夫婦二人で年間200万円のライフスタイル入門

こんなひとは夫婦年間200万円生活できる可能性がある( 1 / 5 )

まず、子育てが終わった夫婦

子どもが学校を卒業して自立し、親が教育費や生活費を支払わなくて済むようになった段階が子育て終了になります。

諸説ありますが、子ども一人を乳児から大学卒業まで育てるための費用は全部公立でも約3千万円、全部私立でしかも学費が高い学部となったら倍の6千万円を超えると言われています。これが一般的かどうかは分かりませんが、確かに私の子ども二人が高校生の頃には1か月の家計は約40万円でしたので1年間の家計は約500万円。さらに一人目が4年制専門学校、二人目が浪人中の1年間の生活費は学費も含めて1千万円を突破しました。

 

それから2年の月日が流れ、一人目が就職して家を出て、二人目は公立大学に入学したあたりから生活は軽くなり、学費を含めて年間400万円程度でやりくりできるようになりました。今では二人目も社会人で、しかし私の自宅から通勤しているために実質3人暮らしですが、3人での生活費は2013年時点年間230万円。ここには同居の社会人の子の日常的な買い物や光熱費、それに夫婦二人分の国民年金保険料約36万円が入っています。

 

ここから分かるように子どもが親の手を離れるということは、生活費がとても軽くなることを意味しています。

 

ただ、子どもという存在は、就職しても転職したり、一旦退職してワーキングホリデー制度を使って外国に行ってしまうことがありますから、そういう時には一時的に非常時の出費が要るかも知れないと気がかりになることがあります。さらに孫が誕生したり、家を購入する手助けをしたり、はたまた天災に遭って支援をしなくてはいけなくなったり、そういう可能性を考えると、そのための臨時出費には備えなければならないと考える気持ちも私にはあります。

 

しかし、積極的に遺産を子どもに残そうという考えは私にはありません。

お金を子どもに残すのではなくて、親としては出費が要りますが、子どもに稼ぐことと上手く生活していくための能力を身に着けることにお金を使うべきではないか、と考えています。そのためにたとえばワーキングホリデーで1年間外国暮らしするための旅費や、日本に滞在しない期間の年金の任意加入などを支援しました。そのように子どもには何かとお金がかかるものです。

 

この子育てがもたらす家計への影響は莫大なものがあり、そこから卒業することができた夫婦は、少し仕事のギヤを低くして、忙しく働きまわるより、時間にゆとりが持てる暮らしに移行していってもいい時期ではないでしょうか。

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さらに住宅ローンを完済した夫婦なら鬼に金棒

ローンは住宅だけでなく車を買うときにも使いますが、金利支払いが大きな負担になります。住宅ローンを35年返済金利2%で3000万円の住宅ローンを組むと、金利支払いだけでも1千万円以上になります。しかし一般のサラリーマンが家を建てるときにキャッシュで払うことはあまりできないと思うので、しかたなく一旦はローンを組むしかないですが、繰上返済を繰り返してできるだけ早く完済するよう努力した方が後々のためだと思います。

 

住宅に比べて車のローンは金利も一般的に高いです。しかし車の価格は200万円程度だとしたら住宅に比べて少ないですから、ローンで買うのではなく、貯金して200万円に達したら買い替えることにしたら金利負担がありません。私は妻の絶大な協力を得て住宅ローンは8年で完済し、車は入社早々の1台目だけローンで買いましたが、二台目以降は自動車買い替え貯金をして貯まったら買い換えました。

 

ローンが無くなると、お金がどんどん貯まっていくのが実感できます。

私の場合、両親が同居を視野に戸建に建て替えを薦めてきたので、両親と共同出資で戸建住宅を私が40歳のときに建てました。そのとき以前のマンションを売却してローンを完済させ、新たな戸建の購入費用に充てたので、我が家の全金融財産は50万円だけしか残りませんでした。そのようにした理由は、私の両親が家を作るにあたってローンを組んではいけないと私に言い放ったからです。

 

おかげで家が建ってからしばらくお金の不安が絶えない日が続きましたが、それから1年経ち2年と年月が進むに連れて、お金はどんどん貯まって行き、10年後の50歳を迎える頃には1千万円が給料だけで貯金できました。

 

生活費を節約するための常套手段として、固定費を減らせ、という考え方があります。実際には金額の大小で影響が違いますから何でもかんでも固定費を減らせば節約効果が出るものではありませんが、固定費はどう自分で頑張っても節約できない出費です。ローンの金利はその代表格のようなもので、銀行などの貸し手は契約によって金利を決めてしまっているから自分では何ともなりません。唯一の方法は、残債を一括返済すれば以降の金利がかからなくなるということです。

 

夫婦で年間200万円生活は、やればできる目標ではありますが、決して裕福な予算ではありません。そのためには放っておいても出てしまう出費が少ないことが必要です。だから金利の出費は無いことが理想です。クレジットカードで買い物する場合でも金利を支払う必要があるサービスは夫婦で年間200万円生活では無いことが前提と言えるでしょう。

