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トピック -1p-

 頭の中で色々な音の無いフラッシュバックの画像を見ていた。 狂っている!? 階段を一歩一歩いて登っていく。
「フッ・・・・・・フッ・・・・・・ヘッ・・・・・・!?」
 ポーカーフェイスの男が口元に微妙な笑みを浮かべ、歩いて行く。 酔っている!? 薬物中毒患者!?みたいで気持ち悪かった。「ハハ〜・・・・・・ヘ・ブ・ン・・・・・・」
 何を言っているのか判らない程 低く、口こもった言葉でささやいた。

 俺は、いったい何をしているのだろう・・・・・・!?
 俺は、何処に居るのだろう・・・・・・!?
 何故ここに・・・・・・!?
 俺は、何をしているのだろう・・・・・・!?
 脳や体、何もかもが自分の思い通りにならなかった。 ほてっていた。 鼓動が早かった。
 風は、気持ち良く、途切れた記憶を戻してくれる気がわずかにしていた。

 首から上が止まる。 腕が真っすぐに硬張る。 体が硬直する。 十字架に止められている・・・・・・!?。 ヒュ~・・・・・・フ~・・・・・・風の囁く声が耳に入って脳に到達する。
 西郷敬盛か異変に気付く。・・・・・・。 直感。 変化する直前・・・・・・。

(ワレラハ ジュモンブンヲ ツクル)
 
 白く輝く大小様々な楕円型の輪が幾重にも重なりながら、無軌道に動き回っていた。 中から、モヤモヤと入道雲が湧き出て広がり、全体の世界が波を打った。 すると子供の天使が四匹出てきた。

 下のビル街は、赤・青・緑・黄色と色々な原色のビルが立ち並び、道は、眩しく優しく輝いていた。
 天使は、さり気なく手を差し伸ばした。
 天使の笑顔に満遍の微笑みを浮かべる斎郷が、その場に居た。
 導かれるようにして両手を前に出す。 
 白い輪と雲と天使が、段々と遠くに離れ、小さく成って行った。

(トシデンセツヲ ツクル) 

「アイ ラブ ユー.・・・・・・アイ ビリーブ ユー」 ・・・ゴ・メ・・・!?
「ジーザス・・・・・・我をお導きを・・・・・・」
 自然の流れのように第一歩を踏み出した。
 体を浮かせる・・・!? 足が浮く!? 
■%216∧36?!<∴ 斎郷は、夢の世界に落ちていった。

(メイキュヲ ツクル)

トピック -2p-

 知能が高い虫達が、高度で精密なアリ塚を多く造っていた。
 しかし、それは、冷たいオブジェに見えていた。  働きバチがあせっくらしく働く中、潤滑油や砂糖を与えたみたいに、バカみたいにあわただしく動いていた。
 
 一夜にしてマスコミや署や大勢の関係者が、擦れ違っていた。 
 何故ならば警察界では、ナンバー3に入る“生きる伝説の狩人”と呼ばれる
斎郷敬盛32歳が謎の飛び降り自殺事件を起こしていたからだった。
 遺書は、残って無かった!?

 何か怪しいと思っている仲間達は、多かった。
 頭をひねり考える・・・・・・悩む・・・・・・深みに落ちていく・・・・・・闇の低中に・・・・・・!? 沈澱していく!?
(何かある・・・・・・!?)
(裏で何か動いている・・・・・・!?)
(暗殺・・・・・・!?)
 大勢の人の頭の中や現実は、混沌としていた。

 世間では、約一週間か、次の興味のある記事が出る迄。 
 仲間は、一生記憶に残る事件だった。
・・・・・・アンダーワールドで互いに動き始める・・・・・・。

・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・

 清楚な真っ白いシートが、テーブル上にあった。
 そして時と共に多くの夕食ディナーがキャンパスを彩られていく。
「あっ、すみません」と
椅子をエスコートした店員さんに笑顔で答えた。
「ね〜ね〜、裕ちゃん、
ちょっと高級感的な雰囲気な〜い」
「気に入ってくれた」
「うんっ」
 バラ色の人生を手に入れようとしている二人の微笑みが溢れ出ていた。

「あ〜、もうお腹いっぱい〜」
 小さく両腕を小脇近くに折り畳み腕を前後に小刻みに振った。 ウキウキッ。
「料理もいっぱい出たし、可愛らしいやら、綺麗やらで凄く良かったっ。 有難う、裕ちゃん」
「ん〜んっ、俺からの誕生日プレゼントだよっ。・・・・・・はい」
濃紺の75×75×75ミリ位の品物を目の前に差し出された。 そして手渡される。「え〜・・・・・・」
 目を合わせる朝比奈裕紀と仁科沙織だった。

