~勇者が行く~(1)

本編( 10 / 11 )

外伝(伍)

外伝(伍)

 

外伝:賢二が行くⅡ〔1〕
僕が地球から打ち上げられて、早いもので一年近い月日が流れてしまいました。
もしあの日に太郎さんの帰省が無かったらと考えると、もう怖くてたまりません。
そう、僕は再び宇宙船に突っ込んだため死なずに済んだのです。良かったぁ…。
太郎「一年か…。 なんだかんだで結構ここでの生活にも慣れたよね、賢者君。」
賢二「ん~、けどやっぱ僕は地球がいいです。太郎さんは帰りたくないんですか?」
太郎「いや、まぁ帰りたいのは山々なんだけどね~。 でも…」
でも先の衝撃で宇宙船が故障してしまい、僕達は仕方なく不時着したのです。
その後、僕らは「義勇軍」という戦士団に拾われて今日までやってきました。

兵士「た、大変です賢者殿!是非お力を!」

そしてまた、こんな感じです。

太郎の呼び方が悪い。

 

外伝:賢二が行くⅡ〔2〕
またもや「賢者」と勘違いされ、一応なんとか取り繕ってきた一年間。
もう、いい加減地球に帰りたい。 だから僕は総大将さんに訴えることにしたのです。
賢二「あ、あの~…総大将さん?ちょっとお話が…。」
総大将「おっと、いいタイミングで来たな賢者。ちょうどオメェに話があったんだよ。」
賢二「えっ!じゃ、じゃあついに僕を地球に…!?」
総大将「ああ。地球の方に行ってもらうわ。」
賢二「わーい!やったぁー!!」
総大将「頑張れよ、お前の活躍にゃ期待してる。」
賢二「…ん? 地球…「の方」??」
総大将「チッ、気づきやがったか。」
賢二「典型的な詐欺の手口ですよ!」
総大将「このミッションが成功すりゃ、オメェに「少佐」の位を…」
賢二「いや、そんなますます帰れなくなるポジションは要りませんから!」
総大将「ヘッ、謙虚な奴め。」
賢二「謙虚じゃなくて!ホントに要らないんですってば! 僕は地球に…!」
総大将「やれやれ…。んじゃ、まぁ活躍次第では考えてやるよ。これでどうよ?」
賢二「ハァ~。 それでその…今度の敵ってどんな人なんですか?」
総大将「おぉ!やってくれるってか!」
賢二「これで最後ですからね!死ぬ気でやりますよもう!」

総大将「じゃあ頼んだわ、「ユーザック」。」
賢二「死んでもイヤですぅー!!」

違った意味で涙の再会だ。

 

外伝:賢二が行くⅡ〔3〕
何の因果か、またユーシャさんと戦うハメになりました。今度こそ死にそうです。
まだ「ユーザック襲来」という無線が入っただけみたいですが、到着は確実だとか。
というわけで僕は、到着予定地に彼を迎え撃ちに行くことになっちゃったのでした。
賢二「ハァ…。どうせなら僕、地球の土になりたかったな…。」
太郎「まぁ大丈夫だよ賢者君、肉片が残るって保証も無いし。」
賢二「それってフォローになって無いですよ太郎さん…。」
太郎「そだね…。」
声「ち、チィーーッス!賢者大尉はこちらッスかー!?」
賢二「いや、もう「大尉」とか言われるのホント苦痛なんで…。」
少年「自分、「戦士」の「下端(カタン)」ッス!今日からお世話になるッス!」
賢二「そういえば総大将さんが、今日から「賢者小隊」を名乗れって…。」
太郎「マジで!? いや~良かった、賢者君だけじゃ心もとなかったんだよね~。」
下端「えっ!じゃあ今までお二人でやってきたんスか!? スッゲー!」
賢二「それは僕のセリフですよ!太郎さん職業「遊び人」じゃないですか!」
下端「しかも遊びながら!?」

伝説はこうして作られる。

 

外伝:賢二が行くⅡ〔4〕
数日後。 旅立った僕ら三人は、ユーシャさんが来るという惑星に到着しました。
確かに地球方面ではあるけれど、やっぱり距離はかけ離れてます。 詐欺だー!
賢二「ふぅ~、やっと着きましたね~。」
太郎「まだ今んとこ平気そうだね。どうやら先に着けたみたいだ。」
賢二「確か到着予定地は「キャプテン岬」でしたよね?どこにあるのかなぁ…?」
下端「賢者大尉、だったらまずは村人に話でも聞いてみたらどうッスかね?」
村人A「け、賢者!? というとアナタ様が、あの魔竜「ウザキ」を倒した…!?」
太郎(…そんなことあったっけ?)
賢二(あ、ホラ、行ったら既に老衰で死んでた…。)
村人B「村長ー! あの悪星「サマラ」を滅ぼした大賢者殿が来てくれましたぞー!」
太郎(…そんなことあったっけ?)
賢二(あ、ホラ、到着寸前に隕石群がドカーンて…。)
下端「スゲーっす!こんな所にまで名が轟いてるなんて、やっぱスゲーっす!」
賢二(な、なんか噂ばかりが一人歩きしてますね…。)
太郎(というか全力疾走してるよね。)
村長「おぉ、おヌシが賢者殿か! こりゃ思ったよりガキ…ガキじゃないお方で。」
賢二「そんな中途半端なフォローならむしろ要らないです。」
村長「よーし!皆の者、宴の準備じゃー!!」
賢二「いやいや!そんなことしてる余裕は無いですから!」
村長「大丈夫、準備だけじゃ。」
賢二「えぇっ!?」

功績の割に扱いは悪い。

 

外伝:賢二が行くⅡ〔5〕
その後、感じの悪い村長さんに教えられて「キャプテン岬」へと向かった僕達。
するとそこでは、なにやら4・5人の集団がモメていました。 い、嫌な予感が…。
少女「ウーニャーー!た、助けてくれニャのニャーー!!」
賢二「なんかこの先の展開が大体読めたんですが…。」
太郎「あ、猫耳少女だ。 一部の層に絶大な人気を誇るという…。」
少女「アタチは「王佐」の「ライ」!追われてるから助けてくれると嬉しいニャ!」
下端「「王佐」ってことは王の補佐役ッス!これは見過ごせないッスね大尉!」
賢二(できれば見過ごしたいなぁ…。)
敵A「もう逃がさないぜ猫娘! お前は高く売れるんだ、大人しく捕まりやがれ!」
ライ「アタチら「猫耳族」は、居るだけで幸福を呼び込むって言われてるのニャ。」
賢二「いま思いっきり災難を呼ばれてるだけに、全然信憑性無いんですが…。」
太郎「…よし、やろうよ賢者君!助けよう!」
下端「そうッス!自分も曲がったことは大嫌いッス!」
ライ「えっ!ホントかニャ!?」
太郎「これで当分遊ぶ金には困らないよ!」
ライ「ニャんですと!?」
賢二「な、何を言ってるんですか太郎さん! 僕らは…」
太郎(多分、宇宙船も買えるよ?)
賢二(!!)

