【TRPG】DX3シナリオ「渇望の聖杯(グレイル)」

ハンドアウト( 1 / 1 )

ハンドアウト----------------------------------------------------
PC1:
カヴァー/ワークス:高校生/高校生
シナリオロイス:明石優美
ハンドアウト:
君はH市の高校に通う、ごく普通の生徒だ。
だが、ある日君の前に2年前死に別れた明石優美が現れる。
そして同時にFHエージェントが君に襲いかかる。
ヒロインは何も知らず殺される君に賢者の石を手渡し告げる。
――戦ってくれ、と。

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PC2:
カヴァー/ワークス:UGNチルドレン/FHもしくはUGNチルドレン
シナリオロイス:スピードマスター
ハンドアウト:
君は元はファルスハーツに属するチルドレンだった。
君がかつて師事していたスピードセルリーダー、スピードマスター。
彼は先達として君に戦い方を教え、オーヴァードとしての生き方を教えてくれた。
しかし、2年前のあの日、ある実験と事故を契機に全ては変わった。
君に残されたのは愚者の黄金(デミクリスタル)と引き取られたH市、UGNでの人生だけだ。
そんな君の元にH市に潜伏しているファルスハーツを撃退せよ、との命令が下される。

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PC3:
カヴァー/ワークス:UGNエージェント/UGNエージェント
シナリオロイス:東風谷冴子
ハンドアウト:
君はUGNに属するエージェントだ。
2年前まで君は別の支部に所属していた。
だが、ある事件を契機にその支部から離れ、H支部にPC2と所属している。
そんな君の元にアッシュレドリックからの命令を受け、かつての同僚にして上司である東風谷冴子が現れる。
彼女はH市に潜伏しているファルスハーツを撃退するよう云う。そしてもうひとつの目的も。

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PC4:
カヴァー/ワークス:レネゲイドビーイング/レネゲイドビーイング
シナリオロイス:グレイル
ハンドアウト:
君は記憶喪失のレネゲイドビーイングだ。
君が思い出せるのは、グレイルと呼ばれるモノを追うこと、そしてPC1を追うこと。
そのふたつだけだ。
グレイルと呼ばれるものは何か、そしてそれをどうすればいいのか。
それは君にはわからない。
今はただ、PC1と接触するしかない。

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オープニングフェイズ( 1 / 1 )

PC1 牙神刀真(キバガミ トーマ)
PC2 芳成六花(ホウセイ リッカ)
PC3 東陽一郎(アズマ ヨウイチロウ)
PC4 タリス & 高比良紗代子(タカヒラ サヨコ)

OP1 SP4------------------------------------------------
回想
タリス……とまだ呼ばれる前、ヒトガタのヒューマンズネイバーが使えていた頃。

#タリスがヒトガタを維持できていた頃の描写を貰っておく。
#どういう風体か? それを後にグレイルの過去の回想時に使う。

タリスがツヴァイハンダーを持った少女と戦うシーン。
少女は、あなたに向かって剣を向ける。
少女の斬撃が唸り、あなたに斬りかかる。

激しい戦いの後、両者は相打つ。


相打ったあと、ヒューマンズネイバーを維持できず、あなたは結晶体に戻り。
そして時系列は今になり、雨が降る中、あなたの起源種のレネゲイドに呼応する響きがあった。
あなたがその同調する誰かを呼ぶ。


そして、視点が切り替わり紗代子が登場。
紗代子はいつもの学校の帰り、誰かに呼ばれているような感覚を覚える。

そして、公園の空き地で二人は出会う。

「思えば、それが全ての始まりだったのだろう」
「その少女が巻き込まれる運命」
「この時、それを知る者は誰も居なかった」

タリスを拾い上げ、自宅に帰る。

OP2 SP3------------------------------------------------
UGNの教会地下支部、東陽一郎はいつものように、支部に詰めていた。
いつものように霧谷と打ち合わせをしつつ、身寄りのない子供の指導について世話をする。
「では、アズマさん。以前あなたからお話いただいた、カヤバタカヒロさん。彼は、某支部にて能力訓練を行ってもらうことになりました。ひとまず、それについては私とその支部に任せてください」

通信を切り、神父支部長が現れ、女性を連れてくる。

「米国支部から指示を受けて来ました、東風谷冴子です」
支部長が言う。
「今回は、アッシュレドリック氏からの命令で、こちらの東風谷さんに来てもらったよ」
「この街にマスタークラスのエージェントが張り込んでいるらしい。それを掃討するために、君とこちらの東風谷さん、そして我が支部で組んでもらうことになる」

