エボリューションマン -英雄達の峡谷-

ウ〜〜〜ンンン・・・・・・!? 再度、爆撃を投下する合図みたいな空襲警報みたいな大きな音が響き渡った。 
 内外にいる兵士や怪物達、みんなが空や辺りを見渡した。
「フッ・・・」 化け物兵士達は、言葉に出さず、口元を上げ、あざ笑っていた。 

「オ〜、ナンダ〜アレッ・・・・・・!?」
 みんなが声のする方を見て、男性の指差した先を見た。
 本部の紅一点の彼女が小さく短くささやく。
「・・・・・・マブシイ“シャンデリア”!?みたい・・・・・・」  地震みたいに上下左右の振動が全くなくUFOが地下から地上に上がって来ていた。
 物体同士が半透明ですり抜けてゆく。 あり得ない・・・・・・!? しかし、美しかった。 夢を見ているようだった。

  宇宙の見知らぬ惑星。
「┳⊿щы∠・・・・・・!?」
(何・・・、嘘だろ・・・・・・あれは、代々受け継がれて来た伝説だろ~・・・・・・!?)
  瞬きをした時には、七色に光る流れ星は、見えなく成っていたのだった。  
 仲間に話をし始める。 
「・・・・・・本当じゃよっ、わしゃ~見たんだよ・・・・・・この目で・・・・・・語り継がれて来た宇宙伝説時に流れる星を~!?・・・・・・」
「・・・そ~か、そ~か、まあ飲めや、いい酒を・・・ほれほれっ・・・いい夢!?を見て幸せに成ろうやお互いにな~・・・・・・」

 最も難しいS級バーチャルハーフパイプで遊んで体を暖めて練習していた。
 青いランプがつく。
「おっ、来たね~」  軽く微笑んでいた。
  上には、ビルに住み着いた怪物が、下には、獣と機械の半身の化け物 ナマケモノが暴れ回っていた。
「ヨッシャッ・・・・・・そろそろ行くか!?」
  片足にエアーボードをはめて気合いを入れて構えていた。  前屈みに成り、垂直に下に向き、空中に身を投げ出す。

  四つのビルをモーグルのコブのようにエアーボードを使って建物の壁や中を壊しながら、下って行った。
  中空を長く飛び、スピードをつけ、一気にビルに当たり、跳ね返った勢いで逆さに成り、上45度に飛んだ。 意表をついて中空を舞い飛び、ビルに住み着いた怪物目掛けて吹っ飛んでいく。
  すると怪物が目からレーザービームを撃って来たのだった。 自らバリアを張り、ビームをコブの代わりにして近寄って行く。 顔手前でジャンプして後頭部、脊髄、股を貫いていった。
 怪物は、轟音や火柱を立て爆発した。 一匹また一匹と魔物を倒していく。

  今度は、重力のある方にナマケモノの怪物にロックオンする。 敵は、大きく鋭いツルハシを口みたいに器用に早く乱雑に動かしていた。 正直 危ないタイプ。 
  初めは、ボードで顔を蹴ったり、胴やツルハシを蹴ったりしていたが、状況は、全く変わらず、考えた末 今度は、ビルを壊さずに透明人間のようにビル内の空中を滑って行った。  最速状態にし、暴れているナマケモノの額を点で貫く。

  怪物の動きが止まって今度は、重力に反して横に壁面と平行にビルを飛び、モーグルして行った。
  最速で怪物の土手っ腹をブチ破る。
  すると怪物は、各々の場所で少しずつ爆破していき、最後には、ビルに体をあずけ、ビルごと倒壊していった。 
「ヨッシッ、また一つお仕事終わりかな・・・ヘヘッ」

 マントを取ったシルバーの機械兵士達が、UFO内で床のグレーチングと融合した。
  人間の兵士がグレーチングの鉄の化け物と戦い、顔をひざで蹴り上げられたり、ナイフ状に変形したこぶしに腹部を刺されたり、足がムチのようにしなやかな金属に成り、拳銃を飛ばされたり、骨を折られたり、人間自体が投げ飛ばされたりして人類は、倒されていった。 

  戦車や装甲車もマグママンやブラックホールマンに弾が当たる前にミサイルマグマに爆破されたり、手品のように広げられたブラックホールによって異空間に飛ばされたりして敵に当たる事は、なかった。
  逆に抱き込まれたりして溶かされたり、地面に宇宙の湖を造り、落とされてはるか彼方に廃棄処分されたりした。

  はるか上空三千メートルでは、UFOとヘラクレスオオカブトとノコギリクワガタが合体したような透明なスナイパーマシーンが、バリアーを張った球状の物体の中で銃口を下に向けて浮遊していた。

