空なる我  下巻

  最後に

< 最後に>

ここまで書いて来まして、未だ検討すべきものが一つ見つかりました。

それは、般若心経の最後の「 即説呪曰 」以降の文章です。

これもまた、今までのように、私の独自な解釈でして、仏典の詳しい解説をお求めの方は、ほかのブログなり動画なり、あるいは図書館の蔵書をこ参照ください。

さて、これ以降の漢字をここに記載するのは、PCのスペックの関係もあり、不可能ですので、手元にあります「 心経 」の「 奉讃文 」の「 かな文字 」を書きますから、詳しくは先ほどのようにご参照ください。

「 ぎゃていぎゃてい はらぎゃてい はらそうぎゃてい ぼうじそわか 」

という文章です。

この文章は「 真言 」というものらしく、その意味は、また上記のようにご参照して頂くのですが、私の考えでは、この「 真言 」を唱える意味は、日本仏教の「 念仏 」や「 お題目 」あるいは、「 アーメン 」などの発音と同様に考えているもので、私の身体や宇宙の物質が「 超弦理論 」でいうように、「 ひも状の素粒子 」であるならば、「 弦の共鳴 」を通して宇宙に迫ることを可能にすると思いますなら、「 唱える 」という行為は評価できると思います。

この「 真言 」の意味は無価値らしいですが、「 此岸 」に対する「 彼岸 」ですから、此岸(現生)にいながら彼岸(あの世)にいるものを賛美する文章のように、私には、思われまして、「 死んだつもりで行為しろ、生死を超えて生きろというもので、ふざけたことを言うもんだ 」 ぐらいにしか思われませんが、もし、この言葉が、「 すでに悟った人 」に向けられたらどうでしょう?

「 悟ること 」は「 あの世のこと 」でありますなら、悟った死後のあの世で「 どう生きるのか 」を考えての行為ですから、私にとっては、死後はエネルギーになりますから、「 生前に死後に行うエネルギーとしての行為をしなさい 」ということで、他の生物の命に成って他の生物を助け合う行為であるなら、「 因果の法則 」とは違って、死後のエネルギーの為す行為を、現世に引き戻して行為することにより、その連続性が保たれますから、やはり以前のように、生前に「 慈悲 」の行為をすべきことになってしまいます。

私の解釈では、「 我田引水 」ではありますが、その行為をする人が、所謂、「 即身成仏 」や「 生きぼとけ 」であり、その行為を続けなさいというのが、「 真言 」の意味するところとなります。

私に可能な「 慈悲 」といいますなら、年金生活の中で、財政の援助は到底、不可能でして、こうして私の考えを拙いまでも、慈悲を目覚めさせる「 菩提心 」を起こすことぐらいです。

それは、「 空なる我 」から「 自我 」を反省して、「 自分は他の生物と同様に、エネルギーのひとつの現象であり 」、同じ構造の生物を動かすエネルギーに理解を示し、その人の目線から見ての「 色即是空 空即是色 」を考えて、絶望の中から「 希望 」を持たせることであり、それを、財政豊かな人々は「 心 」だけでなく、生活に「 楽 」を与えることもできますから、政治家をはじめ財界人や天皇に「 慈悲 」の行為をして欲しいと願うだけなのです。

私はあと数か月で70歳となり、乏しい生活のため「 医療費の自己負担が二割 」の「 弱者 」になるようです。

以前にも書きましたが「 一切皆空 」は「 一切皆苦 」と同じであり、生きている限り「 苦 」はつき纏い、なにがしかの「 苦 」に包まれながら「 死 」を迎えるのであり、その「 苦 」の金銭的な悩みを少なくして頂く政府に感謝しながら、生きなくてはならないのかなあ?と思います。

「 自殺 」で、この世の「 苦 」から抜け出しても、行先の「 浄土 」は「 この世 」であり、しかも人間として生まれる保障はないのですから、今の「 苦 」残したまま「 死 」を迎えることになりますが、その「 苦 」を再び背負うことになる人生に生まれ変わるかもしれず、自分が置き去りにした「 自分の遺恨 」を「 他人の苦 」によって清算してもらわないと「 成仏 」できない、不完全なエネルギーになってしまうかも知れませんので、できるだけ「 怨念 」を残さぬ人生を送りたいと思っています。

エネルギーとして死後に行う行為を生前に行為すると考えますと、主君の遺恨を晴らすための赤穂浪士の討ち入りも、「 義士 」と呼ばれる価値があるかも知れません。

その意味で、江戸時代の「 赤穂事件 」の大石内蔵助の辞世の句に魅かれるのかも知れません。


「 あら楽し おもひは晴るる 身は捨つる 浮世の月に かかる雲なし 」

( ↑ 主君の墓に刻まれたもの )

「 極楽の 道はひとすぢ 君ともに 阿弥陀をそへて 四十八人 」

                                             (大石内蔵助)

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作家:高口 克則
 空なる我  下巻
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