ラスボスの思想(38)

 私たちは、生まれた時から、マネーシステムに組み込まれ、マネーシステムにコントロールされて生きているのです。だから、心も感情も性格も、マネーシステムによって形成されたものなのです。動物としての人間本来の心を考えてみようと試みるならば、マネーシステムから脱却した人間を想定しなければなりません。これは、非現実的な思考になってしまいます。では、マネーシステムを改善すれば、経済社会がよりよくなっていくのでしょうか?

 

 やはり、これもかなり困難な作業ということが言えます。例えば、経済的平等をもたらすと思われた共産主義経済も今のところそれを実現できていません。また、マネーシステムが引き起こす戦争を解消する手段にもなっていません。むしろ、戦争を激化させているともいえます。おそらく、マネーシステムが存在する限り、経済的平等は実現されず、戦争も消滅することはないでしょう。

 

 ここで、今一度、共生について考えてみます。慈悲深く道徳的な人たちは、教育と道徳によって共生は可能と考えるかもしれません。しかしながら、キリスト教や仏教があるにもかかわらず、いまだ、人間は戦争を続けているのです。一方、野生動物においては、強い動物は弱い動物を食べて生きています。そのことから、そもそも動物は共生はしないものだと考える人たちもいることでしょう。彼らは、反共生と言える戦争や殺戮行為は、人間の本来の在り方だと考えるでしょう。

 

 

 共生は何らかの方法によって可能となると言う考え方と共生はそもそも不可能であり不自然なものであるという考え方の二通りが考えられます。現実に、反戦活動や貧困者救済活動をしている人たちもいれば、民主主義を保護するためには戦争は不可欠だと主張する人たちもいるのです。相反する活動をするのが、人間なのかもしれません。

 

 ほとんどの人は、マネーシステムに組み込まれ、コントロールされて生死をさまよっていると言えます。そして、明日の糧を得るために精いっぱい生きている私たちは、そのことに気づく余裕もないでしょう。でも、人間は、動物ではありますが、野生動物と違う脳を持っています。人間の脳は、記号を創造し、地球上に物質変化をもたらし、素晴らしい文化を構築してきました。

 

 誰も、未来のことはわかりません。突然、実現不可能と思われる人間の共生を可能にする記号システムが誕生するかもしれません。私たちは記号の呪縛から解き放たれることはできませんが、生まれ持った生きるという生命愛がある限り、きっと人類は共生社会を構築できると信じています。記号社会に翻弄されながらも、命を大切に思う心を忘れずに、お互い励まし合って生きていきましょう。

 

      一休川柳

 

 

*金掴み 心を見つめて 知恵となる

 

*子育てに 東に向かう 渡り鳥 

 

*夢を見て チクワを食って 手を合わす

 

*手を合わせ 対策よりも 覚悟です


*能力は 必要性が 作り出す

 

 

*アカチクワ 変なおじさん お漏らしね

 

*アカネズミ 甘いエサには ご用心

 

*大好きよ~ もはや中毒 肥満型

 

*能天気 話しながら 考える

 

*面接で ひらがなしゃべれず 不合格

 

 

*身の回り すべてのものは 教材だ

 

*今を見て 未来の自分 消えている

 

*歳重ね よしきの走り 目を見張る

 

*能天気 チクワ食いすぎ 頓死する

 

*チクワ島 電磁パルスで チンをする

 

春日信彦
作家:春日信彦
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