俺の退職 Season3(ゆるい起業家のゆるすぎ生活実態)

Season3について( 1 / 2 )

Season3について

俺は二回目のリストラ退職してから、その後の身の振り方を迷ったあげくに「ゆるい起業」でビジネスを始めた。
ビジネスとはいえ、うまく稼げる自信が無い俺は「自分で自由に使えるお金だけをビジネスで稼ぐ」式の「ゆるい起業」を思いつき、実行を開始した。これはきっとホンモノのビジネスと趣味の中間に位置するだろうスキマ産業の一つになるだろう。すごい狭いスキマだ。

そんな俺の「ゆるい起業」だから、俺の体験記が誰もに役立つとは期待できないけど、中には同業者やそれを模索する人もいるのではなかろうか。そう思ってSeason3でそこらへんを書くことにした。

まず「ゆるい起業」を実行するには生活費は他で賄えることが必要だ。
俺は所持金と年金でそれを賄おうと決めた。俺は億万長者ではないしポツンと一軒家に住んでいるわけでもないが、お金かけない工夫については余念がない。あえてここで書くが「稼ぐことなんかよりお金かけない暮らしを工夫する方がずっと俺向きで簡単だ!」と信じている。しかし少しは株や投資もする。こんな話を一発目に解説したい。

つぎに俺の「ゆるい起業」の中身について書いて行きたい。
俺はわがままなので、好きなことばっかりしていたい。中でもモノ書きは好きな仕事だが、誰かに指示されて無理やり書くのはやりたくない。それにモノ書きの他の付帯仕事もできた避けたい。こうして残った仕事は「自動販売機」のようなもの。ここに行きついた、これを説明したいと思った。

しかし退職後の個人起業はともすると孤独になってしまう。
孤独自体は好きなことに集中できていいのだが、それで脳がおかしくなってはたいへんだと思い、リアルの仕事を身の回りで探した。案の定お金になる仕事は皆無だが、他人が手を出したがらないあまり儲からない仕事ならある。しかもお金の他に得られる楽しさがそこにある。それも報酬なのではないかと俺は感じた。そんな話題を書いていく。

会社生活が無くなった世界はどんなものなのか。
「こんなものなんです」と書いたのが最終章。俺が選んだ勤めないしあまり稼がない暮らしぶりを列挙した。他の方々にどこまで参考になるかは未知数だけど、思い切っていろいろやってみたらいいとも思わない。俺の場合は思い切ってではなくて、言われるままに、誘われるままに、それが嫌でなさそうだと思えたらやってみる式の受け身で始めたものが大半だ。

どこまで皆様の参考になるか心配しながらも思い切って書いてみた。
どうか全部を参考ではなくて参考になりそうなことだけを参考にしてもらえればと思うばかり。

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話題リスト

第一話 お金にまつわる話題

  • いくらあったら今後の暮らしは安心か?の答えは金額を数えても分からない。代わりに「時間」で考えて「やりくり」上手になったらいい
  • 今後に必要になるだろうお金は過去5年間の家計簿を熟読して将来を占う!?みたいなのが役立つ
  • 計画は、計画どおりに行くハズが無いんだ!ここに気がつくことが大事。それでそうする?こうする!
  • 俺は稼ぐよりもお金使わない工夫をする方が簡単だから、それでこの生活にしました
  • 妻にも家計やりくりに参加してもらう決め手は、ご褒美作戦。だけどやり方は工夫が必要だった話

第二話 資産運用の話題

  • 株をやっていると社会とつながる。これは立派な「株やっている理由」になるはなし
  • 海外旅行は観光もいいけどすぐ飽きる。そんな旅行中の気分転換に株取引をやる満足感も格別だ
  • 切りしないで株を長くやっていると陥る「もう買えない」な気分になる厄介な「盆栽」育て
  • 投資信託はあえて銀行で売り買いすると、なんだかVIPになったような楽しさを味わえるがそこそこに
  • 年金は金融商品ではないけど、やりくり運用は可能で、けっこう役立つという話
第三話 ゆるい起業について

  • ブログで稼げていたけど、今はもうオワコンなのか? 齢のせいかネタ切れ感を感じるこの頃
  • 商品解説を丁寧に書き、買っていただく式の炬燵ブログ記事は捨てたもんじゃないけど、苦労も多い話
  • 一人で多種類のビジネスをやる場合は、自動販売機を師とことが良い!というこれだけの理由
  • 一度だけ大手出版社から「本書けるか」とオファーを受けて七転八倒した出版記
  • 俺のリアルビジネスはお金の報酬が少ないけど、メンタルな報酬があるのだ
  • 俺は意外に世話焼きな短所があり、そいつを活かして誰かと仕事開拓をするはなし

