エボリューションマン -英雄達の峡谷-

 自然の摂理か、勝つ為の論理か、怪物達は、弱い生き物にいわゆる人間に攻撃の的を絞りつつあった。
  弾もミサイルも体をすり抜けて行く。
 汗や冷や汗や血が流されてゆく。

  気持ちでは・・・闘う精神という物に関しては、負けていない人間だがひたすら攻められていた、囲まれていた、追い込まれていく。  
  その時・・・・・・気を引かれる程の轟音に聴覚や視覚を奪われる。

  目標への道中ナックナック(片足をリアフェンダーの上から反対側に回すアクション)をしたり、スーパーマン(両足を後ろに突き出してマシンの腹這いになるアクション)をしたり、テーブルトップ(マシンを真横に寝かすアクションジャンプ)をしたり、ヒールクリッカー(両足をハンドルバーの上に回し、カカトをくっ付けるアクションジャンプ)をしたりして上下左右から試してみた。 自由に遊んでいたのだが壊したりもしていた。


  後輪が現在から異次元へ、異次元から現在へと現れたり、消えたりする。 ビルの壁面や路上にシャネルのマークやヴィトンのマークを書いたりもした。
 (初めてで上手くマシーンを操れないや・・・・・・!?・・・ヘヘッ(汗))
  遠くからバイクのエンジン音!?が人間と怪物の戦闘の渦に近付いて行った。
  一匹に成ったり、二匹に成ったりとタイヤ!?を出していく。

  怪物達は、振り返り、動きを止めて見ていた。
  エンジン音が五月蝿く成って轟音に変わったからだった。
 コントロールが利かず、振り回されるマシーン。
 走りながら、修理をするのに部品を吸い寄せたり、異空間から、収集したりした。 創られていく。
 後部タイヤ・エンジン部・フレーム・・・etc等が突如周辺外部や異次元!?から集まり、引っ張る力で敵にビルや道路の混砕が飛んで行った、最後にフロントタイヤがくっ付いた。
 それは、フリスビーをジャンプで食わえ取った犬みたいだった。

 サイドステップを蹴り落とし、足裏で押さえた。
  強い圧力がタイヤや本体に掛かり、アスファルトが粉砕され多くの岩石が怪物達に襲い掛かった。
 彗星が落ちたみたいに凄まじい勢いで物が飛散して行く。
 空中に横回転しながら、バイクが岩石と一緒に飛んでいく。

  怪物達のピンがボーリングの玉に当たったみたいにねずみ算式に玉砕されて吹き飛ばされていった。

  キキーッ、ブルルン〜、ブルルン〜。 ウィーン。 未来の流線型円盤バイクの扉が開かれる。
「ア〜、ア~ッ、ビックリした〜。・・・オッカネ〜、いう事を聞かないし、暴れ過ぎだよ〜、フ〜・・・・・・!?  よ〜、大丈夫か〜い」
  目の前には、人間達がいた。
 
 ジビ〜、ジッビ〜。 バイクの下には、眩しげに光る投網みたいな物が付いていて微粒子に変わった幽霊状の怪物達を逃げない様に包み混んでいた。
  警告や見せしめをするかのように右足を下ろす。
 網が色々な色に点滅する。

「おー、出てきたか!?」
「あれが、この星の救世主か!?」
「ふ〜ん、なかなかやるねー。  ド派手な登場で!?」
  黄緑の目が輝いていた。

 その時、指令室では、電波を逆探知!?されたり、ハッキング!?されたりして、敵!?から強制的にホログラフィーを送られて来ていた。
 画像が映し出される。
「あ~あっ・・・・・・何という事・・・・・・我々がたどり着くのが少し遅かったみたいですねっ・・・・・・!?」

 人々に対して時に優しく包み込むような、時に訴えるような、時に方向づけるような熱い喋り方を続けて行く。

「・・・・・・簡単にもっとも判りやすくいうと私達は、あなた方の敵では、ないんです・・・・・・味方なんです!?・・・・・・」

「・・・・・・私達は、あなた方の未来の姿なんです!?・・・・・・信じてほしい我々を・・・・・・それが一番 早い・・・・・・」

「戦う事を憶えた、運命の潜在記憶や潜在能力を甦らせた、学び続ける事で一線を越える力を持った、生き続ける力を憶えた人類なんです」

「数日後に 巨大な宇宙の中の最高の知的生命体であり、最悪の破壊生命体が、この星にやって来てあなた方に勝利し、星を支配される事に成っていた筈だったんです。
 だから私達が最悪の結末を出す前に一人でも多く優れた生命を未来に残す為に、我々が先にこの星に来る予定だったんですが、どこかで歯車が違って、結果的に敵の方が早く来て侵略を始めてしまっていた・・・・・・しかし、 同士達よ、まだ遅くは、ないんだ。 今ならまだ間に合う。 優れた人類・能力・祖先を残す為に。  さあ~、みなさん、共に助け合おうじゃないですか・・・・・・!?・・・・・・これからが、『セカンド ミッシング リンク』なんですよ!?・・・・・・」
 ポログラフィーの人間!?が両手を広げる。

