第五章 |
2-196:気分〔13歳:LEVEL25〕 | |
面倒なことをした甲斐あって、無事に都市爆破を阻止することができた俺。 魔力を伝導させる起爆装置も解除したし、もう安心だろう。 役目は果たした。 ~シジャン城下:カイア塔~ 無線「えっ?えっ?なに?なんで!?なんで勇者がそっちにもいんの!?」 勇者「わめくな盗子、息がニオう。」 無線「無線だよ!どう頑張っても電波には乗らないよ!てゆーかクサくないよっ!」 門太「で、どうしやす?行くんなら門を開きやすが…?」 勇者「いや、いい。今日の俺はもう達成感でいっぱいだ、テンションが上がらん。」 無線「ちょっ、来てよ!もうコレ最終決戦だよ!?「勇者」いなくてどうすんのさ!」 勇者「断る。お前の声を聞いたら余計に萎えた。」 無線「姫だよ勇者君。おげんこ?」 勇者「おげんこーー!!」 |
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2-197:事情〔13歳:LEVEL25〕 | |
面倒なので赤錬邪は放っとこうと思っていたのだが、姫ちゃんがいるなら話は別だ。 勇者「よし、早速向かうぞ門太! だが門はいい、失敗すると逆に時間食うしな。」 門太「でやんすね。距離はチョイとありやすが、まぁ走りゃなんとかなるっしょ。」 声「えっ、なぜだ…?なぜブラザー勇者がここに!?」 勇者「誰だ後ろから…? 俺は背後に立たれることより盗子が大嫌いだ!」 無線「なんでいつの間にか嫌いな対象がアタシになってんだよ!」 博打「その邪悪な感じ…もしかして記憶が戻ったのかい?」 |
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勇者「フン。なんだインチキ賭博師か。悪いが貴様なんぞに構ってる暇は無いぞ。」 博打「あ?オイオイ、冷たいなぁブラザー。 だが、そう調子に乗り過ぎると…!」 無線「えっ、博打が!?き、気をつけて勇者!そいつ裏切…」 ドスッ!(刺) 博打「うぎゃあああああ!!」 |
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2-198:選択〔13歳:LEVEL25〕 | |
姫ちゃんの元へと向かおうとしたら、背後から現れた博打。とりあえず刺してみた。 無線「な、なんで!?もしかして勇者、博打が裏切り者だって知ってたの!?」 勇者「なんかムカついた。」 無線「そんな理由で!?」 勇者「博打が裏切り者だと? フン、バカなことを。そんなわけがあるか。」 無線「ほ、ホントなんだってば!ホントに博打は…!」 勇者「そもそも仲間じゃない。」 無線「それ以前の問題だったの!?」 博打「ぐっ…フッ、相変わらず手厳しいぜブラザー。やっぱそうでなくちゃな。」 勇者「で?俺に楯突く存在になったそうだが、それは事実なのか博打?」 博打「ああ。”上”からの指令でね、悪いがアンタには死んでもらうぜ?」 勇者「そうか、お前も五錬邪に…。 まさか俺の同期から二人も出るとはな。」 博打「悪いがちょっと急いでる。 爆弾を起動させたい。どいてくれないか?」 勇者「級友のよしみだ、最後に一度だけチャンスをやろう。よく考えて選ぶがいい。」 博打「へ?チャンス…?」 勇者「苦しんで死ぬか、楽に死ぬかだ。」 |
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2-199:一発〔13歳:LEVEL25〕 | |
なにやら博打が邪魔したいようなので、始末することにした。邪魔者と盗子は消す。 勇者「「人生」というギャンブル…必ず最期には「死」という敗北があることを知れ。」 博打「おっと、だったら俺の土俵でやらせてもらうぜ? 「黒幕危機二十発」!」 |
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博打「さぁどうだいブラザー?今の俺は他の一切の攻撃を受け付けないぜ!?」 勇者「ごきげんよう。」 博打「えーーっ!?」 |
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2-200:飛躍〔13歳:LEVEL25〕 | |
博打なんぞのために大事な命と貴重な時間を割くのはご免だ。放っておこう。 タッタッタッタ…!(走) 門太「でも良かったでやんすか?あの人、術が解けたら爆弾を爆破するんじゃ?」 勇者「安心しろ、人間そう簡単には気絶しない。後で始末すればいいさ。 急ぐぞ。」 門太「そんなに早く噂の姫ぎみに会いたいと?どんな人か気になるでやんすね~。」 勇者「フッ、一瞬で恋に落ちるぞ。」 門太「あ~…でもアッシは、前に聞いた盗子って人も見てみたいでやんすよ。」 勇者「地獄に堕ちるぞ。」 門太「えっ、見ただけで!?」 勇者「まず第一に、鼓膜が破れる。」 門太「見ただけなのに!?」 勇者「そして味覚・嗅覚・触覚も失う。」 門太「見ただけなのに!?」 勇者「でもなぜか視覚は無事。」 門太「見てるのに!?」 勇者「そして最期には、体中の穴という穴から何かを噴き出して死ぬぞ。」 門太「しかもそんなおぞましい死に様に!?」 勇者「さらに家族三代呪われる。」 門太「そ、そんな怖ろしい人がいるんでやすか!?行って平気なんすか!?」 勇者「ああ。勝機は一瞬だ、姿を見せた瞬間に仕留めろ!」 門太「敵!?勢い余っていつの間にか敵に!?」 勇者「まぁ、そのくらいヤバいってことだ。わかったら気を引き締めていけよ。」 門太「わ、わかりやした!気をつけやす!」 ふぅ~、スッキリした。 |
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2-201:溺死〔13歳:LEVEL25〕
