エボリューションマン -英雄達の峡谷-

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 怪物七匹と対戦し、空気を切る音と地面が裂ける音が増えていく。

 五匹の怪物のうち、デストロイヤマンとダイヤモンドマンが現代の世界で戦い、マグママンとブラックホールマンとトラップマンが仮想世界で戦う事が出来た。
  つまり、現場戦闘型と頭脳リモートプレイヤー型だった。

「味方だという事を判って貰う為にナノワールドの玉の秘密・構造を立体映像で教えて上げましょう。 どうぞ御覧下さい」
 立体映像がハッキングされ、敵地に強制的に流し出された。

 大きな透明なシャボン玉が現れた。
 そして周りには、緻密な国家最高極秘マシーンや最高のスーパーコンピューターがあった。
 その中心に合ったのが見慣れない形の《鍵》があった。

「私達の最高のスーパーコンピューターの中心にあるのは、チッブです。  貴殿方の世界でいう《精子》です。 知能の優れた、選りすぐられた戦闘能力を持った精子です。 機能を極小化し、生き抜く知恵を記録され、最新型人口知能と進化する事を考えられるマシーンです。 空間に電気を流してくっ付いたり、変化したりして戦闘します。
 そしてチッブにも色々な種類や種族があります・・・」

(実は、優れた精子(鍵)は、囚人や悪人や殺人鬼の選りすぐりの精子達のコピーなんだよ・・・・・・)

  三匹のエイリアン達は、高性能スーツや自らの脳と直につながれた立体戦闘画面でプレステを楽しむ気分で空間と点や線や予測運動をコンピューターに掛けて実際に戦争をして敵を倒していた。 またゲーム内を共有して敵を打ちのめしていた。

 子供のゲームと子供気分の痛みを知らない、感情を持たない戦争ごっこ。
  始末が悪い物だった。
  遊びまくる、遊び続ける、のめり込む、もう止められなく成って行った。

 機械を壊したような原色を多く取り入れた現代の若者のダラシがない服装姿風の怪物が現れた。 その名もデストロイヤマン。
 最も人間に近い雰囲気を持ち、少しツッパッたインテリチックな怪物。 それがトラップマンだった。
 あとの三匹は、赤・黒・シルバーのシマ模様のツナギといった感じの見たままだった。

「ンッ・・・・・・!? 何故 俺達は、武器を持たずに戦っているんだ!?・・・・・・」

  いつからか、二匹の野獣は、居なく成っていた。
  野獣は、ダイヤモンドマンのペットで円盤は、ダイヤモンドマンの変身した姿だった。
  そして怪物五体は、MAXモードに成った。

  マグママンとブラックホールマンは、範囲を広げ、より一層大気を歪ませる程の力に成った。
  トラップマンは、体内を赤いレーザービームにした化け物に。 ダイヤモンドマンは、横だけでなく、槍のように縦にも横にも刃を変える変幻自在の怪物に。  デストロイヤマンは、超合金の見るからに荒々しいトゲのある体に変わっていった。

  エボリューションマンは、襲い来る生きたジャパニーズ 『サスケ』の中に居た。
  しかし、片手や両手や体を地面に付けても一秒とじっとしていられなかった。  なぜなら、止まったら、確実に奴等が仕留めに来るからだった。

  秒単位で止めたり、紙一重で交わしたり、手や足を使って攻撃したりして行く。
  敵から見ても人間逹から見ても仲間逹から見ても、その動きは、圧巻だった。  予測された攻撃のように綺麗に見えていた。
  まるで師匠対弟子だった。
  中国武術だった。

 長い戦いの中 五人は、距離をおいていた。
  なぜなら、肩で呼吸をし始めていたのだった。
  鋭い目をこちらに向けて首を傾けてもいた。

  そして、いつのまにか手や足には、中世の古い武器類や未来の武器類を付けてエボリューションマンと生死を掛けた戦いを繰り広げていた。

 レーダーを見て的を絞って引き金を引くだけだった。
「オイッ、いい獲物いた!?・・・不注意過ぎだよ君・・・」
  ビクッとして横を見た。  黄色い光か赤い光が見えた。
  ビーム!?かミサイル!?が立て続けに直撃した。
  そして黒く細長い物体をホバリングして見ていたエボリューションマンの仲間だった。

(見つけたぜ・・・もう、降参しな・・・)
  直ぐ後ろにエボリューションマンの仲間の一人が居た。
(・・・・・・)
  首に鋭く尖った物を当てていた。
(・・・・・・そいつは、人間だよ、俺は、お前の直ぐ後ろにいて首に鋭く尖った武器を当てている・・・・・・俺を捜すな・・・次は、確実に殺す・・・)
  宇宙の伝説の暗殺者は、エボリューションマンの仲間を思いっきり殴り倒し、音を立てず、敵を見ながら後ろに消えて行った。

 敵も戦闘を一部始終見たり、調べたり、研究したりしていた。
  そして最終手段を取った。
  ブ~ワ~ン、ワ~ン、ワン、ワン・・・何か、音らしいような、周波が広がった。

「ナニッ、クッソッ・・・・・・!?」
  五匹の怪物逹は、怪訝な仕草や態度を取って忽然と消えた。

  一人残ったエボリューションマンにマグマ玉や赤いビームの矢やシルバーの月型のダイヤモンド刃が飛んで来ていた。
  払い除けたり、かわしたりたり、爆破したりして攻撃を阻止した。

  やがて視界いっぱいに大きな七つの黒い玉(左右に二個ずつ、計四つ、中央に上、中、下に計三つ)が現れた。
  七つの黒い玉は、ブラックホールらしく、次第に風が強く成り、周りの物を吸い込み始めた。
 竜巻!?かハリケーン!?の中と化し、暗く成り、破壊し、荒々しく、汚く、激しく、むさぼり飲み込んでいった。

  そして七人のエボリューションマンが揃った。
「・・・・・・仕方がない・・・手遅れになる前に・・・やるか!?・・・・・・」
  一人ずつ両手を十字に開いて光り、微塵に成り、飲み込まれて行った。
  そしてブラックホールが点滅し始め、周囲も光り、点滅し始めた。
  宇宙最新のワクチンだった。 周りが光に包まれた。

  時間をさかのぼり、全てが元に戻った。
  人々の悪い記憶も消えた。
 堤 獎兵も家に戻った。

 

 

・・・・・・なぜ《大きく》なると、どんな手を使ってでも勝とうとするのか!? 支配したいのか!? 見下したいのか!?・・・・・・

・・・・・・もっと大事な事を忘れているのでは、ないのか!?・・・・・・ 


 

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迷 彩映 (mei saiei・メイ サイエイ)
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