冴子
「久しぶりね、陽一郎。あなたと組めて嬉しいわ」

支部長
「なぜ、彼女が君と組むことになったかだが……」
遮って冴子が言う。
「それについては私から。今回の件、グレイルと呼ばれるアーティファクトが関わっています」
グレイルという名に東は覚えがある。
2年前の回想に入る。

グレイルと呼ばれる強力な武器がFHの研究所で研究されているらしい。
アッシュレドリックがグレイルの情報を得て東風谷の支部を派遣する。
ゼファーと呼ばれる凄腕のFHエージェントがいる研究所で東風谷冴子、東陽一郎の支部が戦闘を行う。
そこにはゼファー、そして春日恭二がいた。
激しい戦いの最中、部下が一人、また一人と倒れていく。
「はっ、東風谷隊長、幸永啓司以下部隊の数名が重傷です! 幸永は春日と相打ちました。死傷者も多数居ます。東風谷隊長、指示を!」
「退路を確保しつつ、前進、負傷者を連れて引きなさい。私と東で最深部に行きます」
春日「クッ……UGNがここまで来たか……。私は先程のダメージが強い、ここは退かせてもらうぞ、ゼファー」
そのさなか、グレイルが暴走し研究所を大きく鳴動させます。
ゼファー「クソ、グレイルが起動……いや、暴走したか!」

ゼファー「おい、UGNの連中よ。逃げろ、死にたくなければ退け!」
爆発と竜巻でめちゃくちゃになった研究所。
敵も退いた、被害も甚大。
冴子は撤退しよう、と提案する。

そして、舞台は教会地下支部に戻る。
「そう、あの時、FHのエージェントが言っていた、あの事件の渦中にあった存在、グレイルです」
「詳細なデータはありませんが、あの時暴走したグレイルがこの街にあり、FHがそれを狙っているというのが現状です。アッシュレドリックの命令はFHの撃退、及びグレイルの確保。私たちにとっても因縁浅からぬ相手です」
「今度こそ、彼らに勝利しましょう」そして握手を求める。
その手を取ったところで、神父支部長が「六花君にも連絡を出しておくよ」と、メールを出したところでシーン終了。

「君は東風谷冴子と再びまみえた」
「あの時、君は多くの仲間を守りきれなかった」
「今の君ならば、仲間を守り、必ずや勝利を得られるだろう」
「だが、その勝利が一体何をもたらすのか、君はまだ知らない」

OP3 SP2------------------------------------------------
回想というか、夢を観ている。
両親に化物と疎まれた思い出。
「ひっ化物……」
両親の恐怖にひきつる表情を見て、六花は何を思うのか。
そして、FHでチームを組んでいた頃。
スピードマスター……当時はゼファーと呼ばれていた。彼の顔も見える。彼がセルリーダーだった。
FHで駆け抜けるように戦ってきた日々が見える。
そして、あの瞬間。
チームのメンバーとして、スピードマスターに実験として呼び出された。
おそらく命を吸われているのだろう、次々と倒れていく仲間を見ながら、六花もまた倒れる。
別室からモニターしていたのだろう、研究者の声が響く。
「賢者の石生成実験、全行程を終了しました」
曖昧な意識の中で、六花は聞く。
研究員の上司なのであろう、男の声が響く。
「結果は?」
「はい、賢者の石の生成は失敗、被験体に宿ったモノは愚者の黄金と呼ばれる劣化品です」
「そうか……進化を望めぬ者に用はない。失敗作め」
そう、その男が言い放つと同時に研究所にサイレンが鳴り響く。
「UGNの襲撃か」
「そのようです、数は……」
そこで六花の意識は途切れる。
暗転した意識がハッキリとする。夢から覚めたのだ。
そこはUGNからしつらえられた六花の部屋だった。
今となっては見慣れた部屋。
ふと、枕元にある携帯端末を見ると、メールが一件着信している。
UGNからだ。どうやら、呼び出しのメールらしい。
眠っていた六花は、そのメールに起こされたのだろう。
六花が身支度をし始める。
ナイフをジャケットに仕込み、ベレッタM92-Fをホルスターに突っ込む。
そこで、六花の愚者の黄金が眼に入る。

