事もないようなヤツが今、
ここにいるんだ!!!」
そこで、アーチフィスが
「あ、あ~、私は・・・・・・」と言い、
遊舞が横からアーチフィスの耳元に、小声で、
「〝僕の友達だ〟って言って」と言うように指示を出した。
「私は、遊舞君のお友達です」
すると、遊舞の父は、
「何だか良く解らないヤツだが、まぁ、朝だし、
朝メシを食ってる今、むやみに怒るのも、あまり良くはないな。
とりあえず、落ち着こう。遊舞も、遊舞の友達のあんたも、
とりあえず、座りなさい」と言った。
「ありがとうございます」とアーチフィスは言った。
遊舞と遊舞の母は、
少し、冷や汗をかきながらぎこちなく笑っていた。
「アハハハハハ・・・・・・」
そして、遊舞は、遊舞の母に、
「お母さん、アーチフィスにも、
朝ご飯、出してあげてくれない?」と頼んだ。
「え~!もう!突然ね~!!仕方ないわね~!!まぁ、良いけど」
「ありがとう!!!」
その時、遊舞は、
(やっぱり、いつも、米も、どのおかずも、
一杯分くらいは、おかわりするくらいの量はあるから、
アーチフィスにも食べさせてあげられるんだ~!!!しかし、
さっすがお母さん!!!優しい)と思った。
その時、遊舞は、アーチフィスを見て、
(にしても、アーチフィスは、現実にやってきてからも、
ちゃんと自分で喋れるし、単純な動きは、僕が操作しなくても、
勝手に一人でする事が出来るし、今、確かめたけど、
こうやって、普通に、食べる事も出来るし、他の人から見ても、
現実の人間と全く変わんないな。まぁ、イギリス人だけど)と
思っていた。
アーチフィスは、その容器を見て、
「??これは・・・・・・」と言った。
それに対し、遊舞の父が
「どうした?ただのお茶碗だろ」と言う。
「いえ、私は、コレを実際に見るのは・・・・・・」と言い、
そこで遊舞が
(マズい!!!コイツ、何か変な事言いそうだ!!!)と思って、
アーチフィスの口を抑えた。
アーチフィスが
「んぐっ!!!」と言う。
遊舞は、慌てて、アーチフィスの口を遊舞自身の手で抑えながら、
「あ~、いや、何でもない!!!コイツ、ちょっと、
他人ン家で食べる事、慣れてないんだよ!!!
アハハハハ・・・・・・」と言って、何とかごまかした。
「フ~ッ!!!危ねぇ!!危ねぇ!!」
(ん~?何か変だな~)と、遊舞の父と母は思った。
そして、完食。
「ごちそうさまでした~!!!」と言った。