こんな時、僕が勇者君だったらなぁ…。

たぶん笑顔で即決だ。

 

外伝:賢二が行くⅡ〔6〕
悩んだ結果、僕はライさんを助けることに決めました。こうなりゃヤケですよ!
賢二「えっと、「義勇軍:大尉」の名に懸けて悪事は許せません。ごめんなさい。」
敵B「ぎ、義勇軍!?そうか、テメェらが宇宙警察気取りの偽善軍隊か!」
下端「さすがッス大尉!怒りの矛先を自分に向けて彼女を守るなんて!」
賢二(えっ…はわわわわ!!)
敵C「生意気な小僧だ!この俺様が射殺してくれる!!」
賢二「うわっ!じゃあ防御!防御魔法を…んっと、えっと、てっ…「鉄壁」!!」

賢二は〔鉄壁〕を唱えた。
賢二達の前に鉄の防御壁が現れた。

下端「大尉、自分が突撃するッス!指示が欲しいッス!」
賢二「じゃあ突進したり曲がったりして相手をかく乱して! その隙に僕が魔法で…」
下端「自分、曲がったことは大嫌いッス!」
賢二「そこは曲がってよ!」
太郎「ほ~れ、フリフリ~。」
ライ「ニャアン☆じゃらさニャいで~!猫じゃらさニャいでぇ~!」
賢二「戦ってよ!!」

どのみち戦力外だ。

 

〔鉄壁(てっぺき)〕
魔法士:LEVEL7の魔法。(消費MP8~∞(※維持したぶん消費する))
一定時間鉄壁の守備を誇る。ペナルティーエリア外からのシュートは決めさせない。
 

 

外伝:賢二が行くⅡ〔7〕
下端君は融通が利かず、太郎さんはヤル気が無く、やっぱりピンチな今回のバトル。
僕だってまだまだ弱いのに、一人で戦闘なんてあんまりですよ神様…。 うぅぅ…。
賢二「どどどどうしよう!防御ばっかじゃ勝てないのに…!」
太郎「まだまだ修行不足だね、賢者君。」
賢二「アナタだけには言われたくないですよ!」
太郎「ゴメン。こう見えても僕、レベル40。」
賢二「えっ、ホントに!?じゃあ実は強いんですか!?」
太郎「強いよ、特にカードゲーム。」
賢二「あぁ…そういえば「遊び人」…。」
敵D「オラオラオラオラー!いつまで閉じこもってやがるんだ!出て来やがれ!!」
敵B「どぉりゃああああ!!」
下端「ヤバいッス大尉!敵の集中攻撃で鉄壁が悲鳴を上げてるッスよ!」
ライ「ニ゛ャー!怖いニャー!早くニャんとかするニャー!」
賢二「くっ!こ、こうなったら…!」

こうなったら、あの魔法を使うしかない。いま僕が知る中で最強の魔法…〔雷撃〕を。

失敗するとアフロになる。

 

〔雷撃(らいげき)〕
魔法士:LEVEL20の魔法。(消費MP32)
「雷雲」「雷光」「雷鳴」に次いで唱えることで、敵一体に強烈な雷を落とす魔法。
 

 

外伝:賢二が行くⅡ〔8〕
敵の猛攻により、もう鉄壁も限界に近づいてきました。攻撃しなきゃ負けちゃいます。
本来「雷撃」は僕のレベルで使える魔法じゃないけど…でも、やるしかないんです!
賢二「「鉄壁」解除! 今から雷を落とす術式に入ります、みんな離れて!」
ライ「きゃみニャり!? 嫌ニャ!おヘソが取られるニャー!」
敵A「やっと出て来たかガキどもめ。どうやら観念したようだな、手こずらせやがっ…」
賢二「僕は負けませんよ! 「術式:雷撃」第一の魔法…立ち込めろ「雷雲」!」

賢二は〔雷雲〕を唱えた。

ゴゴゴゴゴ…(雷雲)
敵B「なっ!? なんだこの…ドス黒い雲は…!?」
賢二「次なるは第二の魔法…閃け「雷光」!」

賢二は〔雷光〕を唱えた。

ピカアアァッ!!(雷光)
敵C「ぐわっ!目が…目がぁあああ!!」
賢二「そして準備段階最後の魔法…轟け〔雷鳴〕!」

だがMPが足りない。

 

〔雷雲(らいうん)〕
魔法士:LEVEL4の魔法。(消費MP8)
黒々とした雷雲を呼び寄せる魔法。良く晴れた日に使うと全国の主婦に嫌われる。
 

 

〔雷光(らいこう)〕
魔法士:LEVEL5の魔法。(消費MP8)
目がくらむ程の雷光が閃く魔法。カツラのオヤジは一瞬焦る。
 

 

〔雷鳴(らいめい)〕
魔法士:LEVEL6の魔法。(消費MP8)
耳をつんざく雷鳴が轟く魔法。下痢気味の敵は精神的に追い詰められる。
 

 

外伝:賢二が行くⅡ〔9〕
まるで狙いすましたかのようにMPが切れました。 ハイ、もうダメです。ご臨終です。
太郎「あれ…? MPって結構増えたんじゃなかったっけ?」
賢二「多分「鉄壁」を維持しすぎたのが…。」
太郎「…ひょっとして、結構ヤバい?」
賢二「さよなら太郎さん…。」
太郎「いつもながら潔い諦めっぷりだね…。」
敵B「ケッ、ビビらせやがって! だがもうネタ切れのようだな!死ねぇえええ!!」
声〔砂煙〕「そうはさせるかよ!交われ対なる斜道、「十字軌跡(クロスロード)」!」
敵A「なっ…くはっ!
敵B「ガフッ!
敵C「ぶへっ!
敵D「うぎゃああ!!
賢二「!!?」

声〔砂煙〕「ヘッ、久しぶりだな賢者殿…。元気そうでなによりだぜ。」
賢二「あ、アナタは…!」
いったんCMでーす。

 

外伝:賢二が行くⅡ〔10〕
死を覚悟した瞬間、まさかの助けが入りました。 そう、お気づきの通りあの人です。
おかげで敵も全滅し、ピクピクしてます。どうやら今回もまた生き延びられたみたい。
賢二「け、剣次さん!やっと電報が届いたんですね!」
下端「スゲーっす!あんな剣技は初めて見たッス!」
剣次「ったく、暗号なんか使いやがってバカ太郎!あんなん解読できるかっての!」
太郎「へ?あ~無理無理。 アレ、最後の方は適当だから。」
賢二「そんな命懸けの適当はヤメてください!!」
剣次「まぁ賢者殿の武勇伝を追ったら着けたがな。 やっぱさすがだぜこの人は。」
賢二(剣次さんも相変わらずだなぁ…。)
ライ「ふニャ~、助かったニャ~。猫に小判とはこのことニャ~。」
賢二「いや、全然違いますよ!?」
剣次「ん?なんだこの猫娘は? 晩飯のオカズか?」
ライ「ニャんですと!?」
賢二「ちょっと成り行きで助けたんですよ。 さぁライさん、もう大丈夫なんで…」
ライ「ニャにを言ってるニャ!アタチは一生狙われ続ける身ニャのニャ!」
太郎「あ~、じゃあ…一緒に来れば?」
ライ「ニャ…!? いいのかニャ!?」
賢二「た、太郎さん!勝手にそんなこと決めちゃ…!」
太郎「別にいいじゃん。隊員は多いに越したこと無いって。」
ライ「わーい!ありがとニャー!」
太郎「売れば高いしね。」
ライ「そんニャ馬鹿ニャ!?」

太郎は本気だ。

 

外伝:賢二が行くⅡ〔11〕
話の流れで、ライさんを仲間にするかどうするかという状況になってしまいました。
確かに仲間が増えるのは助かるけど、それは戦える人の場合であって彼女は…。
賢二「う~ん、でも任務の方がかえって危険だしなぁ~。」
ライ「お願いニャ!もう独りは嫌ニャのニャ! あと、おコタでヌクヌクしたいのニャ!」
太郎「とりあえず最後のは却下だね。」
ライ「ニャんてこったい!」
下端「どうするッスか大尉?あまり悩んでる時間は…。」
賢二「…ハァ。 わかりました、一緒に行きましょう。やっぱ僕は放っとけませんよ。」
ライ「ほ、ホントかニャ!? ありがとニャ、えっと…誰だっけニャ?」
賢二「僕は賢二、なぜかリーダーってことになってます。どうぞヨロシクです。」

ライ「アタチはライ…「ライ(佐)・ユーザック(王)」。 よろしくニャ☆」

Σ( ̄▽ ̄;)!?

