嘘ばかりの脳卒中リハビリ その実態を斬る! 第1巻(完結)

記事1~50( 36 / 50 )

記事36 ボバース概念を斬ります!

この記事も号外のようなものですけど

検索ワードを見ていましたら、ボバース法についてありました。

私はボバースについて書いた覚えはないんですけど

それでも検索に入るって、、、(うーん)

一度だけ書いたことありましたね。

ボバース法は一般的ではないってね。そうそう。

とはいえ、ボバースの勉強会などは最初勤務していた施設で

かなりやったものです。

で、結論からいいますとね。

ボバース法って、いかに痙性を高めないようにするかっていう

そういう考え方です。

正しいといえば正しいような、、、

間違っているといえば間違っているような

そういう治療体系です。

もう少し詳しく書きますとね

痙性が最初から存在するということを仮定している治療体系で

あると思っています。

ですから、痙性を可能な限り出現させないような方法のようにも

思われます。私はこのことに対してずっと疑問を持っています。

実際現場で働いていますとね。

痙性って抑制されてくるものなんですね。いえいえ全部とは

とてもいえませんけど。

でもね、そのメカニズムが簡単には説明できない。

それはボバース法でも同様であり、

もちろんボバース法の効果がないなんていいませんよ。

けれど、そのあたりの説明が得られない限りは

結果としてボバース法でなくても

かまわないのではないかと思うのです。

そう、結果として麻痺が改善、回復するのであれば、、、

痙性を否定するつもりはありません。かなり他のブログでも

書いていますが、脊髄レベルでの痙性という状態が認められるのは

否定しようのない事実ですからね。

しかし、脳血管障害での痙性というものは

未だに解明がされていないような感じがしてなりません。

ボバース法では、かなり麻痺側を伸張しようとする姿勢が

みられます。これは大変よいことでありますが

私が考えるには、実際に急性期の状態の訓練体系なのですから

その治療の考え方の裏側には

最初から、麻痺側が縮こまってしまうという現象を

想定して構築されたのではないかと思われます。

あくまで仮説ですけれど、

もしそうであれば

麻痺側が縮こまるというような状態を

急性期できちんと対応するということ

また、慢性期であっても同様に日常的に

意識して姿勢を修正、あるいは矯正しようとすることのほうが

先に説明されなければならないと思うのです。

いかがでしょうか?

間違っていますかね?

それを、治療体系として麻痺側を伸張させるような設定をしている

ボバース法については、

急性期の治療法としては疑問を抱くことになるのです。

慢性期であればそのような考え方はよいと思うのですけどね

急性期治療から、そういう痙性とか、麻痺側の短縮のようなものを

意識しているのは、どうなのかなって思うんです。

だとしたら、、、これが私の仮説です。

急性期であれば、左右対称の姿勢を限りなく維持する。

そして左右への荷重の偏りをおこらないようにする。

さらにいえば、左右対称の動きをもとに

同側対称性の活動を行うことで、連合反応、同時収縮をコントロール

していくこと。

それから、麻痺側への重心移動を心がけること

このあたりの要素が含まれることにより

急性期におけるボバース治療法の上をいく(かもしれない)

ものが得られると思うのですね。

あくまでも個人的な意見ですので、信じる信じないはあなた次第です。

では。またいずれボバース法については書きましょうね。

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記事37 共同運動パターン解説その2

こんばんは。

今日の記事は私も新説として書きますので

ちょっとどきどきものです。

前回には、上肢の屈曲、下肢の伸展というものが

生命体のもともと持っているものであるということを説明しました。

で、今日はそのことに付け加える説明を行います。

簡単にいえば重力の影響です。

私は何でもかんでも重力で説明してしまいますけど

ま、お許しくださいね。

上肢って、もろに重力の影響を受けますよね。

これって寝ていてもそうですよ。

肩関節は軽度伸展位で寝ていることが多いですからね。

まして、片麻痺の人の麻痺した上肢だけでなく

体側、そして背部の筋肉の短縮や、こわばりなどの

状態がのってきます。

それから、四肢の回復は当然、近位からですよね。

そして、その近位といっても

十分に筋力、随意性が伴わないでいれば

より遠位であるところは、とてもじゃないですけど

関節を固定することが困難になります。

すなわち遠位をコントロールすることが非常に難しい状態です。

???

???