第四話 会社に勤めなくなってから気づいた日常の変化
  • もう勤める気がしないようになるから「少しゆっくりしれから再就職しよう」は無理なのでは
  • 自由になって分かった「会社に勤める大きなメリットは酒の味が旨くなる」という法則
  • 再就職しないとロン毛をもう一回やってみるハードルが下がる。その期待と失望と
  • 久々に憧れの一人旅に出てみたらズッコケて「なぜテレビ番組のようにうまくいかないんだ」と思った話
  • アラ還世代は、自治会役員に白羽の矢が立つ法則があるから覚悟しとけ!みたいなはなし
  • スーパーへ夫婦で買い物しに行って分かった、お互いの本性は「そうだったのか!」の件
  • 『いつかそういうときもあるだろう』が本当になった50歳代での親の遺産整理係拝命物語
  • 妻も個人事業主になったけど、その顛末は例の禍だった。俺の考えも潮目が変わったかもな話
  • 海外旅行ガイドが昔「トラベル イズ トラブルだ」と言っていたのがほんとになった話

おわりに
  • 「俺の退職」のSeason1から3まで書いてきた、そのおわりに

第一話 お金にまつわる話題( 1 / 5 )

いくらあったら今後の暮らしは安心か?の答えは金額を数えても分からない。代わりに「時間」で考えて「やりくり」上手になったらいい

俺はリストラで退職となった。その後は再就職探しで始まったが、次第に考えが変わって起業しようとなってきた。さらにもう既にハングリー精神を喪失した俺の選択肢は起業であっても生業ではなく「ゆるい起業」へと行先が変わってしまった。「ゆるい起業」であまり稼がないとしたら、いくらお金があったら今後暮らせていけるか?この答探しのやり方からSeason3を書き始めようと思った。

どうやって老後が安泰な金額かどうかの見当をつけるのか?
その金額は、金額自体では分からないから、時間に置き換えたら大丈夫か足りないかの見当がつく。こんな論法をかつて俺は雑誌で読んだ。それを参考にして例で少しだけ説明すると、こんな感じになる。

65歳のAさんの最近5年間の家計簿を調べたら、年間平均400万円を出費していました。Aさんの貯蓄は3千万円、年金が毎年夫婦合計で300万円予定です。
年金が今後も一定だとして、Aさんは何歳まで生活できるでしょうか?
方程式を作って計算するとAさんは95歳まで生活できます、となる。

この方法で「見当」がつく。が、安心できるかどうかは未確定だ。
ちょうど船が目的地に到達できる燃料を積んで出航するのと同じで、航海途中でいろいろな出来事があるだろう。予測不能なことも、複雑で最初から想定するのは難しいものもある。

生計の中でその例は、子の結婚費用にいくらかかるか予測不能だ。ゼロ円婚かもしれないし村をあげての大結婚式をやるかもしれない。将来受け取れる年金額は加給年金や振替加算などがあり、少し変動するけど、そんな美々たる年金額の差異を入れて精密計算していると俺は嫌になってしまう。

もっと良い方法がある。自分の努力でできる計画表を作り、そのとおりの生活を開始して、途中で何かに気づいたら、その都度計画を練り直し、自分のお金の上を何とか運転して最後まで着けるように「やりくり」しながら進めることだ。もう少し詳しくはこの後の話題で書いていく。

ただ、お金が足りたらもう勤めたり働いたりしなくて良いかどうかは別問題だ。
もし普段の生活で必要なお金が足りているなら生きてはいけるけど、老後を過ごす人々の多くはこの退屈な長い長い時間をどう生きたらいいんだ!と音をあげている。だからやっぱり収入を得たら退屈でない良い暮らしができるだろう、となってくる。

しかし、お金はやりくりすれば何とかなるもの。俺はそう考えている。
お金を何とかやりくりする最強は、「お金を使わない」という方法がある。変だと思われるかもしれないけど実際俺はそう実感した。お金を使わないという手段は上に書いた「何歳まで生活できるでしょうか」の何歳をグッと伸ばす強力な武器になる。

一方で、今まで使っていた生活費を、今年から退職して引退生活するからと言って急に減らすことは無理なのだ。急にではなくて徐々にだったらできる。
「やりくり」上手を進めていくと10年経ったらかなり生活費が減っていることにきっと誰でも気づくと思う。

「やりくり」の例でよくネットで見かける生命保険などで俺のやりくりしたことは次のとおりだ。
俺は会社を辞めた当初はまだ生命保険に入っていたが、それはすぐに解約した。なぜなら生命保険は大事な一家の稼ぎ頭が死んだら残った家族を支える保険なのだが、退職した俺はもう稼ぎ頭ではない。これで生命保険のやりくりは完了した。