トピック -3p-

二人とも微笑む。
「開けてもいい!?」
「うん、いいよっ」
 関心を持ってゆっくりと蓋を開ける・・・・・・!? 
 しかし、中には、何も入ってなかった。 目を合わせる。
「あれっ、あれれれっ!?」 瞬きをする。
「あれ〜、ないっ!?・・・・・・」
 すると ゆっく〜りと右手を彼女の前に持っていき、指をしなやかに動かし始めた。 
「ハンドパワーです」
 彼女の左手を取っていき、右手をその上にそっと乗せた。
「エターナル ラブ」
 二人とも目をつむって唱えた。 
 時が経つ。
 コポッ、チャリーン。
 音と共にゆっくりと目を開けた。
「えっ、ええ〜・・・・・・!?」 
 人差し指を唇にあてる裕紀。
「シー」
「シー・・・・・・!?」
 二人 同じ仕草だった。 変に見えていた。
 しかし、ワイングラスの中には、輝きを放ったダイヤの指輪があった。
「俺からの結婚指輪。
受け取ってくれる」
 目を合わせた。
「うんっ」

・・・・・・

 沙織は、自宅のアパートに帰って浴室でシャワーを浴びていた。
「フッ、フフフッ〜フ〜・・・・・・」
 流行の『恋の唄―mirai―』を鼻で奏でている。
 長い髪をタオルで拭き、別のバスタオルで胸から腰までを隠し、洗面台に向かった。

 魔法の箱が輝き始める。
 髪に整髪料を付けたり、ブラシを通したり、顔に美顔ローションを薄く付けたりして美容に手をかけてから、部屋に向かった。

 微妙な香りを放つ。

 パソコンを立ち上げる。ネットサーフィンをして楽しむ。 ミス・キュートでショッピングモールを歩いて楽しむ。

 見て判る位の赤橙黄緑と色を美しく変えていく。

 沙織の鼻に微妙で悪魔的な甘い香りが届く。
 フッフッ、嗅覚を刺激し、脳へ。 目を瞬かせる。元を探し始めるように、顔を左右に軽く振って捜した。

トピック -4p-

 ニャーオッ、ニャーォッ。 子猫の鳴き声で沙織を導く、誘い入れる、引き込む。
「えっ・・・・・・!?、この箱・・・・・・!?」
 耳を近付ける。
 ニャーォッ。
「エ〜ッ、なに、ナニッ」
 楽しげに微笑み、紺の箱をゆっくりと開ける。
 小さい小さい猫が姿を見せる。
 ニャーオ〜。 ニャーオッ、ニャーォッ。 声が小さく成っていく。 

 ミシッ、ガラスや壁がきしむ・・・!・・・?。
 目を剥く沙織、首や口や胸をおさく。 そして倒れた。 呼吸が出来なく成っていた。 
 手を伸ばし、助けを求める、眉間にシワを寄せる、涙目に成る。 床に寝て左右に体を曲げる。 顔色が変わっていく。
 足をバタバタさせ、涙を流し、手を伸ばし、大きく口を開けた。 しかし、声は、出なかった。
 
 手足には、何も当たる物が無かった・・・。 体は、中空に浮いていた・・・。  足元の方に見覚えのあるベランダが見えていた。  そして目を疑った。
 猫とも蛇ともとれる異様に大きく気持ち悪い唾の伸びた化け物に体ごと大口に飲み喰われた。 多数の黒い雨が死神の線が上下から体に当たっていく。

「キャー・・・・・・!?」
 目をひん剥く、バリッ・バリバリッ、バ・ッ・シ・ャ・・・・・・ー・ン。
 一瞬にしてアパートの外壁や窓ガラスが粉砕した。 スローモーションで沙織を襲う。 脳内をよぎる。《暗闇の隅のグレーゾーンでタダナラヌモノが着火する》 煙が火をつたって一瞬で広がった。

 ドカーン。 炎が沙織やガラスや混砕と共に燃え移り、広がり、プチ太陽のように成った。 炎の破片と黒い灰が、下界のアスファルトに落ちて行く。
 ガラス細工のイソギンチャク!?が沙織を飲み込んだ。
《黒くタダレタ魔手がエサを奪いあう》

 洗面台のガラスが曇り、三角の図形が!? ヒモが動く!? そして消えた。
 
 ウィ〜ン、ウィッ、ウィ〜ン。

迷 彩映 (mei saiei・メイ サイエイ)
作家:MONALI PADORA
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