そこに、重力が加わるとしますと、、、

上肢は肘を曲げようとしても、重力の影響であまり

曲げることはできません。

でもね、屈筋が優位であることには変わりないんですけど。

いえいえ、今日はこのことではなくて

屈曲共同運動パターンといっても

肩は軽度伸展を呈します。

さらにいうと肩甲骨は内転方向に引き込まれます。

このことがなぜ起こるのかということなんですね。

確かに上肢は屈筋群が優位であると思いますけど

人間が二足歩行を呈するようになり

上肢を四つ這いのように使うことはあまり多くありませんね。

すると、腕は重力の影響を受け、ずっと持ち上げているのは

非常に大変です。

特に指揮者とか手話通訳の人などに代表されるように

ずっと上に上げているのはかなり消耗する所作になります。

下におろしているのが日常であり、ラクになっているのです。

そして片麻痺になると

うつぶせで眠ることなどができなくなり

結局、背部の筋肉はアッという間に、筋力が落ち

縮こまり、硬くなってしまいます。

おわかりですか?

それを肩屈曲(腕の前方挙上)をしようと思っても

すでに、後ろから引っ張られ、なおかつ腕の重さがあり

さらに同時収縮があり、近位も不安定な状況である。

そのことにより、特に大胸筋、三角筋、上腕二頭筋の力で

腕を上に上げる、脇を開くということができるんですけど

同時収縮により、広背筋などの背部の非常に強い筋肉にも

当然、同時収縮がありますので、なかなか肩を屈曲するという

ことが難しくなるんですね。

そういう治療については、大抵、臥位にて対応することが

ほとんどです。そのことからも十分に私の説は成立すると思います。

、、、

、、、

でもねー。

肩が軽度伸展、肘が屈曲、前腕回内、手首、指が屈曲という

ことでね、本当に屈曲パターンとしていいんでしょうかね。

私はこれは違うと断言します。

かえって上肢の伸展パターンは

肩が軽度屈曲、内転、肘から手指が伸展となりますけど

これも???ですよね。


さらにダメだししますとね

下肢の伸展パターンってね

股関節は軽度屈曲、膝は伸展、足は底屈、さらに内返しです。

足首は手首と比較して考えると、屈曲に相当します。

これでいいんですか?

、、、

下肢については、まず足首が重力の影響で

背屈しにくくなり、アキレス腱の短縮が生じます。

はっきりいって原因はここにあります。

したがって、足首が屈曲伸展中間位をとれない状態で

床に足をつけることが困難になります。

その足裏を、しっかり床や地面につけるには

腰を後ろに引くしかありません。

これが下肢の伸展パターンの正体です。

そして、さらに抗重力という姿勢が

全身的に、麻痺側を下に下げようとしていますので

骨盤も下がり、麻痺側の体側も肩が落ちることで

縮こまってしまうようになります。

これが重力による影響であって、

実際には病気とは直接の関係はありません。

ただし、随意性が低下している状態で

放置しておく、または、治療の方向性(症状程度に左右されますけど)

によって、回復に多くの支障を来たすことがみられるのです。

ということで、共同運動の説明第2弾でした。

くれぐれも

片麻痺で共同運動が起こるという認識はあらためてほしいと思います。

では。

記事1~50( 38 / 50 )

記事38 ブルンストロームステージを正しく解釈してください!

おはようございます。

今日は非番です。なんだか変な気分ですが、、、

働きすぎなんでしょうか?

で、昨日は、自分でも珍しく新説を投稿しましてね。

なんだかちょっとすっきりしています。

ということで、

今までの記事を総合して

ブルンストロームステージというものをあらためて

分析してみます。

脳血管障害を発症すると

運動麻痺と感覚麻痺が生じるのは誰にでも理解を求めることでは

ありませんよね。当然、ダメージを受けた脳損傷部位が

関係する、あるいは伝導路にあたるような

そのあたりで、いろいろな症状が出現します。

でも、、、

いわゆる廃用性症候群はまだすぐには認められません。

よろしいでしょうか?

したがって、廃用性症候群が全く生じないと仮定して

片麻痺は、どのように回復していくのでしょうか?

廃用製症候群を生じさせないということは厳密には不可能です。

しかし、できるだけ良い状態、すなわち関節運動制限が

どこにもみられないようにすべきであるというのが

私の考えの屋台骨になっています。

で、ブルンストロームのステージのように

もちろん最善と思われるリハビリ治療(これ、まだこの先の話に

なりますけどね)を実施していくと、一体どうなるのか?

