シンシア -秘宝城-

「こちらヘリ!、こちらヘリ?、ビルの屋上の暗雲!?から、おびただしい程のゾンビが溢れ出て来て下に向かって歩いている!?」

「生きてこの方  あんないくつもの火柱  見た事ないよ」
 
「・・・・・・そうか、あのミサイルは、建物を爆発させる為の物じゃないんだ!? 粉塵をまいて暗闇を多くする為の物だったんだ」

「・・・直ぐに襲って来なかったあの時間は、計画の為・・・ミサイルの準備や電気の遮断だったんだ!?・・・」

「あの宇宙服のヤローも・・・ワ・ナ・・・!?」

  悪魔の軍隊は、高層ビル群やガソリンスタンドや発電所、ガスタンク、電波塔等を片っ端から、燃やしていた。
  ビックリしたのは、空中に向かってミサイルを何発も発射した事だった。
  後から、解った事だが奴らは、ミサイルの中に≪黄砂≫ならぬ微粉塵を入れて爆破させ、空中散布していた事が判明していた。

  そして1・5メートル程の和紙で出来ていそうな球体も宙に浮いていた。
  模様も色んな物があって気持ちが悪く、何だか解らない事が人間には、気に入られてなかった。

  最後の砦とされる司令本部に敵は、近付きつつあった。
  しかし、スーと敵を交わして一つの球体が司令本部に音も無く、難なくと入って来ていた。
  宙に浮いたまま停止して波動!?を出す。

  突然 夢を見ているかのように目の前に現れた球体に全員が気付いて弾が尽きるまで銃で発泡し続けたのだった。
  カラン、カラン、カラン・・・、ヤッキョウが飛散した音と同時に球体は、落ちた。  静寂の後、みんなが下を見て、まだ構えていた!?  (いつもと何か違う)
  それは、敵の周りの床や周りに殺傷後が全く無かったのとヤッキョウが散らばっていたからだった。

  みんなが徐々に近寄って行く。
  すると中央の奥に居た隊員の銃が飛散して落ちたのだった。
  その音に気付いて隊員を見ると顔と心臓から左腰までの二ヶ所を斜めに切られて擦り落ちる姿をみんなが目の当たりにしてしまったのだった。

「何なんだ!?」
  殺された隊員の右側に居た隊員が銃を構えていると下の自分の陰が立ち上がり、一瞬で心臓辺りを円柱に切り抜かれたのだった。
「あっ・・・!?」
  声のする方を見ると隊員の心臓部から向こうが丸見えの状態で次の瞬間 倒れたのだった。

  入口 右側に居た隊員が銃のトリガーを引いた・・・が弾は、発射されなかった。
  弾倉を外して見てみた。
  弾が入っていた。
  不思議な感覚の次の瞬間  大きなカマの先が、お腹から出て来たのだった。
「あアあアっ!?・・・」
「・・・俺が来た時に波動念を出したろう・・・銃は、役に立たなくなったんだよ!?」
  再度、再再度 カマを押し入れたのだった。
  隊員が宙に浮き、凄まじいばかりの大きな鎌が、その場に残った。

  鎌で殺られた隊員の右側に居た隊員が突然 自動小銃のトリガーを引いて、投げ捨て、走って逃げ出した。
「助けてくれー、助けてくれー」
  すると外に居た右側三人、左側二人の隊員が銃を構えて集まって来た。
  黒い悪魔が両手を軽く広げて掌で空気を軽く押した。
  すると近寄って来た隊員五人が一瞬にして多くの銃弾により、即死させられて倒れたのだった。
  手や腕や指、足が剥ぎ取られ、地に散乱する。

  司令本部内部に居た隊員は、七歩位 行った所で両手両足を肩幅に広げられ、立ち止まっていた。
「アあアあ~・・・!?  から・だ・が・動・か・な・い・・・・・・!?」
  黒い悪魔が近付いて行った。
「・・・・・・あッアっ!?・・・・・・」
  知らず知らずに悪魔は、消えた。
「うッ・ウっ・・・!?」
  グッチャ、ずズzu~、  隊員の体の中から、臓器や肉や皮膚を裂き破って出て来たのだった。
  服を脱ぐように肉を黒い手でカキムシって棄てた。  和紙の玉が動いて来て、リフトに腰掛けるようにして乗って闇の中に去って行く。

  司令本部は、爆破や火事には、ならないものの音を立てずに機関銃に撃ちまくられたように粉砕、そして大散乱していて使い物にならない状態に成っていた。

  プス~プスプス~、
「・・・・・・こちら司令本部、こちら司令本部、至急  応援頼む、至急  陸と空からの増援頼む・・・・・・」
  機械が微量の火花を散らして崩れ、司令本部は、音も無しに凄まじいばかりの炎に包まれた。


 

  偵察機が飛ばされていた。
「どうなんだ、新宿は!?」
「・・・・・・新宿の街は、もう、ゴーストタウンに変貌してます。 誰一人として居ません。 ただ崩壊したライト ブリッジ ヒルズというビルの近くに大きな穴が開いていて中に古い城らしき物が見えています。 もう一回  確認してから戻ります・・・・・・ゥッ!?・・・」

  偵察機が戻って来ていて着地し、パイロットが基地の方に歩いて来ていた。
「何やっているんだ、あいつ・・・!?」
  パイロットが途中で歩くのを止めて立ち止まっていた。
  基地のみんながモニターに目を止める。

「・・・フフフッ、我にたてつく馬鹿ども、もっともっとエキサイティングなゲームをし合いませんか。 待・っ・て・ま・す・よ」
  そう言って左下から右上に向かって右腕を横切らしたのだった。
  体を胸を張って威張った姿勢にして立ち。

  やがて記憶に刻まれる事が行われた。
  消防車の放水式の様に体内の五臓類が肉を裂いて服を破って頭上二メートルの高さまで吹き上がったのだった。
  血が地面に広がり、上半身は、垂れ下がった。
  それからだった、度肝を抜かれたのは。
  常識的には、もう死んでいるはずの奴が五歩程 歩いたのだった。
  見ていた兵士達が血の気を引いた時だった。

迷 彩映 (mei saiei・メイ サイエイ)
作家:MONALI PADORA
シンシア -秘宝城-
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