はじめまして!ゲームキャラ!!はじめまして!現実世界!!

9.お気に入りのキャラが現実に!?

腕で顔を隠し、その眩しい光から自分の目を守り、

光が収まった直後、目を開けてみると、

目の前に、等身大の「アーチフィス」が立っていた。



先に言っておくが、アーチフィスは、

ロボットではなく、人間である。人種は、イギリス人で、男性だ。



「え!?一体、コレって!?」

試しに、ほっぺたをつねってみた。



〝ギュ~〟〝パッチ〟



「痛ッ!!」



やはり、今、見ているこの様子は、

どうやら紛れもなく現実のようだった。



「え~!?嘘でしょ~!?」



そう言う遊舞に対し、

アーチフィスは、

「いえ、私はここにいます」と言った。

「スッゲ~!ホントかよ~!!しっかし、

言葉も、ちゃんと話せるんだな~!!それに、

全然ぎこちなさがなくて滑らかだし!!!」



遊舞は、試しに、

アーチフィスをコントローラで動かそうとしてみた。



だが、動かない。



「アレ?何がダメなんだろ?」



動かそうとしてみるが、動かない。しかし、良く見ると、

背中のところに、「CONTROLコントロール」と

書かれたスイッチがあった。



「へ~!ロボットじゃなくて、人間なのに、

こんなスイッチが付いてるのか~!!」



そのスイッチを押して、もう一度、操作してみた。



〝カチャカチャカチャカチャ〟



すると、動いた。



〝ガシャンガシャン〟



「ワッ!動いた~!!よし!、じゃあ、今度は、

パンチやキックをしてみよう!!」



〝ドンバンバンドン〟



〝カチャカチャカチャカチャ〟



「よし!次は、魔法を使ってみよう!いや、待てよ。

アーチフィスは、色んな魔法を使えるけど、ここで魔法を使ったら、

家が大変な事になる。やっぱり、やめとこうか」



遊舞は、ちゃんと後先を考えて、

魔法を使う事はやめておく事にした。



すると、その直後・・・



「遊舞~!ご飯よ~!!」

「あ!ヤベ!!どうしよう!!」



慌てて操作すると、アーチフィスが透明になった。



「フ~ッ!!助かった~!!このキャラに、

透明になる能力があって良かった~!!でも、いなくなったワケ

じゃないよな?どうなるんだろ?まぁ、良いや」

10.奇想天外な1日が終わった

遊舞は、リビングへ向かった。



「お母さ~~~ん!!!食べるよ~!!!」



皆、手を合わせて、

「いただきます!!!」と言った。



「おっ!今日は、ハンバーグか!!」



〝ムシャムシャムシャムシャ〟



「ねぇ、遊舞?」

「ん?」

「最近、学校、楽しい?」

「どうしたの?突然?もちろん、楽しいけど」

「そっか。なら、良かった」



遊舞は、突然、そんな事を聞かれたから、少し驚いた。



その後、遊舞は、その夕飯を、

おかずのハンバーグ含め、全て食べ、完食した。



「ごちそうさまでした」



風呂に入り、そして、就寝。



(いや、しかし、今日は、お母さん、どうしたんだろ?

今まであんな事、一度も僕に聞いた事、ないのに)



そして、眠りについた。

11.ヒーローって良いな!夢を持ちたいな!

翌日、2020年1月14日(火)。



朝ご飯を食べてから、いつものように、歩いて学校へ向かう。



学校にて・・・・・・



〝キーンコーンカーンコーン〟



「〝起立〟〝礼〟〝着席〟」



1時間目は、国語の授業だった。



扱っていた作品は、

「太宰治」の「走れメロス」だった。



「良いな~!メロス!!親友のセリヌンティウスだけじゃなくて、

他のたくさんの人達も助けるために

あんなに必死になれるなんて、まるで、ヒーローみたい!!いや、

もう、〝みたい〟じゃなくて、ホントにヒーローじゃん!!

