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トピック -6p-

 向こう側からも同じタイプの女性か、薄暗い道に入って歩いて来るのが、目に入った。 段々と距離が縮む。
 良く見ると向こう側の女性は、両手を上に上げていた。
 スーとエスカレーターに乗っているみたいに、急に近くに寄って来る。

 三メートル手前にガラス・・・!? 彼女は、屋上から地面に落ちたような状況で即死する五秒手前の映像が、そこには、あった。
 顔一面が《恐怖》で一杯だった。 恨みを持った目が和子を見る。
「キャー」
 短い悲鳴を残し、見開かれた目で ゆっくりと後ずさりした。

 狭い路地を出て歩道の中央に。   ・・・その時・・・。 上から
「キャー」と悲鳴が。 とっさに和子は、上を見た。
 目の前 三十センチの所、幻想のガラスの上に即死十秒後の女がいた。
 顔は、潰れ 頭部は、グチャグチャ そして、充血した目が合った・・・・・・わ・た・し!?。
「うっ、うーっ・・・」 和子は、左胸を両手で押さえた。体が痙攣する。

 行き成りら地面に仰向けで倒れた。 急性ショック死による心肺停止状態に成っていた。
 目を見開き、顔は、真っ青で口角を上げ、笑って亡くなっていた。

  しかし、現場検証では、顔だけでなく体中の血液が一滴も無くなって青白くいた。
  検死の結果、服には、何ら外傷なく体中の血管部臓器部は、ランダムに外皮だけが残り、内部は、無くなっていた。
《あの世に贈与されていた》
 その場に居た誰もが、異様に凹んだ、それを見て服の下は、鳥肌がたっていた。

トピック -7p-

 遠くでサイレンの音がしていた。  スーという音も微かにしていた。
散らかった某事務所に宝来正法は、右手にピストルを持って長椅子に横たわっていた。  目が覚め、銃を見て思わず手放す。

「うっ・・・」(ガ・ソ・リ・ン・・・!?)
「うっ・・・」 目をしかめて聞き入る。
 ちゃっぽん・・・ちゃっぽん・・・。   ぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅーっ・・・。
 ふっふっふっふっ・・・。  ぎーっ、ぎーっ、ぎーっ・・・。

 何だっ、と思い宝来は、左右に首を振って右側を見た時だった。
 目の前に髪の長〜い女の人が居た。
「うっ・・・」 鳥肌が立ち、後ずさりした。 そして、ぶつかる。
 目の前には、柳のような長い髪の毛が有った。 目が点に成る。

「私〜の〜髪〜の〜毛ェー・・・」 ( 後頭部に当たっている・・・ひ・た・い・・・!?)
 直ぐ後ろの 《物》 から女のかすれた声が聞こえた。
 体が震え、寒気がし、額から冷や汗が流れた。
 毛が腰あたりから両肩迄 逆三角形を作って広がっていた。

 後ろにさがったのか?、宝来もやや さがった。
 実際は、貧血!?に成ったのか!? ふ〜っ、と倒れたのだった。
 ビックリして一瞬顎を引き、反動で上を見てしまった。
 心臓が緊急停止、そしてフル可動。 唾を飲む。 声が出ない。
 
 見てしまった。 女の怨念の《目》を。
「・・・んっ、・・・ぎゃーーー・・・」 宝来は、何もかも 振り切るように走り回り、ドアを開けて走り出た。

 ドキューン ドキューン 事務所の方から警官隊に発砲!?
 警官隊は、出て来た犯人に対して一斉射撃をした。
パンパンパパンーッ。  蜂の巣状態に成った。
 事務所が大爆発!?をし、炎を噴き出す。

 宝来は、背を燃やし、体を燃やし、爆風で吹き飛ばされ、 膝を付きうつ伏せに倒れた。
 バシャバシャバシャ〜、シャー・・・・・・霧状の雨が、その場の事件を洗い流していた。
 そして宝来正法は、誰一人として判りし得ない闇へと落とされて行ったのだった。
・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・

 

(パール フォー クローバーの立ち上げ当時の一人)

トピック -8p-

 静寂だった。 目を覚ましても一番小さい電灯がついているだけだった。
 何となく物寂し気!?毛!? な感じが心!?に肌!?をよぎる。
 何気なく首筋に気に掛かる物を手で指で払う!?

