貧乏な人にならないための基礎知識 ~社畜人生を振り返って~

  

   そういう 「いまの現実の日本」 という背景を考えると、これまで生きてきた自分自身の生活

   環境を見る目が少しは変わるのではないか、と思います。

   

   ニュースでは「アメリカは8%、イタリアは10%、日本の失業率は4%です」などと平気で発表

   されたりしてますが、こうやって冷静に計算してみたら日本の実生活的な失業率は29%くらい

   だという事を知ると、「マスコミなんて嘘つきじゃね?」…なんて目線で考える事もできるように

   なるわけですからね。 …まあギリシャなんかよりははるかにマシっちゃマシですが。。。。

 

   さて、

   こういうマスコミによる一方的に国民を誘導するような報道の方法を、「情報統制」と呼びます。

   情報統制とは、「統治者が国内に多様な思想を拡散するのを防止するため、発表する情報を

   コントロールすること」 をいいます。

   かつて、いまから70年昔に第二次世界大戦(太平洋戦争)が起きましたが、その時も内閣が

   国民を戦争へ総動員するためにシビリアン・コントロール体制を敷きました。

   当時の同胞、ナチス・ドイツも同じです。プロパガンダによって 「国民に思い込ませる」という

   統治を徹底したのです。

   現代は、日本ももう戦争はしないと誓いましたから、あんな惨劇はもう起こらないとは思いますが

   ただ、そんな現代日本で、なぜ今情報統制なんてする必要があるのでしょうか?

   現実にはものすごい失業(働く事が叶わない人も含めて)数なのに、なんか多少安心できるよう

   な曖昧な失業率にあえて納めてる?みたいな。

  

   それは、国内パニックによる政治不満から国民を遠ざけるためのものです。

   国民を表面上安心させておくための統制をしたいからです。

 

   他にも、いま日本の国債(国の借金)総額は2012年現在で約954兆円ですが、この国債をマスコミ

 

   は「国民一人当たり赤ちゃんからお年寄りまで公平に、一人あたり約800万円の借金」と

   いう、とてつもない破壊的なイメージをいつも皆に植えつけてくれています。

   なぜ、こんなネガティブイメージをわざわざ植えつけるような情報をニュースで流すのでしょうか。

   

   これは、経済評論家の三橋貴明氏も強く論じていますが、ずばり「増税をするのに国民

   を納得させるため」という説が正しいと私は思います。これも情報統制のひとつです。

   その国債は2013年には、発行総額でついに1000兆円を突破するのは間違いなさそう

   ですが、単純に「国債=国の借金=みんなの借金」で日本中の福祉や公共にお金を

   国が使ってますよ、だから皆さんはもっと税金を払ってこの借金を減らす努力をしなけれ

   ば、国の借金はもっともっと増えていきますよ。

   

   …というような事を説得したいわけです。 これで国民の消費税増税アンケートに、

   「これだけの借金をわが国は抱えているんだから、今でも苦しいけどもっと努力して国の

   ために税金を払う協力をしなければ」という回答を期待するわけです。

   

   朝から晩まで休みもロクになく働き、保険もロクにかからず、常に解雇されるリスクを負って

   それでも年収200万円も稼げないワーキングプアが労働者の2割=1200万人もこの世に

   いて、生活にますます苦しんでいるのに、です。

   情報統制によって国債=国民の借金というイメージは、確かに国内にかなり浸透している

   ようですね。

   私の身の回りでも、「国債発行総額ついに1000兆円」などのニュースを見ると、ほとんど

   の人たちが「ああーまた借金が増えているのか」と嘆く反応がかなり多いですから。

   私は三橋貴明氏の経済学を知り、国債は国民の貯蓄だという事を勉強しているので、

   実はそのほとんどが国内国民貯蓄だという事も知りました。

 

   つまり、マスメディアの発表と真相とは「真逆」なのです。

   国民の銀行貯蓄(銀行に余って流通していないおカネ)がそれだけあるから、国債もそれだけ

   バンバン発行できてる、ってなわけなんです。

   このあたりのお話は、三橋貴明氏の著書で経済学を学んでみるとよくわかりますよ。

   

   この話を説明しますと、高齢化社会になって、退職金をもらって、投資などもして増えたお金

   を使わずに、銀行やタンス預金などで大量に握り締めているお年寄りや一部のお金持ちさん

   達が増えに増えてきて、日本中でお金が消化不良状態となって社会に還元されなくなって

   いるという意味です。

 

   つまり、今までの長い長い平成不況で、設備投資や事業拡大をしないようになっている。

   つまり、「日本で富を得た一部の資産家達や高齢者が得たお金を使わずに細々と暮らして

   いるか、海外などに投資してまた個人の富を増やしている」ということなのです。

   お金持ちがお金をずっと使わないで貯めるので、銀行の預金だけが増えていき、結果的に

   経済が動かないから国に税収も増えない、税収が増えないということは貯蓄から税金を取る

   ことができないので、 「貧乏な労働者からしか取る方法がない」 という事なのです。

 

   お金持ちたちは、税金をムダに取られないように生きる知恵を知っていますし、また税金を

   それほど(生活のレベルを限界以下まで落とさなくても)払わなくて済むようなルールのもとで

   生活ができるし、またお金持ちは節税できる手段を選べるように作られているのです。

 

   少々、最初から難しい話が並びましたかね?(笑)

 

   ようは、「ニュースや周りの皆に流されながら、皆と一緒の常識感を持って生きていく事が

   この世で最も資産を減らすための生き方となる」 ということなのですね。

 

   私がいま、率直に考えている事を言います。

   私から見たら、家族を持たずクルマも家も持たず、生活維持費が携帯やネット手段以外に

   ほとんど掛からないような暮らしをしている立場の人が本当に羨ましいんです。

   

   何故かと言いますと、「収入が少なくてもそれに応じて維持費もかからない生き方」だから

   なのです。

   だけど、その本人に言わせれば「お金がなくて何もできないからしないだけで、案外つまら

   ない人生だよ」と言いたいかも知れません。

   私は、一生懸命に働いて生きてきた世代なので、「時間があり余るほどにある」という状態

   に非常に高い価値を見出しているのです。なぜなら、「働くオンリー」という収入は、時間を売る

   事によって得られる報酬だからです。 毎月の維持費によって、最低限稼がなければ生きて

   いけなくなるボーダーラインを、常に、毎月、毎年意識し続けなければ、自分自身が自分で居れ

   なくなるからなのです。

   

   いまサラリーマンで、最もきつい立場に立たされている年代が私の世代、40~50代のバブル

   経済、黄金就職世代だと思います。

   私達はとにかく若い頃から働かされて生きてきました。

   働く事の中にこそ未来の希望があったのです。 日本中のほとんどの人がそう思っていました。

   実際、日本中が投資バブル景気に沸いていた時代。 景気が良い時は、金利も高いのです。

   ですがバブル世代は、金利がどんどん高くなっても給料も右肩上がりでどんどん昇給して

   いくから、とても潤った経済循環だと希望的に植えつけられてしまった世代でもあります。

   

   そして今、毎月支払うべき高い維持費を抱えながら生活しているのも我々のような中年世代が

   ほとんどである、という逃れられない現実があります。

黎明堂
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