真紅の舟 2 -警告継続中-

  早くから、連絡が入った、検死官からだった。
  内容は、体に切った跡がないのに、五臓がなく、内部は、血の気がなく綺麗にされており、体内に《キーボード》があったという事だった。
  しかし、これには、続きがあった。
  それは、キーボードは、プラスチックのような外観をしていて、素材は、良く調べてみないと解らないが、《地球上には、存在しない物》だという事だった!?

  なぜ、キーボードなのか!?、人間にこんな事が出来るのか!?、これの意味する物は!?・・・一つも納得いく解決がなかった。
  困ったもんだ、そう警察では、内心思っていたが、続いて事件が起きた。
  現場に着くと死体も無く、通報してきた検死官も居なかったのだ!?
  謎が深まる。

  検死官は、落ちているキーボードのキーを見付けた。
  しゃがみ込んで手に取り、立とうとした時に後ろから、膝カックンをされた、前に倒れそうになると、今度は、お腹を棒!?で引っ張られた、そして良く解らないうちに座椅子に座らされていた。
「ガイコツノシルシヲ  ミタラ  ショケイサレルゾ」
  言っている意味!?が解らなかった、しかし、記憶に残っていた!? 座椅子は、死亡解剖台の回りを動いているうちに組み立てられていた。
  台も立っていった、垂直になる頃、目を丸くした、眼前にあった、印(絵)が重なってしまった、
「アアッ」
  ビビビ~ッ、ジュー、白い煙が立ち上った。
  強い電気により、肌が焼けただれていた。
  そして二体は、床の黒い円に一瞬で落ち、全ては、平常に戻った。

  気がつくと周りに肉眼では、解らないガラス状のシールドがあった。
  ずっと触手で出口がないか、どういう物なのか、確認をしていた。
  知らない間に輪ゴム状の煙!?や光や点滅輪!?や紫、紺、青などの解らない浮遊物が上から降ってきていた。
「何なんだ・・・!?」

  体や手に当たると雪のように消えてしまう!?
  初めは、何が何だか分からなかった。
「・・・はかない物だ!?・・・」
  人気沸騰中の雑誌『ミステリズム -Xday-』の編集長  若井田  進だった。
  さっと終わらして週末は、みんなで飲みに行こうと《都市伝説ネオファラオの特集》で最終編集チェックをしていた。

  しかし、周りでは、騒ぎが起きている状況にあった。
  なぜなら、編集長  若井田が《居ない》という事だった。
「・・・オ~イッ、俺は、ここに居るぞー・・・!?」
  第三者でドラマを見ているみたいだった。
  目の前を火のついたマッチ棒が落ちていき、左腕に当たった。
「アッチィッ」
  そして床に落ちて火が、消えたのを目で確認した。

  そして条件反射で頭上をみたのだった。
  赤い線状の物や三角の物、四角い物、五角形や六角形の図形の物が見えていた。
  それが体に当たってから解った。
  切れた、そして床に当たり、再び跳ね返って空中に上がった。
  つまり狭い空間の中で浮遊し、上下を往復する物だった。
(・・・ころされる!?・・・)
「助けてくれー」
  何度も叫び続けたが、誰にも気付かれなかった。
  カプセルは、上がって行き、無音で天井に消えて行ってしまう。

  気がつくと水が上から、ちょっとずつしたたり落ちてきていた!?
(ナニ、雨漏り!?・・・)
「天井 ヤバくないっ・・・!?」
  ぶつくさ言いながら、目の前のパソコンが濡れてないから、まあ、いいかと思っていた。
「・・・勘弁してくれよ・・・チェッ・・・」
  明日  『ネオファラオの期間限定特別捜査本部』を立ち上げ、警察に指示をする警視庁の新渡戸 進士 (にとべ  しんじ)だった。

  一つ仕事を終え、トイレに行って用をたし、チャックを上げた時にふと違和感を感じた。
  見慣れた『一歩 前へ』の紙が、『一回  下へ』と書かれていたからだった。
  ちょっと変だな~と思い下を見た瞬間に上から、何かが落ちて来た。
  小さめの色鮮やかなカエルやヘビやトカゲなどが床にいたのだった。
  そして瞬時に脳が動いた《色鮮やかな小動物=毒のある物》!?

「・・・うっ!?・・・」
  予想どうり、時間が経つと体に異変が起きてきた。
  しかし、大きな試験管内に閉じ込められ、逃げられない、そこにきて、足元が三つの小さい掘削機により、地中に入って行く、次第に足元も削られていった。
  もう、逃げ場は、無かった、叫び声も外には、届かない暗い地中に来ていた。

  何人かの会計士、弁護士等と公には、出来ない話し合いをし、温泉宿で飲み会を開き、高い酒を飲み、気を楽々させて愛人を抱き、仲間と集い、みんなで温泉に浸かり、家族みたいに豪遊を楽しんでいた。

「俺、そろそろ上がらせて頂きます。 カシラは、いかがなされますか」
「お~、俺は、もう一回ゆっくり浸かってから出るわ、お前ら、先に出ててい~わ」
「はいっ、それじゃー、先に上がらせて頂きます」
  頭を下げた。
「おーっ」
  仕事が上手くいき、時間を楽しむように、もう一回、浴槽に歩を進め、湯に体を沈めた。
「お~、いい湯だ」
  お湯に電灯が当たり、壁に不思議な光のアート模様のダンスを少し見ながら、少しだけ、目をつむった。

  脱衣場の出入り口に薄いシートがスーと音もせずに降りていった。
  これで外部には、音は、漏れなくなった。
  行き成り、脱衣場に《不思議な光のダンスアート模様の》が幾つか天井から降りていった。
  浴室と脱衣場、同時にエイリアンが変身し、五体の獰猛な奴がヤクザ達を襲撃し始めた。
  浴槽と床に動かなく成った物や痙攣した動物達が次から次へと倒されていった。
  男風呂は、全滅になった。
  薄いシートが上がる。

迷 彩映 (mei saiei・メイ サイエイ)
作家:MONALI PADORA
真紅の舟 2 -警告継続中-
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