ユーザックが現れた。

 

外伝:賢二が行くⅡ〔12〕
なんとも驚いたライさんの名前。まさか他にもユーザックって名の人が居るとは…。
あれ?ということは、彼女がターゲット? いや、情報が間違って回ってるのかなぁ?
ガガ…ガッ…。(無線)
賢二「あ、無線だ。ちょうどいいから聞いてみますね。 …ハイ、賢二ですどうぞ。」
総大将「おっ、賢者か。 どうよ?ライ・ユーザックはもう捕まえたか?」
賢二「うぇっ!? ゆ、ユーザックって「シャガさん」のことじゃなかったんですか!?」
総大将「あ?いくら俺でもあんな化けモンに小隊ぶつけるほど鬼じゃねぇぜオイ。」
賢二「ま、まだ見つけてませんが…そのライって人はどう危険なんです…か?」
総大将「あ~、奴は「猫耳族」ってんだが、オメェ聞いたことあるか?」
賢二「あ、ハイ。確か居るだけで幸せを呼び込むとかどうとか。」
総大将「けどそいつぁ逆なんだわ。居るだけで特大の不幸を招く超レア物。」
賢二「え゛。」
総大将「今までに国を三つ潰してる。しかもタチの悪ぃことに、本人に自覚は無ぇ。」
賢二「じゃあもしかして…その人の場合、一種の「生体兵器」として高額だとか…?」
総大将「あ~、そうらしいな。 だから見つけてもあんま関わらずさっさと消せな。」
賢二「えっ!消すんですか!? 捕獲じゃダメなんですか!?」
総大将「バッカ、んな疫病神なんて持って来んじゃねぇっての。 じゃあな。」
…プツッ。
賢二「そ、総大将さん!?総大将さん!?」
ライ「どうしたニャ?歓迎会でも開くって話かニャ?」
太郎(なんとなく察したよ賢者君。キミもピンチが好きだね~。)
賢二(特大の不幸を招く…か…。)

こんな時、僕が勇者君だったらなぁ…。

たぶん笑顔でメッタ斬りだ。

 

外伝:賢二が行くⅡ〔13〕
勘違いではなく、ホントにライさんがターゲットだったようです。 なんてこったいです。
でも仲間にするって言っちゃったし、それに殺すなんて僕にはできそうにないし…。
賢二「えっと、悲しいお知らせがあります。どうやら僕らの大将もアナタの敵みたい。」
ライ「ニャんですと!? そんニャのあんまりニャー!捨て猫されるのは嫌ニャー!」
賢二「というわけで、僕は今ここで…大尉の位を捨てようと思います。」
ライ「ニャッ!?」
下端「マジっすか!?そんなことしたら今度は軍に追われるハメになるッスよ!?」
賢二「ハイ、だから強制はしません。僕一人でもなんとかしてみますよ。」
太郎「な、なんか急に男になったね。 すんごい涙目なのが不安だけども。」
剣次「詳しい話はわからねぇが、まぁヤル時はヤル人だぜこの人は。」
賢二「…さぁみなさん、どうしますか?」
太郎「僕は別にいいよ。どうせ逃げる気だったし、やっぱ見捨てたら後味悪いしね。」
剣次「俺も行くぜ。そんなカッコいい真似、賢者殿一人にゃさせられねぇよ。」
下端「じ、自分も行くッス!自分、これまで以上に大尉を尊敬したッスから!」
ライ「ありがとニャ賢者ー!とっても嬉しいニャー!」
賢二「み、みんな…。」

真の動機は、死んでも言えない雰囲気です。

目的地は地球だ。

 

外伝:賢二が行くⅡ〔14〕
ライさんのため、そして地球に帰るため、僕は軍を抜けて逃げることにしました。
もう後戻りはできません。宇宙的犯罪者になろうとも、僕は生きて地球に帰ります!
下端「ところで大尉…あ、賢者殿、逃げるにしてもどう逃げる気ッスか?」
賢二「そうなんですよね…。僕らが乗ってきた宇宙船は三人乗りだし…。」
ライ「あ、それは大丈夫ニャ!さっきの奴らの船はデカかったニャ!」
賢二「いや、でも犯罪事はイヤだなぁ…。」
ライ「気にすることニャいニャ。世の中とは弱肉強食ニャものニャ。」
太郎「いいこと言うじゃん、資金源。」
ライ「売らニャいでー!!」

~数分後~
賢二「こ、これって…海賊船ですよね、見るからに。。」
下端「これは…そ、「ソボー海賊団」の旗ッスよ!しかも船体は超最新型ッス!」
剣次「ソボー…確か船長はかなりの強豪って聞くぜ? 俺でも勝てるかどうか…。」
賢二「よ、よりにもよってそんな人を敵に回すなんて…。」
ライ「見張りだったさっきの奴ら以外、みんニャ温泉行ってるはずニャ。問題ニャし!」
太郎「じゃあ急がないとね。 大丈夫、運転の方は僕がなんとかするよ。」
下端「最新型は操作も難しいと思うッスけど、大丈夫ッスか?」
太郎「なんとかする。」
ライ「故障したらどうする気ニャ?」
太郎「なんとかなる。」
剣次「燃料は足りるのか?」
太郎「…なんとかなれ。」

「なれ」とか言われても…。

運転はゲーセン仕込みだ。

 

外伝:賢二が行くⅡ〔15〕
不本意ながら、僕らは海賊船を奪取して逃げることになりました。ホントはイヤです。
でも、生き延びるのを最優先と考えて、ここは妥協するしかないのだと思います。
太郎「えっと、こことここはこうで、ここは…あ、こんな機能まで付いてるのか~。」
賢二「へぇ~、結構詳しいんですね太郎さん。 僕にも手伝えることはありますか?」
太郎「そうだねぇ~。 んじゃ、コイン入れて。」
賢二「…へ?」
太郎「あれ?ツッコミ無し? 「ゲーセンかよ!」みたいな。」
賢二「げーせん…?何ですかそれ? どこかの星にある何かですか?」
太郎「あ~知らない…まぁその方がいいかもね。 多分、運転任せられなくなる。」
賢二「どういう意味ですか!?」
ライ「ところで、この船の名前は何にするニャ? こういうのは形から入るべきニャ。」
下端「名前ッスか~。どうせならカッコいい名前がいいッスね!」
剣次「ん~、元が「ソボー号」なだけに、「蒼茫(そうぼう)号」ってのはどうだ?」
賢二「そうぼう?それはどんな意味なんですか?」
剣次「見渡す限り青々として広い…あの星のためにあるような言葉さ。」
賢二「地球の…。 そうなんですか、結構いいですね!」
ライ「ふ~ん。 じゃあ、そうと決まれば早速行くニャ! それ行け蒼茫海賊団!!」
賢二「えっ!僕らも海賊なの!?」
下端「船体に大きく書いてあるッスからね、「海賊団」って。 仕方ないッスよ船長。」
賢二「って、当たり前のように「船長」とか呼ばないでよ! 僕は船長なんて…」
太郎「じゃあ僕がやろうか?」
賢二「頑張ります。」