しかし医療保険はなかなか解約できなかった。
最近になって医療保険分を預金して「医療貯金に変えよう」と考えてついに解約。これで年間生活費は減らせた。このような『これほんとに必要なの?』は考え方が変わらない限り「要る!絶対に」となってしまうが、やがて「ほんとに要る?」を夫婦で考え話し合っていると「要らんな」と結論できる。やりくりはこんな具合に今できなくてもそのうちできることもある。

お金のやりくりはゆるい起業に限らず「あまり稼がない」暮らしにはとても大事なことなので、次の話題にも引き継いで書くことにした。

第一話 お金にまつわる話題( 2 / 5 )

今後に必要になるだろうお金は過去5年間の家計簿を熟読して将来を占う!?みたいなのが役立つ

俺は「お金のやりくり」を考えるために、俺の家庭が今後いくらの予算が必要になるのか?という問題に取り組んだ。この答えを出すに過去5年間の俺ん家の家計簿をさんざん読んだことから書き出そう。

ありがたいことに几帳面な性格の妻が毎日毎日記録していてくれた家計簿を読み漁った。5年間という長さは何も十分だとか断言できないが、あまりにも昔まで遡っても意味ないし、昨年だけとかましてや先月いくら使ったか?では「家の生活費はいくら」のまあまあ当たりの数字は出て来ない。だからとりあえす5年間分の家計簿を読書した。

俺ん家は家計簿が幸い存在したけど、みんなつけているわけでもなさそうだ。
もし家計簿つけていないのなら、今からやったらどうですかと俺は他人にも薦めたくなる。「退職」という言葉はアラ還が迫ると意識するだろうけど、誰もが辞める辞めると言って結局実際に辞めるのは65歳になっている。俺の旧友はそんな感じ。だったら60歳あたりから家計簿つけてみたら「自分家の家計はよく分かる」ハズ。

家計簿を5年間分読み込んでいくと、トンデモな出費があった事実が分かる。
例えば子供の入学、学費がデカくなった。車を買い替えた年も巨額だ。そんな出来事のような巨額出費はこの先どうなるんだろう?
貯蓄取り崩しと年金で生き、たぶん絶対にもろ手を挙げて喜ぶ大金を得ることが起きない我が「ゆるい起業」生活において、この巨額出費がこの先どうなる?は一大事である。

しかしこの想像の一大事はよく分からない。
よく分からないけど、俺は「子が結婚するときは大金要るだろうな、仮に子が30歳で結婚するとして俺の結婚式で親が出したお金は確か・・・」と胸算用しながら『ま、わかんないけどこの年にこの金額が必要になると予定表に書いておこう』はできる。

こう考えると、車だってやたら長くは乗っていれないから10年後には買い替えでこのぐらい要るとか、ウチのエアコン4台あるけど、よくもたせても15年後には総入れ替えだな、みたいに大金を叩く時期やだいたいの予想金額は見積もれる。その先には入院費とか葬儀費用もある。そういうのを全部分かるだけ表に数字を書いていく。しばらくすると「そうだ、あれもだ」と表に追加するし、年月が進んで子が賢いことにゼロ円結婚したら入れてあった結婚式費用を削除する。こんなふうにだんだん表は現実の俺の暮らしに近づいてくる。

だからこの表はエクセルなどの表計算ソフトを使い、最上段に西暦、その下に俺を妻の年齢、さらに下に年金収入など、もっと下に費目に分けた家計の今後見通しを書き込み、毎年の収入を貯蓄に足し算し、支出を引き算して合計を計算させ、その合計を今後生きているだろう齢まで全部エクセルに計算させたら「よく先々まで見える」ようになる。

こう書くと「とっても複雑ね」と訝し気な気持ちになるかもしれないが、表計算ソフトでやると、そんなことはない。

この表は「ライフプランニングシート」といい、書き方はネット検索で知ることができるし、本も売っている。
俺は退職後に通った再就職支援のセミナーで学習し、今でも俺の生活に無くてはならないバイブル的存在になっている。

俺の理想は決してやりくりを楽しむ暮らしなんかではない。
俺は自分のやりたい暮らしを実践した小原庄助さんのような生き方に近づきたいと思っている。朝はゆっくりしたいし、酒も好きだけど俺は夜にする。しかし彼の生き方はとても羨ましいが、その生き方は真似できないけ。「身上つぶした」には陥りたくはない。でもこうならないよう厳重に「やりくりしながら」だったら小原庄助さんモドキにはなれる!と思っているから、小原庄助さん精神は忘れないようにしたい。
大庭夏男
作家:大庭夏男
俺の退職 Season3(ゆるい起業家のゆるすぎ生活実態)
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