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赤錬邪「ぐぼっ…ばばぼぶ…ぶはっ!た、助けっ…!ごぼぼぼっ…!(溺)」 麗華「おや?「鉄壁の防御」が「洗面台」ごときに負けるとは初耳だなぁ?」 赤錬邪「ごばばばばばばば…!!(溺)」 盗子(プルプルプルプル…!(震)) 暗殺美「あ、あの勇者が師匠と呼ぶ理由がわかった気がするさ…。」 猿魔「俺が捕まった時もこんなだった…。」 巫菜子「子供の私が言うのもなんだけど…子供には見せたくない光景だよな…。」 麗華「ふぅ…仕方なかろう?腐っても防御の戦士、剣では楽には死なせてやれん。」 盗子「そう考えて出た結論がコレなの!?もっとムゴく思えるのはアタシだけ!?」 赤錬邪「ぶはっ! ハァ、ハァ…!き、貴様…殺びべぶぶぶ!(溺)」 麗華「ほぉ、さすがにタフな奴だな。この状況でもまだ命を諦めんとは。」 赤錬邪「ごぼじでぐべべべべ…!!」 |
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2-202:限界〔13歳:LEVEL25〕
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麗華「最後のチャンスだ。 なぜ都市爆破なんだ?神探しはどうした?」 赤錬邪「…フン、それも神を探すためだ。地図によると封印の地はこの辺りでな。」 盗子「じゃあ見つけやすくするために更地に!?国民ごと!? アンタ最低だよ!」 巫菜子「まったくだ、この外道め!」 猿魔「この極悪人め!」 暗殺美「この盗子め!」 盗子「ちょっと待って!?なんでアタシまで「悪口」の部類に入ってんの!?」 麗華「さて、では行こうか赤錬邪。警察士に引き渡してやる、獄中で悔いるがいい。」 赤錬邪「フッ…まさか俺までが、「リミッター解除」することになるとはなぁ…。」 麗華「リミッターだと?バカめ、並みの人間に外せるほど便利なモノじゃないわ。」 暗殺美「そうさ!そんな簡単に誰もが限界超えてたら物語が破綻するさ!」 赤錬邪「黙れ小娘がぁー!ぬぉおおおおお!!」 |
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麗華「なっ…!」 赤錬邪「ハッハッハ!どうだ!? …ん?なんだ、武器の形が…?」 麗華「驚いたな…まさかホントにできるとは。それにその武器は、「鬼神の金棒」!」 赤錬邪「なにっ、コレが…!? フハハハハ!そうか、やはり神具だったのか!」 盗子「や、ヤバくない!?余裕のはずが知らぬ間にピンチじゃない!?」 赤錬邪「さぁ仕切りなおしだ女。俺と共に、地獄に落ちてもらおうか。」 麗華「お前達…目を閉じて、しばらく下がっていなさい。」 盗子「え…?」 麗華「夕飯が食えなくなるぞ。」 |
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2-203:崩壊〔13歳:LEVEL25〕 | |
爆弾のあったカイア塔から猛ダッシュすること数十分。やっと城が見えてきた。 まぁあの麗華がいるんだ、行ったところで赤錬邪はもう人の形はしてはいまいがな。 門太「ハァ、ハァ…さ、先に行ってほしいでやんす兄貴…アッシはもう限界で…。」 勇者「あん?泣き言を言うな!走れ! ホラ、もうそこに見え…むっ!?」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…(地響) 門太「な、なんか揺れてやせんか?それにこの音…一体何が…?」 勇者「盗子…そうか、昼食を抜いたのか。」 門太「腹の音!?呪いだけじゃなくて身体的にも化け物なんでやんすか!?」 勇者「ああ、奴は化け物だ。クシャミひとつでこんな城など吹き飛ぶぞ。」 門太「えっ!?いやいや、いくらなんでもそんな…」 ズゴォオオオオオオン!!(崩壊) 二人「えぇーーーっ!!?」 |
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門太「あ…あああ兄貴が噂なんかするからっ…!」 勇者(れ、麗華…やりすぎだぞ!?) ~その頃、崩れ落ちた城の地下では…~ 盗子「ゲホッ、ゲホッ! いったーい!もう死ぬかと思ったよぉー!」 巫菜子「ここは…地下か?最上階から一気に地下…なんてモロい造りなんだよ。」 暗殺美(しっ!静かにするさアホどもが! 奴に気づかれるさ!) 赤錬邪「さぁ出て来い女。このぐらいではまだ、死んではおらんだろう?」 麗華〔物陰〕「くっ…!」 |
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2-204:捨駒〔13歳:LEVEL25〕
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赤錬邪「ゴルァ!出てこいと言っとるだろうが貴様らー!ぬぉおおおおお!!」 ドガァーン!ボォゴーン!(破壊) 盗子〔物陰〕(や、ヤバいよ!見つかるのはもう時間の問題だよ!どうしよー!?) 猿魔〔物陰〕(チッ、仕方ない…。俺が麗華の姿で時間を稼ぐ、その隙に逃げろ。) 巫菜子〔物陰〕(無茶言うなよエテ公、オメェもうフラフラじゃねーか。) 暗殺美〔物陰〕(そうさ。アンタがでしゃばったら盗子の見せ場が無くなるさ。) 盗子〔物陰〕「やんないよアタシ!?アタシだって死にたく…あ゛。」 赤錬邪「そこかぁーーー!!」 |
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盗子「うわぁーん!助けて勇者ー!!」 勇者「イヤだよめんどくさい。」 盗子「イヤってなんだよ!それが「勇者」の言うこと…って、勇者!?」 赤錬邪「!!?」 勇者「フッ、助けに来たぞ。」 盗子「勇者…☆」 勇者「姫ちゃんを。」 盗子「あっそう!!」 赤錬邪「き、貴様…いつの間に!?」 勇者「調子に乗るのもそこまでだ赤錬邪。 ここは危ない、下がってろ盗子。」 盗子「勇者…☆」 勇者「地平の果てまで。」 盗子「そんなに!?」 |
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2-205:乙女〔13歳:LEVEL25〕 | |