太郎はちょっぴりヘコんだ。

~数日後~
声「あーっ!食い逃げだぁー! 捕まえてくれーー!!」

ダダダダダッ!(逃走)
賢二「ご、ごめんなさいごめんなさい! 全ては貧乏が悪いんですー!」
剣次「いいから走れ賢者殿!捕まるぞ!」
太郎「気にすることないよ。むしろ「海賊」なんだから悪さしてナンボじゃん?」
賢二「それにしてはスケールが小さ過ぎですよ!」
下端「ということは船長、もっとデカい悪事がご希望ッスか!? さすがッス!!」
賢二「いや、そうじゃないけども!」
ライ「ニャッ!あの店先にミカン発見ニャ!」
賢二「だからダメですってばー!!」

もう、こんな生活はコリゴリです。 早くあの学校に帰り…微妙です。

賢二の居場所に平和は無い。

 

第六章へ

本編( 11 / 11 )

第六章

第六章

 

256:始業〔9歳:LEVEL5〕
春…。 9歳になった俺は、今日から六号生として学校に通うことになる。
やはり最後ということで、今年はちゃんと始業式にも出られるよう早起きした。
今まで散々ビビらされた分、ここで校長に仕返しでもしてやらねば気が済まない。
勇者「…なのに、なんでまだ始まらないんだーー!!」
盗子「お、落ち着いて勇者!とりあえずそのマシンガンは仕舞ってくれる!?」
勇者「くそぉ…俺がこの時のために、どんだけ準備してきたと思ってやがるんだ!」
暗殺美「よく考えるさ!校長に一矢報いるなら卒業式でもオッケーなはずさ!」
賢二「た、確かに三時間は待たされ過ぎだけど、きっと何か理由があるんだって!」
姫「きっとポックリ逝っちゃったんだよ。」
盗子「物騒なことをサラッと言わないでよ!」
放送「えー、大変長らくお待たせいたしました。 これより44年度始業式を…」
賢二「あっ、始まるよ勇者君!だから落ち着いて!」
放送「…始めるにあたり、まずは校長先生のお色直しを…」
勇者「結婚式かよ!! つーかまだ一度も登場してねぇじゃねーか!」
姫「じゃあ次はお焼香だね。」
盗子「それは結婚式じゃないよ!?対極に位置する行事だよ!?」
勇者「さっさと出て来やがれ校長!今日は貴様が地獄を見る番だ!!」

~その頃、舞台袖では~
校長「妃后の子…あの子は相当マズいな。もはやマオに汚染されきる寸前だ。」
教師「ハイ。 半身とはいえ、やはり子供には荷の勝ち過ぎる存在のようです。」
校長「…ならば計画は変更だ。早速明日にでも術式に取り掛かれ。」
教師「なっ! で、ですが「霊体封印術」の解読はまだ…!」
校長「仕方ない。「肉体封印術」の方を用い、あの子の肉体ごと封印するんだ。」
教師「しかし…!!」
物騒な計画が動き出した。

 

257:手掛〔9歳:LEVEL5〕
春の行事といえば、まずは遠足がある。 俺達にとっては最後の春遠足だ。
きっと無謀な冒険を強いられるはずなので、気を引き締めてかからねばなるまい。
…などと思っていた矢先、何故かしばらく学校は休みになると告げられた。
これは何か裏があるに違いない。「勇者」の勘がそう言っている。
勇者「というわけで、わざわざ我が家へ来てもらった理由は他でも無い。探るぞ。」
賢二「な、なんでキミは、いつもそうやって自分から危険に飛び込んでいくの…?」
盗子「イヤッ!イヤだよ!今度こそ絶対にイヤァーー!!」
勇者「やれやれ…まぁとりあえず落ち着け。 血子、お茶を。」
血子「あ、うん。 隣のでいい?それともお向かいさん?」
勇者「いや、「おっちゃん」じゃないから。」
賢二「でもさ、探るって言ったって手掛かりは何も…」
声「ふぅ~…ったく、どこ行ったんだあの人は?参ったぜ…。」
勇者「む? どうしたカルロス、誰か探してるのか?」
剣次「うぉっ!? な、なんでもないぜ勇者!別に凱空さんなんか探しちゃいない!」
勇者「凱空!?お前、凱空を知ってるのか!?」
盗子「てゆーか、この辺に住んでる人なの!?」
剣次「だ、だから違うっての! そんなことより勇者、親父さん知らないか?」
勇者「親父が凱空なのか!!?」
剣次「ぐはっ!ウッカリ!!」
勇者「うわっ!ガッカリ!!」
剣次っ!シッカリ!!

 

258:馬鹿〔9歳:LEVEL5〕
うっかり漏らしたカルロスの一言により、なんと親父が「凱空」なのだと判明した。
だがそういや親父は「歴史全書」を知っていた…。いま思えば可能性はあったのだ。
勇者「親父が…そうか親父が…。」
盗子「まさかあの勇者親父が元「勇者」だなんて、ビックリだね!」
賢二「僕は親の名前を知らなかった勇者君にビックリだけどね。」
勇者「…この話はとりあえず後回しでいい。 まずは計画通り学校へと急ぐぞ。」
剣次「いや、悪ぃがここは通せねぇ。 学校はもっと…な、なんでもねぇが。」
勇者「そうか、やはり学校で何かが起こってやがるのか!」
剣次「Σ( ̄□ ̄;)!!」
盗子(ちょ、ちょっとバラし過ぎじゃない?もしかして作戦なんじゃ…?)
賢二(彼はいつでも真剣にお馬鹿さんだよ。)
剣次「恨むなら自分を恨めよな。 全ては事実を知ったお前が悪いんだ。」
盗子「アンタが教えたんじゃん!!」
勇者「ならば押し通る!! 食らえ「刀神流操剣術」、壱の秘剣「一刀両断剣」!!」
剣次「おっと甘いぜ! 絡み合え十字の呪縛!「束縛十字(ソクバクロス)」!!」
勇者は魔剣を封じられた。
勇者「くっ…! さすがはカルロス、一筋縄にはいかんか!」
剣次「ヘッ、お前も腕を上げたじゃねぇか。」
勇者「だがいいのか?こっちにはお前が崇拝する賢二…「賢者」がいるんだぜ?」
賢二(えっ!なんでここで僕が出てくるの!?)
勇者(コイツは単純バカだ、脅せば脅すほど素直にビックリする。お前も脅せ。)
剣次「た、確かに賢者殿には勝てるかわからねぇ…。 だが俺は…!」
賢二「どいてください剣次さん!でないと…必殺魔法「大吹雪」が火を噴きますよ!」
盗子(アホ賢二! いくらハッタリったって、「火を噴く吹雪」ってどんなだよ!!)
賢二(あ゛…。)

剣次「なんてこった!!」
剣次は素直にビックリした。

 

