未完聖堂と桜色のgakufu

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「うちは、24日に亡くなったんだ、●●ちゃんとこは、25日だよね~、早いよね~、時が過ぎるのって~、もう3ヶ月経ったんだね~」
「俺さ~、今だから話が出来るけど、さんとうちの親父が、あの世に逝  俺、きちんと手を合わせているじゃん、俺、きちんと線香上げてるじゃん、俺、きちんと鐘を叩いているじゃん・・・・・・。
  気持ち届いてないのかな~・・・、まあ、夢には、出て来てないんだけどさ~・・・・・・何も音沙汰無いからさ~・・・いいのかな~、今のままで!?・・・・・・。 (汗)

「この頃 亡くなった爺さんや婆さんが夢に出て来るんだよな~」
  困っちゃうよな~!?。

「いいねかね、たま~に会いに来てくれて~」
  凄いポジティブに物事を考えていた母親だった。

  頭を下げた事がない親父が病院のベッド上で頭を下げた。
「宜しくお願いします」

  仏前で線香も点けずに、
「今まで有難う御座いました」
  の一言を言い、号泣をした。

  感受性が豊かで、涙もろい子だった。
「女の子みたいだってよくいっていたよね」
  そう言っていたとしても母は、みんなの前では、無言の無表情でいた。

「良くやったって~、お父さん、喜んでるって~」

  お線香を上げさせて貰った。
「うちのお父さんね、24ってまでもケンカをしてないだろうな~と思ったよ」
(笑)

(・・・そうか~、もう3ヶ月が経ったのか~・・・・・・そうか~、もう東日本の地震から3年が経ったのか~・・・)

「こんなに寒くて家の中に細か~い雪が吹き込む家なんか、要らないな、今度は、リフォームじゃなくて建て替えだな!?」
「・・・家は、家だねかね、無いよりマシだよ・・・」
(・・・家という物を考えさせられた!?・・・・・・家族という物も!?・・・)

 

  死刑を宣告された囚人は、《●●、俺は、今でも君を愛してる》という言葉を最期に残すという話しを聞いた事がある。

「暖かく成ったね~、ストーブが要らなく成った~」
「そうだね~、でも日影に成ると寒く成るよっ」
「そうだねっ」

「ほ~ら、さんから、ふきのとう貰った、天ぷらにする~」
「そうだね~、いいね~、有り難いねっ~、持って来てくれて」

  1日3回のご飯の時間 2回は、後片付けの茶碗洗いを手伝った。
  なぜなら、協力し合わなければいけないと考えた結果の《結論》からだった。
  自分の出来る範囲で、自分の出来る事をしようと。

「俺、普通の人のサイズじゃないんだよね、一回り大きいLサイズなんだよね~、履くの」
  そう話をしていた。
  詳しく聞いていると寝る時のトレーニングズボンの話だった。
「へ~、大きいんだね、体が・・・ところでサイズ何だったっけ~、スリーL!?」
と分かっているのに突っついた。
「だから、Lだって、スリーLじゃないって」
「ナニッ、スリーL!?」
「だから~、Lだよ、スリーLじゃないって、ズボンが落っちゃうでしょっ」
(笑)
  そうバカ話しをしていた。

  小さめの炊飯ジャーがご飯が炊ける音を出し、ブツブツブツといっていた。
  思わず俺は、左のジャーを見た、湯気が上がっていた。
  近くにネズミが騒いでいるのかと思っていた。
  すると母親も同時に見ているのが分かった。
「おまんがオナラをしっているのかと思った」
「俺が″ブツブツブツ″と終わらないようなオナラをするか!?」
(笑)
  母親と一緒に笑っていた。

 

  残った人間は、故人を尊び、先を見て進んで、歩んで行かなくては、いけないという義務があると私は、思った。

(一人減ったから、また一人二人 増やさないとな~)

  太陽の日差しが毎日 上がるように、完成しない、創作し続けるサクラダ・ファミリア教会のような終わる事のない家庭を作り、明るく楽しい家族を作り、愛や人間らしさ、助け合う心や常識度などの芽を育て続けていきたい・・・。

  前途多難かもしれないけど・・・・・・。

  それが私の夢だから。

 

  少しずつ×2、暖かく成って来ていて小さな桜もつぼみを持ち始めて来ていた。
「筋が一本通っていれば、いいんだよ・・・・・・」 
(オヤジっ・・・!?)
  タイヤ交換が終わり、ノーマルタイヤの洗車をしている時に思い出した。
  太陽が眩しかった。

  久しぶりの青空、雪が消えつつあり、春が近付きつつあった。
  内気で不器用で相手に退屈させてしまう私がいた。
  彼と少しだけ濃い目なキスをした。
「ね~ね~、子供出来ちゃったみたい、産んでもいい・・・!?」
「本当に!?・・・」
「うん」
「もちろんさ、一緒に育てて行こうね」
  目を合わして、再びキスをして抱き締め合った。
  春らしい少し暖かみのある桜色っぽい風!?が頬にまとわり付き、舞い、通り行った。

  そして視線の先には、雪がとけた事により出来た《羽馬》が見えていた。

 

・・・これが幸せな時間なのかも!?・・・

・・・ゆっくりと進みますように・・・。

・・・少しでも、この子に幸が多い事を願う・・・。

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迷 彩映 (mei saiei・メイ サイエイ)
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