未完聖堂と桜色のgakufu

「こんにちは、●●●さん、腰 大丈夫。 痛いの治ったのかな~」

「こんばんは、●●●。 腰は、薬を飲んだり、シップをしたりすると治ります。 大丈夫だよ。 ただし、寒く成ったり、疲れたりすると痛くなるんだよね」

「おはよう、朝早くから、メールしちゃった。 このひと時を一緒に共有したくてさ~、ダメかな~」

「おはよう、●●●。 全然ダメじゃないですよ。 そういう考え方をする人は、好きですよ。 一緒に共に過ごそうよ、ね~」

「こんばんは、●●●さん。 地震かなり揺れたけど、大丈夫だった。 心配でメールしちゃった」

「こんばんは、。 かなり揺れてビックリしたけど、こちらは、大丈夫です。 俺も君の事が心配でメールしちゃいました。 無事なら何よりです。 君は、うちの家宝だから、ケガをしてほしくないんです」

「オ~、●●、○○だ、電話なかなか繋がらなくてさ~、大丈夫か~!?・・・テレビを見て心配してさ~」

「オ~、ありがとな~、電話をかける人が多いから、なかなか繋がらないんだろうな、みんな無事さ、本当にありがとな~、親二人は、入り口の直ぐそばに居るよ、直ぐに出られるようにさ~・・・揺れ方がデカクて回数が多くて・・・正直言って・・・俺も恐いよ、でも本当にありがとな」

「オイッ、●●、お前、一緒に成る女の人に○○の本当の全ての事を言わなくていいんだからな、お前の人生まで狂わせる必要は、無いんだからな、ナッ、解ったな、いいな」

「・・・うん、解った~・・・・・・でも、一生を共にする相手に嘘を付いてまで、俺は、幸せに成りたくないよ」

「普通は、相手に分かるように立て札を家の外に置いて置くのですが、●●は、家の前に立て札を置く事が好きな人では、なかった人だから、立て札は、出さないんですよ」

「俺さ、涙を流してメソメソと湿っぽく成って、送り出すのは、嫌いだからさ~、せめて最後くらいは、生前の時の事を思い出してやって、明るく和気あいあいとして送りだしてやりたいと思っているんだ」

「お前、親でも借金をするのは、嫌いか!?」

「あ~っ、嫌いだよ・・・それが、どうしたん!?」

「やるつもりだったんだけどな~、とか、努力したんだけどな~、っていうのは、俺には、意味がないんだ。 《結果しか俺は、信じないから。 だから、結果だけを出してくれよ、そしたら、俺は、信じるからさ~》」

「あの子ね~、本当にニコニコして喜んだよ~、医者の先生に″どうだ、聞こえるか″と聞かれた時に″うんっ″て言って本当にニコニコして喜んだんだよ~、今でも忘れないよ、あの時の事は」

「オイッ、自転車 どうしたんだー」(怒)

「・・・上手く乗れないから、駅前のデパートに置いて来たっ・・・」

「誰かに似て、頑固でキカン坊でね~」(微笑)

  まだ、小学生の低学年か、幼稚園頃 このキカン坊と俺と母親で近所の銭湯に行って女湯に入った時の話しである。
  このキカン坊が足も付かない浴槽に沈んで行ったのだった。

  浴槽に入っていた母親は、それを見るやいなや、目にも止まらない早さで・普段では、見た事の無い早さでキカン坊君を救い上げたのだった。
  そして、その後は、何も無かったの如く。
  ふちで見ていた俺は、バ
カながら、感じたのだった。
  《母親って凄いな》という記憶が深く脳に刻まれた一瞬を体験したのだった。

  俺も20代頃 ストレスが溜まって!? 飲み過ぎ、でトイレに行き、用を足し終えて上を見た瞬間に垂直落下し、母親に襟を掴まれ、引きずられ、部屋に連れて行かれた苦い経験があった。 (汗)

  おつ、いとこの子供さんか~、たまたま隣の席に座ったのだった。
「綺麗な目してるな~」
「ふつ、おまんも綺麗な目をしてたんだでね」
「ハ~、haha~」
  笑ってごまかすしかなかった。