259:真相〔9歳:LEVEL5〕
カルロスが下手なハッタリに驚いている間に、俺はコッソリと我が家から逃走した。
よし、急いで学校へ向かうとしよう。 結局一人になってしまったが、まぁ仕方ない。
勇者「さてと、やはりここは追っ手を撒くため山道から…むっ!?き、貴様は…!」
父「なんだ勇者、父さんの後を追ってきたのか?そんなに父のオッパイが恋し…」
勇者「親父…いや、「元勇者:凱空」か。 貴様は学校じゃなかったんだな。」
父「なぬ!? やれやれ、カルロスもとんだウッカリ者だな…父さんマイッチング!」
勇者「フンッ、狸が。 バレるとわかっていたから、わざわざここで張ってたんだろ?」
父「…そうか、ならば話は早い。 早速本題に入ろうか。」
親父はシリアスモードに入った。
父「もう「歴史全書」は一通り読んだな? じゃあその後日談から聞いてもらおう。」
勇者「できるだけ早く話せよな。また途中で壊れられちゃたまらん。」
父「…マオの半身を己に封じてから約十年後、妃后は一人の子を産んだ。」
勇者「ひこ…確か魔を滅するという「退魔導士」の女か。それがどうかしたのか?」
父「その日を境に、それまで妃后の内にあったマオの邪気が完全に消えた。」
勇者「…ってことは、もしや子供の方に受け継がれたとか?」
父「そう、マオは彼女の子供に乗り移ったのだ。」
勇者「むー。 だがそれは十年も前の話だろ?それで今が大丈夫ならもう…。」
父「いいや。 いくら妃后の子とはいえ、子供の身で耐え切れる程マオは甘くない。」
勇者「どういうことだ?」
父「十年の時をかけ、マオは少しずつ子供の精神を侵食していった。」
勇者「侵食…! ってことは、そいつはもうじきマオに乗っ取られるってことか!?」
父「そうだ。 そしてそうなる前に、その子もろともマオを封じる。それが…」
勇者「それが「隔離計画」の最終目的ってわけか…。」
父「勇者よ。 私がなぜ今、お前にこの話をしたかわかるか?」
勇者「!! ま、まさか…まさかそれは俺…」

父「姫だ。」
勇者「じゃなかった!!」
勇者は読み違えた。

 

260:変調〔9歳:LEVEL5〕
親父の口から語られた、衝撃の真実。 なんと、姫ちゃんの中にマオが居るらしい。
勇者「バッ、バカな! 姫ちゃんは「天使草」を使えるほど純粋なんだぞバカ!!」
父「だが確実に、あの子は蝕まれている。お前は彼女の変調に気づかんのか?」
勇者「変調?そんなものは無い! 姫ちゃんは昔から何も変わっちゃ…」

「よろしくね勇者君、私は「姫」っていうの。」
「…ん? あ!ごめんね、間違えちゃった。 そうだよね、違うよね。」

勇者「そういえば…最初は今ほど寡黙ではなかったかも…。」
父「精神に異常をきたしている結果だ。 そして近年、特にその進行が著しい。」
勇者「だ…だから封印するってのか!?姫ちゃんもろとも!? フザけんな!!」

父「おフザけ大好きぃーー!!」
勇者「時間切れか!こんなタイミングで時間切れか!!」
父「いま学校では封印の準備が行われている。 私はお前を…一生離さない!」
勇者「プロポーズかよ!! どけ!その術は俺が命に代えても阻止してやる!!」
父「ここは通さん!私は父さん! …プッ☆」
勇者「ブッ殺す!!」
父「行かせんぞ! どうしても行くと言うのなら、この偉大な父の屍を越えぶっ!!

勇者の躊躇ない攻撃。
父の威厳は傷ついた。

 

261:反復〔9歳:LEVEL5〕
計画の全貌が明かされ、姫ちゃんが危ないとわかった今、じっとしてはいられない。
さっさとクソ親父を血祭りに上げて、颯爽と姫君を助けに向かってこそ「勇者」だろう。
勇者「さぁ親父、命が惜しくば黙って俺を通しやがれコラ。」
父「私に…父に手を上げるとは…! 後悔してやる!!」
勇者「お前がすんのかよ!させるんじゃねーのかよ!!」
父「フッ、息子に後悔なんぞ絶対にさせない…それが親の使命だ。」
勇者「いや、貴様の子に生まれた時から俺の後悔は始まったぞ。」
父「まぁ、アレだ。 とにかくここは通さんし、私は父さん! …プッ☆」
勇者「ほんとブッ殺す!!」
父「行かせんぞ! どうしても行くと言うのなら、この偉大な父の屍を越えぶっ!!
しばらくコレを繰り返した。
~その頃、勇者の家では~
剣次「荒れた大地も軽やかに駆け抜けろ!「自転十字(モトクロス)」!」
賢二「・・・・・・・・。」
剣次「あ~、何だっけかな~。ド忘れしちまったよ!「十字謎解(クロスワード)」!」
賢二「・・・・・・・・。」
剣次「ぐっ…! 何故だ!?何故こんだけ技出して手応えが無ぇんだ!?」

盗子(…ねぇ、行こっか?)
賢二(うん、そだね…。)
剣次は〔映像〕に夢中だ。

 

262:奥義〔9歳:LEVEL5〕
その後まるでデジャヴの如きやりとりを繰り返し、俺達はようやく戦闘へと突入した。
だが魔剣はカルロスに封じられたため、しばらくは使えそうにない…どうするか。
父「フフッ、どうやらその剣は使えんようだな。 そんな状態で闘えるのか?」
勇者「ケッ! 貴様を撒くくらい、剣など無くてもなんら問題は無いわ!」
父「ほぉ、ならば見せてもらおうか!」
勇者「あっ!水着のネェちゃん!」
父「ナメるな勇者!そんなヌルい手に引っ掛かる父と思ってか!!」
勇者「…が、脱ぎだした!!」
父「なんですと!?」
勇者「くたばれエロ親父!食らえ、謎の秘奥義「鶴の仇返し」!!」
父「ぬっ!木陰に隠れて一体何を…!?」
勇者「私がハタを織っている間…決して中を見るなよこの野郎。」
父「ひ、卑怯な!見るなと言われると見たくなるのが人の性じゃないか!」
勇者「かたかたかった~ん。かたかたかった~ん…。」
父「鳥!?鳥のシルエットが…!? ヤバい、気になる!」
勇者(さぁ見るんだ親父!その瞬間に俺は逃げるがな!!)
なぜこの隙に逃げないのか。
父「うぉおおお!ダメだ、もう辛抱たまらーーん!! …ハッ!!」
勇者「…ついに見てしまいましたね、バカ野郎。」
父「し、しまった!私としたことが、そんな「影絵」に引っ掛かるなんて…!」
勇者「こうなってはもうここには居られねぇ…。さよ~なら~ん。 パタパタパタ~。」
父「あぁ、ゴメンよ鶴さん…私が見ちゃったばっかりに…ってバカ!騙されんわ!!」
勇者「くっ!さすがは親父…やるな!!」
とんだバカ親子だ。

 

263:恨無〔9歳:LEVEL5〕
親父と闘い始めて一時間が経過したが、戦闘は依然として平行線を辿っていた。
するとそんな時、親父が穏やかに語りかけてきた。心理戦でも仕掛ける気だろうか。
父「勇者よ。 仮にここを抜けられたとして、お前は一体どうする気なのだ?」
勇者「何を?決まってんじゃねーか!姫ちゃんの封印を阻止するんだよ!」
父「だがそうしたところで、いずれ彼女はマオのモノになるのだぞ?」
勇者「バカを言うな!姫ちゃんは俺とくっつくんだ!」
父「いや、そういう意味じゃなくてだな。」
勇者「大丈夫!こういう時は結構なんとかなるのが世の常だ!」
父「だがもしならなかったら、マオが復活して世界はおっかなびっくりだぞ?」
勇者「そんな時に無理矢理なんとかするのが「勇者」の役目だ!任せやがれ!」
父「…そうか、もはや話し合いでは解決せんようだな。」
勇者「ああ。 とうわけで…こうなったら”アレ”で決めるしかないとは思わないか?」
父「なるほどな…。 いいだろう!だが負けても恨みっこ無しだぞ!?」
勇者「無論だ! じゃあいくぞ!!」

