よく士業の先生とお話しすると、「紹介だけでやっていきたいのですが、どういうふうにすれば紹介が安定してくるのですか」と聞かれるので、いつも「紹介がくる仕掛けをしないと、紹介はきませんよ」とお答えしています。
士業の勉強会で「実力のある関連士業の先生から紹介してもらいなさい」とかいわれるそうですが、そんな有名な人からどうやっていきなり紹介をしてもらえるのでしょうか。素朴な疑問を伝えると、「交流会とかで顔を売るとか方法もありますよ」とか先輩からいわれるようです。
しかし士業もたくさんいるため、交流会で名刺交換しただけで、いきなり紹介してもらえるようなことなどありえません。実力のある士業なら提携している関連士業もあるはずで、交流会に同業者も参加していることも多く、既に士業の知り合いは何人もいる人も多いはずです。
フェイスブックで友達の多さを自慢するような意味のない知り合いが何人いたところで本当の紹介がくるはずがありません。
ではどうすれば紹介がくるのでしょうか?
紹介する側から考えていくと、この問題ならこの人が適任であると自信をもって勧められる人を紹介したいと思うはずです。適任な人でないと紹介する側にクレームがいくため、なるべく無難な人を紹介するというのが自然であり、専門に特化したり、複合的な難しい問題に対処できる専門家を探しているときに、適任な人とみてもらえれば紹介してもらえる可能性が高くなります。そのためには、どんな専門家なのか可視化できるようなもの~出版物やセミナーの資料等~があれば、それを事前に渡しておけるので便利です。
やはり執筆や講演の実績があれば、紹介側も安心できるからです。
それともう一つ大事なのは、紹介しても見返りのない人には紹介が来にくい傾向にあります。ギブアンドテイクで紹介する側のことも理解し、こちらからも紹介するようにしなければなりません。逆に実力のある先生に、こちらからどんどん顧客を紹介すると、向こうもプレッシャーがかかり紹介してもらえる可能性が高くなります。
関連士業以外の紹介であれば、顧客からの紹介もあります。ある程度信用をもらえれば、その人の知り合いが紹介される可能性がありますが、定期的に紹介されることは少なく、紹介者は専門的でないのでどうしても依頼に結びつかない、客層ではないということが多いのも事実です。
一般の人は専門家の仕事はわかりづらく、士業の境界線だけでもわかりにくいのに、専門分野の領域までとても理解できません。そのため、自分ところがどのようなサービスに強いのかが示せる資料が紹介者にあれば、紹介されるお客様が事前にどのような事務所なのかわかります。
もう一つ重要なのは、紹介されるお客様も、どんな専門家か事前にホームページで確認していることが多いのも事実です。自分のホームページに業務を羅列的に記載するのではなく、独自性を追求するようにすることを心がけなければなりません。会う前からドキドキされるような仕掛けがあってもいいと考えます。