「君が夢に見た、過去」
「失敗作と呼ばれた君」
「そして、君の直属の上司だったスピードマスター」
「君は道を切り開く力を持っている、それが一体何を切り裂いて進むのか」
「そして、その終着に一体何が待っているのか。君はまだ知らない」

OP4 SP1------------------------------------------------
日常のシーンから。
高校の授業が終わった放課後。舞台は桜が咲いている春先から梅雨にはいるぐらい。
雨が降っている。
トーマの携帯に母から着信がある。
「買い物をしてきてほしいのだけれど」
「涼子さんと呼びなさい」

桜が舞い散る帰り道。雨が降っている。
そう、あの日もこんな風に桜が咲き誇っていた。

回想
今から大体2年ほど前。
大体14,5歳ぐらいの頃。
中学校に行っていた。
全校で行われた、花見イベント。
幼なじみの女の子、同級生の明石優美という女の子が声をかけてきます。
優美「トーマさん。桜ですよ、大きな八重桜があるそうです。私、今から楽しみですよ」
バスに乗って、大きな桜がある公園に向かう途中。
田舎の方の大きな研究所のような施設の前を通る。
大規模な爆発が起きる。
とてつもなく大きな竜巻が荒れ狂う。
それは明らかに爆発物によるものではなかった。
銃弾が擦過し、とてもただの爆発事故とは思えない。
そんな中、突風に煽られて、優美が宙を舞う。
トーマに手を伸ばす優美。
その手は届かず、彼女は研究所の方に突っ込んだバスの車外へ投げ出された。

その後、気がつくとトーマは病院の一室にいた。
そこに、女性が入ってくる。
「どうやら気がついたようだね。私は君の担当医をしている久遠遥だ。よろしく」
「君は1週間程意識不明だった。こうして生きているのが不思議なぐらいだ」
「まあ、重症軽傷の程度はさして問題じゃないがね」
そういいながら、遥はナースコールで意識が回復したので、親御さんを呼んで欲しい旨を伝える。
「ひとまずは経過観察かな。あの事故での数少ない生き残りだ、あまり焦らず療養することだ」
「ああ、事故の被害者は、生存者よりも死傷者のほうが多い。君は幸運だよ」
「例えば、白星刃とか言ったか。彼は隣室で入院している」
他にも何名か名前をあげるが、その中に優美の名前はない。
「明石優美か……残念だが、うちには収容されてないな。仮にどこかに収容されていたとすれば私の耳には入っているだろう。そして、見つかっていないということは行方不明だろう。現在捜索中だろうが、生存は絶望的だろうな」
「惜しい気持ちは分かるが、今のままでは何も出来まいよ。とにかく養生することだ。君の傷は決して浅いものじゃない」
「それに、この件は深入りするような事はしないほうがいい。もう終わった事さ」
そして、窓の外を見ると、皮肉にも桜が舞っていた。

その桜を中心に場面が切り替わる。
優美についての韜晦、エフェクトについての懸念がある。
雨に濡れた泥の海、桜が浮いたその中に一人の少女が倒れていた。
トーマにはすぐに分かる。彼女の容姿は、あの時手が届かずに死なせてしまった。いや、行方不明になってしまった明石優美だ。
トーマが何らかのアクションを起こすと、
少女も「……あなたは、トーマさん……?」とうわ言のようにつぶやく。
「分かりません……私には何も……」
「私は……私は……明石……優美?」
泥まみれになった制服と所々に血が付いた体。それ以外はあの日別れたきりの優美に相違ない。

そこに黒服の男が二人現れる。
「ようやく見つけたぞ」
「なんだ、このガキは」トーマの方を見て言う。
「まあ、構わん。面倒な事になる前に始末するか」
ワーディングが張られ、トーマは無力化される。
エキストラと化したトーマの左胸を黒服の男達が拳銃で撃ちぬく。
血を吐き出しながら崩折れるトーマ。
倒れたトーマを他所に、黒服は優美に近づく。
優美はトーマに手を伸ばす。あの日、届かなかった手、それが今眼の前にある。
トーマが手を取ると、優美の手を経由して力が流れこんでくる。
「ごめんなさい……その、それは資格です……。戦ってください……お願いします」
体の傷が完全に癒え、自分ならば戦えるという実感が湧いてくる。

「君は図らずも戦うための力を得た」
「君は選ばれたのだ。何者をも薙ぎ払う力」
「その力を何に使うかは君次第」
「君の選択が世界を大きく動かすとは、この時、誰一人として知らない」