勇者「ジャン!!」
父「ケン!!」
意外と簡単な方法だった。
父「ブフォン!!
息子の急所攻撃。
親父はムスコに痛恨の一撃を受けた。

 

264:親心〔9歳:LEVEL5〕
幻の禁じ手を繰り出し、なんとか親父に勝利した俺。 後味は悪いが勝ちは勝ちだ。
父「あぅ…う゛がぁ…。」
勇者「悪く思うなよ親父、恨むなら自分の教育方針を恨んでくれ。」
父「ま゛、待で…勇者…。」
勇者「学校までは恐らく二十分…急がねばマズいな。 よし、猛ダッシュだ!」
父「ぐ゛っ……がふっ。」
勇者は父の屍を乗り越えた。
声「オイオイ…人にあんだけ釘刺しといて、結局アンタの答えはそれかよ?」
父「む゛っ…お゛、おぉカルロスか。油断したらこのザマ…情けない話だ。」
剣次「ヘヘッ、嘘つくなよ凱空さん。本気出しゃガキなんて一捻りだろうに。」
父「…まぁ、息子に後悔なんぞ絶対にさせないのが…親の使命だからな。」
剣次「それで世界が滅びようともか?フッ、随分と無責任な「勇者」だなアンタも。」
父「息子の天命に賭けてみたくなった。最後には親のエゴが勝ってしまったよ。」
親父はカッコ良く締めようとした。
剣次「立てるか?」
父「ダメかも…。」
だが失敗した。

 

265:激怒〔9歳:LEVEL5〕
重傷を負った親父を残し、俺は学校へと向かって走った。そして間も無く到着だ。
途中、カルロスを振り切ってきたという盗子達とも合流。事の顛末も軽く説明した。
勇者「というわけで、恐らく先公が最大の敵となるだろう。 覚悟はいいか?」
盗子「し、死ぬのはイヤだけど…そういう事情ならしょうがないよね!」
賢二「あっ!学校が見えてきたよ! 校庭に誰かいる!!」
勇者「その儀式、待ったぁーーー!!」
教師「えっ、勇者君!?なぜキミがここに…!?」
勇者「姫ちゃんを守るため、貴様を倒しにやって来た!大人しく死にやがれ!!」
教師「…やれやれ、凱空さんも困った人だ。 やはり彼も人の親でしたか。」
姫「ゆ、勇者く…えぐっ。」
勇者「姫ちゃん、泣いて…泣いてるのか!? 先公ぉ、貴様ぁあああああ!!」
勇者は教師に斬りかかった。
姫「うぐっ、えぅっ…。」
賢二「えっと、えっと、どどどどうすればいいのかなぁ…!?」
盗子「も、もう大丈夫だよ姫! だから泣かないで!ね?」

姫「しゃっくりが止まらないよ。」
盗&賢「紛らわしいよ!!」
勇者は死に急いだ。

 

266:無敵〔9歳:LEVEL5〕
姫ちゃんを救うべく颯爽と現れた俺だったが、不覚にも先公にボコボコにされた。
やはりコイツは人間じゃない。 まさかこの俺が、こんなにアッサリやられるとは…。
勇者「うぐっ…! そ、そんな杖ごとき…に…!!」
教師「フフッ、まだまだ甘いですねぇ勇者君。剣なら勝てるとでも思ったんですか?」
盗子(あ、あの勇者が赤子扱い…。 やっぱヤバいよ!絶対勝てっこないよ!)
賢二(だったら、先に術式を行う「術士」を狙った方がいいかもね!)
教師「ほぉ~、私を狙うとはいい度胸ですねぇ。」
盗子「なんで聞こえてんのさこの地獄耳ーー!! って、先生が術士なの!?」
賢二「えっ!? でも先生は「幻魔導士」であって「魔法士」じゃなはっ!?
〔獄炎殺〕が賢二の頬をかすめた。
教師「おや?幻魔導士は幻魔術しか使えない…とでも?」
賢二「ぎょ、ぎょへぇええええ!!!」
盗子(そうだ!この隙に杖を奪えば…! よし、「盗賊の腕輪」を付け…アレッ!?)
教師「コレをお探しで?」
盗子「う゛ぇえええっ!!?」
この敵に死角は無い。

 

〔獄炎殺(ごくえんさつ)〕
魔法士:LEVEL50の魔法。(消費MP50)
地獄の業火で敵一体を焼き殺す高等魔法。どんなお肉もたちまちウェルダンだ。
 

 

267:絶望〔9歳:LEVEL5〕
全てにおいて俺達の上を行く先公。 もうこれ以上打つ手は無いのだろうか…。
教師「フフッ。 万能無敵のこの私に勝つなんて不可能ですよ。諦めてくださいな。」
盗子「もう…ダメなのかな…。」
勇者「だったら! だったらなんとかできないのか!?万能なんだろオイ!?」
教師「あ゛…。」
賢二「何か他の方法は無いんですか!?ホントにそれしか無いんですか先生!?」
教師「…マオだけ封印できる術さえ解読済みだったら、コレを使えたんですがね。」
盗子「な、ナニその怪しげな液体!?」
教師「私が長年かけて作った「魔法薬」です。コレなら強制的にマオを追い出せる。」
勇者「それが前に言ってた魔法薬…。 じゃ、じゃあ頼む!それを姫ちゃんに…!」
教師「…ダメです。 マオを再び世に放つわけにはいきません。」
勇者「そんなっ…!」

姫「結構苦いね。」
教師「そんなっ…!!」
姫はいい飲みっぷりを見せた。

 

268:復活〔9歳:LEVEL5〕
死角は皆無かと思われた先公だったが、姫ちゃんにアッサリと意表を突かれた。
すると数秒後、彼女の中から黒い霧のようなモノがこんにちは。 恐らくコレが…!
姫「あうぅ~…。(パタッ)」
勇者「ひ、姫ちゃん! 大丈夫か!?平気か!?お元気か!?」
盗子「大丈夫!気を失ってるだけ…ってゆーか、スヤスヤ寝てるよ!神経太っ!」
霧「ふぅ~、やっと出られたよ~。」
勇者「…貴様がマオか?」
マオ「うん、そうだよ。」
「霊獣:マオ」が現れた。
姫の影響が少し残っている。
教師「な、なんてこと…恐れていたことが…。」
マオ「困っちゃったね。」
盗子「アンタは別に困んないよ!?」
姫の影響が色濃く残っている。
父「うわぉ! ふ、復活しとるぅーー!!」
勇者「あ、生きてたのか親父。意外とタフだな。」
マオ「久しぶりだね、「勇者」の人。 相変わらずウザい感じだね。」
父「お前は何か…雰囲気が変わったな。」
マオ「正直、自分でも戸惑ってるよ。」
賢二(やっぱり不本意なんだ…。)
盗子「あっ、そうだ!復活しちゃってもさ、体が無ければ悪さはできないんじゃ…!」
マオ「問題無いよ。 もう新しい器…その資格持つ者の、邪悪な波動は感じてるよ。」
一同「!!!」
みんな一斉に勇者を見た。

 

