神理の書 1

神理の書 1( 1 / 7 )

 

            神 理 の 書  1

                                                                     神理とは何か?

                                                                    実際、現実に起こることが 『 事実 』 です。

『 事実 』 が正しくもあれば 『 真実 』 とされます。

『 真実 』 のうち、時代を超えても輝きを失わないもの、

それが 『 真理 』 にも他なりません。

そして、その尊い稀有(けう)な 『 真理 』 の中でも、

殊更(ことさら)特にも最高位に位置付けられる、

『 真理の中の真理 』 にして、

『 究極の真理 』 ともされるものこそが、

『 神の理(ことわり) 』 ともされよう、

すなわち、『 神理 』 なのです。

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           時代を明かす啓蒙の光

                                                                   『 真理 』 が、時代を超えて輝く星彩(せいさい)なら、

『 神理 』 とは、時代を明かす日輪さながらに、

酔夢(すいむ)にまどろみ痴(し)れる人々の、

永くも久しい惰眠(だみん)を目覚めさせる、

啓蒙(けいもう)の光ともされようものなのです。

 

『 人は、後ろ向きにしか前に進めない 』

との戒(いまし)めどおりにも、

とかく 『 過去に学ぶしか、向かう将来に活かせない 』

そうもしたものなのですから・・・

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         時代に抗(あらが)えない真理

                                                                    『 真理 』 といえども、

時代の移り変わりによっては、

次第にその輝きを失い、

かつては尊ばれたその価値さえが、

いつか忘れ去られてさえしまうものです。

 

それは、たとえ 『 真理 』 とされるものでも、

所詮は、人の為(な)し事の所以(ゆえん)ゆえの、

どうにも致し方の無いことなのです。

 

それもこれも、そうもした原因の元を質(ただ)せば、

万事に亘(わた)って諸事万端、

悉(ことごと)くも思い為し、且(か)つ行ない尽くせぬ、

人の人たる本来以(も)っての、

 つまりは 『 至りなさ 』 のゆえなのですから。

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               限り有る地平

                                                                   私たち人の現世観は、

常に時代に束縛(そくばく)され、

絶えず時代とともに移り変わり、

定めがたくも限られたものにすぎません。

ですから、たとえこの先どこまで捗々(はかばか)しく、

目覚ましくも著(いちじる)しい、

一長足の飛躍的進化を遂(と)げようとも、

その時代時代に望み得る地平線の、その限りを、

断じてもけっして、

超えられようことなどの叶いようはずもないのです。

 

果たして、そうでもあればこそ、

私たちは、その与えられた時代時代を、

努めて望ましくも生き延びるより他ないのです。

shinrikyusai
作家:主代 宗元
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