嫌な予感がしたので急いで地下に降りてみると、案の定ピンチな状態になっていた。 やれやれ、今日はもう役目を終えたと思っていたんだが…仕方ない、やってやるか。 勇者「そのオーラ…そうか、貴様もリミッターとやらを…。」 赤錬邪「まさか裏切り者だったとはなぁ覇者…いや、勇者よ。 ブッ殺…」 勇者「ところで姫ちゃんはどこだ?」 赤錬邪「聞けよ!決戦前の決めゼリフをスルーするなよ!」 勇者「フゥ…まぁいいだろう。最期のセリフだ、ド派手にキメるがいい。」 赤錬邪「フン、生意気な小僧だ。だが強がっていられるのも今のうちよぉ!ブッ殺」 勇者「そういや麗華も見えんが?」 赤錬邪「だから聞けって!!」 盗子「そ、それが変なんだよ!なんか急に目を擦りながらフラフラしだして…。」 門太「ウゲッ、兄貴!そういや今って…!」 勇者「ハッ!この時間…そうかっ!」 麗華〔物陰〕「スゥー…。スゥー…。」 そうか、「お昼寝の時間」か…。 |
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2-206:武器〔13歳:LEVEL25〕 | |
麗華には昼寝をする習性があったのをスッカリ忘れていた。やはり俺の出番か…。 勇者「不肖の師匠が迷惑をかけた詫びだ、この俺が直々に相手してやろう。」 赤錬邪「全然詫びに聞こえないその横柄な態度…ますます気に食わん!潰す!」 盗子「気をつけて勇者!そいつ、ナントカ戦士っていって剣の攻撃きかないよ!」 勇者「俺はお前の言うことをきかない。」 盗子「きけよっ!!」 勇者「安心しろ盗子、俺にはとっておきの武器がある。こんな奴は一撃だ。」 赤錬邪「思い上がるなよ小僧?今の俺の肉体強度は、鋼鉄さえも上回る!」 勇者「いい度胸だ!ならば食らうがいい!!」 |
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2-207:最恐〔13歳:LEVEL25〕 | |
面倒だからバズーカで仕留めようと思ったのだが、コイツ…かなりタフだ。 赤錬邪「ぐははは!どうした小僧?ちっとも効かんぞそんな攻撃は!」 勇者「チッ、バズーカを体で受け止めるとは…。どうやら火力が足りんようだな。」 盗子「いや、火力とかの問題じゃないよ!やっぱ勇者たるもの剣で勝負しようよ!」 赤錬邪「俺に効くのは魔法だけだ。ま、「勇者」の初級魔法ごときじゃ無駄だがな。」 勇者「いいだろう。貴様のその自信は、自惚れだということを思い知らせてやる。」 赤錬邪「ぬ…?」 勇者「かつて、村一つを一瞬で滅ぼした最恐の魔獣がいた…。」 盗子「なっ!そ、それってまさか…!」 勇者「さぁ来い! いでよ、チョメ太郎ーーー!!」 |
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2-208:抜刀〔13歳:LEVEL25〕 | |
ポーズまで決めて呼んだのに、チョメ太郎は来なかった。 あ、あの野郎め…! 勇者「…さ、さぁ食らうがいい!我が必殺魔法、「チョメ・ターロン」を!」 盗子「無理があるよ!思っきし魔獣って言っちゃってたし!」 声「ポピュッパー!!」 盗子「って、キターー!?」 勇者「ほ、ホラ見ろ! よーし、我が武器庫であるチョメ太郎が来たからには…」 暗殺美「なんちゃってさ。(声帯模写)」 勇者「ブッ殺す!!」 巫菜子「やれやれ…。剣が効かねぇ敵の前には、「勇者」がこれほど無力とはなぁ。」 勇者「あん?ナメるな腹黒。俺が剣を抜かんのは弱いからじゃない。むしろ逆だ。」 赤錬邪「なにぃ…?」 勇者「技の威力が強すぎてな。盗子の身の安全を保証しきれん。」 盗子「えっ、なんでアタシ限定なの!?」 勇者「冗談だ、お前の安全なんかどうでもいい。」 盗子「そっちが冗談なの!?」 勇者「だが、まぁいいだろう。これしか道が無いというのなら、見せてやるよ。」 赤錬邪「ふぅ…やっとまともな戦闘になるわけか。待たされたものだ。」 勇者「さぁ見るがいい赤錬邪…我が魔剣からほとばしる、暗黒の波動を!!」 |
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2-209:必殺〔13歳:LEVEL25〕 | |
もはや茶番もこれまで。血の惨劇の果てに、コイツが真の赤錬邪になる時がきた。 盗子「えっ、なにその剣!?ゴップリンの魔剣は!?呪いはどうしたの!?」 勇者「これはあの剣の本来の姿、「魔神の剣」だ。俺の魔力をその力の源とする。」 暗殺美「魔神に魔力…似合い過ぎてて笑えもしないさ。」 盗子「わーん!勇者がどんどん「魔王」に近づいてくよー!」 巫菜子「いや、アイツの中には半分…魔王通り越して「魔神」目指してねぇか?」 盗子「いやぁーん!帰ってきて勇者ぁー!!」 勇者「よし行くぞ赤錬邪!必殺…」 声「ポピュッパー!」 勇者「そう、ポピュッ…え゛っ!?」 チュドーーーン!!(爆発) ズガガガガガン!!(連射) ズドドドォーーン!!(大爆発) 赤錬邪「ぬぉあああああ!!?」 チョメ「ポピュッパプー!!」 |
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2-210:発掘〔13歳:LEVEL25〕 | |
来ないと思ったら、タイミングをズラして現れたチョメ太郎。そして早速大暴れ…。 盗子「ちょ、チョメ太郎!?結局来ちゃったのアンタ!?」 チョメ「チュペパプ!」 暗殺美「挨拶よりもまず攻撃…。ペットは飼い主に似るとはよく言ったもんさ。」 勇者「こ、この野郎…!呼んでも来ないどころか俺の見せ場を奪うとは…!」 巫菜子「ま、まぁいいじゃねぇか。赤錬邪も消し飛んだみてーだし…ん?」 |
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盗子「な、何コレ…棺?今の爆撃で掘り返されたんだろうけど…。」 勇者「開けてみよう。宝箱があったら迷わず開ける…それが「勇者」の使命だ。」 盗子「それって使命だったの!?」 猿魔「ま、待て!古代語で何か書いてある! なになに…ジャ…シ…「邪神」!?」 盗子「えぇっ!邪神!?あの邪神!?」 巫菜子「封印の地がここら辺とは聞いてたが…まさか城の地下とは…。」 勇者「こ、この中に、伝説の邪神が…!!」 開ける前に言えよ。 |
