昔むかし 選択され、気に入って購入。 毎日でも使っていた綺麗な絨毯。
確実に人の目を引き付けていた高額な絨毯(じゅうたん)。 人気があった。
今では、黒く成り、絨毯の毛がつぶされ、切れ、色あせて見た目も汚なくて、購入どころか、ゴミとして処理料金を取られる位にまでに成って床に敷きっぱなしに成っていた。
違う意味で目を引き付けていた。 (見るも無残な姿)
ひらひら~、ひらひら~、太った大きな色の悪い茶色っぽい蛾(が)が真っ黒い天井からゆっく~りと螺旋を描きながら、降りて来た。
床のほこりを舞わせながら、着地する。
汚ない蛾がゆらりゆらりと羽をは・ば・た・か・せ・た。
まるで溺れているかのように見えていた。
疲れたかのようにバタツキを止め、そして、またバタツカセル、その繰り返しが続いた。
そして、ついにバタツキを止めた・・・・・・力尽きたのか、命が尽きたのか!?・・・・・・。
!?・・・・・・床に静かに吸い込まれて行った。
沈んで行くのと反対に白く小さな二つの羽が中に浮いた。
透けるくらいの顔らしき物!?と両手!?両足!?が羽の周りにあった。
その動作と共に床が時間が経つごとに水面のように丸い波紋広がり、次第に変わっていった。
白と黒のパンダ状のナスカの床絵に成った。
始めは、奇妙に見えていたが、慣れるとオリジナルの可愛さがあった。
そこにバレーボール大のスケルトンの玉や野球の球、ピンポン玉、透明なビー玉・・・etcがゆっくり落ちて来ては、床に当たり、跳ねては、消えた。
玉には、文字が書いてあった。
L O V E l o v e M E d o.
ユー ノー アイ ラブ ユー.
床に文字が落ちる度に山本太郎のような超芸術的なピアノ絵画に当たり、ゆっくりしたオルゴールが流れる仕組みに成っていた。
ドリカムの『ラブ ラブ ラブ』などの愛をテーマにした空中楽譜!?が、玉が落ちる度に曲が次々と流れ続けていく。
奏でている最中 一つの玉が床を抜けた。
時間が止まる、コマ送り状態、時間がさかのぼった。
跳ねてあちらの世界から、こちらの世界に戻って来た時には、汚ない絨毯に戻っていた。
玉が空中で消え、一時の静寂な世界に戻っていた。 一粒の埃!?が天井からゆっくりと落ちて来る。
暗いクライ真夜中で、その円の一空間だけ明るかった。
夢を見ているような世界が広がっていた。
誰もが見ていて楽しめていた・・・・・・!?
よくよく見てみると丸の中には、もう一つ小さめな円があった。
二重の球にリンボウダンスをしているかのような横の輪。
内側の円の中には、縦の三重の輪があり、オシャレな牢屋みたいに、下には、タコのように七本の色の足があった。
天井から床にシャボン玉のような透明で球のような玉が部屋狭しとあちらこちらでゆっくりと降って来ていた。
高さによっても、色が変わり、音が違っていくらしい。
手元の《モグラ叩きゲーム》みたいな光にちっちゃいエイリアンが手!?を軽く添える事で球がその光に上下左右、四方八方にワープし、光と重なり、音を出した。
どんどん消えて瞬間移動してワープし、光と重なって行く。
まるで部屋内が明るいうちの稲光を思わせる感じで石原 裕次郎の"ヤクザなドラマー"を太鼓やシンバルを叩き、見えないスティックが目に見えるような勢いのあるリズム感で奏でられていた。
松任谷 由美の『春よ』も奏でていく。 リピート~再生~etc・・・。
それを今まで悪い事をやってきた汚れたドブネズミがいつからか、どこからかやって来た一匹がドンと中央であぐらをかいて見ていた。
完全に見入り、飲み込まれていた。
次第に仲間のドブネズミが何匹何匹ももフテぶてしい様相で肩を振って歩いて来ては、ドカンと座り、目を鋭くさせては、ドカンと座る。
怪しい、恐々しい奴ら達を集めていた。
しかし、見た目と違って内面は、心を清められていた。
やはり、芯から悪い奴は、いなかったようだ。
やはり、各々の判断と心の置き場所は、難しいようだ。 ・・・みんな少しずつ変わって行こうよ、まだ遅くは、ないよ、始める事は・・・。
この空間では、静かで音一つ響いていなかった。
白をベースにしたこの部屋!?には、何も無かったし、絵を描く画用紙のキャンパスのようでもあった。 2次元の平らな世界・・・奥行きがない・・・!?