 

ミドルフェイズ~クライマックス( 1 / 1 )

MID1 PC1------------------------------------------------
黒服の男との戦闘。ワーディングを張り直すが、トーマには効かない。
トーマ側でワーディングを張れば、タリスと紗代子のみ登場可。
アズマ、六花はワーディングの気配を察して出撃してもいい。
登場時に、場面が一瞬切り替わり、それぞれを演出する。
増援に来るというなら、別エンゲージになる。

戦闘終了後、エネミーは東風谷冴子に回収される。
「彼らはどうやらFHのエージェントだったようです」
「そして、そちらの二人。詳しいお話を伺いたいので、支部に来てもらいましょう」
「ああーえーっと、はい、警察の者です。これ名刺」

MID2 SP3------------------------------------------------
教会支部へ。礼拝堂の脇にあるドアをくぐると、
近代的なモニタが並ぶ司令室のような装いになっている。
なにか作業をしていたらしき神父姿の支部長がいる。
神父支部長の名前はシンプソン。
「やぁ、FHの撃退は出来た……ようだね。彼らは?」
「んー? うちは警察じゃないよ? 東風谷君。君、また彼の真似でもしたのかい」
「僕たちはUGN、ユニバーサルガーディアンネットワークだ」
「有り体に言えば、正義の組織って所かな。社会平和を守るため、レネゲイドの存在を隠蔽し、日夜ジャームやFHと戦っている」
「よく分からない用語が多い? すまないね、それじゃあこのUGNのマニュアルを読んでおいてくれ。大体の事は書いてあるから」
「あれ、彼らはUGNに勧誘したんじゃないのかい、東風谷君?」
「いいえ、ただ、FHのエージェントとの交戦に巻き込まれていたようなので、それに彼らはオーヴァードに覚醒している可能性が多分にあります。こちらからアールラボに回して検査を受けさせた方が良いかと思います」
「いやいや、待ちたまえよ東風谷君。彼らがオーヴァードである可能性がある……というか、実際にエフェクトを使っているところを見て確認しているわけだろう? なら、現状のFHの動きと併せて考えると、彼らの力も多少なり必要になるわけだ。今は猫の手も借りたいのさ。アールラボに引き渡すのは、この件が終わってからでも遅くはないだろう」
「しかし、それでは……」
「いいや、何も戦ってくれと言うわけじゃない。情報収集の人手が増えるだけで十分さ」
「というわけで、君たち二人はUGNに一旦協力してもらえると助かるんだ」
「別に監禁したりはしないさ。ひとまず今日は家に帰ってもらって構わない」
「報告を聞いた限りでは、キバガミ君だったかな。君もFHのエージェントに殺されかけたって話だ。君はたまたま助かったからいいものの、助からない人も当然いるわけだ。どうだい、ひとつ街を守ってみないか?」
「せいぜい、そこらの人に怪しいやつがいないかどうか聞き込みするぐらいのことでいいさ。とにかく、こちらは猫の手も借りたいってだけのことだからね」
「ただ、そっちの金髪の彼女、明石優美さんだったかな。彼女は置いていってもらいたい。何分、キバガミ君に賢者の石を渡したとか聞いているからね。かなり特殊なオーヴァードである可能性は高い。なんで、なるべくこちらで押さえておきたいわけさ」

優美はトーマの手を握って離そうとしない。とても庇護欲をそそる表情でトーマを見ている。

優美がトーマについて行く事に決まったら、シーンを切る。

MID3 SP1------------------------------------------------
PC4自動登場。
デートイベント1
記憶が戻りかける優美。
昔、一緒に通っていた学校などを歩く。
情報収集
・FHの目撃証言(潜伏場所が分かる)
露天に置いてある、緑の石がついたアクセサリー、赤の石がついたアクセサリー。
優美がじっと見ている。
石を買ってあげる旨をトーマが言ったら、シーン終了。

MID4 SP3------------------------------------------------
冴子とのディスカッション
・FHの戦力(大量におり、仕切っているのはスピードマスター)
・UGNへの援軍要請
2年前の作戦で多くの仲間を失った旨を冴子が話す。
今回はそういった因縁のある相手、スピードマスターが相手だ。
用心するに越したことはない。UGNへの援軍要請をする。
「そうですね、もし時間が戻せるなら、私は仲間を助けたいと思ってる」
「でも、時間は決して戻らない、死んだ人間とジャームになった人間は決して戻っては来ない」
「だからこそ、私たちはこれから起きるであろう戦いで負けるわけにはいかないし、失うわけにはいかないんです」


