俺はリストラで退職となった。その後は再就職探しで始まったが、次第に考えが変わって起業しようとなってきた。さらにもう既にハングリー精神を喪失した俺の選択肢は起業であっても生業ではなく「ゆるい起業」へと行先が変わってしまった。「ゆるい起業」であまり稼がないとしたら、いくらお金があったら今後暮らせていけるか?この答探しのやり方からSeason3を書き始めようと思った。
どうやって老後が安泰な金額かどうかの見当をつけるのか?
その金額は、金額自体では分からないから、時間に置き換えたら大丈夫か足りないかの見当がつく。こんな論法をかつて俺は雑誌で読んだ。それを参考にして例で少しだけ説明すると、こんな感じになる。
65歳のAさんの最近5年間の家計簿を調べたら、年間平均400万円を出費していました。Aさんの貯蓄は3千万円、年金が毎年夫婦合計で300万円予定です。
年金が今後も一定だとして、Aさんは何歳まで生活できるでしょうか?
方程式を作って計算するとAさんは95歳まで生活できます、となる。
この方法で「見当」がつく。が、安心できるかどうかは未確定だ。
ちょうど船が目的地に到達できる燃料を積んで出航するのと同じで、航海途中でいろいろな出来事があるだろう。予測不能なことも、複雑で最初から想定するのは難しいものもある。
生計の中でその例は、子の結婚費用にいくらかかるか予測不能だ。ゼロ円婚かもしれないし村をあげての大結婚式をやるかもしれない。将来受け取れる年金額は加給年金や振替加算などがあり、少し変動するけど、そんな美々たる年金額の差異を入れて精密計算していると俺は嫌になってしまう。
もっと良い方法がある。自分の努力でできる計画表を作り、そのとおりの生活を開始して、途中で何かに気づいたら、その都度計画を練り直し、自分のお金の上を何とか運転して最後まで着けるように「やりくり」しながら進めることだ。もう少し詳しくはこの後の話題で書いていく。
ただ、お金が足りたらもう勤めたり働いたりしなくて良いかどうかは別問題だ。
もし普段の生活で必要なお金が足りているなら生きてはいけるけど、老後を過ごす人々の多くはこの退屈な長い長い時間をどう生きたらいいんだ!と音をあげている。だからやっぱり収入を得たら退屈でない良い暮らしができるだろう、となってくる。
しかし、お金はやりくりすれば何とかなるもの。俺はそう考えている。
お金を何とかやりくりする最強は、「お金を使わない」という方法がある。変だと思われるかもしれないけど実際俺はそう実感した。お金を使わないという手段は上に書いた「何歳まで生活できるでしょうか」の何歳をグッと伸ばす強力な武器になる。
一方で、今まで使っていた生活費を、今年から退職して引退生活するからと言って急に減らすことは無理なのだ。急にではなくて徐々にだったらできる。
「やりくり」上手を進めていくと10年経ったらかなり生活費が減っていることにきっと誰でも気づくと思う。
「やりくり」の例でよくネットで見かける生命保険などで俺のやりくりしたことは次のとおりだ。
俺は会社を辞めた当初はまだ生命保険に入っていたが、それはすぐに解約した。なぜなら生命保険は大事な一家の稼ぎ頭が死んだら残った家族を支える保険なのだが、退職した俺はもう稼ぎ頭ではない。これで生命保険のやりくりは完了した。
しかし医療保険はなかなか解約できなかった。
最近になって医療保険分を預金して「医療貯金に変えよう」と考えてついに解約。これで年間生活費は減らせた。このような『これほんとに必要なの?』は考え方が変わらない限り「要る!絶対に」となってしまうが、やがて「ほんとに要る?」を夫婦で考え話し合っていると「要らんな」と結論できる。やりくりはこんな具合に今できなくてもそのうちできることもある。
お金のやりくりはゆるい起業に限らず「あまり稼がない」暮らしにはとても大事なことなので、次の話題にも引き継いで書くことにした。