物凄くカッコ良いよ!!!」



遊舞はその時、その事を、感動はするが、作り話として聞いていた。



2時間目から、途中、給食を挟んでの5時間目、そして、

6時間目を受け終わり、授業は、全て受け終わった。



〝キーンコーンカーンコーン〟



放課後はまた、友達達と一緒に帰る。



メンバーは、この前と、数人だけ違った。



そこで、

十装演人じゅうそうえんと」が遊舞に話しかけた。



「なぁ、遊舞、今日の国語の授業、どうだった?」



遊舞は、答える。



「あ、あ~、いや、カッコ良かったな~、って」

「そうか~。僕も、いつか、俳優になったら、

舞台やミュージカルや映画で、メロスを演じたいよ!!」

「あ~!!そういえば、演人、俳優目指してるもんな!!」

「そうだよ!!絶対、カッコ良い俳優になってやる!!!」

「頑張れ~!!!」

「遊舞の夢は、何なんだい?」



先日、一緒にいなかった演人が、遊舞に聞いた。



「そ・・・それは・・・・・・」



「まだ決められてないのか。でも、頑張れ!!!遊舞なら、絶対、

自分にピッタリの仕事に就けるさ!!!」

「ありがとう!!!」



そこで、それに対して、奏も、一緒になって、また応援した。



「うん!!!私も応援してるから!!!」

「ありがとう!!!奏も!!!」



だが、そこで・・・・・・



「遊舞が夢を持つなんて、出来るかな~?♪」



そう、コイツは、とても性格が悪い、遊舞の同級生の

統手治すべてなお」だ。



しかし、奏が庇う。



「何よ!!そんな言い方ないじゃない!!!」



だが、そこで、その時、一緒に歩いていた、おなじくイヤミな、

弁護士志望の同級生「法田弁助」も、

「いいや!遊舞は、特別、勉強が出来るワケでもねぇし、

この先、ピッタリで、ご立派なお仕事なんて、

見つけられるかねぇ~!?♪見つけられたとしても、

ホントに就けるかどうか!!ワッハッハッハッハッ!!」と言う。



演人と奏が

「遊舞、気にしなくて良いよ!!」と言った。

「うん。ありがとう」



その後、遊舞は、家に着いてからも、

まだ将来の夢の事について考えていた。



(確かに、アイツらの言う通りだ。僕は、この先の未来、

どうしていくかなんて、真っ白だし、それに比べて、アイツらは、

確かにちょっと、性格はアレなんだけど、

もう、既に、ちゃんと夢を持ってるからな~。でも、庇ってくれた

演人も奏も、本当に良いヤツだ)


12.ゲームキャラに自己紹介

そして、宿題をして、また、

テレビの電源と「Partnerson」の電源を入れ、

「Limitless Chance!」をプレイしようとしてみた。



だが、昨日、ゲームの世界から飛び出してきた

アーチフィスだけが、画面から姿を消していた。



「え!?え~!?嘘だろ!?お気に入りのキャラだけど、

使えないの~!?そんなの困る~!!!」



〝シュ~ン〟〝ポン!!!〟



「ワァ~ッ!!!」



見てみると、隣に、また、アーチフィスが立っていた。



「ビックリした~!!何だよ!!突然!!!」

「私は今、ここにいます」

「いや!解ってるよ!!そんな事!!!あ!いや、待てよ。

昨日、コイツを透明にしたけど、それは、姿を消しておいただけで、

ゲームの世界に戻したワケじゃなかったんだ!!」



遊舞は、ゲームの電源を切った。



「??私は、どうしても、

昨日までの居場所に戻らなくてはいけないのでしょうか?」

「いや、別にそういうワケじゃないけど・・・って、え?

もしかして、アーチフィス、自分が昨日までいた世界が

〝ゲームの世界〟だって知ってるの?」

「〝ゲーム〟?それは、何でしょうか?」

「解らないか~。じゃあ、ここがどこだか解る?」

「それは・・・解りません・・・・・・」



「そっか~。それも解らないか~。じゃあ、アーチフィス、

明日から、色んなところに行ってみよう!!僕がこの、

〝現実世界〟を案内するよ!!ただし、口が裂けても、

君が〝ゲームの世界の住人〟だって事は、

言っちゃダメだからね!!!」

「??現実??ゲーム??ん~・・・・・・???」



遊舞は、少しあきれた。



「ダメだなこりゃ・・・現実とゲームの違いが

良く解っていないみたいだ。仕方ない。出来るだけ、コイツが

ゲームキャラだって事を隠して、もし、何か言いそうに

なっちゃったら、僕が全力で止めるしかないか」と言った。



「そういえば、あなたの名前は、何というのでしたっけ?」

「あ~、そういえば、まだ、名前、教えてなかったっけ?

ごめん!!僕は、〝夢尾遊舞ゆめおあそぶ〟」

「・・・・・・〝夢尾遊舞〟さんですか。覚えておきます」

COLK
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