自分でできる過払い返還請求訴訟マニュアル

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目次( 1 / 1 )

1  最高裁の判例とみなし弁済

2  取引明細の請求と利息制限法の計算

3  消費者金融に請求書送付と交渉

4  訴状の書き方、裁判所への申立

5  被告法人からの答弁書と反論の準備書面の送付

6  裁判の争点と悪意の受益者とは

7  被告(相手方)からの和解の提案と和解の成立

8  過払い返還請求を自らで出来るかの判断

9  最近の判例

10  最後に

第1 最高裁の判例とみなし弁済( 1 / 9 )

1 最高裁の判例とみなし弁済

 

平成18113日最高裁第二小法廷判決

みなし弁済を実質否定した重要な判例

【争点】

利益喪失特約がある場合に支払の任意性について

【争点に対する判断】

利益喪失特約がある場合には支払の任意性はない

(みなし弁済は認められない)

【判決要旨】

「本件期限の利益喪失特約は、法律上は、上記のように一部無効であって、制限超過部分の支払を怠ったとしても期限の利益を喪失することはないけれども、この特約の存在は、通常、債務者に対し、支払期日に約定の元本と共に制限超過部分を含む約定利息を支払わない限り、期限の利益を喪失し,残元本全額を直ちに一括して支払い、これに対する遅延損害金を支払うべき義務を負うことになるとの誤解を与え、その結果、このような不利益を回避するために、制限超過部分を支払うことを債務者に事実上強制することになるものというべきである。 

したがって、本件期限の利益喪失特約の下で、債務者が、利息として、利息の制限額を超える額の金銭を支払った場合に

第1 最高裁の判例とみなし弁済( 2 / 9 )

は、上記のような誤解が生じなかったといえるような特段の事情のない限り、債務者が自己の自由な意思によって制限超過部分を支払ったものということはできないと解するのが相当である」

 

【判決の意義】

1.みなし弁済を実質的に無効と判断しました。

消費者金融との契約書には必ず(少なくとも本判決以前の契約書には)返済予定日に返済を怠れば遅延利息の付加や残金一括返済を請求出きるとする「期限の履歴喪失条項」の記載があります。本判決はこの「期限の履歴喪失条項」がある場合には、「特段の事情のない限りみなし弁済は成立しない」と判示したのであり、現在の消費者金融との取引においては実質的に「みなし弁済が成立することはない」と言えます。

 

みなし弁済とは

 

みなし弁済(貸金業法第43条)とは,債務者が任意に支払った場合には、特定の要件を満たす限り、利息制限法所定の制限利率を超える利息を弁済したとしても、貸金業者はその制限超過部分を適法に受領でき、過払金として返還する必要は無いとする制度のことをいいます。

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株式会社ヒロエンタープライズ
作家:伊達浩二
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