シンシア -秘宝城-

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  二体の化け物がお互いに体を張って形ある最も遠い位置に我が身を置いた。
  激戦の中で有り得ない光を発していく。
  暗闇に輝くような白い点を放っていく、少しずつ二つの点を線につなげていく。
  兵士達の形にそっていく、線と線を結んでいく、細い十字架を作っていった。
  線を次第に太くしていく、輝きも増して強くしていった。

  細いオニヒトデ!?のようにハリネズミ!?のように向かって来る敵に対して、弾とマブしいばかりの光で向かい撃ち続ける。
「・・・クッソー!?・・・下等動物メー・・・」
「クタバレ一、このバケモノー」
  思考の世界から、幻想の世界から、暗闇の奥底から、光を放っていく。
「・・・キッサマラー、企みやがったな一・・・!?」
「・・・フフッ、俺達も形は、変えられても刑事さ、魂や志しを忘れては、いないぜ・・・・・・丸ごと飲み込んでヤル!? 後は、成るようになれってもんだ!? じゃーな、もと同士!? あの世で会おうぜっ!?・・・」

  二次元の十字架が三次元から四次元の十字架に大人のオニヒトデ!?かハリネズミ!?を思わせる迎撃力でかえしていく。
  大勢のゾンビや翼を広げた黒い悪魔達が広がりゆく光線や弾け散る聖水を浴び、次から次へと爆破されていった。
「・・・チッキショ一・・・コノヤロー!?・・・」
  物凄く恐い形相で斧を降り下ろしたシンシアは、光輝くハリネズミ!?の中に消えて行った。
  幻想の中の秘宝城も現代の四方のビルの陰も光りに飲み込まれて行く。

 

 

  五人の兵士達は、知らぬ間に元の世界、現代に帰って来ていた。
  裏切った悪魔二匹は、行方が分からなく成っていた。
  そしてゴーストタウンと成った新宿は、慎重に調べられ、国会で会議し、出した結論は、徹底したお祓(はら)いや定期的なお祓い事をしながら、再開発が行われる事が決まった。

  『新宿再開発建設現場』と看板が掛けられた近くの空き地。
  じょ~っ、んっ、ん~、「・・・う~、さっぱりした~、気持ち良く呑み過ぎた~・・・」
  用をたし、軽い足取りでスタスタと歩いて行く働き蜂のサラリーマンだった。

  酔っぱらいとスレ違った夫婦の小さい男の子が工事現場近くに興味を持ち、歩いて行く。
「まさるっ、危ないから、こっちに来てなさい」
「は~いっ、でもパパ、何か音したよ~!?・・・」

  子供がパパとママの元に駆け寄って行く。
  子供が近寄って来た所の地面には、サインが書かれていた。
『・・・NE~NE~・・・』
  ク~ン、ク~ン、子犬が右手で土を掘り起こす。
  ガバー、ゾンビが顔と指だけを出す、子犬が逃げて行く。
「また遊ぼうよ~」 
と人間達に誘いを求める。
  小さい小さい赤ん坊悪魔が一匹  慣れない飛び方でフラフラと飛んで遊びに行く。

 

「ウソついて、ダマシちゃ~、ダメよ、針千本飲まされるよ!?・・・・・・ヒヒッ」

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