269:撤収〔9歳:LEVEL5〕
ついに復活したマオ。そして俺を見守るみんな…って、なんで俺を!?俺が何を!?
勇者「オイ!なにこっち見てんだよテメェら!?ブッた斬るぞ!!」
賢二「いや、僕達は…別に…。」
盗子「も、もしも強い強い勇者が乗っ取られたら大変だなぁ~って、ね?」
父「その点は安心していいぞ。マオは合意無き者に憑依することはできん。」
勇者「じゃあなんでお前までこっち見たんだよ!?」
父「…見ろ勇者、一番星だ。」
勇者「ありゃ太陽だよ!!いい加減自然な誤魔化し方を覚えやがれ!」
マオ「さて、これ以上時間潰すのもアレがアレな感じだし…そろそろ行くよ。」
教師「ま、待ちなさい!アナタをこの島から出すわけには…!!」
マオ「それができれば苦労は無い…。 そうだよね、先生?」
教師「くっ…!」
勇者「まぁいいさ。 俺に倒されるまでの僅かの命…せいぜい楽しむがいい。」
マオ「じゃあ毎日お祭りするよ。」
盗子「そりゃ楽しみすぎだよ!!まぁ世界滅亡よりはマシだけども!」
マオ「毎日が「後の祭り」だよ。」
盗子「そんな悔やまれる毎日は楽しくないよ!?」
賢二「なんかキャラに威圧感が無さ過ぎて、こっちも恐怖におののきづらいよね…。」
マオ「んじゃ、もう行くよ。 でもサヨナラは言わないよ。」
勇者「ああ。きっとまた会える。」
盗子「いやいやいや!それは友情を伴う場合の別れ方だよ!?」
マオ「あ~。 じゃあ…待ってる!私、待ってるから!!」
勇者「三年経ったら迎えに行く!」
盗子「愛し合ってるの!?」
マオ「というわけで、サラバだよ脆弱なる者ども! またねー☆」
マオは妙に軽いノリで去っていった。
盗子「行っちゃったね…「緊迫感」の「き」の字も残さずに…。」
賢二「でも代わりにホラ、「脱力感」がこんなに…。」
勇者「気を抜いてる余裕は無いぞお前ら。俺達が今すべきこと…わかってるだろ?」
賢二「…大丈夫、わかってるよ。」
盗子「アタシもわかってる。」

父「・・・・・・・・。」
教師「・・・・・・・・。」


「逃げるぞ。」「うん。」
三人は翌朝、海岸に打ち上げられた。

 

270:旅立〔9歳:LEVEL7〕
マオの半身が姫ちゃんから解放されて半年後、世界は再び闇に沈みつつあった。
奴と結託した者の名は、「魔王:ユーザック・シャガ」。とんでもない化け物だと聞く。
現在そいつは「メジ大陸」を拠点とし、残りの四大陸にも勢力を広げているらしい。
父「…行くのか、勇者よ。」
勇者「ああ。」
そんな中、俺は大陸への旅立ちを決めた。 なぜなら俺は「勇者」だからだ。
勇者「じゃあな親父。 帰ってきたら貴様を殺す…忘れるなよ?」
父「ハッハッハ! お前ごときがこの私を倒せるかな?」
教師「さぁ勇者君、そろそろ行かないと夜が明けてしまいますよ。」
勇者「それにしても、貴様らが止めんとは驚きだな。絶対止めると思ったんだが。」
教師「もはやマオは解き放たれた…こうなった以上、誰かが止めねばなりません。」
勇者「お前らも相当強いんだろ?自分が行こうとは思わないのか?」
教師「面倒です。」
勇者「言い切るなよ…。」
父「過保護が過ぎると強い子は育たんからな。ここは若い世代に任せるべきだ。」
教師「マオの半身たるキミを死地へ向かわせるのは、やはり少々心配ですが…ね。」
勇者「安心しろよ先公、俺はマオに乗っ取られる程ヤワじゃない。ナメんなコラ。」
父「お前の場合、なぜか妙に同調している。何か面白い結果が出るやもしれんな。」
教師「そうですね。そこに賭けているからこそ、キミを行かせるようなものですよ。」
勇者「フッ、ホントは他にも何か企みがありそうだが…まぁいい。時間も無いしな。」
父「「ギマイ大陸」へ行くことがあったら、「終末の丘」に寄れ。母さんの墓がある。」
勇者「…わかった。チョメ太郎や血子の世話は頼んだぞ。」
父「うむ。行ってこい。」
あのあと親父から聞いた話によると、俺は親父と終との間にできた子供らしい。
氷中の終に次第に惹かれ、見惚れてたら熱視線で氷が溶けたとか言ってたっけ…。
そんなバカな話があるかとは思ったが、まぁあの親父に何を言っても仕方あるまい。
たとえ親がなんであろうと、自分がなんであろうと、俺は行くんだ。 なぜなら俺は…
盗子「ゆ~うしゃ、こんな夜更けにどこ行く気~?」
勇者「と、盗子!? なぜお前がここに!?」
賢二「水臭いよ勇者君、サヨナラも言わずに行こうとするなんて。」
勇者「賢二!それに姫ちゃんまで…!」
姫「ゴメンね勇者君、あのとき私が苦いとか言っちゃったから…。」
勇者「も、問題は「飲んじゃった行為」なんだが…。 いや、あれで良かったんだ。」
賢二(マオが抜けても、やっぱ基本は天然なんだなぁ姫さんて…。)
勇者「すまんなお前達、こんな時間にわざわざ見送りに…って、何だその荷物は?」
姫「んとね、勇者君が行くなら私も行くよ。そのための「療法士」だよ。」
盗子「旅にはお金も要るよね~。だったら「盗賊」は必要じゃないかな~?」
賢二「きっと中には剣を通さない敵もいるよね。「魔法士」は重宝すると思うよ。」
勇者「お、おまえら…。」

勇者「断る!!」
三人「えぇっ!?」

勇者「…だが、どうしてもってんなら連れてってやる!」
盗子「あっ…☆ う、うん!!」
賢二「なんだかうまいこと立場を逆転されちゃったね…アハハ。」
姫「修学旅行だね☆」
盗子「あ、それいいかも!」
勇者「よーし野郎ども、家に帰るまでが修学旅行だ! 死んでも帰るぞー!!」
三人「オォーーー!!」


なぜなら「俺達」は、「勇者」だからだ。

こうして勇者達は旅立った。



行く先に何があるのか、それはわからない。
行く先で何が起こるのか、それはわからない。

だがそれでも、勇者は行く。


未開の荒野を、勇者が行く。
まだ見ぬ明日を、勇者が行く。
邪魔する者はブッた斬り、勇者が行く。



勇者が行くのだ。







〔キャスト〕

勇者
賢二
盗子


宿敵 霊魅
弓絵 暗殺美
邦壱 巫菜子
銃志 武史
芋子
峰夢's 余命一年之助
法足 栗子
寒来 土男流
案奈 博打
美風 歌憐
メカ盗子 血子


ユーザック・シャガ(魔王)
麗華
戦仕

勇者義母 校長 ペルペロス
ゴップリン オナラ魔人 女医
スイカ割り魔人 太郎(ビブ) 剣次(カルロス)
洗馬巣 黄錬邪 群青錬邪
桃錬邪 ベビル 海竜
古館 美咲 魔王母
華緒 黒猫
ライ・ユーザック 下端 総大将(義勇軍)


チョメ太郎
教師
勇者父(凱空)





その他の適当な人々








〔ナレーション〕

オチの人







〔キャラクターデザイン〕

画家







〔キャラクター提供〕
(登場順・敬称略)

ゴリガン(暗殺美) てん(邦壱)
妖狐(巫菜子) Clown(銃志)
柳瀬あき(武史・美風) 匿名希望(芋子)
こよまま(白) せもし(峰夢's)
ささ(余命一年之助) SHINTA(栗子)
ほっけ(寒来) ワフ(土男流)
minami(案奈) ムラサメ(博打)
ゴウ(歌憐) 小倉優子(メカ盗子)








〔スペシャルサンクス〕

読んでくれやがった全ての雑魚ども












盗子「ギャー!出たー!何か変な怪獣が出たぁーー!!」




勇者「チッ…! 舵取りは任せたぞ賢二、コイツは俺が殺る!!」




賢二「はわわわ!え、えっと!面舵イッパイイッパイ!!」




姫「大丈夫だよ、傷は私が治すよ! むー、「転覆」!!」






一同「うわぁあああああああああああああ!!