私は、このような状況でステージを分析しなければいけないと

思っています。

ですから、実際には私には頭の中でのデータしかありませんが

事例としては

ステージ1から6までの回復ということが

得られたお客様の経験もあります。

いえいえ、医師からは、完全麻痺とされた人でしたけどね。

じゃ、そういう人はどのような回復をしたかといいますとね

23年も前の話ですけど

ほぼ一直線に共同運動なんかほとんどみられないで

回復していきました。

じゃ、あの回復曲線ってなに?

いらないじゃん! ってなるわけです。

???

???

実際にお客様の状態や経過によって

お客様の身体には、いろいろな廃用性症候群だけでなく

過剰な努力にともなう連合反応(すなわち持続的な同時収縮)

左右非対称の姿勢によるバランス反応の存在

(これも持続的な同時収縮になります)

さらに、姿勢不良にともなう、身体の慣れ(言い換えれば身体が

車椅子やベッドなどの環境に適応してしまうこと)など

いろいろな状態が上乗せされているのです。

そして、リハビリでは

申し訳ありませんけど

麻痺側を重点的に対応し、非麻痺側についての

すなわち全身的な調整がなされないまま

お客様の時間はどんどん過ぎていくわけですね。

このような状態の

膨大なデータの集合体が

ブルンストロームステージであると思います。

したがって、

全身同時収縮が非常に強い、ステージ3という状態であれば

ほとんどのお客様には

全身的に何らかの関節運動制限や筋の短縮など

顕著に認められる場合も相当あるのです。

したがって、改善しようにもそれ以上は関節がロックされて

しまって変形なども起きているのですから

それは、不可逆的変化であるため

それ以上の麻痺の回復は

見かけ上、起こるはずがなくなってしまうのです。

???

ですから、マンウエルニッケの姿勢を呈する人でも

実際にはステージが5くらいある人はいくらでも

みられるのです。

関節運動制限や筋の短縮などによって

動かせる範囲が狭小してしまうのですから

通常の動かし方ができなくなり、

さらに分離運動の効率が悪くなるだけ

これがステージの本質であると思います。

皆さんも、ブルンストロームステージを

脳の問題であるとばかりに着目するのではなく

重力の影響によるものであり

左右非対称、空間的なねじれが生じないように

していくことで、かなり回復の可能性が高くなるということを

意識してみてください。

私の今後のブログの内容は

このようなことを前提に話をすすめていきますので

ときどき、いろいろな過去記事をチェックしてみてくださいね。

では、今朝も多くの人に読んでいただきまして

ありがとうございます。

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記事39 下垂足について

(これはリメイク記事です)

こんばんは。

おかげさまで、今日は100人のアクセスをいただきました。

役に立っていればいいんですけどね。

さて、検索ワードをみていましたら

今日は下垂足ということで

調べておられる人がいます。

まだ、ちょっとしか触れていないはずなんですけどね

まず、状態を尖足と下垂足で比べてみましょう。

尖足は足関節が底屈して硬くなった状態です。

アキレス腱の短縮にともない、足首の背屈がかなり制限されています。

関節拘縮および筋腱短縮のため

改善はほとんど期待しないほうが、といってもよいくらいの症状です。

一方、下垂足は

申し訳ありませんが、片麻痺と直接の関係はないのかもしれません。

しかし、見かけ上は片麻痺の方で、足首の硬さには問題がなく

足首の背屈の収縮が弱い、あるいは非常に弱いような状態の

人もおられるのは確かです。

特に、ステージの話で説明しますと、

下肢ステージが1、2の状態では

下垂足というような状況が起こってもおかしくはありませんが

なかには下肢のステージが3以上あっても

足部の背屈が弱いままの方も認められます。

膝が屈曲できても、足首を背屈できないって

なんだか矛盾している状況にも思われますが

これを脳の障害から説明するのは、実際にはどうなのでしょうか?