  KACYA.kacya、乾いた音、オートマチックでは、なく、通が好むアナログ。
  細い鋼鉄の腕が弾を送る。
  ・・・・・・薬莢は、引力のまま地上に落としていた。
  しかし、誰一人として気付く物は、いなかった。
  土にめり込むか、持ち主に似て透明だったからだった。
  一つ用が済み、コンピューターで地上の劣勢場所を探索、そして空中三千メートルの場所を維持して そのまま、速やかに横に移動した。
 HYU~hyulululu~・・・KACYA.kacya・・・。
 次の仕事を始める・・・・・・。

 

  地上では、砂が舞っていた、ほこりも舞っていた、枯れ草や葉も、紙も、破れた布も舞っていて兵士にまとわりついていた。
「ア~ン、モ~五月蝿いっ、ンー・・・!?・・・」
  風によって顔辺りにまとわりついていた破れたひし形の新聞紙を左手で強く払った。

  目の前を行く砂やほこりやしなやかな布や幾つかのひし形の光る物体を目で追う。
(何だ、あれ・・・・・・!?)
  目をしかめる。
  敵と戦い、知らずないうちに一人となった兵士 ジェームズが、その場に居た。
  ライフルを構え、戦闘体勢に入る。

  ひざをやや曲げて、目を鋭くし、目の行く方に銃口を向けて、少しずつ歩を進めて行く。

「オイオイ、そんなに動いていいの!?・・・あんた人間だよね!?・・・プラナリアじゃないよね・・・・・・!?」

「■ξ×▼!?」(ナニ!?)  声に成ってなかった。

(だから、言ったろ、君がさっき左手で新聞紙を強く払った時には、首内部の神経や血管を断ち切り終えていて、最新技術で少しずつ壊れるようにしてあり、表皮には、傷を残さない方法を取ったのさ・・・・・・当然の事ながら、声は、テレパシー・・・・・・ジェームズ、君は、じきに死ぬ・・・・・・フフフ・・・・・・ハハハハァ・・・何と原始的な動物だ・・・・・・)

  ジェームズは、引き金を引かずに何が起きたのか解らないうちにうつ伏せに倒れた。
  ・・・・・・死亡・・・・・・。

  異色の姿なき伝説的な宇宙暗殺者 jewellery 4は、ジェームズに近付いて背中上5センチメートル位の空中に円盤を置いた。  頭・両手の先・両腕・胴体・足 全てに赤く細い線が走り、色が消える。

  これで完成だった。
  人が近付くと部分部分の体が微妙に動き、生きているかのようにして近付くと爆発する人間爆弾だった。

  ひし形!?円錐が二つ重なった!?四種類の異なる色の宇宙宝石を浮かべた物の近くには、正体不明の暗殺者がいたのだった。

・・・・・・暗殺者の後ろに死体が広がっていく・・・・・・。

  正拳、裏拳、膝蹴り、肘による攻撃、回し蹴り、蹴込み、蹴上げ、いくら交戦しても致命打を与える事は、三人には、なかった。  エボリューションマン、マグママン、トラップマンのスピードや切れや威圧感のある戦い。
 秒速で形を作り、秒速でナノ微粒子に変化したりしてゆく。

  いつからか敵二人は、仁王立ちに立っていた。
「フッ、面白いね、お前」
  微笑んでいた。
  !? クッ・・・グゥッ・バ~ン・・・ナノ微粒子が瞬時に空気中でミサイルを作り出し、間近でエボリューションマンを急襲した。
  一体・・・二体、体が透明で追尾ロケットランチャーを左右に四つ持ったマシーンが十体同時にエボリューションマンを四方八方上下から忍者殺法で襲い掛かったのだった。

  弾が無くなるまで、死体確認が出来ない位にまで撃ち続けた。
  そこらじゅうで爆発音がしていた。
  爆発による煙や砂埃で視野では、全くどうなっているのか解らなく成っていた。

 次第に視界が開けてきた。
 そして見た物に目を疑った。
 空中に生き物のような流線型のロケット破片を残し、金属破片や残骸が微妙に散らかり止まっていたからだ。

  再度 目をしかめた。
「マジックか!? フッ、面白い・・・」
  クジラ!?の残骸を確かめるようにして手を触れていた。
  少し離れた所にエボリューションマンは、立っていた。
  マグママンが戦いの跡、流れを手で触りながら歩いていく。
「フフ~、貴様 何をした!? 面白い奴だ、気に入った。 ヤレッ」
  首をやや左に傾ける。

迷 彩映 (mei saiei・メイ サイエイ)
エボリューションマン -英雄達の峡谷-
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