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2-211:中身〔13歳:LEVEL25〕 | |
古代語で「邪神」と書かれていたらしい棺を、ウッカリ開けてしまった俺。 だがまぁ、気にすまい。どうせどう頑張ってもこの手の輩は復活するのが世の常だ。 復活させちゃいけない奴を敢えて復活させ、倒す。そして伝説となるのが「勇者」だ。 ゴゴゴゴゴゴ…!(轟) 猿魔「な、なんてことを…!」 盗子「どどどどどうしよ!? ほ、本物…なのかなぁ?」 勇者「いや、わからんぞ!いつものパターンだと超高確率で中身は姫ちゃんだ!」 ズズズズズ…!(出) 巫菜子「うわっ、なんか手が出てきたぞ!姫の手にしちゃ青白すぎる!」 暗殺美「・・・・・・・・。」 ガコン。(閉) |
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2-212:復活〔13歳:LEVEL25〕 | |
棺を閉めたら、禍々しい気配も消えた。どうやら再封印は簡単にできたらしい。 だが、本当にこのままでいいのだろうか。半端な封印は、いずれ脅威になりかねん。 勇者「みんな聞け。やはり邪神は復活させよう。 そして討つ!それがベストだ。」 盗子「バッ…何言ってんの!?なんでわざわざそんな危険なマネを…!」 猿魔「…いや、その通りかもしれん。奴が「完全体」となる前ならば、あるいは…。」 巫菜子「完全体…?どういうことだよ? じゃあ封印解いた直後はまだ不完全体?」 猿魔「封印術の多くは、完全復活には血が必要だ。穢れ無き…「処女の血」がな。」 盗子「や、ヤバいじゃん!アタシらみんなターゲットじゃん!穢れ無き乙女達だし!」 勇者「黙れ汚物。誰が貴様なんぞの血をすするか。」 盗子「アンタこそ黙れよバカー!アタシだって蚊にぐらい刺されるもん!」 暗殺美「蚊…。あまりの次元の低さに不覚にも泣けてきたさ。」 猿魔「だが早まるな勇者。援護を呼んだ後でも遅くは無いと思うぞ。」 勇者「…ま、確かにそうかもな。さっき感じたオーラ…このメンツじゃ苦戦は必至だ。」 ゴゴゴゴゴゴ…!(轟) 勇者「ッ!!? な、なんだこの邪悪なオーラは!?」 盗子「えっ!で、でもまだ棺は開けてないよね!?」 声「貴様か…?」 麗華「これは貴様の仕業か!?勇者ぁーー!!」 |
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2-213:誤解〔13歳:LEVEL25〕 | |
思ったより早く、麗華は目を覚ました。そして、思ったより早くイタズラに気づかれた。 いつかやってみたいと思っていたのだが、予想以上の反応に戸惑いを隠せない。 勇者「よ、よぉ。やっと起きたか麗華よ。きょ、今日も相変わらずお美しいぞ。」 麗華「…その言葉で疑いは確信に変わった。貴様の死因はその「お茶目心」だ。」 盗子「う、内!?中の「人」が足りなくない!?中途半端だと逆に恥ずかしいよ!」 勇者「フッ、「人でなし」だけにな。」 盗子「うまいこと言ってる場合じゃなくない!?」 麗華「覚悟しろ。 顔は乙女の命…それを穢した者に、贖罪の機会は無い!」 勇者「も、門太!隠れてないで出てこい!そして門を開けろ! 逃げるぞ!!」 門太〔物陰〕「お…お呼びになった門太は、現在使われておりやせん…。」 勇者「ブッ殺すぞ!? とりあえず出て来い!そして門を開きやがれ!」 門太「や、で、でも…。」 勇者「黙って開け!」 門太「そんな…。」 勇者「いいから開け!」 姫「いいの?」 勇者「いいよ!」 姫「開けたよ。」 勇者「開けたか!」 邪神「出てきたぞ。」 勇者「出てきたかーーーっ!!」 |
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2-214:瞬殺〔13歳:LEVEL25〕 | |
どこにいたのか、突然出てきた姫ちゃんが、勘違いして邪神の棺を開けてしまった。 復活した邪神は、なんと俺達と同じ…いや、むしろ小さいくらいの少女でビックリ。 こんな奴がホントに邪神なのだろうか。もしかしたら、何かの間違いかもしれない。 勇者「貴様…ホントに貴様が邪神か?どう見たってガキじゃないか。」 暗殺美「なんか強そうじゃなくて拍子抜けさ。それに女で「バキ」ってのも変さ。」 盗子「で、でもわかんないじゃん!もし本物だったらえらいことだよ!?」 門太「そうっすよ兄貴!とりあえず逃げやしょう!門を開くんで…」 邪神「・・・・・・・・。」 ピィッ!(光) |
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勇者「なっ…? も、門太!?門太ぁーーー!!」 邪神「「門番」は邪魔じゃ。弱き者どもに無駄な機会を与えよる。」 勇者「き、貴様…よくも門太を!よくもあんな便利な能力を!」 盗子「そっちを嘆くの!?もうちょっと命を大事に考えようよ!」 邪神「これでわかったか小僧?わらわが本物か否か。」 勇者「わからん…わからんな!俺は認めんぞ貴様なんか!」 邪神「物分りの悪い小僧じゃな。もう一度見せねばわからんか?」 勇者「フン、望むところだ!!」 盗子「なんでアタシを指すの!?」 |
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2-215:本領〔13歳:LEVEL25〕 | |
邪神の一撃で、門太は灰と化した。 門太…(使い勝手の)いい奴だったのに…。 勇者「ここは危ない。下がってろ姫ちゃん、暗殺美、巫菜子、猿魔、あと姫ちゃん!」 盗子「アタシは!?姫を二度言う余裕があるならアタシにも…!」 邪神「おなごはわらわの生け贄じゃ。その前に、邪魔な貴様を消し去ろうぞ。」 ピィーー!(閃光) |
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勇者「おっと、この盾にはそんな半端な攻撃は通じないぜ?」 邪神「その力…そうか、それは「破壊神:レーン」の力を宿す盾じゃな?こざかしい。」 勇者「こざかしいのは貴様だ! 食らいやがれ!刀神流操剣術…」 邪神「フ…そんな攻撃、我が「邪流演舞」の前には無力ぞ。 そびえよ「扇風壁」!」 |
