士業必見!2015年版 専門家の最強集客ノウハウ

はじめに( 1 / 1 )

 士業やコンサルタントの先生から、「どうしたら新規顧客を安定して増やすことができるのか」という相談をよく受けます。

 集客力のあるホームページを制作するのがいいのか、広告力のあるDMやチラシを作るのがいいのか、フェイスブックや交流会でたくさんの知り合いを増やしながら、いろいろな情報提供していくのがいいのか。

 しかし、物品を販売する仕事と違って、士業やコンサルタントは知識でお金を貰う商売ですので、顧客側の観点からみると本当に専門性が高いのか、実際に経験があるのか、信用できる実力があるのか、なかなかわかりにくいのが現実です。

 集合サイトのレビューで飲食店や家電商品の評価がなされ、一般ユーザーはそれを参考にお店に行き、商品を購入する機会がふえました。

 消費者からすると、今までは、現実の商品やサービスの長所だけしかわからない状態でしたが、このようなサービスで短所も含めた全体像がわかりますので、比較もしやすく、多くの人に利用されています。また、同時に企業でも、顧客の評価が得やすい工夫を随所するようになりました。

 しかし、士業やコンサルタントの仕事に限っては、このようなモデルを利用するのが難しいといわれています。

 なぜなら、一般人からすると、士業やコンサルタントの業務評価をすることは困難で、少し不満があっても「まあそんなものか」と思ってしまうでしょう。例えおおいに問題があっても、ホームページに不満や悪評を書きこんだりすることまでしません。

 「ホームページで顧客の声をいれて評価してもらえるサイトをつくりましょう」
 と、広告会社は第三者に評価してもらえるようなものを推奨しますが、士業の依頼に結びつくお困りごとや悩みはケースバイケースであり、どんな専門家であっても万人にうまく対応できるわけではありません。

 こういった傾向から、最近ではセミナーを開催して、専門性を事前に可視化できるようにしながら顧客を囲い込んでいく専門家も多く出てきました。この方法は確かに理にかなっています。なぜなら、悩みを抱えている受講者に対し、専門家がそれを解決できる方法をセミナー講師として、具体的な知識を提供しながら進めていくため、その悩みが解決できると判断されれば、その専門家へ依頼することになるからです。

 ただし、簡単にセミナーを開催するといっても、集客をどうするのか、依頼に結びつくようにするには内容をどうするか、また人前でセミナー講師として安心できると感じてもらえるスキルも必要であり、経験も積まなければなりません。

 スクールに行き〇〇士の資格を取得したものの満足な成果もない一部の人達が、2ちゃんねるとかで「喰えない士業」と嫌がらせのようにレスを投稿していますが、今までは間違った情報や取るに足らない内容が大半でしたが、昨年の9月に小学館の雑誌「SPA」で喰えない士業の実態が特集されました。
 これによると、増員により年収300万円もあれば満足する弁護士が増えていることや、規制緩和による異業種の進出で士業の業務が侵害され、ほとんど収入が得られない士業がたくさん特集されています。さらに、この記事の後も東洋経済等のメジャーな雑誌で士業の現実が特集されることが多くなりました。

 つまり、本当に士業の経営は深刻な状況にあり、真剣に専門知識を磨き営業をしていかないと喰えなくなってしまう、例え事務所の経営が安定していても、この先どうなるかわからない不透明な状況が示されています。

 今までのやり方ではなぜダメなのか、業界の流れを的確にとらえながら予測し、各種戦略を立てていく方法を示していきたいと考えています。
 
エキスパート出版編集部

第一章 士業によるビジネスモデルの追求( 1 / 7 )

1  士業の成熟化と競争の激化

 士業の広告解禁や法人化の規制緩和が実施されてから、おおよそ10年が経過しましたが、それにより、一部巨大事務所として、TVCMの広告宣伝費に毎月億単位で投資したり、M&Aによる吸収により業域を拡大しています。

 さらに、全国対応が可能になったり、規模によるスケールメリットでコストを削減したり、さまざまなモデルが生み出されています。今までみんな仲良くやっていた商店街に、いきなり大型のモールができたようなインパクトではないでしょうか。

 このように、士業の市場も成熟化しており、顧客から見たときに数多くいる同業者となにが違っていて、そこに依頼したときにどういうメリットがあるのかを明確に示せないと生き残れなくなりました。

 ライバルに対する独自の位置づけを明確にすることを、マーケティング用語でUSP(ユーニーク・セリングプロポジション)といいますが、あなたの事務所のUSPは何かとはっきり示せますか。

 もちろん、安定した基盤がある先生もいらっしゃるかもしれません。
 しかし、今後今までの集客方法だけでなく、ビジネスのやり方そのものも、変更される可能性が不可避な状況になりつつあります。
 資料1ではUSPがはっきりとしている事務所を紹介しています。

【資料1】USPが明確な実在する士業事務所
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 基本的に独自のノウハウと士業が考えるものの多くは、実は専門家であれば誰でも知っている情報が多く、このようなものはノウハウでもなんでもないことを気づいていません。よく、「他とだいたい同じサービスなので安心ください」というような営業をしている人を見かけますが、そのようなやり方では士業競争に生き残れないことはいうまでもありません。

 資料1では大規模な投資をしてサービスを向上させ、お客様へ高いサービスを提供できるようになった事例ですが、このような流れは今後もとどまることがないと考えます。
イノベーションによるサービス革新が、必ず現状のサービスを凌駕するという当然の法則があるため、競争にどう立ち向かっていくかという戦略も後ほど詳しくお話ししますが、まずこのような事実をつかんでいかなくてはなりません。

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 自分のUSPを明確に決めて、それを顧客に伝達することが重要になります。
 ホームページやDMがうまくいかないのは、実はこのUSPが明確でないため問合せがないのです。また、問合せがあっても受注できない、セミナーで集客がうまくいかない、紹介がこない、顧客との関係が長く続かない、報酬が値切られるという悩みもUSPに起因します。

 つまり、事務所のUSPがはっきりすれば、それでほとんどの問題は解決するのです。

第一章 士業によるビジネスモデルの追求( 2 / 7 )

2 なぜホームページで集客できないのか?

