導命家

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導命概論( 8 / 14 )

総命の体内

ヒトは、総命という巨大な生命を構成する細胞或いは微生物である。
巨大な生命と言っても人間の視点での話であり、宇宙や銀河から見れば、総命も微生物といえる。

 

地球系生命体の微生物である我々は、当然、その体内に棲息している。ヒトが当たり前に眺めている山川草木海空の豊かな自然風景は、体内そのもの。

 

これは、都市にも当てはまる。

ニューヨークの高層ビル群も、

ローマの街並みも、

何もかもが体内の姿である。

 

DNAの被造物であるヒトは高層ビルを建てる。これ、人工物なり。

DNAの被造物である燕は巣を作る。これ、燕工物なり。

総命にとってみれば、ヒトの建てたビルも燕の作った巣も、被造物の被造物なり。

あなたの視点は、ヒト細胞のミクロの視点なり。

導命概論( 9 / 14 )

ヒトの役割

地球系DNAの被造物は、原生生物から一貫して進化を続け、現在のヒト種、つまり従来型ヒト種に到った。そして進化は、常に地球外へ向かっている。

 

ここに、ヒト種器官としての役割がある。それは、生存圏を地球外にまで拡大することである。DNAが拡大する方向は地球外であり、ヒト種だけが有するこの能力は生命の流れと一致している。これはすなわち、総命内におけるヒト種器官の果たすべき役割を意味している。

 

ではヒト種器官の具体的な役割とは何か。それは、地球外でも繁殖可能な環境を作り上げること、すなわち地球外共同体の建設である。地球外共同体とは、その地で暮らす住民が結婚、妊娠、出産し、生まれた子らがそこを故郷として成長し、学び、恋愛し、新たな家庭を築き、子を儲け、教育し、その子がまた同じく成長できる環境を指す。それらの条件を満たすために、政府、自治体、企業、学校、病院、公園、商店街、競技場、歓楽街等が設けられており、地球外の独立した文明圏としての役割を果たしている。

 

この共同体の存在意義は、DNAの拡大に寄与するだけではない。生存リスクの分散にも貢献する。地球で大規模な災害や人災、例えば大噴火、大地震、地球規模で蔓延する疫病、そして全面核戦争が発生し、地球人の文明が壊滅しても、共同体の人々は文明を保持している。さらには地球のヒト種が地球のみならず宇宙から消滅しても、あるいは地球が木っ端微塵に砕け散り文字通り滅亡しても、地球外共同体が存在しているので総命は生き続けることができる。

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導雲
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