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勇者「なっ、風の壁だと…!?」 邪神「この風は地獄の風、中は魔の領域。邪悪な者しか入ることはでき…」 勇者「ふむ。なかなか心地よい風だな。」 邪神「入っとるぅーーーー!!」 |
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2-216:食事〔13歳:LEVEL25〕 | |
邪神の懐に入ることに成功した。どうやら思ってたほどの強敵ではなさそうだ。 邪神「き、貴様何者じゃ!?その盾や剣といい、どう考えても魔の…」 勇者「俺の名は「勇者」。世界で一番、好き勝手が許される男だ。」 盗子「そんな解釈で今まで生きてきたの!?」 邪神「勇者…覚えておこう。いずれ貴様はわらわが滅ぼしてくれるわ。」 勇者「「いずれ」なんか無い! 刀神流操剣術、十の秘剣「十刀粉砕剣」!!」 |
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邪神「うはぁっ! チッ、やはりまだ力が足りなすぎる…!」 盗子「ぃやっほー!やっちゃえ勇者ー!」 邪神「…しばし休戦じゃ。やはりわらわは食事を摂ることにしよう。」 勇者「あ?食事…? ハッ!ヤバい! 逃げろ女ども!!」 女子「!!?」 邪神「逃がすかぁーー!!」 |
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ボフゥ~ン!(煙) 邪神「なっ!? え、煙幕だとぉ…!?」 声〔煙〕「フン、「暗殺者」をナメんじゃないさ。こういう芸当はお手のモンなのさ。」 勇者「おぉ、でかしたぞ暗殺美!みんなを連れてそのまま逃げろ!」 ゴンッ ガン ドテッ ゴン 声〔煙〕「…下手に動くと危ないさ。」 勇者「死ねっ!!」 |
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2-217:痛恨〔13歳:LEVEL25〕 | |
しばらく待つと、煙は晴れた。このままではまた、邪神は姫ちゃんを襲いかねん。 勇者「女を襲う暇など与えん!とっとと闇へと還るがいい!!」 ガキン!ガガキン!チュィン! 巫菜子「す、スゲェ戦いだ…!勇者の奴、いつの間にあんなに強く…!」 暗殺美「でも邪神もさすがさ。あれで不完全体ってのが信じられないさ。」 ガィン!チュィン!ズバシュ!! 邪神「くぅ…!」 勇者「フッ。なんだ、伝説の邪神とやらも大したことないな。ガッカリだぞ。」 邪神「…どうやら今の状態で、さらに手を抜いて勝てる相手ではないようじゃな。」 勇者「あん?まるで本気を出せば勝てるような口ぶりだな。」 邪神「信じられぬか?ならば見るがいい。 邪流演舞…奥義、「大旋風葬」!!」 勇者「なっ…!? ぐぁああああああああああっ!!」 ズゴォオオオオオオオン!! |
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勇者「ぐおっ…!な、なんだ今の技は…!? ぶはっ!!(吐血)」 邪神「ハァ、ハァ、ほぉ…今のを受けてまだ五体があるとは、頑丈な小僧じゃ。」 盗子「ゆ、勇者!どどどどうしよう!? ハッ、そういや麗華姐さんは!?」 麗華「スピー…。(姫と)」 盗子「二度寝!?こんな非常時に!」 邪神「復活のために力を抑えていたが、それもヤメじゃ。今は全力で貴様を討とう。」 勇者「くっ…ゴフッ!」 邪神「さぁトドメじゃ。いま一度食らうがいい…「大旋風葬」!!」 盗子「ゆ、勇者ぁーーー!!」 |
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盗子「えっ…?」 邪神「チッ、何者…!?」 審判「セーーーーーフ!!」 盗子「えーーーーっ!!?」 |
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2-218:即死〔13歳:LEVEL25〕 | |
危ないところを、謎の審判に救われた俺。一体コイツは何者なんだろう? 勇者「だ、誰だ…貴様は…?」 審判「…お前はまだ、死ぬべき男じゃねぇ。まだ生きてやるべきことがあんだろ?」 勇者「その声…どこかで…。」 邪神「何者じゃ貴様は?まぁわらわに逆らうとあらば、誰とて容赦はせんがな。」 審判「フン。不完全体な奴が、この俺に勝てるとでも思ってんの゛っ!かぁぁぁぁぁ…」 |
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勇者「自分から穴に…一体どんな技だ!?新手の攻撃にしては斬新すぎるぞ!」 盗子「違うよ勇者!アイツの攻撃がモロに当たったんだよ!あっち見て!」 チョメ「チョ、チョプー!」 赤錬邪「よくもやってくれたなぁ珍獣め。人間様に逆らうとは生意気だよ、オラァ!」 チョメ「チュパプッ!」 |
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勇者「貴様…生きていたのか。しぶとい奴め。」 赤錬邪「フン、爆風で軽く飛ばされただけだ。何度も言うが俺には魔法しか効かん。」 勇者「チッ、この忙しい時に…!」 チョメ「プー!!」 暗殺美「やめとくさチョメ太郎、アンタが暴れるとむしろウチらが危険さ。」 声「な、なんだコレはーー!?」 勇者「!?」 麗華「この落書き…貴様か勇者ぁーー!?」 チッ、この忙しい時に…。 |
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2-219:濡衣〔13歳:LEVEL25〕 | |
しぶとくも生きていた赤錬邪と、タイミング悪く起きてしまった麗華。こりゃピンチだ。 だが麗華は寝ぼけていて、さっきのことは忘れているようだ。 よし、それならば…。 麗華「さぁ勇者、説明してもらおうか。この笑えんイタズラの真意をなぁ!」 勇者「ち、違う俺じゃない!アイツがさっき書いてたぞ!とても楽しそうに!」 赤錬邪「えぇっ!?」 |