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もしDIY出来る人なら最強だ

DIYとは手作りのことです。大工仕事を自分でする日曜大工がイメージに登りますが、手芸や手料理など入ります。その他に詰まった下水を自分で掃除したり、夫婦で散髪したりすることなども入ります。

 

DIYは節約の特効薬です。

出来上がったものやサービスを業者に依頼すると、代金がかかります。格安の品物やサービスもありますが、自分で作ったり自分で修理やメンテナンスをする方がはるかに安いことが大半で、自分の技量で出来る範囲のものは何でもできます。

 

だから出来た作品や修理やメンテナンスの結果としての出来栄えには、自分の技量以上は望めない代わりに、何回それらを繰り返しても大して出費が増えない大きな節約効果が生まれます。きっと私が200万円生活できている理由のメインは私が日曜大工ができ、妻が料理や縫物、さらに庭で野菜を育てたりすることが可能だからではないかと思っています。

 

逆に、妻の知人で電球の交換を電気屋さんに頼む人がいます。どうもこのような方々は珍しくないようで、気がついたら私の一人暮らしする子から「電球切れた、どうやって取り替えたらいいの」と電話が来たときには焦りました。自分の子にまでDIYしない習慣が及んでいるのかと、とても焦りました。

 

DIYは日曜大工で立派な家具を作ることなどより、日常的に必要な物を手作りしたり修理したりを自分でできる能力が節約に直結します。このような身の回り的なDIYでは、材料はネットやホームセンターなどで安く手に入るもので十分な場合が多いし、場合によっては壊れた家具から別の家具に改造して使うということもあります。売り物に見間違えるような作品作りではなく、生活に要るものを手軽のパパッとお金をかけずに作り上げる腕前さえあれば200万円生活はぐっとハードルが下がります。

 

ただ、自分では出来ないものもあります。

例えば二階建ての家の壁の塗り替えは、プロが使う足場を組まないと危なくてできません。ノートパソコンは壊れても自分で修理は難しいでしょう。しかし平屋の古い戸建住宅なら、ハシゴでも十分に上の方まで自分で塗り替え可能だし、最初から部品を組み立てる式のデスクトップパソコンキットを買えば、自分で組み立てたものは修理も自分で出来る可能性が高くなります。このようになるべく後で自分で修理やメンテナンスが可能な買い物をすることも200万円生活には大切なことです。

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もひとつ欲を言うなら、他人と違っても構わない人

隣の芝生は青いと言って嘆く人は、夫婦年間200万円生活は無理です。このタイプが夫婦のどちらかか両方だった場合は、キッパリと200万円生活は忘れて無理してでも働き続けることを強く勧めます。

 

反対に、他人と違うことを厭わない人は、自分達夫婦のことは独断で決定できますから、お金の使い方を他人に左右されずまっすぐに目標に向かって舵取りできます。もしその過程で他人の生活ぶりが気になり、あのお宅が車を外車に買い替えたからうちもそうしないと気分が悪い、となったらいくらお金が有っても足りる目途が立ちません。

 

このような他人が気になるという現象には、他にも注意が必要です。

自分達が他人と違っても構わないと考えることは、人にもよりますがそう難しいことではありません。厄介なことは、他人が干渉してくることを跳ね返せるかどうかです。どの家庭でもそれぞれの家庭は自由なはずですが、よそ様はその自由が許せないと考えて干渉に乗り出して来ることがあります。

 

たとえば、庭はきれいな花壇にすべきで野菜を植えるのは良くないとか、我が家の庭にケチをつけられたことがありました、他にも腕の良いと言われている美容室に一緒に行きましょうと半ば強引に妻が近所のオバサマに誘われそうになったこともありました。きっとそれぞれの方々は、自分の暮らし方のスタイルがあって、きっとそれは私どもの家庭にも当てはまるはすだからと、半ば好意で誘ったり意見したりしたのでしょう。しかしそういうことを迎合すると夫婦年間200万円生活は無理になります。跳ね返さないといけません。

 

その跳ね返しができるかどうかが夫婦年間200万円生活の試練の中で一番難しいかもしれないです。私ども夫婦には親戚が極めて少ないので、親戚からのこうした干渉は無かったのですが、そうでないご家庭も多いことでしょう。これらの干渉からいかに自分達のライフスタイルを防衛するかが大きな課題です。まして親戚は血のつながりがありますからご近所さんのように他人ではありません。

 

このような場合に効果を発揮することは、自分達は変わり者なのだという意識です。他の人と違うからその人達と同じ価値観に立てないということを、ある程度時間をかけて相手に理解させ、それを強制しようとする考えを諦めさせなくてはなりません。きっと大なり小なりこの他人の干渉は夫婦年間200万円生活を実践していると振りかぶってくるでしょう。それに対抗できる心構えは、自分は他人と違っても構わないのだという意識です。
大庭夏男
夫婦二人で年間200万円のライフスタイル入門
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