犬や猫がじゃれて肉球のある手を動かすようにポンポンと突然、黒い跡がつく、そして手袋が現れた。
パントマイムをしているみたいに二つの手袋が開いたり、にぎったり、フィンガーアクションをしたり、無いはずの物を上げたり、下ろしたり、引っ張ったり、止めたり、縮めたりして無い人体を表現力を使って作っていく。
(人が居る・・・・・・!?)
手っ、手っ、手っ、手っ×4、BGMが部屋に流れ始めた。
空中に黒いハンコを押していく、黒く丸みのある靴が出てきてムーンウォークをしてゆく。
マイケル ジャクソンの『ビリージーン』がパントマイムと組んで舞台を作り上げでいく。
古い跡は、用がなくなると新しい跡を引き立てるように自然に消えていった。
ムーンウォークをしているが、足跡が小さく成っていき、白いキャンパスに奥行きを描いていく。
四方八方左右上下逆さに足跡を残していく。
奥行きが場所場所で消えては、表現し、消えては、表現し、ハツカネズミの車輪みたいに足跡を描き、ワープし、ミュージカルサーカス+マジックを演舞していく。
足跡は、黒いインクが細胞分裂をするように黒い球体に成り、色々な色に変わっては、リピート×3を繰り返しては、小さく散って行った。
絢香とコブクロの《あなたと》がゆっくりとビアノ音で流れる。
ピンポン玉と白い手袋がピアノを叩き、音を奏で、パフォーマンスをするように音の強弱や魂の叫びを相手に伝えるところでは、音によって大きさや色やスピードを変えてミックス パフォーマンス アートをやり遂げたのだった。
一部屋以外の空間にも形が見えてくる。
私達は、日々 未来に向けて歩いて行く。
ー・し・∠・〆・ξ・⊂・∽ 色々な種類・形や色の髪の毛が、人の居ない廃墟の床に広がり落ちていた。
塵と一緒に成り、汚れていた。 汚なかった。
何処からか、太く短い棒が"欽ちゃん走り"みたいに空中を浮遊し、揺れながら出て来て、中空に文字を書いた。
「ショータイムスタート!?・・・・・・」
髪の毛!?が、そこかしこで動いて!?いた。
しかし、線が細く目視では、何が何だか判らない状態だった。
上から、黒い雨がナイアガラのように降って来た。 部屋中が真っ黒く成る。
弱い魚が強い魚から、身を守るベイトボール(魚の玉)のように髪の毛が色々な蛍光色を放って楕円形を作り、時計回りに回っていた。
上下左右に動く生きた蛍光灯といった未来型電気を造っていた。
回転を変えたり、点滅したり、形を変えたり、分離や合体をしたりする。
そして、また再び暗く成った。
止めたのか、終わったのか、長い時間 遠近間のない暗闇が続いた。
中央付近に小さな小さな点が現れた。
コマの絵が・・・揺れた・・・光の髪の毛が色を変えて出たり・・・コマの回転を変え・・・中心に集まったり・・・絵を描いたりした。
揺れながら、わずかに光を増し、大きく成っていった。
光が飛散し、そこら中で繊細な雷を広げ、落とした。 空気中で水中で光を変え、形を変え、色を変えた。
★・ж・☆・▼・§・・・etc
しかし、無音だった。
定期的に終わり、また多種多様なパターンが行われた。
音の無い静電気まがいのプチ雷、見ていて面白かった。 興味が湧く。
夏場になると子供に戻れ、見る事が出来る線香花火を真下から見ていた物が、光の点や線、色や濃さでアートされ、描写されていた。 3D映像で流れるように角度を変えて見れた。 芸術作品だった。
消えては、現われ、詳細に表現して訴えていく。 ひと夏の恋人同士の思い出に成るくらい綺麗で美しかった。
聞こえないはずの音が聞こえて来る・・・見とれる・・・心に残る。