MID5 SP2------------------------------------------------
他PC登場不可
・スピードマスターの能力(マスタークラスのエージェントなので、有名。すぐに分かる。ハヌマーン/エンジェルハィロゥのサイレン使い。HPは大体300を超えている)
・スピードマスターの弱点
(近年力が衰えており、暴走の危険と隣り合わせになりながらも活動している)
単独での調査中、スピードマスターが現れる。
彼はタバコを咥えながら、韜晦する。
「六花、生きていたか……UGNに組しているらしいな」
「どうだ、俺の所に戻ってこないか。今は少しでも戦力が欲しい」
「返事は今じゃなくて構わない」
地図を渡す。そこには埠頭の倉庫街に印が付けてあった。
「そこに俺たちのねぐらがある。俺達の元に戻る気があるなら、来てくれ」

MID6 SP4------------------------------------------------
・グレイルという存在について(工作員の影響で目標30の意思)
調査が終了すると、突如FH戦闘員が現れ、紗代子が拉致される。
「この娘か?」
「いや、判断はつかん。これぐらいの歳の頃らしい」
「それに、指示にあったものと、この娘のレネゲイドの反応は一致している」
「では、人に見つかると厄介だ、連れて行くか」

MID7 SP1------------------------------------------------
他PC登場不可
デートイベント2
桜の舞い散る公園にて。
記憶が戻りつつある優美。
「私は……明石優美……私は……」
「トーマ……思い出した、トーマ!」

「トーマ……あれ、私、あの時、酷い怪我で、いやあああああああ!」
そう言ったきり、倒れてしまう優美。

MID8 SP2------------------------------------------------
他PC登場推奨
FHスピードマスターセルの居場所は割れた。
あとは戦力を整えて殴りこむだけ。
スピードマスター、ゼファーとの思い出。
「六花、君に銃のいろはを教え、レネゲイドについて何一つ知らない君を一人前に育て上げたのはゼファー、今はスピードマスターと呼ばれている彼だ」
仲間と共に駆け抜けた戦場。君がミスをするとゼファーは必ずフォローしてくれた。そのお陰で君は生き残れた部分もあるだろう。
#ここで666の仲間の名前を言っておく。リュ・リューイ、レーティア・ゼクス。次回の引きで出す。

そんな六花を他所に、倒れた優美が教会地下支部に運び込まれる。
支部長「彼女はかなり危険な状態のようだ。レネゲイドが異常活性している。こちらでアールラボに送っておくので、あとは任せたまえ」
トーマのみ、知覚判定、難易度は6。
成功すると、神父支部長が一瞬笑ったように見えた。歓喜に震えるような笑み。
失敗すると、神父支部長の様子にどこか違和感があったように見えた。それがなんなのか、トーマには分からない。

UGNの情報で、FHに紗代子が捕まった事が分かる。
「ああ、発信機を仕掛けていたのさ。トーマ君、君にも付いている。治療するついでに仕掛けさせてもらったよ」
「ちなみに、現場と思わしき場所から、こんなモノが回収されている」と、タリスが出てくる。
トーマとのみ、何故か会話が可能。

という状況。PC側の動向をどうするか問う。
選択肢、トーマはどうするか?
・優美について看病する。(紗代子救出には行けない)
・優美を支部長に任せて、紗代子を助けに行く。

ぶっちゃけて言うと、戦闘があります。スピードマスターのセルと。

MID9 SP3
UGNの支部で集められるだけの人材を集めて、FHスピードマスターのセルとの戦いに向かう。

ゼファー「ようやく来たか、UGN」
「そして、六花。俺達のところに戻ってくるつもりはないらしいな。まあいい」
ゼファー「あっさり俺達の情報が入って、妙だと思わなかったのか?」
「こちらはこちらでやらなければならないことがある。やられるわけにはいかないな」

伏兵のトループを召喚。
PC2のみ知覚判定を行い、成功した場合PC2のみエンゲージを離脱する。

1ラウンド目、ゼファーは待機。
トループに時間稼ぎをさせて、能力の制御を始める。
サイレンでトループとPC全員を狙う。
2ラウンド目、ゼファーの高速分身。
PC2のみ効率的にダメージを与えられる状況を作り出す。