〔制作・著作〕

創造主

























つづく。


勇者「続くんかい!!」

「第一部:完」だ。

 

第二部へ

付録( 1 / 2 )

登場人物

登場人物

 

〔勇者〕

 

 

 

〔勇者父〕
 
 

 

〔勇者義母(?)〕

 

 

 

〔チョメ太郎〕
 
 

 

〔賢二〕

 

 

 

〔校長〕
 
 

 

〔教師〕

 

 

 

〔盗子〕
 
 

 

〔姫〕

 

 

 

〔ペルペロス〕
 
 

 

〔謎のお助け仮面「父さん」〕
 

 

〔宿敵(ライバル)〕

 

 

 

〔ゴップリン〕
 

 

〔霊魅(れみ)〕

 

 

 

〔オナラ魔人〕
 

 

〔女医〕

 

 

 

〔弓絵〕
 

 

〔スイカ割り魔人〕

 

 

 

〔太郎〕

 

 

 

〔剣次〕

 

 

 

〔ユーザック〕

 

 

 

〔暗殺美(あさみ)〕
 
 

 

〔邦壱〕

 

 

 

〔巫菜子(みなこ)〕
 
 

 

〔巫菜子(裏)〕

 

 

 

〔銃志〕
 
 

 

〔武史〕

 

 

 

〔芋子〕
 
 

 

〔白〕

 

 

 

〔峰夢's(ホームズ)〕
 
 

 

〔洗馬巣(セバス)〕
 
 

 

〔余一(余命一年之助)〕

 

 

 

〔黄錬邪〕
 

 

〔群青錬邪〕

 

 

 

〔法足(ハッタリ)〕
 

 

〔桃錬邪〕

 

 

 

〔栗子〕
 
 

 

〔ベビル〕

 

 

 

〔寒来(サライ)〕
 

 

〔土男流(どおる)〕

 

 

 

〔案奈〕

 

 

 

〔海竜〕
 
 

 

〔博打〕

 

 

 

〔美風(みか)〕
 
 

 

〔歌憐(カレン)〕

 

 

 

〔古館(フルカン)〕
 
 

 

〔麗華〕

 

 

 

〔美咲〕
 
 

 

〔メカ盗子〕

 

 

 

〔戦仕〕
 
 

 

〔血子(ちのこ)〕
 
 

 

〔魔王母〕

 

 

 

〔鴉(カラス)〕
 
 

 

〔華緒(はなお)〕

 

 

 

〔黒猫〕
 

 

〔ライ〕

 

 

 

〔下端(カタン)〕

 

〔総大将(義勇軍)〕
 
 

付録( 2 / 2 )

魔法&特技

魔法&特技

 

〔殺意(さつい)〕
勇者:LEVEL1の魔法。(消費MP0)
恨みつらみのこもった魔法。使うと親父の顔が脳裏をよぎる。ただそれだけ。
 

 

〔妥協(だきょう)〕
勇者:LEVEL1の魔法。(消費MP1)
こだわりをある程度緩和。野菜炒めが多少しょっぱくても我慢できる。
 

 

〔絶壁(ぜっぺき)〕
魔法士:LEVEL5の魔法。(消費MP5)
絶壁を出現させ、攻撃を1・2回防ぐ魔法。だが術者が使用レベルに満たないと…。
 

 

〔死滅(しめつ)〕
魔法士:LEVEL50の魔法。(消費MP70)
敵一体を死に至らしめる高等魔術。だが熟練の術士でも成功させるのは難しい。
 

 

〔応変(おうへん)〕
盗賊:LEVEL2の特技。(消費MP0)
一瞬で考えをアッサリ変える。アッサリというか、むしろチャッカリ。時としてウッカリ。
 

 

〔灼熱(しゃくねつ)〕
魔法士:LEVEL2の魔法。(消費MP2)
熱い日差しが降り注ぐ夏の魔法。こんがり焼けてビーチでモテモテだ。
 

 

〔飛翔(ひしょう)〕
魔法士:LEVEL5の魔法。(消費MP3)
味方1グループを垂直上昇させる魔法。 飛んで飛んで飛んで、回って回って回る。
 

 

〔束縛(そくばく)〕
魔法士:LEVEL1の魔法。(消費MP2)
敵一体を縛り上げ、自由を奪う魔法。あんまり強いと恋人に嫌われる。
 

 

〔治療(ちりょう)〕
療法士:LEVEL2の魔法。(消費MP3)
味方一人のHPをいくらか回復させる魔法。 痛いの痛いの飛んでく~。
 

 

〔映像(ビジョン)〕
魔法士:LEVEL6の魔法。(消費MP10)
思い浮かべた物体を、立体的に映し出す魔法(静止像)。 エッチな男は夜に使う。
 

 

〔全滅(ぜんめつ)〕
賢者:LEVEL50の魔法。(消費MP200)
敵全体を死に至らしめる超高等魔術。だが熟練の術士でも大抵失敗する。
 

 

〔忍耐(にんたい)〕
勇者:LEVEL3の魔法。(消費MP4)
我慢強さが上昇するド根性な魔法。お風呂が多少熱くても水で薄めないで入れる。
 

 

〔砲撃(ほうげき)〕
魔法士:LEVEL5の魔法。(消費MP8)
砲弾等を撃ちっ放す魔法。反動や着地の問題上、人間に使うなんてそんなバカな。
 

 

〔鉄壁(てっぺき)〕
魔法士:LEVEL7の魔法。(消費MP8~∞(※維持したぶん消費する))
一定時間鉄壁の守備を誇る。ペナルティーエリア外からのシュートは決めさせない。
 

 

〔雷撃(らいげき)〕
魔法士:LEVEL20の魔法。(消費MP32)
「雷雲」「雷光」「雷鳴」に次いで唱えることで、敵一体に強烈な雷を落とす魔法。
 

 

〔雷雲(らいうん)〕
魔法士:LEVEL4の魔法。(消費MP8)
黒々とした雷雲を呼び寄せる魔法。良く晴れた日に使うと全国の主婦に嫌われる。
 

 

〔雷光(らいこう)〕
魔法士:LEVEL5の魔法。(消費MP8)
目がくらむ程の雷光が閃く魔法。カツラのオヤジは一瞬焦る。
 

 

〔雷鳴(らいめい)〕
魔法士:LEVEL6の魔法。(消費MP8)
耳をつんざく雷鳴が轟く魔法。下痢気味の敵は精神的に追い詰められる。
 

 

〔獄炎殺(ごくえんさつ)〕
魔法士:LEVEL50の魔法。(消費MP50)
地獄の業火で敵一体を焼き殺す高等魔法。どんなお肉もたちまちウェルダンだ。
 

 

 
創造主
~勇者が行く~(1)
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