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赤錬邪「ま、待て!よく考えろ、どこの世界にそんなお茶目な悪党がいる!?」 麗華「言い訳は要らん。乙女を愚弄した罪は、死をもって償うがいい!!」 ザシュッ!(斬) 赤錬邪「くっ…!って、まぁどうせ俺にはそんな攻撃は…ぐわぁあああああ!?」 |
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赤錬邪「ぐっ!そ、そんな…!この「魔欠戦士」である俺に、剣の攻撃が…!?」 麗華「ただの斬撃ではない。 炎を纏った真紅の秘剣…「魔法剣:火炎桜」。」 赤錬邪「ま、魔法剣!? バカな!それは本来、剣士と魔法士の協力技で…」 麗華「生まれは魔道の家系でな。どうだ、器用なもんだろう?」 赤錬邪「な、ならばなぜ今まで使わなかったのだ…!?」 麗華「生家のことは思い出したくもない。だから封印していたわけだが…キレたわ。」 赤錬邪「はわ…はわわ…!」 麗華「ワシは生のトマトは好かんが、焼きトマトは嫌いじゃないぞ?赤の戦士よ!」 赤錬邪「ひ、ひぃいいいいい!!」 ザシュッ!(斬) ババババシュッ!(連撃) ズゴォオオオオオオ!!(炎上) |
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2-220:玉砕〔13歳:LEVEL25〕 | |
麗華の容赦ない攻撃で、赤錬邪は人とは違った物質へと生まれ変わった。 だが、まだ最大の敵である邪神バキが残っている。 さて、どうしたものか…。 邪神「誰だか知らぬが、おかげで少し休めたわ。あの死者に感謝しよう。」 勇者「麗華はまだトランス状態だし、俺もまだダメージが…チッ、だがやるしか…!」 巫菜子「けどあの扇はハンパじゃねーぜ?まずアレをなんとかしねぇと…!」 姫「パンツがめくれちゃうよね。」 暗殺美「論点が違うさ姫!てゆーかパンツがめくれたらえらいことさ!スカートさ!」 盗子「…わかった、アタシがなんとかするよ。アレを奪えばいいんだよね?」 勇者「なっ…!?」 |
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勇者「や、やめろ盗子!お前なんかが…」 盗子「わかってる!死ぬかもしんないけど…でも頑張るよ!」 勇者「目立つな!!」 盗子「えっ、そういう意味!?」 暗殺美「バッ…盗子!前を見るさ!!」 盗子「えっ…ヤバッ…!!」 邪神「遅いっ!死ねぇえええええええええ!!」 ブシュッ!!(貫) |
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2-221:活躍〔13歳:LEVEL25〕 | |
調子に乗って飛び出していった盗子は、案の定邪神の一撃で儚く散った。バカが! 盗子「ぅぐっ…くはぁっ!!(吐血)」 勇者「と、盗子ぉーーーー!! 貴様ぁ…!!」 巫菜子「邪神が血を浴びちまった…。や、ヤベェぞ!」 邪神「フ…ハハ…アハハハ!! やったぞ!これで完全体に…!!」 勇者「くそっ、なんてことだ…!最悪の状況だ…!!」 |
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邪神「…って、何も感じんぞ!?なぜじゃ!!」 勇者「!!?」 暗殺美「ま、まさかホントに穢れてたせいかさ!?顔が!」 巫菜子「いや、顔は関係ないような気が…。」 邪神「ど、どういうことじゃ…!?」 盗子「ぐふっ…フフ、やはり「雄猿」の血じゃ意味無かったか…?残念…だったな。」 邪神「き、貴様…もしや写念獣か!?じゃあ本物…あ゛っ…!」 勇者「なにっ…!?」 盗子B「とぅっ!!」 |
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2-222:昇天〔13歳:LEVEL25〕 | |
邪神に立ち向かったのは、盗子ではなく盗子に化けた猿魔だった。いつの間に…。 猿魔「ぐふっ…ハァ、ハァ…どうだ勇者?俺の一世一代の…大芝居は…?」 勇者「そうか、さっきの煙幕に乗じて…。」 盗子「偽勇者!しっかりして!目ぇつぶっちゃダメだよー!」 猿魔「俺は、もうダメだ…。 なぁに、どのみちもう寿命だった…悔いは無いさ…。」 暗殺美「死をいとわない決死の作戦…猿ながらアッパレな奴さ。」 盗子「ぐすん。アンタと過ごした半年間…えぐっ、わ、悪くなかったよ。偽勇者…。」 猿魔「ジャクソン…。」 盗子「盗子だからっ!!」 猿魔「勇者…任せたぞ。この世界…お前に…託した…。」 勇者「…ああ、安心しろ。いずれ世界は俺のモンだ。」 猿魔「な、なんだか不安になってきたな…。」 勇者「お前には礼を言っても言い切れんな。いつか天国で、酒でも奢ろう。」 猿魔「酒か…そりゃ…楽しみだな…。 だがお前はどう考えても地獄い゛っ!!」 |
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2-223:決着〔13歳:LEVEL25〕 | |
全ての役目を終え、猿魔は逝った。門太に続きまたしても便利な能力が…残念だ。 勇者「さぁ邪神よ、滞納していた年貢を一気に納める時だ!観念するがいい!」 邪神「こ、この状況で丸腰…。さて、どうしたものか…。」 麗華「やるぞ勇者。二人でかかれば勝利は確実だ。」 勇者「いや、俺だけでいい。今なら使えそうな気がするんだ、「千の秘剣」がな。」 麗華「千の?調子に乗るな。アレは刀神流操剣術の奥義…お前にはまだ早い。」 勇者「ナメるな!俺だってやればできるさ! 「百の秘剣」ぐらい!」 麗華「下がってるじゃないか!さりげなく思いっきり妥協してるじゃないか!」 勇者「そんなこんなで貴様を倒す!覚悟はいいか、邪神バキ!!」 邪神「チッ…!」 |