トーマが支部にいる場合、戦闘終了後、カットイン的な感じで支部の様子が出る。

PC2に止めを刺されたゼファーは、グレイルを破壊してくれと告げて息を引き取る。
PC側にグレイルに関する情報が入った端末を渡す。

死に際のスピードマスター「お前は失敗作って言われてたが、俺はそうは思っていない。お前には立派に道を切り開く力があるはずだ。少なくとも、俺はそう育てたつもりだ」
「六花、もうFHに戻れとは言わん、グレイルに……いや、奴に気をつけろ。あの計画はまだ終わっていな……ぐはぁっ」


そこに優美が現れる。様子がどこかおかしい。目が銀色になっていたりする。
仮にPC1と共に教会に待機していた場合は、そのあたりも演出しつつ戦場に優美が現れる。

倒れているトループから命を吸い取る。
《能力強奪》をスピードマスターに使用。ワールウィンドを取得。どこかへ消える。
合流した東風谷とひとまず教会支部に帰る。

ヒロインが一人で教会支部に残されていた場合、マスターシーンで神父支部長が殺される様を見せる。
「ようやく手に入れた……これが渇望の聖杯……望めばどんな願いでも叶えられる……」
「キーは揃っている……」賢者の石を取り出し、優美にかざす。
優美の体がほのかに光る。
銀色の眼を光らせ、優美は立ち上がる。
「汝は我に何を望む?」
「私の願いは……」
「供物が必要だ」
「我を求めるは必然……いつの世もそうだった」
「貴様にその資格はない」
「そんな、賢者の石もある、願いも私は……」
「否、その資格はない。貴様の魂は我を使うに値しない。せめて供物となれ」
トーマが止めなければ、《能力強奪》の演出で支部長が死亡する。

MID10 SP4
帰還した全員に応急手当キット×4を支給。

支部長が生きていた場合:
冴子の指示で、支部長が捕まり、支部長が隠していた情報がオープンされる。

支部長が死んでいた場合:
支部長が死んだ事により、支部長が隠していた情報がオープンされる。

スピードマスターが残した端末から、グレイルについての情報項目が開示される。
・渇望の聖杯について(情報:UGN、FH)
・グレイルの起源(情報:UGN、FH)
・二年前の事件の関係者と連絡をとる(情報:UGN)
・グレイルの弱点(知識:賢者の石、知識:レネゲイド)
(孤独ではなくなる、賢者の石所有者が直接破壊する)

【プロジェクトアダムカドモンと渇望の聖杯について】
渇望の聖杯はUGNとFHの共同研究プロジェクトアダムカドモンの研究結果のひとつである。
プロジェクトアダムカドモンとは、11年程前にUGNとFHが共同で行っていた研究である。
プロジェクトの目的はジャームを元のオーヴァードに戻すことだった。
渇望の聖杯・グレイルはプロジェクトの一部で研究されていた。
正確には創りだされたものではなく、イングランドの地で発見されたアーティファクトを制御しようとした。
渇望の聖杯の研究は決して成功したわけではない。
他のプロジェクトと同様、ダインスレイフと呼ばれる暴走したオーヴァードによって頓挫したのさ。
渇望の聖杯はその後、闇へと消えた。
今から2年前、渇望の聖杯はFHによって発見され、研究が再開されたそうだよ。
もっともその研究も施設ごと破壊されたらしいけどね。
#UGN側ではFHに持ち去られたと言われ、FHではUGNが持ち去ったと言われている。
#実際には当時EXレネゲイドとされていた聖杯は、レネゲイドビーイングとなり、自分の足でどこかへと消えたのだ。

・グレイルの訪問
グレイルが現れ、PCたちを勧誘するシーン。
明石優美の姿のまま、それぞれの元に現れる。
PC1,2,3に東風谷が接触。
ワールウィンドの使用回数をここで使い切る。
グレイルで部下を失った自分たちに、グレイルに翻弄された人生を語る。
「私はかつて、グレイルによって多くの仲間を亡くしてしまった」
「グレイルによって、また多くの仲間、敵が死んでしまった。時間は戻らない。死んだ人間は生き返らない。絶対に許せない……」
そこにグレイルが登場し、私ならば死んでしまった人間を蘇らせる事もできる、と語る。
PCの選択を優先する。

