小説の未来(19)

 小説は、言語・記号によって構築されているわけです。言い換えれば、小説そのものは、単なる言語・記号の集合体です。だから、読む人によっては、全く意味をなさないものでもあるわけです。

 

 例えば、フランス語の分からない私が、フランス語で書かれた小説を読んでも、全くちんぷんかんぷんで、私にとっては、何の価値もない単なる文字のられつでしかありません。

 

 仮に、ある言語で書かれた小説があったとします。この作品が意味を成すには、読者が書かれた言語を理解できるということが、前提となるのです。つまり、小説というものは、使われた言語・記号が、読者に対し関数的機能を果たした時に初めて、価値を持つのです。

 


                             

                            小説にチャレンジ

 

 

 

 小説は、論文ではありません。だからこそ、自由に、自分勝手に、未来を創造し、自分なりの現実感を創造できると思っています。今、自己嫌悪に陥り、社会に疑問を持ち、未来に悲観的な人達は、是非、自分なりの未来を創造するために、小説にチャレンジしていただきたいと思います。

 

 小説に無関心な人も、できれば、騙されたと思って、暇つぶしと思って、気分転換と思って、一度小説を書いてみられてはいかがでしょうか。小説を書いたからと言って、悲しみ、苦しみ、憎しみ、などが消え去るわけではないかもしれません。でも、きっと、現実を見る目が変わると思っています。

 

 すでに述べたように、小説は、小学生でも書けるのです。芸術の中でも、小説は、もっとも原始的な創作活動なのです。私も、もうしばらくは、書けるように思っています。これから、小説は、私をどこに導いてくれるのか?私に何を教えてくれるか?楽しみにしています。未来を切り開く小説を武器に、ともに頑張ってまいりましょう。

 


春日信彦
作家:春日信彦
小説の未来(19)
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