「・・・・・・何・そ・れ・!?・・・・・・嫌・な・の・!?・・・・・・寂・し・い・の・に・!?・・・・・・人・恋・し・い・の・に・!?・・・・・・私・の・気・持・ち・を・判・ら・せ・て・あ・げ・る・!?・・・・・・」

 感じていた。 目をつむっている向こうに誰かが居る事を。
 額に汗をかく。
 一筋の雫が流れ落ちる。  恐る恐る瞳を開ける。
 しかし、薄暗い部屋には、誰もいなかった。
 視界には。

 暗い所に濃紫の服を着た人形現れた、また他の所にも濃青の服を着た人形が現れた。

 ゆっくりと起き上がり、中腰で目と首を動かして顔をキョロキョロさせた。
 
 しかし、視界に映らない所で紫・青・赤の服を着た人形が増えていく。

 まだ感じていた。 存在を、視線を。
 
 黒く丸い幾つかのスポットライトが動いたり、交差したりして人形を隠していく、消していく。

 疑って尚も探す目があった。
 しかし、答えを出さぬまま、また横に成り、布団を掛けた・・・・・・!?

 偽装だった・・・寝たと思わせて直ぐ様・・・起きて・・・真上の電器をつけた。
 周りを見渡した。
 誰も居なかった・・・・・・はずだった。

 しかし、目を止めた目の前にいた。
 赤い服を着たおかっぱ頭の人形が。
 余りの怖さに辺りを見渡された・・・逃げようと・・・忘れようと。

 見る所に見る所に紫や青の服を着たおかっぱ頭の人形がいて、次第に点滅するかの様に皆が皆、赤い服を着たおかっぱ頭の人形に変わっていった。

「わたしたち、私達、ワタシタチ・・・・・・!? 見える!?」
 各々の人形達が声を揃えて喋った。
 目を見開くと同時に床が口を開く。

「わぁ〜ぁ〜あ〜あっ・・・!?」
 腕を伸ばし、天に向かって助けを求めるが・・・!?・・・おかっぱ頭の赤い服の人形達が大勢で男に覆いかぶされたり、引きずり込まされたりして落ちて行った。

 明け方 部屋は、乱されて元の世界に戻っていた。 布団上に《娘からの贈り物》と書かれた紙が・・・・・・!?

トピック -9p-

「・・・・・お・や・す・み」
「お・や・す・み・・・・・・」
「・・・・・・Good night・・・・・・」

アメリカ合衆国 A都市 某テレビ局 15階 初夏。
「アーン、もうっ」 飛ぶ鳥 落とす勢いの美人ダンサー歌手
ピュアリア・モーアが、《スタードッキリ》というTV番組で騙されて、
思い出しては、怒っていた。
「フフッ、可愛いかったわよっ」 仲のいい年上のマネージャーのリンナが、モーアの顔を見て、いたずらっぽく軽く微笑んで見せていた。
「もうヤダッ・・・もう・・・ハハッ・・・悔しい・・・」

「アッ、御免 さっき言われた アロエミックスジュース買うの忘れてた。
 直ぐそこの販売機で買ってくるねっ。!!!」
「うん、じゃ私 先にエレベーターで下に降りてるっ。待ってるねー。」
 タイミングよく開いたドアに乗り、振り返って見ていないリンナに手を小さく振っているモーアが、そこにいた。

 エレベーターの奥は、ガラス張りで都市が一望できるように成っていた。
『閉じる』のボタン押し、ドアが閉まる。
 リンナは、小走りでエレベーターの所迄きていた。(あれ、まだ15階待っててくれたのかなー!?)

『下がる(↓)のボタンを押そうと右人差し指を伸ばす。
 気持ちとは、裏腹にエレベーターの扉が指が届く手前で開いた。
「キャーァー・・・」 二人とも同じ叫び声を発していた。
 床に手荷物が落ちる。
モーアは、透明がかった紅いシールドに包まれ 中で燃え苦しんでいた。

 ボーッ 体は、舞い踊るが紅布が、まとわり付き 皮膚や肉が朽ち落ちていく。
「助けてぇー・・・」 右手を差しのばす。
 リンナも右手を伸ばし、シールドの中に手を入れた。
ボーッ 一瞬にして焼け、手首だけに成った。
自らの手首を見る。
「キャーッ」  
 そしてリンナは、失神した。
 モーアは、床に崩れ、紅いシールドは、無くなった。

 叫び声にビックリしたスタッフたちが、リンナの方に近寄って来る。 エレベーターは、閉まっていた。
 エレベーター内には、倒れた人型と白い灰だけが残っていた。
 そして、再度 エレベーターを呼び、開けた時には、黒く焼け焦げた後も全く無く 以前と変わらないエレベーターが、そこには、あった。

迷 彩映 (mei saiei・メイ サイエイ)
作家:MONALI PADORA
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