「おっ、オオッ、始めて立っちした~!?・・・」
「頑張って立っちしたね~」
「あ~、ぁあっあ~」
  抱いた子に話しかける。

「そんなに″ギュッ″と掴まなくても~!?・・・」
「抱っこちゃんみたいだね~」
(微笑)

「●●●さん、こんばんは、私の事をギュッとしてほしいな~」
「こんばんは、●●●。 俺、毎日でもギュッと×2、ギュ~~ッとしますよ、愛を込めて」

「●●ちゃん、しっかりしないっ」
  家に来て気が緩んで泣いていた。(泣)

「・・・ごめんね~、何も出来なくて~・・・」(号泣)
  もらい泣きしそうで、声も出ず、肩を軽く叩くしかなかった。
「・・・有難う御座いました・・・」
  頭を下げて礼をする。

「時が全てを解決してくれる」

「反則だよね~・・・亡くなった人は、良いイメージしか残っていないんだから」(笑)

「人間・・・いつかは、死ぬんだけどね~・・・」

「・・・・・・《人生》っていったい何だったんだろう!?・・・・・・」
「人生って悔いの無いように生きて行く事だよ」
  直ぐに言い返した。

  いつからか、寝て顔を横にしたベッド上の親父と無言で見つめ合っていた。
  お互いに何かを訴え合うか、テレパシーで話しをするかのように・・・・・・!?

  ザラザラザラ、
「何だよ、父ちゃん、痛いよ~」
  親父が酔っぱらって子供を抱き締め、頬擦りをしていた、ひげが頬に刺さる。(笑)

「やっぱり、身内だね、日頃 話しもしないで離れているのに、いざと成ると結束する・・・俺、今回 改めて分かったよ。 あとから聞いた話で体調が悪くても頑張ってくれて、凄く助かったよ。 他人が100人居るより、少ない身内だけで、来てくれる人だけでいいと、有難いと思ったよ」

  記憶が回想する!?・・・・・・。

  決めてゆく事が多かった、
「何か、色々と解らない所や問題点が出て来ると思います、その時々にまた、ご相談や質問をさせて頂く事と成りますので宜しくお願い致します」

「ここ2、3日だと思いますので・・・・・・ついてやってて下さい」
「はいっ、わかりました」

「あと4ヶ月か、半年の命でしょう」
「はいっ、わかりました」

「親父の余命が今年いっぱいか、もって半年だって・・・ちょっとツラいです」
「●●●さん、お父さんについてあげてね、出来るだけ長生きをしてほしいよね、無理をしないでね」

  疲れているんでしょう、卓上で寝ていました。
  俺は、テレビのボリュームを出来るだけ下げ、成るべく音を立てないようにして寝かしててあげました。

  寒い冬に咳をしていました。
「おかん、うがい手洗いしたか~!?、咳が出るうちは、《うがい手洗いをしろよ~》それでも治らないなら、医者に行かないとダメだよ~」

  寒い台所は、風邪をひかれると困るから、食後の食器洗いは、手伝って台所にいる時間を短くしました。

「おかん、兄弟みんなに連絡をするよっ、いいね」
  おかんが頷いていた。

  血圧が少しずつ下がって来ていた、もう、既に標準値以下だった。
「おまん、もしもの事があっても倒れなんなや」
「・・・わからん!?・・・」
  自分の心臓がどうなるのか、自分では、判断出来なかった。

  pi~、看護婦さんが音に気付き、部屋に来た、《血圧測定不可能》、先生に電話をしに行った。
  先生が部屋に来て、生死の判断をくだす。

  俺の尊敬する人は、仲間の一人で小学生と、中学生の時に両親を亡くしていて、苦労人で突っ張らずに温厚な奴だった。
  俺には、出来ない立派な大人だった。
  金持ちな奴より、上の奴だった。

  年がえも無く、欲しいと言って、買って貰ったクリアーな数珠をこの頃  左腕に付けていた。

 

  自然に脳の回想が始まる。

 

迷 彩映 (mei saiei・メイ サイエイ)
未完聖堂と桜色のgakufu
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