ステージの状態が1、2であれば当然

抗重力筋である前脛骨筋が足首の重さに負けてしまい

足首が持ち上がりにくいことは容易に想像できますけどね。

下肢そのもののステージが3以上あれば

収縮そのものは若干出現していると考えるのが通常です。

ですが、実際には意外とステージ3以上でも

下垂足という状態がみられることがあります。

この原因は2通りあると思うのです。


一つは腰椎レベルの問題です。

特に腰部脊柱管狭窄症により、下肢麻痺が伴っている場合です。

これ結構あるんですね。

鑑別してくださいね。

もう一つは、装具の影響です。

いえいえ、相変わらず否定するつもりはないですよ。

下垂足って、当然つま先が下がったままの状態になります。

それで歩くためには、装具が必要であり

そのときには支柱つきの鋼製の装具が用いられます。

場合によっては長下肢装具から短下肢装具に移行する

そういうケースもあります。

長下肢装具とは、膝をロックさせる機能をもっています。

そのために、下肢を棒のようにして体重を支えるわけですね。

ということは、膝を固定する筋が収縮そのものが弱い状態であると

言い換えてもよいでしょう。

そのときには、下肢のさらに遠位である足部の随意性は

非常に低いはずですよね。

???

???

つまり、下肢の弛緩している状態では

関節拘縮は起こりにくいんですけど

逆に下垂足の状態になっているといえますよね。

だって、緊張が低いわけですからね。

ですから、支柱つき短下肢装具をつけている人の

相当の割合で、下垂足の人がおられます。

もちろん痙性の足の人も、支柱つき短下肢装具を使用する対象に

なっているので、誤解されないようにお願いします。

話を戻しましょう。

支柱つき短下肢装具を使用している人は

その状態が長ければ長いほど

腰のコルセットを離せない人のように

実際には、足部を自力で背屈する機会を失ってしまうのです。

いえね。歩けないのは困るんですけど

装具により、足を背屈する力を補っているのですから

収縮そのものが刺激をしても出せない場合は仕方ないんですけど

多少でも背屈の収縮がある方には

もちろん、状態にもよるわけですけど

実際に少しずつでも背屈(つまりは前脛骨筋の収縮)を促すことが

必要です。って、そうは簡単にいかないんですが、、、

それでも、装具を長いこと使用していると

前脛骨筋が働かなくなってしまい、やせてしまいます。

つまり悪循環に陥ってしまうのです。

さらに下肢の裏側の筋肉に短縮傾向がありますと

これはかなり対応が難しいんですが

それでも、可能性はまだまだあります。

そして

補足説明ですが

下肢への荷重という問題があります。

通常、私達は、片脚に全体重をかけることができますよね。

でも、理学療法士の方ならおわかりでしょうけど

片麻痺のお客様の麻痺側の脚には

全体重の100パーセントの荷重はなかなか行われてはいません。

場合によっては、50パーセントをきるような状態もあります。

試しに自分で、体重計に片脚をのせて

自身の体重の70パーセントくらいの荷重を経験し

その状態で歩いてみてください。

おそらく、杖がないと歩くことができないのではないかと思います。

よく、学生には経験させるんですが(笑)

実際に、片麻痺の方の歩行を再現することは、そういうことで

証明できるのです。

で、また話を戻しますけどね

片脚への荷重が少なくなると

それだけ、下肢全体の筋肉への刺激が少なくなるわけです。

荷重を大きくするように(もちろん痛みとか、バランスとかには

気をつけるのですが)していくと

片麻痺の人の麻痺側の足の運びは、相当改善します。

なぜかって、そういう話はながくなりますのでここでは省略しますが

実際にそういうことが起こるのが、私達の身体にはあるのです。

歩行の話はどこかで説明しますので、ここでは勘弁しておいてくださいね。

というように、麻痺側に荷重をしない状態でいますと

さらに下肢の筋肉そのものの、通常、健康な状態での歩行で

必要な様々な情報が、入力不足の状態で推移します。

これって、さらに健側への過剰な努力を必要とし

さらに下肢への連合反応にも影響してしまうのです。

 

以上のようなことから

下垂足そのものは、鑑別すべき状態も確認した上で

少しでも背屈させられるような刺激をいれること

それも下肢全体(近位の筋肉が強化されなければだめですよ)

へのアプローチと同時に行い

さらに歩行時の荷重に注意し

また、装具の影響などにも関心をもつようにしてほしいと思います。

説明には不十分、まとまりもなかったのですが

とりあえず、号外で投稿してみました。

検索をかけていただいた方には、大変感謝しております。

ありがとうございます。

M-CCアドバイザー 寅 加太夫
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