WARNING MARK 2 -廃棄物テスト-

  指令本部は、レーダーに引っ掛かった四つ目の物をSWAT隊に知らせていた。
  直ぐに場所に急行する。
  移動中に連絡が入った。
「時速六十kmの車は、おとりだ」と。
「今、時速百kmのバイクを追跡中」だと。

  しかし、また、とんでもない話が入って来た。
「時速三十kmで飛ぶ未確認 飛行船は、有り得ないと!? なぜなら、飛行船は、遅く見えていて最低百kmは、出ていて当然だと!?」
  それじゃ~、あの飛行船は、何だと!?

  そして、レーダーの発信源に付いて調査をしていた
SWAT隊員達は、びっくりしていた。
  外に出て修学旅行生達や一般人が多く居たのと音を立てて徐々にハリケーンが作り始めている状況に遭遇してしまっていたからだった。
  作り始めていく、建物内に居るSWAT隊員達の吹き飛ばされていく姿を眼前で見ているしかなかった。
  ビルや物が粉砕されていく。
  まさに彼らは、ハリケーンの渦の目の中に居たのだった。

  人間に出来る事は、何もなかった。
  人を助けようにも時間がないし、人数が多すぎた。
  風が目に映った。
  ガラスの破片、外壁のコンクリート片、粉砕した数えきれない程の物が風の流れを作った。
  瞬間的に物を噛み砕き、バリバリバリと音を立てていく、人間が目にする所々を超極細バーコード模様化して見えなくしていく。

  壺の内側をそこかしこに剥がれ落としていくように浸食してゆく。
  真上は、青空が見えていた。
  見上げれば《神》が居て、顔を戻せば、目の前に《悪魔》が居た!?
  いや!? 悪魔が消えた!? 何も起こらなく成った。
  風も止んだのである!?
  夢を見ているか、キツネに摘ままれたようだった。

  安堵と同時に緩やかな風が頬をかすめた、右手で右頬を触ると同時にゆっくりと天を見上げた。
  ドーンという身が縮まる程の凄まじい音に周りの人々は、離れて行った。
  SWAT隊の一番威勢のいい男が雷に射たれた。
  一瞬にして体中に細かい電気が走る、両手を広げた、炎が上がり膝から折れ、そして背中から倒れ落ちた。

  風が強く成り、一つ目の竜巻が、倒れたSWAT隊員一人をマジックのように宙に浮かせ、空中を舞ませ、天高く飛ばされて行った、次第に二つ目、三つ目と竜巻ができ、バイクや車を中空に引きずり込んで行った。
  人間が逃げ惑うと同時にまたハリケーンが作られていく。

  あっという間に砂嵐の中にいる感じに成った。
  目が開けられなく成り、眼前を手でかばう。
  しかし、手に何も当たらなくなり、音が無くなり、視界が開けたのだった。

  そしてSWAT隊の一人は、見てしまっていた。
  子供が居ない、大人ばかりの周囲の中にスローモーションで迫って来る、見た目大きなブロック状の細長い針型の赤いマグマが。
  ジュー、体中が小さく溶けたり、燃えたりしていく。
  悪夢の中なのか、地獄へのカウントダウンが刻一刻と経っていった!?
  逃げる余裕が全く無かった・・・・・・。

  また他のSWAT隊では、右から左から凄まじい風!?の中で、いや凄まじく多くのスズメ蜂の中で隊員達は、虫と戦っていた。
  倒れていく者が多く成っていく中で突然 居なくなり、無風状態に成った。

「あア~っ」
「ふうっ、ふうっ、ふうっ」
  ウグッ、みな唾を飲み込んだり、慌てふためいたりして心臓をドキドキさせたり、体をばたつかせたりしていた。

  しかし、気を抜いた一瞬の間に全てのSWAT隊員や民間人は、頭を目掛けてぶっ飛んで来た二段式の横に数本の釘が出た半面の仮面に人間達は、手当たり次第相手を倒す殺人マシーンに変貌していった。

  アンドロイドゾンビだった。
  敵味方関係無く倒していく、レーダーに引っ掛からない、たちの悪いマシーンがハリケーンの中でうごめいていた。
「う~」
「アア~」
と何処からか飛んで来る手に合体するオゾマシイばかりの武器に叫んでいた。
  地上の廃棄マシーン、被害者を増やしていく。

迷 彩映 (mei saiei・メイ サイエイ)
WARNING MARK 2 -廃棄物テスト-
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