つまりちゃん

 

口の中で肉まんを、モグモグ咀嚼しながら、つまりちゃんは再び大腸念力を使おうとします。

 

「よーし!これだけ溜め込めば、今度こそ大腸念力を・・・」

 

ところが職場の皆は、既に後片付けを始めています。

 

「つまりちゃんがコンビニ行ってる間に、仕事が全部終わっちゃったよ。」

 

大腸念力の活躍の場は無く、後には意味も無く便秘になったつまりちゃんと、つまりちゃんの大腸と対照に痩せた財布が残ったのでした。

 

 

13.jpg

 

ある所に、つまりちゃんという女の子がおりました。

 

つまりちゃんはある日、職場の上司に相談しました。

 

「お腹が痛いので、早退して良いですか?もう数か月、うんちが出ていないのです!」

 

「それは大変だ!すぐに救急車を呼ばなければ!」

 

びっくりした上司は、すぐに救急車を呼びました。

14.jpg

 

病院に担ぎ込まれたつまりちゃん。

 

彼女のレントゲン結果を見た医師は、驚愕しました。

 

「なんという便の量だ!」

 

心配してやってきた、つまりちゃんのご両親は恐る恐る、医師に尋ねました。

 

「先生、うちの娘は助かるのでしょうか?」

 

「お二人とも・・・どうして・・・どうして、こんなになるまで、放っておいたのですか!」

 

つまりちゃんの両親は泣き崩れました。

 

他の医師や看護師達も、つまりちゃんの便秘に驚愕し、こう言いました。

 

「先生、この患者の便を摘出すれば、世界中がうんちまみれになってしまう!」

 

「しかし、このままでは患者が・・・」

 

「一人の患者の命と引き換えに、世界中を滅ぼすのですか?!」

 

「目の前にいる、一人の命も救えずして、医師と名乗れるか!」

 

こうして、つまりちゃんに手術が施されました。

15.jpg

 

手術は大成功。つまりちゃんは、一命をとりとめました。

 

しかし世界中が、つまりちゃんのうんちまみれで大変なことになっています。

 

「臭いー!」「ヴォエ!」「キモい~!」

 

世界中で、阿鼻叫喚が聞こえます。

 

助かったつまりちゃんは、医師にお礼を言いました。

 

「先生、ありがとうございました。でも、ごめんなさい、私のせいで病院を解雇されて・・・」

 

「君のせいじゃないよ、当然の事をしたまでだ。それに、私は自分のやった事を後悔していない。

人の命の価値に、差などつけるべきではないし、多数のために一人を犠牲にして得られる平和など、本当の平和ではない。」

16.jpg

うんこ
つまりちゃん
0
  • 0円
  • ダウンロード

13 / 20

  • 最初のページ
  • 前のページ
  • 次のページ
  • 最後のページ
  • もくじ
  • ダウンロード
  • 設定

    文字サイズ

    フォント