やす:早い話、アメリカが儲かるように、なっとるんやわ。貧乏人を食い物にして、金持ちが私腹を肥やすって寸法や。このまま、犬死するわけにはいかへん。女の意地を見せなあかん。TPP反対一揆を起こしたる。JCとJK力あわせて、国会議事堂に殴りこみや。今にみとれ、パンツいっちょで殴りこんだる。よだれたらすんじゃ、ね~ぞ。
きよ:暴力はあかんがな。もっと、かわいく、色っぽく、乙女チックに、攻めなあかん。
やす:よっしゃ、数百万のJCとJKで国会議事堂を取り囲んだる。ほいで、乳もみながら、鼓膜が破れるぐらい喘ぎ声を出したる。偽善者のおっちゃんたち、鼻血出して、気絶するんじゃね~ぞ。貧乏人をなめるんじゃね~、TPP断固反対だ、わかったか!
(握りこぶしを作って、腕を振り回す)
きよ:やすこそ、鼻血でるんちゃうか、もうすこし、落ち着きーな。
やす:あかん、鼻血でそうやわ。おっちゃんの悪口、いいすぎたわ。この辺で、逃げよか!
二人:ありがとうございました!バイビ~。
(お辞儀した後、二人は腕を組んで、スキップで去っていく)
一つ目のお題の途中から、篠田教頭がこっそり教室をのぞいていた。生徒たちは、笑顔で大きな拍手を送った。教頭も拍手すると、一番後ろの席に腰掛けた。再び、二人が登場すると、割れんばかりの拍手と奇声が上がった。
*秋*
やす:やす子、で~す。
きよ:きよ子、で~す。
二人:(抱き合ってキスをした後)やすきよ、で~す。(せりふを言いながら、やすは右手を、きよは左手を斜め前方に伸ばす)
きよ:もう秋やね~、秋といえば、食欲の秋やんか。でも、この季節、怖いのよね、太っちゃうから。
やす:きよはダイエットせなあかんのとちゃう。ウエスト、あらへんで。こけしみたいにずん胴やで。(やすはきよのウエストに手をやる)
きよ:なん、ちゅうこというねん。気にしてんのやで。美容体操、毎日やってんけど、あかんわ。食事も減らしてんのやけど。どないしょ。
やす:ダイエットより効き目があるのがあるで、恋や。恋愛したらええねん。きっと、やせるで。いま、彼氏おらへんやろ。その、体型じゃ、おらへんわ。ずぼしやろ。(へん顔で、ウエストを見る)
きよ:わかるか、おらへん。でも、ちょっと、好きな人が、先日できたんやわ。予備校のロビーでイケメンに声かけられてな。胸、はちきれそうやったわ。(両手で胸を持ち上げる)
やす:イケメンかいな。そいで、メアド教えたん。(きよの右肩をポンと叩く)
きよ:もち、教えたがな。こないだ、メールがきよった。飛び上がったわ。