【グレイルの能力】
残された研究資料で確認できる限りグレイルの能力は多岐に渡る。
曰く、手にした者に強運を与える。(妖精の手)
鬼神の如き戦いをさせ。(オウガバトル)
絶対の防御を与え、敵の防御を破壊する。(時の棺、否定のひと触れ)
決して傷つかず。(究極存在)
命を糧に力を与え。(終末の炎)
そして、人の命を糧に何度でも再生する。(不死生命)

【渇望の聖杯・グレイルの起源】
キリストの血を受けた杯ともいわれる。聖杯のような聖遺物には病気の治癒などをもたらす奇跡を起こす力があるという。
各地の伝説で聖杯はその力、本質を拡大解釈され、様々な力を与えたと言われている。
ここまではごく一般的な聖杯の定義だが、グレイルは違う。
グレイルは元々、西ヨーロッパ地方に伝わる聖杯伝説に登場する聖杯に準じた存在だが、その性能は伝説に語られるものとは著しく異なるのだ。
プロジェクトアダムカドモンはジャームを元のオーヴァードに戻す研究をしていた。
聖遺物と呼ばれるもの、超常の力を宿したアーティファクトはEXレネゲイドであるというのが、UGN・FH双方の見解だ。
アーティファクトの研究チームの間では不死の聖杯という名前で呼ばれることもあった。
あの聖杯の所有者はその気になれば世界そのものを変えることすらできるらしい。
もっとも、願ったことは曲解して叶えるのだそうだ。(愚者の契約)
研究中、半覚醒状態だったこの聖杯を一度起動したことがあるらしい。
その時はFHの研究施設とその場にいたUGNの支部員を壊滅させたのだそうだ。

・マスターシーン
グレイルの孤独
戦争の場面。
西洋風の甲冑を身につけた兵士が、剣戟を繰り返す。
互いに消耗しつつ、死闘を繰り返す。
その渦中で、一人の少女が立ち尽くしていた。
銀色の眼をした彼女は、ホログラムのように半透明。
彼女は思う。彼女の力を求め、多くの戦争が起きた。
聖杯。人々に渇望された彼女もまた、人に必要とされる事に心酔していた。
彼女は何よりも絆を、彼女を思う絆を求めていた。
その想いがやがて、彼女を絆を求めるジャームと化していった。

【二年前の事件について】
UGNの幸永啓司と連絡を取る。
「そちらの支部では確か、俺が前に訓練した芳成六花がいたな。それで、何の要件だ?」
「二年前の事件……なるほど、グレイルの研究施設襲撃作戦か」
苦虫を食いつぶしたような表情になる啓司。
「あの件で俺も冴子も多くの仲間を失った」
「あの時は確か、アッシュレドリックからの要請を受けて俺達は動いた」
「アッシュレドリック、今でこそ中枢評議会の人間だが、当時は出世への野心に燃える査察部の長だった」
「あの男が当時何を考えていたかは知らないが、相応に強力な力が欲しかったというのは想像に難くない。そこでおそらくは聞きつけたんだろうな。グレイルと呼ばれるアーティファクトの話を」
「野心を持った奴なら、ああいうもんは欲しがるんだろう。二年前に俺達が駆り出されたのも、そういう事情からだ」
「だが、妙だな。確かに二年前にアッシュレドリックが俺たちをけしかけたのは事実だ。けど、最近はさっきも言ったとおりアッシュレドリックは権力を得て、今更グレイルに拘る必要もないだろうに」
「その件、どうもキナ臭いな。俺の方でも情報を洗ってみる。じゃあな」

・マスターシーン
2年前の事件を明石優美、グレイルの視点で見る。
バスから放り出された優美は、息も絶え絶えで死に瀕していた。
そこに、暴走を始めた聖杯が目の前にある。
優美はその時、強く、この光景が嘘であると願った。
その願いは聖杯に受け入れられ、肉体を分解、渇望の聖杯に魂を吸収される。
優美は強く、強く想った。
トーマの事、そして、最後に見た舞い散る桜を……。


【タリスの存在について】
タリスの所に都築京香が現れる。
タリスに出自と本来の目的を教える。
タリスは元々、渇望の聖杯に準ずる存在。
聖杯の同位体とも言える存在。
それ故に渇望の聖杯に対抗できる切り札。

 

同一の存在故に外殻を破壊することが可能。
ある種の劣化コピーであり、聖杯の願いを叶える願望機という機能はついていない。
ただし、起源種の能力はコピーされた。
グレイルの破片から、複製培養された存在。


