真紅の舟 2 -警告継続中-

  気がつくと水が上から、ちょっとずつしたたり落ちてきていた!?
(ナニ、雨漏り!?・・・)
「天井 ヤバくないっ・・・!?」
  ぶつくさ言いながら、目の前のパソコンが濡れてないから、まあ、いいかと思っていた。
「・・・勘弁してくれよ・・・チェッ・・・」
  明日  『ネオファラオの期間限定特別捜査本部』を立ち上げ、警察に指示をする警視庁の新渡戸 進士 (にとべ  しんじ)だった。

  一つ仕事を終え、トイレに行って用をたし、チャックを上げた時にふと違和感を感じた。
  見慣れた『一歩 前へ』の紙が、『一回  下へ』と書かれていたからだった。
  ちょっと変だな~と思い下を見た瞬間に上から、何かが落ちて来た。
  小さめの色鮮やかなカエルやヘビやトカゲなどが床にいたのだった。
  そして瞬時に脳が動いた《色鮮やかな小動物=毒のある物》!?

「・・・うっ!?・・・」
  予想どうり、時間が経つと体に異変が起きてきた。
  しかし、大きな試験管内に閉じ込められ、逃げられない、そこにきて、足元が三つの小さい掘削機により、地中に入って行く、次第に足元も削られていった。
  もう、逃げ場は、無かった、叫び声も外には、届かない暗い地中に来ていた。

  何人かの会計士、弁護士等と公には、出来ない話し合いをし、温泉宿で飲み会を開き、高い酒を飲み、気を楽々させて愛人を抱き、仲間と集い、みんなで温泉に浸かり、家族みたいに豪遊を楽しんでいた。

「俺、そろそろ上がらせて頂きます。 カシラは、いかがなされますか」
「お~、俺は、もう一回ゆっくり浸かってから出るわ、お前ら、先に出ててい~わ」
「はいっ、それじゃー、先に上がらせて頂きます」
  頭を下げた。
「おーっ」
  仕事が上手くいき、時間を楽しむように、もう一回、浴槽に歩を進め、湯に体を沈めた。
「お~、いい湯だ」
  お湯に電灯が当たり、壁に不思議な光のアート模様のダンスを少し見ながら、少しだけ、目をつむった。

  脱衣場の出入り口に薄いシートがスーと音もせずに降りていった。
  これで外部には、音は、漏れなくなった。
  行き成り、脱衣場に《不思議な光のダンスアート模様の》が幾つか天井から降りていった。
  浴室と脱衣場、同時にエイリアンが変身し、五体の獰猛な奴がヤクザ達を襲撃し始めた。
  浴槽と床に動かなく成った物や痙攣した動物達が次から次へと倒されていった。
  男風呂は、全滅になった。
  薄いシートが上がる。

  UFOも怨念も見た物意外  何も信じない奴がいた。
  その道では、少しは、名が知られていてテレビにも出演した事もある人だった。
  ストレス発散に軽くつまみとアルコールをたしなみ、気持ち良く寝たのだった。
  しかし、寝て起きると枕も布団もなく、大きな曲線の描いたガラスカプセルの中に居た。

  そして、その男の周りに居たのは、四体、人間の男に人間型マシーン、エイリアン、そして黒い動物の悪魔だった。
  研究をするかのように四方に一体一体が居た。
  彼等は、合図を待っていた。

  カウントダウンするように音と電灯のライトが変わっていく。
  そして最後の音が鳴り、赤いライトがついた。
  四体がゆっくりと動き出す、目が開いて閉じた、両掌が胸の前で合わせられた、口が聞いた事のない言葉を唱えていく、念じていく。

  男は、《いったい何をしているんだ》とずっと見ていたが、次第に頭を両手で押さえ始めた。
「ア~アッ、痛いー!?イタイー、やめろー、ヤメローッ」
  突然、両目を見開いた。
  画面が凹凸に揺れ出す。
「ワあアッあ~ッ」
  そう叫んだ時、突然、男の五体がスローモーションに割れた!?、そして一気に爆発し、カプセル内に肉片が飛び散り、赤に染まった。
  そして男の姿は、消えた。
  四体は、次々と席をあとにする。

  男勝りというか、いつ、どんな時でも冷静過ぎて毅然とした態度をとり、ニックネームは、《サッチャー(鉄の女)》というあだ名を付けられた女性がいた。
  彼女の名は、城ヶ根  紗智子 三十路前の綺麗な独身女性だった。

  たまにのストレス発散は、カラオケだった。
  好きな歌を聴くのは、良くある話だが、アルコールを飲んで酔い、食べ、勉強がてらに好きな歌を本人に成りきり、大声で一人で歌うのが、趣味だった。

  そして飲んでの生理現象でトイレに行き、昔ながらのクラシックな電話BOXで仲の良い友達に電話を掛けるのもクセ!?趣味!?だった。
  電話BOXに入って一段落してから、アドレスのボタンを押していく。

  ドアが音も無く溶接!?された。
  発信音が鳴らされたが、直ぐに音が無くなった。
「・・・あれっ、もしもし、もしも~し・・・!?」
  受話器を耳から、離したり、付けたりする。

  電気が点滅!?し始めた。
  トスンットスンッ、床に何かが落ちているような音がして下を見る、目を細くして良く見る。
  何かが動いていた。
  電気が点いた、目の前を何かが落ちていく、両サイドからも落ちていった。

「キャー」
  そして解った、手からひじ位の青や紫や赤や緑の丸々太った大きなムカデ!?だった。
  叫んでいるうちに異空間!空中?から、ドンドンとムカデが下に落ちていった、溜まっていった、埋もれていった。
「キャー、イタイー、痛いー、誰か~、た・す・け・・・!?・・・」
  噛まれた痛さと神経毒とグロテスクな生き物とショック性から体は、沈んでいった、少しずつ少しずつ消化されていく。

迷 彩映 (mei saiei・メイ サイエイ)
作家:MONALI PADORA
真紅の舟 2 -警告継続中-
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