「・・・・・・我々は、長い間 戦い続け、また逃げ続け、考え、話し合い、結論を出し、計画した結果が今なんです。 ・・・・・・敵のUFOを奪い、宇宙に逃亡したのです・・・・・・」

「信じられないかもしれませんが・・・・・・この地球は、我々のテスト星の一つなんです・・・・・・いちじるしい進化をとげ見事に《合格》した星なんです・・・・・・我々と共に新たなる発展を築いては、行けないものか・・・・・・敵には取られたくないんです・・・・・・滅ぼされたくは、ないんです・・・・・・」

「お~と、おじゃまするよ・・・・・・相変わらず上手く話しをしていくもんですね。 サービス業なら、業績もアップしていきますよ」

「何を言っているんですか、あなた方は、無礼ですよ・・・・・・何者なんですか・・・・・・!?」
 この会話を疑問に思って素知らぬふりをして耳を澄まして聞いている人間だった。
「ハッハ~、先に攻撃させておいて後から上手く会話をして助け、相手を信じさせ、それから全てを奪い取る・・・・・・相変わらず上手ですよね~・・・・・・この星でイエス キリストで真面目に布教活動でもする気だったのかなっ!?・・・・・・それとも また昔みたいに『遊びますか』・・・・・・」
 長い間 静かな時が続く。

「・・・・・・ま~いいでしょう!?・・・・・・」
「フッ・・・・・・後で後悔をしても知らないですよ」
「どうぞっ」

 腹の内を見せていく。
「・・・・・・生きている物 みんな歯車の一部でしょ!?・・・・・・」
「それは、違うと思うな。 人間や我々の考え方の中には、永久的に心に残る事が出来るという考え方もある・・・・・・」
「それに愛という見えない力もある事は、確かな事・・・・・・」
「貴方がたの考えが解らない!?・・・・・・くだらない?・・・・・・続けて行きましょうお互いが滅びるまで・・・・・・」


※「⊆∠〓ыξБ£Θ∇・・・・・・」
(この種族は、闘い合い、滅ぼして行く種族。  しかし、知能が高く、進化し続け行く民族。  短所も長所も魅力あり。 危険度・高。 先行き度・合格  生き行く道を教え、乗り越えさせて行く力を学ばせる。  そして試練を与え、乗り越えられない世界を勉強させ乗り越えさせる。   そして『セカンド ミッシング リンク』に突入させていく。 成功したら、それを奪えばいい)

 飛行機を九等分にし、機体を今までよりも変形する事が出来、急旋回、急下降、急ブレーキや急加速が出来る 人間の最新型戦闘機が怪物達に攻撃をし始めた。
  空を見上げる魔物達。
  ワイヤーロープを内部に持つ透明な混合怪物が、戦闘機を見て右人差し指を空に向かって上げ目蓋を閉じた。
  消える!?

  戦闘機のパイロットが突然 木のつるや赤や白の電気のコードや鉄条網に襲われた。 まゆの綿みたいに幾重にも巻かれ、膨らんでいく。
「オワーッ、ワーッ、タ・ス〜・・・!?」
キャノピー(操縦席の上の透明な円形の蓋)のガラスが、割られトゲだらけの種が機を奪った。
操縦不能状態に成り、枯れ葉のように舞い、スクリューし、乱舞しながら、弾を乱射、他の戦闘機を巻き込みながら、何機かで落下して行った。

  マキビシの魔物も空を見上げて戦闘機にロックオンし、消えた!?