PC全員がグレイルへのロイスを取得しなかった場合。
マスターシーン
孤独の叫びで東風谷にロイスを取得させる。
※もし仮に他のPCに同じ提案をする場合、確認を取る。PCがボスになるので注意喚起。

集合フェイズ
街の中心にあるタワーにて大きなワーディングがはられる。
PCたちがそこに向かう。
クライマックス前の最終確認なので、質疑応答を挟む。
・東風谷冴子はロイスを取得して、グレイルの言う事を聞いている。
・つまり、東風谷冴子はジャーム化しているわけではない。
・明石優美の魂は未だにグレイルの中に存在しており、強い想いを持って訴えれば、彼女の意思を呼び覚ます事ができるかもしれない。
・Sロイスの取得を推奨。


クライマックスフェイズ。
VS東風谷(同意していればPC)・グレイル
東風谷からグレイルを引き離すイベント(東風谷(もしくはPC)をSロイス指定して殴ればOK)
VSグレイル&スピードマスター+トループ(吸収した魂)

 

エンディングフェイズ( 1 / 1 )

エンディングフェイズ
トゥルーエンドの条件
・PC1もしくはPC4がグレイル(明石優美)にSロイスを取得している。
・PC2がスピードマスターを撃破している。
・東風谷冴子に対してPC3がSロイスを取得している。(グレイルの分離イベントを見ている)
・グレイル(優美)を救いたいという言葉が誰かから出る。

PC3
東風谷冴子が支部から離脱。
神父支部長が罷免されたことから、新しい支部長が必要となる。
PC3アズマヨウイチロウを新支部長とする。
新支部長となったアズマの所に啓司から連絡がある。
「そっちも大変だったらしいな。で、例の件。やっぱりアッシュレドリック本人が冴子をグレイルの回収に向かわせたなんて事実はなかった」
「だが、現にUGNの上層部から指令が出てたのも確かだ。アッシュレドリックではないにせよ、誰かが冴子を使ってアーティファクトを入手しようとしていたらしい」
「どうにも、一癖も二癖もある案件のようだ。こちらでも調べておくが、アズマ新支部長。そちらでも警戒しておいてくれ。俺の勘では近いうちに何かでかい動きがある」
「俺の教え子を頼むぜ」

PC2
スピードマスターの墓標にて、何か語るシーン。


PC4
紗代子とタリスの会話シーン。
「おそらくは我を所有することで、今回のような危険な目に遭うことがこれからも続くだろう」
UGNからイリーガルとして登録しないかという書状が来ている。

PC1
桜の舞い散る公園で、トーマはUGNからのスカウトの書状を見つめているシーン。

マスターシーン
「グレイルの欠片、回収してまいりました」
暗い闇の中、一人の男が静かに語る。
「スピードマスターが撃破され、グレイルもまた破壊されたか」
「どうやら、君たちに動いてもらうことになりそうだ」
「スピードマスターが消え、新たなアーティファクトも順調に目覚めるだろう」
「君たちにはあるアーティファクトの回収をしてもらう」
闇の中に1人の少女が浮かび上がる。
「御意、お心のままに。マイロード」
少女が振り返ると、二人の人影がある。
少年と少女の二人組だ。
少女は彼等にほほえみ、一枚の写真を取り出す。
そこに写っていたのは芳成六花。
「失敗作、どうやらやり合うことになりそうですね……フフフ」
「さあ、狩りを始めます。目標はガラティンです」
「616、ナンバーオブビースト。さあ、闘争を始めましょう」

「次回、禁忌の聖剣-ガラティン-」

・トゥルーエンドの場合
マスターシーン
たゆたう意識の中で、明石優美の自我は淡い光の中を漂っていた。
グレイルという魂の器が破壊され、彼女は暗い闇の底に落ちていく。
消え入りそうな彼女の意思の中で、トーマの姿が強く浮かぶ。
トーマの強い想いを受けた一撃が賢者の石を通して、彼女の自我を確かな物とする。
その瞬間。
桜の舞い散る光景、吹き荒れる風、そして、赤い石の埋め込まれたペンダント。
それらがフラッシュバックして、優美はゆっくりと目を覚ます。
誰よりも、自分を想ってくれた一人の少年の姿を想い続けて。

 

本塚届
作家:本塚届
【TRPG】DX3シナリオ「渇望の聖杯(グレイル)」
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