俺の退職 Season3(ゆるい起業家のゆるすぎ生活実態)

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第二話 資産運用の話題( 1 / 5 )

株をやっていると社会とつながる。これは立派な「株やっている理由」になるはなし

退職してから株取引に熱を上げる人は少なくないようだ。銀行開催の投資講座に何度も出席して会場を見渡すと高齢者がほぼ8,9割居るように見える。俺の株デビューは30歳代だけど、退職してから株や投資信託への熱は上がっていった。理由は、少なくとも俺の退職から数年間は、儲かったからだ。

個人で株式投資する行為は事業とは呼べない。すごい投資をやっている人は例外に事業所得になるかもしれないけど、ゆるい起業ではそんなのはない。だから株をやることはプライベートな楽しみで趣味の範疇になる。しかし趣味から実益を出せる可能性が高いことが魅力であり他の趣味とは別モノだ。

テレビではビジネス番組で株を扱っている。それはまさに個人向けだからあたかも株をやっている個人はきっと『俺のやっている株はビジネスなんだな』と思ってしまう。これは体裁の良い勘違いなんだけど、そんな雰囲気に浸っているだけで『俺はまだまだビジネスマンなんだ』と退職者の気分を上向けてくれる。

この勘違いは俺にとっても個人事業主と投資家との二本立てステイタスを持った気なれるから素晴らしい。
毎日ビジネス番組をテレビで観ていると、俺がまだ会社員だった頃に戻ったような気がしてくる。会社員時代にも俺は株をやっていたから遅く帰宅してもビジネス番組だけは毎回観ていた。会社の仕事と世間のビジネス動向は遠くでつながっているだけで番組を観たからといって役立つことはほとんど無い。だけど『次にどの銘柄を買うか』へは報道がかなり影響していた。

そんな報道を観て買った株が値上がりすることも無かったけど、退職して会社生活とは別モノになった今でも当時の気分と同じ気分を持てるのが嬉しい。
株式市場の動向には世界景気や政治情勢も絡むから、そういった時事関連の報道番組も観るし、ネットでも色々調べる。よく考えるとそういった報道や情報は全部メディアや誰かの意見であって、生の俺が現地で体感したものではないから意義が薄いかもしれないけど、何も社会と接点が無いよりマシだろうと思っている。

こうした疑似的であっても社会とつながっていられるのは、俺が株をやっているからだ。
少し話は脱線するけど、株は学生時代から始めたらもっと良い人生になったかもしれないと、俺は株に気づくのが遅れて悔やんでいる。この悔やみは学生時代から儲けられただろうということでなく、株をやっていたら『俺はもっと入社する会社を見る目があっただろう』ということ。

俺は入社する会社を選ぶ際に就職担当の教授の意見に沿って廊下の掲示板に張り出してある求人一覧の中から会社の知名度だけを指標に選んでいた。そして入社できたのだけど、後々になってこの会社選定のやり方を大いに後悔した。当時は会社の何を見て判断すべきかが全然分かっていないままに賭けのように入社してその賭けに負けてしまった俺なのだ。

「株をやっていないと早くボケる」とは言い過ぎだけど株にはそのぐらいの勢いがあると思う。
では何を念頭に株に取り組むか?それは社会とのつながりではなくて「身上潰さないように」だ。株で身上潰したらもう破綻しかないから、そうならないように株を進めるにはそうしたらいいのか?毎日そればっかり考えては売り買いをして『大丈夫だ。まだ俺は株に負けていない』『だけど含み損出しちゃった!どう回収するか、今日もビジネス番組観よっと』
こんな株をやっているのはもしかしたら俺だけなんだろうか?
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大庭夏男
作家:大庭夏男
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