  何機かでグループで飛んでいる中で、戦闘機!?が、彼方から編隊に加わろうと近寄ってきていた。 敵のむく鳥の集団!?とは、誰も知らず。
  一機がニアミスで前に出た。
「オイッ、ぶつかるぞっ! 近すぎるぞっ!?」
  戦闘機が散らばっていく一瞬、むく鳥の集団!?は、微生物アメーバ型のスクリーン(SFXのグリーンバック合成)に変化し、宇宙を描いたのだった。 
「ナニッ・・・・・・!?」
  パイロットが不思議に思った瞬間には、戦闘機は、次々とぶつかり、爆発をして落ちていった。

 その時だけ戦争は、止まった、静けさを漂わせる。 

 ゆっくりとマグママンとトラップマンが歩み出て来てエボリューションマンの前にたった。

 右手で撃つ真似をした。 大きな爆発と共にバイクは、凄まじく燃え上がる。 そしてマグママンは、微笑んだ。 

 しかし、次の映像を見た時 また微笑んだ。 炎の中から、エボリューションマンが歩み出て来たからだった。

「五月蝿いんだよっ」 トラップマンが怒った口調で左人差し指を飛んで来たヘリのアパッチに向け、星★印を描いた。 ヘリは、少し変な動きをして星状に斬られて分解し、爆発し、撃沈させられた。

(・・・来いッ・・・・・・戦おうぜッ・・・) マグママンが右手でエボリューションマンを招く。 

ウ〜〜〜ンンン・・・・・・!? 再度、爆撃を投下する合図みたいな空襲警報みたいな大きな音が響き渡った。 
 内外にいる兵士や怪物達、みんなが空や辺りを見渡した。
「フッ・・・」 化け物兵士達は、言葉に出さず、口元を上げ、あざ笑っていた。 

「オ〜、ナンダ〜アレッ・・・・・・!?」
 みんなが声のする方を見て、男性の指差した先を見た。
 本部の紅一点の彼女が小さく短くささやく。
「・・・・・・マブシイ“シャンデリア”!?みたい・・・・・・」  地震みたいに上下左右の振動が全くなくUFOが地下から地上に上がって来ていた。
 物体同士が半透明ですり抜けてゆく。 あり得ない・・・・・・!? しかし、美しかった。 夢を見ているようだった。

  宇宙の見知らぬ惑星。
「┳⊿щы∠・・・・・・!?」
(何・・・、嘘だろ・・・・・・あれは、代々受け継がれて来た伝説だろ~・・・・・・!?)
  瞬きをした時には、七色に光る流れ星は、見えなく成っていたのだった。  
 仲間に話をし始める。 
「・・・・・・本当じゃよっ、わしゃ~見たんだよ・・・・・・この目で・・・・・・語り継がれて来た宇宙伝説時に流れる星を~!?・・・・・・」
「・・・そ~か、そ~か、まあ飲めや、いい酒を・・・ほれほれっ・・・いい夢!?を見て幸せに成ろうやお互いにな~・・・・・・」

 最も難しいS級バーチャルハーフパイプで遊んで体を暖めて練習していた。
 青いランプがつく。
「おっ、来たね~」  軽く微笑んでいた。
  上には、ビルに住み着いた怪物が、下には、獣と機械の半身の化け物 ナマケモノが暴れ回っていた。
「ヨッシャッ・・・・・・そろそろ行くか!?」
  片足にエアーボードをはめて気合いを入れて構えていた。  前屈みに成り、垂直に下に向き、空中に身を投げ出す。

  四つのビルをモーグルのコブのようにエアーボードを使って建物の壁や中を壊しながら、下って行った。
  中空を長く飛び、スピードをつけ、一気にビルに当たり、跳ね返った勢いで逆さに成り、上45度に飛んだ。 意表をついて中空を舞い飛び、ビルに住み着いた怪物目掛けて吹っ飛んでいく。
  すると怪物が目からレーザービームを撃って来たのだった。 自らバリアを張り、ビームをコブの代わりにして近寄って行く。 顔手前でジャンプして後頭部、脊髄、股を貫いていった。
 怪物は、轟音や火柱を立て爆発した。 一匹また一匹と魔物を倒していく。

  今度は、重力のある方にナマケモノの怪物にロックオンする。 敵は、大きく鋭いツルハシを口みたいに器用に早く乱雑に動かしていた。 正直 危ないタイプ。 
  初めは、ボードで顔を蹴ったり、胴やツルハシを蹴ったりしていたが、状況は、全く変わらず、考えた末 今度は、ビルを壊さずに透明人間のようにビル内の空中を滑って行った。  最速状態にし、暴れているナマケモノの額を点で貫く。

  怪物の動きが止まって今度は、重力に反して横に壁面と平行にビルを飛び、モーグルして行った。
  最速で怪物の土手っ腹をブチ破る。
  すると怪物は、各々の場所で少しずつ爆破していき、最後には、ビルに体をあずけ、ビルごと倒壊していった。 
「ヨッシッ、また一つお仕事終わりかな・・・ヘヘッ」

迷 彩映 (mei saiei・メイ サイエイ)
エボリューションマン -英雄達の峡谷-
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