七転八倒

貧困・格差~資本主義の行き着いたところ

20世紀の日本は、少なくとも現在のような経済格差、貧困問題はなかったのかもしれない。

そして今、3.11を経て国民の経済面でも多種多様な、そしてある意味では非情なまでの競争社会が急速に広まっている。

この貧困・格差は、あるいは資本主義とグローバリゼーションの行き着いたところなのだろうと思う。

もうすでにかつてのような横並びの経済平等社会は望むべくもないのか?

私はそうでもないと思うのである。

つまり、これからの日本の目指すべき社会のビジョンはグローバリズムとの決別であり、より地域社会に根差したまったく新しい経済活動に基づくものだろうと思う。ひとつには大量生産・大量消費ではなく、より一層の地産池消を基本とした経済社会であり、さらには必ずしも経済成長に依らない社会である。たとえば電力などのエネルギーも再生可能なものを地域で作り地域で消費するのである。農業や介護なども同様であろう。

それは、かつての横並びではないかもしれないが、ある意味平等で個々人の能力をいかんなく発揮できる、高齢者や女性、また障害者なども含めた全員参加型の社会であろうと思う。


喫茶「麦草」~一か月ぶりの散歩

約一か月ぶりに外へ出た。
自慢の緑色の自転車に乗ってのんびり走って、
やってるかなあ~?と思いながら「麦草」を目指した。
自転車を店の前に止めて商い中の店内に入ってがらがらの店の右手前の席に着いた。
家から近いのに麦草に来たのはなんと30年ぶり。
ウエイトレスさんがメニューを置く前に「ホットコーヒー」とぼくは注文した。
コーヒーを飲みながらぼくは、
道行く人たちを眺めていた。
きれいなお姉さんが歩いている。
彼女たちはどこを目指しているのか知る由もないが、
ひとりのミニスカートの女性の脚線美を見てぼくの身体が反応した。
「もう20年近く女性を抱いていないなあ」
そのこと自体にやや当惑しながらも、ぼくはそのことを深追いしなかった。
まもなくぼくは席を立ち、コーヒーの代金を払ってそのまま帰宅した。

東京都北区の自宅、放射線量初測定

ロシア製の放射線測定器RD1503を入手したので、
遅ればせながら自宅の屋内放射線量を測ってみた。
値はだいたいにおいて自宅内どこも同じ程度で、
毎時0.1マイクロシーベルト台半ばだった。
我が家は東京都北区王子にある、木造2階建てである。
高い。異常に高いと思う。

役所の公式発表値より桁が違う。
ちなみに福島県南相馬市の公式発表の値と同じ程度だ。


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とき子ちゃんのこと

ある時ぼくらは、不忍池で二人でボートに乗っていた。
ある時ぼくは、御茶ノ水駅前の「山」で彼女と待ち合わせていた。
またある時ぼくは、一輪の花を手に、彼女の誕生日に上野のデパートの屋上に居た。
30年も昔の事だ。
彼女の家は東船橋駅前にあった。ご両親と兄と暮らしていた。父親は水道店を営んでいた。いつだったか、千葉の房総の辺りを旅した帰り、ぼくは途中下車してはじめて彼女の家にお邪魔して、昼寝までさせてもらったことがある。とき子ちゃんが言うに、たびたび外国にも一人で旅して歩く彼女には英国人の恋人が居るとのことだったが、一度など彼女はぼくの入院先までわざわざ見舞いに来てくれたこともある。そんなとき子ちゃんに恋人が居ようが居まいが、ぼくはたいして気にしなかった。とき子ちゃんとぼくは同い年だった。大学の同じサークルに所属する知り合い同士だった。それほど目立つような美人でもないし、可愛いというほどでもない。まあ容姿は平凡と言えば平凡。いい意味でちょっと変わった女の子だ。
篠田 将巳(しのだまさみ)
作家:shinoda masami
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