禁断の思い出Ⅱ(ひろし中学編)

第1章( 3 / 22 )

博の決意

 海から帰った翌日に正夫君に会いました。

正夫君に聞くのは少し怖かったけど博は勇気を出して「正夫、お前生えてるか?」と

聞くと「何が?」と言ったので小さい声で「ちん毛だよ」と言うと正夫君は笑っています。

博は、びっくりしました。博の心の声:『まさか、こいつも勝君達と同じように生えて・・・。』

と思っていると、正夫君から出てきた言葉は「ばか、生えているわけないだろう」

との返事、博は何故かホッとしました。

 

その次に出てきた正夫君の言葉が「あれは、中学卒業してからしか生えないよ」と

その後に「ただし、例外はあるけどね、女性との経験があれば今すぐでも生える」と言い

博は、今まで正夫君が知ったかぶりで話していたのはすべてでたらめだったと

いう事を知りました。

その事で特にショックは無かったけど僕も正夫君に対して根拠のないデタラメな事を

言ったこともあるしとにかく二人とも幼稚過ぎたのかもしれないと思いました。

 博は、その後体が大きくなればおのずと大人に近づく事を知るようになりました。

(なんて、バカだったんでしょう。)

 

夏休みも終わったある日曜日の昼ごろ近所の店に買い物に行きました。

その店は小さい商店で憧れの陽子さんの実家でもあります。陽子さんは4人姉妹の

3女で休みの時はいつも店を手伝っています。バレーボールの国体選手ですので

身長は、175センチありプロポーションも抜群です。モデルでもいけそうな体形です

その店は近所のおばさん連中がたむろする場所でもあります。

 

博が店に行くと運悪く母が近所のおばさん連中とペチャクチャと話しています。

母は、博が入ってくるとそれに気づき「博、甘い物ばかり食べないでよ」といいます。

他のおばさんが笑うと「うちは、男の子ばっかりで陽子ちゃん博の嫁にならない?」と

大声で大好きな陽子さんの前で言います。博にとっては、凄まじく恥ずかしい事を

笑いながら話しおしゃべりのおかずにしています。

 

陽子さんは博を見ながらニコッとして「良いよ、博君がもう少し大きくなったらね」と言い

「ほら、今のままだとキスも出来ないでしょう。」と言って笑いました。

陽子さんのお母さんまで「博君頑張って大きくなっておばさん応援するから」と言って

「良かったよ、こんなでかくなった女の子を嫁に貰ってくれる人がいるから、お願いね。」

とバカな事を口走って喜んでいるおばさん連中です。

陽子さんも博の頭を撫でながら「よっ、未来の旦那様期待しているよ」とからかいました。

博は顔を真っ赤にしているが、心の中で本気にしているので嬉しくてたまりません。

 

 

 

第1章( 4 / 22 )

博の決意Ⅱ

 博は、陽子さんから言われた事を本気に受け止めてしまってトレーニングをする事に

友達の勝君に聞いたら「縄跳びとかすると良いみたいだよ」と言います。

博は勝君に「お前は、縄跳びやったのか?」と聞くとやってなくて、うさぎ跳びやったり

後は階段を駆けあがったりジョギングしたりでいつの間にかこの身長になった事を

いいました。それから「博、良い事おしえよう」と「成長期になるとオッパイがかたくなる」と

言います。博は「どういう事?」と聞くと勝は自分のオッパイを見せて「ほら、ここだよ」と

乳首の下の方にグリグリが出来ています。「これが出来た時運動すると大きくなるから」

博は勝の乳首を指で軽く握ると「いてて・・・。」と痛がります。「なるほど、かたいね」と

言って「これは、確かなのか?」と聞くと勝は頷き「牛乳も飲むと良いよ」と言います。

 

博は、早速家に帰って冷蔵庫の中を見ると牛乳がありません。

我が家は、あまり牛乳飲む人がいないからな、それから毎日飲むと高いからどうしよう

と思いながら何気に新聞を見ると新聞の隅っこに広告があり「あなたも高くなれる」と

言う広告がありそれに「誰にも長身になれる素質がある」と書いてありました。

それを見たバカな博は、「よし、これだ」と良く見ると〇〇万円と書いてあります。

「こんなに高いんだ」親から貰うわけにもいかないし「バイトをしよう」と思ったけど

なかなか良いのがなくて新聞配達も100件配らないといけないしでなんとか博でも

出来るバイトはないか探していました。

 

そんな、ある日の朝陽子さんに会い「おはよう、博君元気してる」と言い博の頭を

撫でながら「早く大きくなってよ」と意味深な事を言います。

「ほんとに大きくなったら僕と結婚するの?」と博が言うと笑って「良いよ~」と言います。

「そうだ、博君今度試合があるから見に来て」と言って大学対抗のバレーボールの試合

のパンフレットをくれました。「只だから見に来てね。」と「未来の奥さんの活躍を見てね」

とからかっています。

博は、からかわれているけど何故か嬉しくてたまりません。

 

 

 

 

 

 

第1章( 5 / 22 )

