古いものから・・・

心の愛

人は、心にたくさんの愛を持っていていいと思います。結婚して一人の人にしばられるのは悲しいことです。

先日、デパートで桜のピンを買いました。何気なく買ったのですが、今の私の宝物になりました。実は、心に、大きな愛をいつも持っていて、私はそれを何かで表したかった。人への愛にすがらなくても生きていけるように。

しかし、人は弱く、弱いから結婚にこだわります。何も深く考えず結婚してしまった人もいるでしょう。しかし、どうして「結婚」などしなくてはならないのか。

一人で生きること、人は一人であることから逃げてはいませんか?

 

大好きな人

私は今、恋をしています。大好きな人がいます。でも、その人は結婚しています。そして、奥さんを愛していないと私に言いました。

しかし、私はこの大切な恋を、実らそうとは思いません。それは、この世では、大きな罪です。

だから、桜のピンを買いました。物事は、古いものから新しいものに生まれ変わる。この、桜のように・・・。恋も、次々と新しくなる。新緑の芽のように。

結婚がこの世にある以上、桜は散らせなくてはならないのです。そして、心の宝として生まれ変わらせなくてはならない。

結婚にしがみついている人には一生わからない、心の恋です。それは、桜が散ったあとの、新緑の芽なのです。生きているのです。

古くなると、腐る

私は、誰も周りにいないとき、一つの指輪を支えにしていました。しかし、その指輪を捨てました。いつしか、その指輪は腐っているように見えていました。

この理由を私はずっと考えていました。どうして宝物が腐るのかと。そして、わかったのです。今の人に恋をしたから。

結婚は墓場だとその人は言いました。私にはわかる。カントも結婚せず、一生哲学を恋人にした。私は、その指輪に依存しすぎたのです。まるで結婚して旦那さんにしがみつく奥さんのように。

私が大好きなその人は、仕事に生きています。心に深い愛を持っていて、しかし、何にも依存せずに強く生きている。

五月の新緑の芽のようだと私は思いました。私も、恋をしていても、自分の道を生きたい。強く、折られても芽を出す、木になりたい。

こんな詩を書いてみました。

「木」

私が浪人していたころ、よく木を見ていた。

木になりたい。

何も、支えがなくても、若々しく、自分の中で生まれ変わる、木になりたい。

肩書きが欲しくて大学に行きたいのではない。

でも、どこかにずっとあった。

自分は勉強で身を立てるという、おごったプライド。

木は、何も葉がなくても、ただじっとそこに立っていられるのに。

冬をじっと耐えるあなたを、雪が美しく飾っていく。

クリスマスになると、人は木にネオンを飾るけれど、木はきっと雪に飾られたい。

人の目に美しく見えることよりも、もっと純粋な、純白の雪。

私も、自然の力に飾られるために、二回目の人生を見直した。

ゆがんでしまった人生をやり直したい。

でも、肩書きよりも、自分の輝ける世界をもう知っている。

 

恋、濃い

私は、病気のため故郷を追い出された人間です。でも、新しい土地で、木になれるでしょうか。

遠く離れた土地でも、あのなつかしい、故郷の庭の楠木のようになれたとき、そこから父の建ててくれた形見の家が見えるに違いない。それこそが、私の今の目標です。古いものから新しく、自分で生まれ変わる木。

私は土地に固執する悲しい人間だけど、恋、愛にみっともなく固執さえしなければ、いつか、故郷の父の家が、心によみがえると思うのです。大好きな人への気持ちも、たとえ濃いものであっても、美しい深緑がいいですね。

karinomaki
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