 USPが明確でない事務所では、何でもできますというようなニュアンスのホームページが多く、例えば、行政書士であれば、ほとんどの許認可業務が報酬で示されているような場合です。「門戸を広くしておかないといけませんから」と内容を絞ると顧客を逃すのではないかという不安があるようですが、これは最悪のパターンで、何も専門がありませんと自ら唱えているようなものです。

 あと「お客様に合わせたオーダーメイドで対応!」というようなものも見かけますが、これも裏返せば、「うちのスタイルはありませんので、便利屋みたいな士業です!」とも読めます。

また、どのような目的でホームページを作るのかということを明確にする必要があります。

 他の手段で集客ができているのでそれを補完する目的のものから、受注を得ることに特化するもの、セミナー集客を目的にするもの、その他自身のブランディングを高める目的のものまであります。


 次ページでは、最新のホームページで仕事が取りにくくなっている変遷で技術的な部分をお示しいたします。ただし、現在検索上位にサイトを持ってくるだけではどうにもならないことが判明しています。この表を参考に、どうすれば競争力のあるサイトを運営できるかを考えてみましょう!

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 ほとんどの士業は、ホームページ自体で受注ができるサイトを望んでいます。専門家の顧客獲得の手段として、ホームページは主流になっているため、いろいろな工夫がされています。


受注を得るためのホームページの様々な仕掛け

①大阪〇〇センター、〇〇問題対策室
→「エリア+専門キーワード」の検索対策として~〇〇には会社設立とか交通事故、相続とか専門キーワードが入ります~
大阪で〇〇問題で悩んでいる→検索で大阪〇〇センター発見→専門のところがある!ここに相談しよう!×
現状の問題→似たようなサイトがエリア内でたくさん出来てきており、比較できなくなってきている!検索アルゴリズムの変化で最近は検索上位にならないことが多くなってきている。

②お客様の声をホームページに
これだけのクライアントから信頼を得ている事務所なので安心だ!×
現状の問題→ここに頼もうというものがあれば後押し効果があるが、そこまで至らないサイトが多いため効果も限定的!

③プロフィール欄の充実
いろいろな経歴、趣味、個性を紹介し、独自性を強調→おもしろそうな人なので頼もう!×
現状の問題→どうでもいいようなことが多く、かえって逆効果のものもある。

④内容や手続きを詳しく紹介、最新情報を提供!
よく知ってそうな人だ!この人に頼もう!×
現状の問題→同じようなホームページが多く、役所のホームページを丸写しの内容も多くあり、例えば会社設立のホームページなら会社の種類とか手続きの流れ、定款とは?とかほとんどのサイトが金太郎飴状態。

 このように集客を目的とするならば、困っている人にわかりやすく、なぜこちらに頼めばいいのか、他とどういう違いがあり、得意分野はなにかが一般ユーザーは一番知りたいはずであり、ブログで今日の日替わり定食をアップしたり、飼っている犬と戯れている写真をアップしたりしても逆効果以外なにもありません。

 今後の士業の営業スタイルはホームページ戦略を制するものが、業界を制するくらい重要なものと考えます。そのため、USPなくして安定した受注は望めません。それともう一つ大切なことは、検索サイトの内部構造の変化やサイトの来訪者がどういう導線をたどるのかの分析、SNS等の正しい利用方法等を詳しく知る必要があります。

 さらに、ホームページで大きな効果が望めるのは本の執筆、マスコミでの紹介記事を入れておけば非常に効果が高くなります。この方法は後ほど詳しく説明いたします。

第一章 士業によるビジネスモデルの追求( 3 / 7 )

3 なぜDMをしても反響がないのか?

 会社を設立したら、税理士や社労士からDMが届きます。内容をみると、「新会社限定5社に限り税務顧問料1万円!」「新会社向け社会保険手続+就業規則パック3万円!人気の助成金も対応!」
 これらは、新しい会社を設立したので、あまりお金もない、税務や社会保険手続きも必要と考えられるので、ターゲットは悪くないものの、同じようなDMがたくさん届くので結局どれも決められないままになってしまいます。

 DMは、ホームページと異なりこちらから一方的に送るものですから、少し読んで興味がなければすぐに捨てられてしまいます。(実際は、読んでもらうことすら困難)
 つまり確率論的に想定されるターゲットに、魅力的なオファーを提案することが重要であり、そのために期間限定の独自サービスをおこなったり、今受けているサービスとどう違うのかをしっかり伝え、それを実演できるような仕掛けが必要です。
 挨拶状のような事務所案内や価格表を送ったりしても、送られる方は迷惑千万であり、そのようなものをいくら送っても効果はありません。恐らく5000通くらい送ったら1件くらい問合せがあるかもしれません。

 ホームページ同様に、USPを明確にすることが大切なことはいうまでもありませんが、もしDMで集客するのであれば、キャッチコピー等のライティング、DMの法則、ダイレクトマーケティング等の幅広い知識を吸収しなければなりません。
エキスパート出版
作家:エキスパート出版編集部
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