博の自慢

 博は、友達を誘ってバレーボールの大会を見ようと声を掛けました。

でも、ほとんどその頃は、運動部は「秋季大会」があって行けなくて文化部に至っては

発表会等があり時間がとれません。

暇なのは、博の友達の正夫君だけです。仕方なく正夫君と2人だけで行きました。

場所は大きな市営体育館での試合でした。正夫君は「何だ、大学生の試合かよ」と言い

半分ふてくされいます。「あの、4番の女の人みて」と博が言うと「博の知り合い?」と

「綺麗な人だね、しかも高いね」と言うと「うん、陽子さんて言って近所の人175センチ

あるんだよ」と言うと「凄いな、俺らより30センチ以上も高いな」と驚いています。

試合を見ていても他の選手より目だっています。周りの人も「あの4番凄いな」と言って

「可愛いし長身でバレーもうまい」と褒めたたえています。チームのエースと言った感じで

点を取るたびに女子高生が騒いでいました。

 

試合が終わり体育館の裏の方で陽子さんを見ようと正夫をつれて行くと大勢の

女子高生のファンが陽子さんにサインをねだっています。

「博、お前の知ってる女子大生まるでスター並みだな」とみています。

暫らくするとバスに乗り込む為に他の選手と歩いて博達の方に向かってきます。

陽子は博に気づいて、「見に来てくれたの有難う博君」と言って手を握ります。

正夫にも「博君の友達?」と言うと恥ずかしそうに頷くと「陽子です、よろしくね」と言い

正夫君の手も握ると顔を真っ赤にして「正夫です」と答えます。

正夫は、「博、すげーホントに知り合いだったんだ。」と言うと博は得意げになって

「知り合いじゃなく婚約者だよ」とバカな事を言うと正夫は「ええー、まさか」と笑うと

優しい陽子は「そうよ、ほんとに今日は有難うね未来のご主人様」と正夫の前で博に

こう言いました。そして、博と腕を組んで写真も撮ります。

周りの女子高生が、なんなのあのチビすけ中坊がと怒っています。

 

その翌日、学校では正夫がクラス中に喋りまくって博は、一時的にスター扱いです。

バカな博は「彼女と会いたい人は僕に言ってね。」とか「陽子さんは僕の恋人だから」とか

ほら吹き博になり下がりました。

 

 

 

 

第1章( 6 / 22 )

陽子からの贈り物

 冬が来て年が明けて、いよいよその頃になると学校中がソワソワしています。

それは、バレンタインデーといった僕にとってはまず縁のない行事です。

(一年の内で2月14日は無くなってほしいといつも思っています。)

それでも、心の隅にわずかな期待を描いていましたけど今年もダメでした。

 

やはり、部活をやってる同級生は皆貰っていました。特に野球部の勝君は

チョコどころか花束まで貰う始末です。しかも、普段話もしない同級生の女子が

博に声を掛け「博君は、勝君の友達なの?それじゃこれ渡して頂戴。」とお願いします。

博もこんな時にしか声を掛けられる事が無いのでこんな事でも引き受けるおめでたい

中学生でした。博は、幾つか勝にチョコを届けると博に「帰り荷物多くて一緒に帰ろう」

と言い家まで持ってくれたら少しやるよと博にとって屈辱的な言葉に「俺、寄る所があるから」

博は、半分泣きながら一人で帰りました。

 

帰ってから部屋に閉じこもっていると「こんにちは」と玄関で女性の声がします。

出て見ると陽子さんでした。「あれ、博君どうしたの目が赤いけど」と笑います。

博が「誰もいないんだけど」と言うと「博君がいるじゃない」と言って

「はい、これ」と大きなハートの形をしたピンクの箱を出しました「もう食べすぎたかな?」

「それとも、貰えなくて泣いてたのかな?」と図星をつかれました。

博は、「しょうがないから貰ってやるよ」と手を出すとすぐに引っ込めました。

「貰う時は、ありがとうでしょう。」と陽子さんが言うと博はうつむいて「ありがとう」と

いうと、「はい、これからもよろしくね」と言いチョコを渡して博の頬にキスをします。

博がビックリすると「これは、バレンタインのおまけ」「博君がんばってよ」と励まします。

 

翌日、学校に行く時にいつものように陽子さんが「博君おはよう」と言って

「もっと鍛えて大きくなってよ」と頭を撫で「そうだ、博君に大事な話があるから」と言い

「学校終わったらうちに来てね」と言いました。

博は、学校に行っても落ち着きません。陽子さんの大事な話って何だろうと思いながら

一人でいろいろ考えました。まさか『博君私の体をあげます。』とかはないな

『結婚を前提にお付き合いして』これもまずないな、だいいち博は中学一年です。

博はいろいろ考えながら表情はデレデレとしています。

正夫君が「博どうしたの、チョコ貰えず悩んでいるの?」

博は「何言ってるのお前は貰えたのか?」と聞いたら「うん、一個だけ」と言うと

博は驚いて「一体誰に貰ったの?」と言うと「保健室の先生」と言いました。

その日は、保健室に来た生徒全員にあげてたようです。

「俺は、あの陽子さんから貰ったよ、しかもキスのおまけつきでね」と言ったら正夫君が

「え~、そうなの羨ましい」と言って博の肩に手を置いて博の耳元で小さな声で

「そしてどうなったの」と聞くと「実は今日陽子さんが大事な話があるからうちに来て」と

言うと「それって告白?」と正夫が言うとバカな博は「多分そうかな」とニヤっとします。

この、コンビはどこまでもおめでたいバカコンビでした。

 

 

 

 

パヤオ
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