ラスボスの思想(1)

 ここで言いたいことは、人というものは、かなり頭がいかれている、ということではなくて、人は、時間に対する意識をなくした時でも、必死になって生きていくのだろうか?ということです。

 

 現実では、人は明確な寿命を知りませんが、”必ず死ぬ”ということは知っています。だから、今を、一生懸命に生きて、エンジョイするのです。

 

 仮に、”人は永遠に生き続ける”とするならば、どうなるのでしょうか?人は、喜ぶでしょうか?それとも、逆に、発狂して、自殺する人たちが増加するでしょうか?

 人は、時間を創造し、その時間に規制され、もがき苦しみます。だからと言って、時間を捨て去ることはできません。人は、犬や猫のように、今だけに生きることができないのです。時間があるために、過去に生きたり、未来に生きることになるのです。

 

 永遠に、人は、時間という呪縛から逃げ出すことはできません。でも、予知できない死が待ち構えているからこそ、今を幸せと感じることができるのではないでしょうか?

 

春日信彦
作家:春日信彦
ラスボスの思想(1)
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