張りつめた時間がフリーズしたような、シーンとした静寂さが周りを巻き込んで広がっていった。
「・・・・・・指二本で止めるのか!?・・・・・・」×敵・見方
「これからが本番か!?・・・・・・」
(隠れたり、見てたりしないで闘おうぜっ!?・・・・・・それとも負けるのが恐いのか~!?・・・・・・)
テレパシーを聞いて一番早く出て来たのが、一番近くに居た、壊れたビル跡に姿を変えていたトラップマンだった。
「負・け・る・の・が・恐・い・だ・と!?・・・」
「あらっ、居たの!?か・く・れ・ん・ぼ・し・て・・・」
時の流れでお互いに即 目にも止まらない、ヒートアップした最高級の戦闘モードに一気に入って行った。
武器を持って無いのに戦えばお互いが確実に傷付け合うし、近付けば、カマイタチが起こりそうな激し過ぎる、荒々しいリアル組み手だった。
その戦闘に人類の目も、怪物逹も引きずり込まれて行った。
逃げる事のない、100%ガチバトルが繰り広げられて行く。
怪物七匹と対戦し、空気を切る音と地面が裂ける音が増えていく。
五匹の怪物のうち、デストロイヤマンとダイヤモンドマンが現代の世界で戦い、マグママンとブラックホールマンとトラップマンが仮想世界で戦う事が出来た。
つまり、現場戦闘型と頭脳リモートプレイヤー型だった。
「味方だという事を判って貰う為にナノワールドの玉の秘密・構造を立体映像で教えて上げましょう。 どうぞ御覧下さい」
立体映像がハッキングされ、敵地に強制的に流し出された。
大きな透明なシャボン玉が現れた。
そして周りには、緻密な国家最高極秘マシーンや最高のスーパーコンピューターがあった。
その中心に合ったのが見慣れない形の《鍵》があった。
「私達の最高のスーパーコンピューターの中心にあるのは、チッブです。 貴殿方の世界でいう《精子》です。 知能の優れた、選りすぐられた戦闘能力を持った精子です。 機能を極小化し、生き抜く知恵を記録され、最新型人口知能と進化する事を考えられるマシーンです。 空間に電気を流してくっ付いたり、変化したりして戦闘します。
そしてチッブにも色々な種類や種族があります・・・」
(実は、優れた精子(鍵)は、囚人や悪人や殺人鬼の選りすぐりの精子達のコピーなんだよ・・・・・・)
三匹のエイリアン達は、高性能スーツや自らの脳と直につながれた立体戦闘画面でプレステを楽しむ気分で空間と点や線や予測運動をコンピューターに掛けて実際に戦争をして敵を倒していた。 またゲーム内を共有して敵を打ちのめしていた。
子供のゲームと子供気分の痛みを知らない、感情を持たない戦争ごっこ。
始末が悪い物だった。
遊びまくる、遊び続ける、のめり込む、もう止められなく成って行った。
機械を壊したような原色を多く取り入れた現代の若者のダラシがない服装姿風の怪物が現れた。 その名もデストロイヤマン。
最も人間に近い雰囲気を持ち、少しツッパッたインテリチックな怪物。 それがトラップマンだった。
あとの三匹は、赤・黒・シルバーのシマ模様のツナギといった感じの見たままだった。
長い戦いの中 五人は、距離をおいていた。
なぜなら、肩で呼吸をし始めていたのだった。
鋭い目をこちらに向けて首を傾けてもいた。
そして、いつのまにか手や足には、中世の古い武器類や未来の武器類を付けてエボリューションマンと生死を掛けた戦いを繰り広げていた。
レーダーを見て的を絞って引き金を引くだけだった。
「オイッ、いい獲物いた!?・・・不注意過ぎだよ君・・・」
ビクッとして横を見た。 黄色い光か赤い光が見えた。
ビーム!?かミサイル!?が立て続けに直撃した。
そして黒く細長い物体をホバリングして見ていたエボリューションマンの仲間だった。
(見つけたぜ・・・もう、降参しな・・・)
直ぐ後ろにエボリューションマンの仲間の一人が居た。
(・・・・・・)
首に鋭く尖った物を当てていた。
(・・・・・・そいつは、人間だよ、俺は、お前の直ぐ後ろにいて首に鋭く尖った武器を当てている・・・・・・俺を捜すな・・・次は、確実に殺す・・・)
宇宙の伝説の暗殺者は、エボリューションマンの仲間を思いっきり殴り倒し、音を立てず、敵を見ながら後ろに消えて行った。