導命家

前書き( 1 / 1 )

生命の飛翔期

1万年後、1億年後の地球はどのようになっているだろうか。私は常々このように考える。その時もまだヒト種が存在し、環境に配慮した生活を送り、持続的な開発を行っているのだろうか。それとも、ヒト種は存在しておらず、新たな種が地上を闊歩しているのだろうか。

 

そのような未来に、私は当然存在していない。そして私を一個の生命体と捉えるならば、私と未来は時間的にも物理的にも大きな隔たりがある。しかし、私の存在を、部分として、全体として広げて行けば、徐々に接点も増えていく。それはつまり、一個の人間としてのみならず、ヒトという種として、地球系生命体として捉えるということだ。それならば、私は1万年後、そして1億年後とも繋がっている。

 

しかしながら、人類即ちヒト種を全体と捉える従来の生命観では、未来と私を一つの存在として包み込むことは難しい。そこで私は、「導命(どうめい)」という名の新たな生命観を提唱する。導命は、私一人の世界観や物語に留まるだけでなく、21世紀以降の世界に大きな影響を与えると私は確信している。最初の試みとして、私の次の台詞に触れていただこう。

 

「アームストロング船長の小さな一歩は、人類にとっても、そして地球系生命体にとっても偉大な飛躍である。」

 

本書を読み終えた後、もう一度この台詞に触れてほしい。あなたは感動と共に納得するだろう。
 

導命概論( 1 / 14 )

根源生命

万物の大本は根源生命である。根源生命は多次元生命、宇宙生命、DNA生命、魂命など諸々の生命体を包含する。さらに、次元、時間、空間、法則、物質、力など、世界を構成する諸要素を生み、森羅万象を形作る。

 

全ては、根源生命の現れ。
宇宙、銀河、太陽、地球、山脈、高層ビル、茶碗、ノート、温度計。

 

あなたは、根源生命の現れ。
あなたの肉体を構成している素粒子、あなたの素粒子を素粒子たらしめている法則、あなたの肉体が存在する空間、あなたの人生に変化を与える時間、あなたの人生を充実させる力。

 

全ての現象は、根源生命の生体活動。
宇宙の生成、銀河の衝突と融合、ホモサピエンスの戦争、生と死、出会いと別れ。

導命概論( 2 / 14 )

多次元生命と宇宙

根源生命が内包する各次元生命体のうちの、
4次元時空生命体が宇宙。
私たちに意識があるように、多次元生命体と宇宙にも識がある。
多次元生命識と宇宙識、そして我々の意識。

 

我々の意識は、宇宙識の一部を構成している。
意識は脳細胞の発する電気信号の統合体。
つまり、意識は宇宙識にとって、幾憶ある電気信号の一つ。
我々の身体も同様。宇宙生命を構成する細胞の一粒。
我らの生き死に、それは、宇宙の呼吸がもたらす、宇宙細胞の一瞬の明滅。

 

意識と身体感覚を地球全体にまで広げれば、地球と一つになる。
銀河系全体にまで広げれば、銀河系と一つになる。
宇宙全体にまで広げれば、宇宙と一つになる。
多次元生命体にまで広げれば、多次元生命体と一つになる。
根源生命にまで広げれば、根源生命と一つになる。

 

 

導命概論( 3 / 14 )

御魂人

私たちの本体は、魂次元世界に住む御魂人(みたまびと)である。その御魂人は、今生への入り口である「生の門」をくぐり、その際に、ホモサピエンスの肉体をまとい、名を授かった。我々は、御魂人が今生で演じている登場人物なのだ。

 

舞台役者が衣装をまとうように、御魂人はあなたという肉体をまとっている。舞台役者が役名をもらうように、御魂人はあなたという名を授かった。舞台役者が舞台で演じるように、御魂人は宇宙という大舞台で演じている。現在の私たちは地球編を生きており、小さな惑星を舞台として、あなたという登場人物を一生懸命に演じているのだ。いわば、人生とは芸術であり、あなたの生涯は、死を以て完成する一つの作品である。

 

役を終えるか、肉体の寿命が尽きるか、あるいは別の事情によって死の門をくぐるときに、ホモサピエンスの肉体を脱ぎ、名を残し、役割を終え、魂界へ帰っていく。生の門は、魂界からの出口、今生への入り口。死の門は今生からの出口、魂界への入り口。御魂人にとって、生死の門にそれほどの差はない。ただ、方向が違うだけにすぎない。


 
人間としての自我と、御魂人としての自我は異なる。例えば、演じている役者の自我と、登場人物としての自我の違いを考えてみればよい。ヒトとしての自我は、御魂人の自我に包含される。その御魂人は、別の登場人物として今生に現れることもあり、その際に、過去の精神、覇気を継承することがある。

 

導雲
作家:導雲
導命家
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