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勇者「頼む姫ちゃん、奴の動きを止める魔法を!」 邪神「甘いわ!そのような魔法に掛かるほど…」 姫「ダルマさんがコロリン!」 邪神「えっ…!? あ゛っ!」 勇者「止まっちまった貴様の負けだー! 食らえ百の秘剣、「百刀霧散剣」!!」 ズバババババババシュッ!!(連撃) 邪神「う゛っ、うわぁああああああああああ!!」 |
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2-224:電影〔13歳:LEVEL26〕 | |
激戦の末、なんとか邪神を倒した俺。 色々あったがこれでもう一安心だ。 大地の裂け目に落ちたため、死体を見てないのが少し気掛かりだが…まぁいい。 仮にまだ生きていたとしても、あの状態じゃすぐに死ぬだろう。 俺達の勝ちだ! などと考えながら一服ついていると、なにやら魔獣らしき鳥が何かを運んできた。 勇者「む?なんだこの珍妙な鳥は? 俺の肩で羽根休めとは生意気な。」 麗華「どれどれ? お、コヤツは教師殿の伝令獣ではないか?」 一同「Σ( ̄□ ̄;)!?」 |
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盗子「はわ…はわわ…!(震)」 魔獣「ピャウ。」 勇者「コレは…「電影玉」じゃないか。奴め、また何か企んでやがるのか…?」 |
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勇者「チッ、仕方ない。見たくはないが、見なきゃ殺されそうだし…ったく。」 モクモクモクモク…(煙) 教師「やぁみなさん。コレを見ているということは、無事みたいでなによりですよ。」 盗子「フン、なにさ。肝心な時にいなかったクセして偉そうに。」 教師「ハイ盗子さん、今度会ったらお仕置き決定です。」 盗子「えぇっ!?なんで返事できんの!?これって再生専用だよね!?」 暗殺美「きっと違法な何かでどうにかしたのさ。まったく怖ろしい男さ。」 勇者「で、なんの用なんだ?わざわざこんなの寄こしたんだ、何かあるんだろう?」 教師「いや、ちょっとだけ言いたいことがありまして。 要は「まだ気を抜くな」とね。」 勇者「気を抜くな?五錬邪はもう全員倒した、不安な要素はもう無かろう?」 教師「彼らはリミッターを外せた…。狂人にしかできない荒業をほぼ全員が、です。」 勇者「だから何が言いたいんだ?要点をハッキリ言いやがれ。」 教師「何者かが彼らを操り、内側から無理矢理解放させたとしか思えません。」 勇者「なっ!?じゃあ、「洗脳」みたいな魔法が掛かってたってことか!?」 教師「フフフ、イヤですねぇ。そんな便利な魔法が」 勇者「あるかもしれんだろうが!貴様が知らないだけかも…」 教師「あって、私が放っておくとでも?」 |
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2-225:旅立〔13歳:LEVEL26〕 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
五錬邪を倒した俺達は、教会に身を潜めていたらしいシジャン王にもてなされた。 王「よくやってくれた勇者よ。好きなだけ褒美をとらそうぞ。」 勇者「あん?なんだ貴様、救ってもらった分際で上から目線とは生意気な!」 王「え、いや…その…すみません。えと、褒美はたんまり用意させていただきます。」 勇者「フッ、当然だ。とりあえずこの口座に有り金を全部振り込…ぐぇっ!」 麗華「王の御前だ、お前こそ慎め勇者。それに「勇者」が褒美を求めるとは何事だ。」 王「お、おぉありがとう。喋りがババ臭い剣士よ。」 麗華「前言撤回だ勇者、身包みどころか皮まで剥いでやるがいい。」 王「ひ、ひぃいいいいい!!」 姫「なんかお祭りムードだね。」 盗子「アンタの頭ん中だけねっ!」 暗殺美「どうでもいいけど早くご飯にしてほしいさ。お腹が大合奏の準備中さ。」 メイド「あ、ハイ。それではご用意いたしますね。好き嫌いとかおありですか?」 盗子「ん~、アタシは特に無いかなぁ? 大丈夫っ☆」 メイド「じゃあ適当にそこらの草でも…。」 盗子「なんでっ!?」 勇者「よーし野郎ども!宴だ! 声帯がブチ切れるまで騒ぐがいいっ!!」 国民「うぉおおおおおおお!!」 |
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数日後…。 皆で散々食って飲んでしまくったせいか、国の食糧が尽きかけてきた。 心なしか、国民の俺達を見る目も濁ってきたように思える。 これは、マズい。 「勇者」の美学として、去り際は美しくなければならないと俺は思うのだ。 ホントはもう少しのんびりしたいところだが…平穏は剣を鈍らせるしな、仕方ない。 勇者「とまぁそういうわけで、ぼちぼち旅立とうと思う。お前ら準備はいいか?」 盗子「うん☆ でもどこ行く気なの勇者?もう五錬邪はいないわけだけど…。」 勇者「中央だな。「帝都:チュシン」…人が多く集う場所ほど、情報は集まりやすい。」 盗子「情報…?他の神でも探そうっての??」 勇者「力はついた。今度こそ奴を…「魔王:ユーザック」を討つ時だ!」 盗子「うげっ、魔王!?」 暗殺美「魔王…そういや最近、とんと噂を聞かないさ。なんか不気味さ。」 勇者「奴ほどの男だ、このままなんてことはありえない。きっと何かを仕掛けてくる。」 姫「落とし穴とかね。」 勇者「フッ、この俺を落とそうなんて百年早いぜ!」 盗子「スケールがちっちゃいよ!どうせならもっと凶悪な罠とか想定しようよ!」 姫「地球が爆発するよ。」 盗子「魔王も死んじゃうじゃん!」 勇者「にしてもアレだな。なんとなくだが、カクリ島を出た日のことを思い出すな。」 姫「ん~。じゃあ今度のは…うん、「卒業旅行」だね☆」 暗殺美「いや、卒業旅行って言うには時間経ち過ぎちゃってる気がするさ。」 姫「「帰ってきた卒業旅行~激烈地獄巡り~」だね。」 盗子「だからそんな物騒なサブタイトルは要らないから!」 勇者「俺はお前が一番要らない。」 盗子「うわーん!相変わらず目がマジだよー!!」 麗華「オーイ勇者ぁー!船が来たぞ、早く乗り込めー!」 勇者「よし、行くか! 命の保証は今後も無い。わかった奴だけ、ついて来い!!」 一同「オォーーー!!」 |
