真紅の舟 2 -警告継続中-

  仕事とは、思ってなかった。
  パソコンを構っている事が、趣味程度の感覚で調べる事が好きだった。
  時間が経つたびにのめり込んで行き、音のしない透明なガラスの筒が降りて来たのは、全く気付かないでいた。
  人間と机を飲み込んだ筒が下まで降りる。

  厳しい目ながらも、楽しんで脳を動かし、指でキーボードを叩く能登 勉(のと つとむ)が画面を見ていた。
  私立探偵兼サイバーポリス、いずれも知る人ぞ知る優秀や隠されたビジネスマンだった。
  気になる物件《ネオ・ファラオ》を調べて自分なりに整理していた。
  気持ちの悪い怪しい塊が音もせず降りて来ていた。
  数人の助手達は、何も分からずに仕事をこなしていた。
  仕事をしている立体画像に入れ換わる。

  ガサガサガサとわずかな音がしていた。
  ふいに左右を見渡し、確認し、再び仕事をし始める。
  突然、目の前に三センチ位の大きな蜂が現れた。
「うわっ!?」
  椅子を後ろに引くと分かって来た。
  上に数匹の大きな蜂が・・・驚きながら視線を上げて行った。

  何百、何千という大きな蜂の大群がいた。
  音もせずにゆっくりと降りて来ていた。
  目を見開く、あまりの不気味さで大きな声を出していた、救いを求め出す。
  蜂が敵を目掛けて暴れだした。
  急襲し刺し始める、噛み始める。
  しかし、画像と防音のせいが周りには、何も分からずじまいだった。
  周りには、大声を発し、助けを求め出した、血が出る位にガラスを叩き出す。
  しかし、餌食に成るだけだった。
  下に下がって行く・・・次第に倒されて行く・・・画像が変わり、誰も気付かない普通の世界に戻って行く。

  現代の若者には、相応しくない位 パソコンのメモリー内ばかりでは、なく 紙やファイルといった物に頼って記録を整理していた。
  いやメモリーと用紙と自分の脳の記憶に書き示していた。
  《石橋を叩いて渡る》といった慎重派の隅に置けない、誰もが一目を置く男だった。

  布皮 文明 25才 国が唯一認める天才ハッカーである。
  警察からの依頼と自分の興味で《ネオファラオ》に関する物件を調べては、警察に送っていた。
  過去の事件などを調査しては、推測をし、確信を追究していく。

「文明さ~ん」
  可愛らしさを想像させる高めの声が彼を呼んだ。
  高級感のある茶色の座椅子から布皮文明がゆっくりと立ち上がり、訪れた三人に向かって歩いて行った。
  ホテルの広いロビーで五人が向かい合う。
  お互いが挨拶をし、頭を上げる。

  その瞬間に事件が起きていたのが分かったのだった。
  カメラで撮られた五人は、頭を上げた瞬間  兆しも音もなく、計ったように切られて!?消えて!?いったのだった。  一、ニ秒!?で。
  胸から下が横しまの透明なラインの服を着た!?ように無くなっていった。
  バランスを崩した体は、倒れる迄にミイラ化して壊れて散っていった。

  そして後にズームアップで調べた結果  血も出てなく、骨や肉や内蔵が見えている映像があったという事だった。

  そして今は、時間が経つにつれて消えていったのだった。

「フッ、フッ・・・全ての謎を俺が、解いてやる・・・待ってろよ~、ファラオちゃん~」
  パチパチと左人差し指の爪で二回叩いた。
  パソコンからコピーした小さめの写真がパソコンの左上にあったのだった。
  ホロ酔い加減で趣味で《ネオファラオ》を調べていていて冷蔵庫にビールを取りに立ち上がって行ったところだった。

  パソコンを立ち上げていながら、テレビで『英雄』を見ていた。
「・・・メイヨアルコトダロウ、カンシンヲモタレルコトワ・・・!?」
  ふと気になり、振り返った。
  パソコンの画面にツタンカーメンが手を振っていた。

  雷音がなり響いた、(あれっ)、自分に雨!?が降りかかっていた、上を見た、目を見開いた、五階建ての建物の三階に住んでいて、あるはずの物が無く、ドス黒い積乱雲が見えていた。

  DVDの画像が終わりをむかえた。
  行きなり、ファンの男に多くの木の柄の矢が突き刺さって来た。 全てが斜めに刺さっていた。
  体にも刺さるも  しかし、奇跡的に致命的な傷を得る事は、なかった。
  しかし、次の瞬間  中空の途中から長い金属製の槍が落ちてきて右側の首に刺さった。
  ビビっていた、恐怖から声は、出なかった、沢山の冷や汗をかいていた、積乱雲内が光り、眩しいばかりの光と共に轟音が鳴り響いた、地面が揺れた。

  明るくなるとアパートの一部屋だけ焼け焦げて悲惨な状態が多くの人の目に止まったのだった。

  早くから、連絡が入った、検死官からだった。
  内容は、体に切った跡がないのに、五臓がなく、内部は、血の気がなく綺麗にされており、体内に《キーボード》があったという事だった。
  しかし、これには、続きがあった。
  それは、キーボードは、プラスチックのような外観をしていて、素材は、良く調べてみないと解らないが、《地球上には、存在しない物》だという事だった!?

  なぜ、キーボードなのか!?、人間にこんな事が出来るのか!?、これの意味する物は!?・・・一つも納得いく解決がなかった。
  困ったもんだ、そう警察では、内心思っていたが、続いて事件が起きた。
  現場に着くと死体も無く、通報してきた検死官も居なかったのだ!?
  謎が深まる。

  検死官は、落ちているキーボードのキーを見付けた。
  しゃがみ込んで手に取り、立とうとした時に後ろから、膝カックンをされた、前に倒れそうになると、今度は、お腹を棒!?で引っ張られた、そして良く解らないうちに座椅子に座らされていた。
「ガイコツノシルシヲ  ミタラ  ショケイサレルゾ」
  言っている意味!?が解らなかった、しかし、記憶に残っていた!? 座椅子は、死亡解剖台の回りを動いているうちに組み立てられていた。
  台も立っていった、垂直になる頃、目を丸くした、眼前にあった、印(絵)が重なってしまった、
「アアッ」
  ビビビ~ッ、ジュー、白い煙が立ち上った。
  強い電気により、肌が焼けただれていた。
  そして二体は、床の黒い円に一瞬で落ち、全ては、平常に戻った。

迷 彩映 (mei saiei・メイ サイエイ)
作家:MONALI PADORA
真紅の舟 2 -警告継続中-
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