その話を聞いた後、遊舞は、
男子、女子、色んな友達と話しながら帰った。
同級生の友達の「
「なぁ、遊舞、先生、今日は、朝、
あんな事、言ってたけど、どう思う?」
「う~ん・・・」
「俺は、もう、やりたい事、決まってるぜ!!」
「え?それは何?」
「宇宙飛行士だよ!!」
「へ~!!カッコ良いな~!!そういえば、泳、
体力もあって、運動神経も良くて、修学旅行の時も、バスどころか、
そこのテーマパークのどの絶叫マシンでも、全く酔わなかったし、
全然怖がってなかったもんな~!!凄いよな~!!!」
「だろ~!!!」
次に、「
「私は音楽家!!お父さんがヴァイオリニストで、お母さんが
ピアニストで、今、私、どっちも練習してるけど、出来たら、
どっちにもなりたいのよね!!欲張りで贅沢だけど!!!」
そんな彼女に対し、遊舞は、
「そんな事ないよ!!本気で叶えたい夢が2つもあるなんて、
素敵じゃないか!!ぜひ、頑張ってよ!!!」と言う。
その次に、「薬羽研一 (くすりばけんいち)」は、
「僕は、薬剤師!!薬の事、いっぱい研究するんだ!!」と言う。
遊舞は、研一に
「へ~!!これまた、厳しいけど、凄い夢だ!!」と言った。
「遊舞の夢は?」と、一緒にいた皆が遊舞に聞いた。
「う~ん・・・僕はまだ、決まってないんだ~」と言う。
しかし、奏は、そんな遊舞に対して、
「まだまだ大人になるまでに時間はいっぱいあるし、
遊舞は遊舞で、ゆっくり決めれば良いのよ!!」と言った。
「そっか!ありがとう!!」と遊舞が答えた。
歩いていくと、方向の違いにより、
あいさつをしながら一人ずつ別れ、最後、遊舞は、
一人になりながらも、家へ向かって歩いていた。
帰りながら、こんな事を思っていた。
(皆、もうこの年で既に夢、持ってて、夢のために
今からもう、頑張り始めてるなんてな~。なのに、
僕なんて・・・・・・)と。
この時、遊舞は初めて、自分がいつか就く「仕事」について
考え始めた。
家に着いた。
〝ガラガラガラガラ〟
「ただいま~」
遊舞の母親が遊舞に話しかける。
「お帰りなさい。どうだった?久しぶりの学校は?」
「ん?普通だったけど?」
「そう。じゃあ、まぁ、宿題やって、おやつ食べて。
晩ご飯の時間になったら、呼ぶから」
「は~い」
4時間後、19時30分頃、家族で晩ご飯を食べた。
親戚は、もう帰っている。
「いただきま~す!!!」
「え?今日はカレー!?」
「そうよ。遊舞、好きでしょ?!」
「うん。まぁ、好きだけど」
―一口食べてみる―
〝パク〟
「うんめぇ~!!!」
「良かった!!遊舞がそんなに喜んでくれて!!お母さん、
凄く作り甲斐があるわ!!!」
そんな会話をし、カレーを美味しく食べ、また数時間経ち、
21時30分頃に寝た。
電気を消して、暗くした寝室で一人、考え事をしていた。
「母さんは、カレーに限らず、どんな料理でも上手いけど、
いつかは、僕も、この家を出る事になるし、いつかは
食べられなくなっちゃうんだ。いや、この生活自体も、
当たり前じゃない。いつか終わっちゃうんだ」と。
そして、眠りについた。
翌日、2020年1月11日(土)。
この日は、学校が休みで、遊舞は、
ゲーム機「Partnerson」で大好きな格闘ゲーム
「Limitless Chance!」をプレイして遊んでいた。
〝ガチャガチャガチャガチャ〟
「よし!そこだ~!!」
〝チャラララッチャーン〟(ゲームクリアのBGM)
「よっしゃ~!!この調子で、どんどん進んでくぞ~!!!」
〝ガチャガチャガチャガチャ〟
どんどん先へ進んでいく。
翌日の日曜日も、プレイした。
「よし!勝った~!!もう少しだ~!!あと2戦、戦って、
あと2体の敵を倒せば、このゲームも終わりだ!!」
そして、残る2体も倒していった。ラスボスを倒して、ゲームクリアした後、
スタッフロールを見ながら、その達成感に一人で浸った。
「よ~し!終わった~!!楽しかった~!!」
次の日の月曜日は、祝日で、遊舞は、家族で
テーマパークに遊びに行く予定だったのだが、
雨が凄く強かったので、予定を変更し、行かない事にした。
「クソ~!今日は、アレ、僕の大好きなゲームのイベントも
いっぱいあって、凄く楽しみにしてたのに!!」
母が「仕方ないわよ」と言った。
父は「また今度、必ず、行こうな」と言った。
遊舞は、悔しさのあまり、泣いてしまった。
宿題は、金曜日に終わらせてしまったし、外に出る事も難しく、
他にする事がなかったため、仕方なく、昨日、ラスボスを倒し、
クリアしてしまった「Limitless Chance!」を、またプレイした。
「よし。ストーリーモードは全部やっちゃったから、ヒマだけど、
フリー対戦モードで遊ぶか」と言って、遊んでいた。
遊舞は、色んなキャラを使って遊ぶ。
〝ガチャガチャガチャガチャ〟
そして、遊舞がそのゲームで1番好きな、
「とても頭が良い」という設定のキャラクター
「アーチフィス」を選んで戦おうとしたその時、
画面が急に真っ黒になり、ゲーム機やテレビの電源も切れた。
「え!?アレ!?おかしいな。今日は、確かに天気が悪いけど、
雷は落ちてないから、〝停電〟って事はなさそうだし」
その時、テレビが、まるでフラッシュのように、とても眩しく光った。
「うわぁぁぁぁぁっ!!!」