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第三部へ |
登場人物 |
〔赤錬邪〕 |
〔黒錬邪〕 |
〔奮虎(ふんこ)〕 |
〔マジーン〕 |
〔商南(あきな)〕 |
〔族長〕 |
〔黄緑錬邪(キミドレンジャ)〕 |
〔ナンダ〕 |
〔凱空(ガイク)〕 |
〔春菜(しゅんな)〕 |
〔秋花(しゅうか)〕 |
〔冬樹(とうき)〕 |
〔夏草(なぐさ)〕 |
〔貧乏神〕 |
〔相原〕 |
〔姫子〕 |
〔皇子(こうこ)〕 |
〔凶死(きょうし)〕 |
〔栗尾根(クリオネ)〕 |
〔門太(モンタ)〕 |
〔鉄仮面(覇者)〕 |
〔ソボー〕 |
〔召々(しょうしょう)〕 |
〔老婆〕 |
〔猿魔(エンマ)〕 |
〔邪神(バキ)〕 |
魔法&特技 |
〔沈黙(ちんもく)〕 |
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魔法士:LEVEL6の魔法。(消費MP6) 一定期間呪文の詠唱を封じる魔法。デート中に唱えると少し気まずくなる。 |
〔神出鬼没(しんしゅつきぼつ)〕 |
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魔法士:LEVEL??の魔法。(消費MP??)※伝説の魔法なため詳しくは不明。 読んで字の如く神秘的な魔法。時々消しゴムが見当たらなくなるのもこのせいとか。 |
〔遺伝(いでん)〕 |
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勇者:LEVEL15の魔法。(消費MP80) 一定時間、祖先の能力を半強制的に身に宿す。祖先がハゲなら高確率でハゲる。 |
〔招待(しょうたい)〕 |
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召喚士:LEVEL20の魔法。(消費MP30) どこかの誰かをランダムに呼び出す魔法。入浴中に呼ばれると大ピンチだ。 |
〔反射鏡(はんしゃきょう)〕 |
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魔法士:LEVEL40の魔法。(消費MP50) 光術系の技を跳ね返す魔法。ジジイのハゲ頭の次くらいによく照り返す。 |
〔退散(たいさん)〕 |
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除霊師:LEVEL20の魔法。(消費MP32) 一時的に悪霊を退ける魔法。成功率は低いので商用にはハッタリも必要とされる。 |
〔三位一体(さんみいったい)〕 |
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賢者:LEVEL48の魔法。(消費MP220) 人間・魔人・魔獣等、三体を融合させる高等魔法。失敗すると面白いことになる。 |
〔突風(とっぷう)〕 |
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魔法士:LEVEL20の魔法。(消費MP32) 激しい風を巻き起こす魔法。街角で使うとミニスカートの女性にボコられる。 |
〔転嫁(てんか)〕 |
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勇者:LEVEL20の魔法。(消費MP30) 責任やダメージの対象を別対象に移し変える魔法。よく政治家が秘書に使う。 |
〔炎殺(えんさつ)〕 |
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魔法士:LEVEL35の魔法。(消費MP33) 敵一体を取り巻き焼き殺す炎の魔法。焼きが足りないと客からクレームがくる。 |
〔無視(シカト)〕 |
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魔法士:LEVEL14の魔法。(消費MP16) 指定した対象を無視できるようになる魔法。度が過ぎると学級会で問題になる。 |
〔降雹(こうひょう)〕 |
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魔法士:LEVEL20の魔法。(消費MP32) 周囲に大量の雹を降らせる魔法。やたらに使うと気象予報士に嫌な顔をされる。 |
〔雷迅(らいじん)〕 |
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魔法士:LEVEL40の魔法。(消費MP48) 敵1グループに強烈な雷を落とす魔法。ビビッとくるが恋じゃない。 |
〔火炎地獄(かえんじごく)〕 |
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賢者:LEVEL50の魔法。(消費MP250) 究極の火炎魔法。 燃え上がれ 燃え上がれ 燃え上がれ ガンd(自主規制) |
〔超防御(ちょうぼうぎょ)〕 |
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魔法士:LEVEL40の魔法。(消費MP45) 高い守備力を誇る強力防御魔法。ガードの固いアノ子の得意技だ。 |
〔爆裂(ばくれつ)〕 |
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魔法士:LEVEL37の魔法。(消費MP40) 爆発系の魔法。戦隊ヒーローものの戦闘シーン(背後)などでよく使われる。 |
〔熱血(ねっけつ)〕 |
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魔法士:LEVEL23の魔法。(消費MP18) 学年1クラスぐらいを包み込む火炎魔法。思わず夕日に向かって走りたくなる。 |